とある科学の魔眼使い   作:虎鉄

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第5話

 路地裏で絡んで来たスキルアウトを倒した士騎は疲れた様子もなく目的地の銀行へと向かっていた。その足取りは軽いようで息一つ乱れてはいない。障害物を飛び越えながら、かなりの速度で走っている。

「スキルアウト共のせいで思ったより時間が無くなっちまったぜ」

愚痴をこぼしながら、ようやく終わりの見えた路地裏を抜ける。

 そこには予想通りの光景が広がっていた。

「うっわ、随分と派手に強盗してくれてんじゃねーか」

目的地であった銀行から黒煙が上がっているのを見て士騎は溜め息を吐く。銀行前では昨日ビルの屋上から眺めていた時に現れたツインテールの風紀委員が闘っていた。強盗相手に竦む事無く、華麗に自分の技を叩き込んでいた。

「ほぉ、なかなか強そうじゃないか。さすが風紀委員だけはあるなぁ」

一人目の強盗を地面にねじ伏せた風紀委員はそのまま二人目の強盗Bと対峙する。炎を出して威嚇してくる相手にも冷静に対処し、相手を中心に円を描くように走り始める。

「上手いね、こりゃあ俺の出る幕は無さそうだな」

強盗Bを空間移動で倒し、黒子は一息吐く。

「まだ強盗はいるのに油断はよろしくないなー」

逃げた強盗Cの方へ士騎が目を向けると、これまた厄介な事になっていた。

 たまたま現れた男の子を人質にするつもりなのか強盗Cが男の子の腕を引っ張る。

「どうやら、俺の出番みたいだな」

士騎がそう呟いて走り出そうとしたその時。

「ダメーーっ!!」

いつの間にか男の子の身体を掴んだ佐天涙子が強盗Cと対峙していた。慌てた男は容赦無く佐天に蹴りを叩き込もうとする。

「佐天さんっ!!」

茶髪で単発の少女、恐らく昨日の超電磁砲らしき人物が声を張り上げる。

「ちっ!!」

士騎は地面を抉るように踏み込み50mはあった距離を一瞬で縮める。そのまま佐天に蹴りを放った強盗Cの足を掴み取る。

「おいおい、女の子に手を上げるなんて男の風上にも置けねー奴だな」

そう言って士騎はあえて強盗Cを小馬鹿にするかの様に笑う。

「なっ!?テメェいつの間に!!」

その声に恐怖で目を閉じていた佐天がゆっくりと目を開く。そして目の前の光景を見て驚く。

「し、士騎さん!?」

「おう、昨日ぶりだな」

士騎は強盗Cから目を離して佐天へと目を向ける。その表情には強盗犯に対する恐れや焦りといったものは存在しなかった。

「くっそ!離せよコラ!!」

強盗Cの抵抗に言われた通りに手を離す士騎。自由になった強盗Cは即座に標的を佐天から士騎へと変える。

「邪魔しやがって!!ぶっ殺してやるっ!」

懐からバタフライナイフを取り出し士騎に向かって振りかぶる。

「士騎さん、あぶなっ……!?」

佐天の慌てた声に返事する事なく、士騎はゆっくりとした動作で強盗Cが振り降ろして来た右腕を掌で左側へと逸らした。それだけで相手の攻撃は空振りとなり、更に勢い良く空振ったせいで身体のバランスも崩れる。士騎はそこから僅かに半歩だけ踏み込み鳩尾に添える様に拳を置く。

「ぐがっ……!?」

たったそれだけで強盗Cは悶絶した表情を浮かべながら崩れ落ちる。手に持っていたナイフも握力が弱まり自然と地面へと落ちる。士騎は万が一のためナイフを道路脇の茂みの方へと蹴り飛ばす。

「す、すごい……」

佐天は士騎の一連の動きを見て感動していた。相手が激しく動いているのに対して士騎は非常に緩慢で自然な動きだったため見惚れていたのだ。

 

「黒子っ!!」

一方、佐天が強盗に蹴られそうになっているのを見ていた美琴は怒り上がっていた。あまりの剣幕に名前を呼ばれた黒子がビビっている。

「こっからは私の個人的なケンカだから。悪いけど手出させてもらうわよ」

美琴は怒りを溜め込むかのように静かに怒る。しかし美琴の周りにはかなりの放電が巻き起こっている。

「思い出した。風紀委員には捕まったが最後、身も心も踏みにじって再起不能にする最悪のテレポーターがいて……」

「誰のことですの?」

倒れ込んだままの強盗Bの呟きにとぼけた顔で答える黒子。

 最後に残された強盗Dも自分が不利なのを完全に理解しているため、慌てて逃走用の車に乗り込んでエンジンを掛けた。勢い良くアクセルを踏み込んだ為、道路に焦げ跡が出来る。そしてそのまま強盗Dの乗った車は走り出す。

 もちろん、それを御坂美琴が黙って見ている訳がない。美琴はゆっくりとコインを上へと放り投げる。

「更にはそのテレポーターの身も心も虜にする最強の電撃使い(エレクトロマスター)が!!」

走り出した車は何を思ったかUターンして美琴たちのいる方向へと向かって来る。大方、自分たちの邪魔をした学生たちを轢き殺そうとしているのだろう。

「そう、あの方こそが学園都市230万人の頂点、七人のレベル5の第三位」

落下して来たコインは美琴の指に弾かれ、音速の3倍以上の速度の飛ばされる。飛ばされたコインは電撃を纏い地面を抉りながら車へと一直線に進む。

 そして爆発音と共に車が吹き飛ばされる。

「超電磁砲、御坂美琴お姉様。常盤台中学が誇る最強無敵の電撃姫ですの!」

 

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