Fate/Grand Order 朱槍と弟子 作:ラグ0109
#27
翌朝…僕は何故か体を丸めた防御態勢で部屋の入り口で眠りこけていた。
柔らかいベッドの上で寝ていなかったせいか、身体の疲労はこれっぽっちも取れていない…と言うかつい先程まで警戒状態を保っていたかの如く筋肉が強張っていて、自分の身に一体何が起きていたのだろうか…?
こういう時は朝から湯船につかって全身を揉み解す様にストレッチするのが良いのだけれど、生憎とこのカルデアの部屋には湯舟と言うものは存在せず、シャワーのみしか利用できない。
とはいえ、贅沢も言っていられないほどの倦怠感が全身を襲っていた僕は、のそのそとした動作でシャワールームへと入っていき体を清めていく。
清め…と言うとなんだか頭の片隅に何か引っかかる様な…あぁ、そうか…清姫だ。
彼女は先の第一特異点にて、僕の事を安珍だの旦那様だのと言ってすり寄って来たバーサーカーの英霊だ。
少女がバーサーカーと言うのも不思議な話だけれども、安珍清姫伝説における逸話を紐解けば納得せざるを得なくなるとダ・ヴィンチちゃんは言ってたっけ…なんでも、男に逃げられて追いかけるうちに愛情が憎悪に代わり、執念から龍に転じたとか何とか…。
恋慕の情と言うものは時に人の心を溶岩の如く燃え滾らせてしまうものなのだろう…僕は、どうだろうか?
恋い焦がれてはいる…とは思っているけど、果たしてそれが憎悪に変わるほどの恋慕なのかと問われると…それもまた違う気がする。
…こういった感情もきっと人それぞれなのだろうし、多分あの清姫を基準に考えてはきっと駄目だろう。
僕はシャワーを浴びて思考をさっぱりとさせてシャワールームから出ると、目の前にいる筈のない人物が穏やかな笑みを浮かべてバスタオルを差し出してくる。
「
「……」
僕は目を白黒とさせて、契約をした覚えのない清姫を見つめるのと同時に昨夜起きたことが脳裏にフラッシュバックを起こす。
そう、疲れ果ててベッドにダイブしたその時に、彼女は既に僕のベッドの中に潜り込んでいたのだ。
直後、僕は逃げ場のない部屋の隅まで全力後退し、疲労からそのまま気を失ったのだ。
「な、なな…なんでいるんですか…!?」
「わたくし、ますたぁの為ならば例え時空の果てであろうとも駆けつけてみせます。尽くす女ですから」
僕は全身から冷や汗を流しているような感覚に襲われ、しかし表面上は平静さを保ちつつ清姫からバスタオルを受け取って体についている水滴を拭きとっていく。
清姫はそんな僕を頬を赤らめながら顔を背け、ちらちらと此方の様子を伺う様に視線を何度も送ってくる。
「あぁ、こうしてますたぁのお世話ができるなんて…この清姫、感無量です」
「…何時から居たの?」
「あのふらんすの一件で強制退去された直後ですから…そう大して間を開けてないかと。勿論、わたくしとしては間を開けるつもりはありませんでしたけども!!」
レイシフト後と言う事なのは、当たり前だけど…単独で召喚されている状態とは言え、僕に掛かっている負担は大きく増えていない。
如何な英霊であろうとも、現界に必要な魔力量と言うのは途方もない量となる。
騙し騙しではあるものの、僕の疲労が完全に抜けきらないのはメインサーヴァントであるお師匠…スカサハとのパスが直接繋がってしまっていることが原因になっている。
そも、聖杯戦争と言う形式で召喚される英霊は、勿論マスターとなる魔術師からの魔力提供を以てして現界し続けるのだけれど、聖杯からのバックアップがあって初めて現界維持を保つことができるそうな。
カルデアの召喚システムも聖杯戦争の形式を踏襲する形で、マスターをバックアップしている。
具体的には、このカルデアと言う施設自体を疑似的な依り代として仲介させる形で現界させる事でカルデアのメイン動力から魔力供給を行って維持。
マスターは戦闘によって生じる魔力消費のみを補填する形で、英霊を補助していく。
故にカルデアのマスターに求められる資質は家柄から来る魔術師的な地位や魔術回路の本数等ではなく、安全にレイシフトを行う為の適正なのだ。
だからこそ、今まで魔術とは無縁だったと言う立香さんがマスター候補として抜擢されているのである。
「…僕、君と契約をした覚えがないのだけれど?」
「いいえ、わたくしはますたぁとの縁を元に召喚に応じたのです。ですからわたくしはますたぁに尽くす愛され
「結婚した覚えもないです、はい…」
一向にブレる事が無い清姫を見て、深いため息をつきつつ僕は新品の制服に袖を通していく。
間違いなくカルデアを依り代として僕と契約をしている状態の様だ…と、なるとこのカルデアで一番召喚システムに詳しいであろう人に直接聞いてみる必要があるだろう。
このまま問題があるかもしれない状態で召喚システムを使い続けるのだけは本当に不味い気がする。
必ずしも此方に友好的な英霊ばかりが召喚されるとは限らないのだから。
「いいえ、わたくしとますたぁは、結ばれる運命の元に出会ったのです。ですからこれは夫婦も同然…!」
「そこで言い切られても、僕同意してないっすよね!?」
「いいえ、ますたぁがわたくしと契約してくれたと言う事実がありますので。ので!!」
清姫はそれが真実だと言わんばかりの勢いで、着替え終えた僕の身体にしがみついてくる。
鼻孔を華やかな香りが擽っていき、女性特有の柔らかな身体が押し付けられてくる。
何よりもバーサーカーだと言うのに、その膂力はあくまでも少女の範疇に収められたものであり、決して僕に害をなそうと言う気配は感じ取れない。
少しばかり名残惜しい気もするけど、ダ・ヴィンチちゃんに清姫の件を聞く必要があるので僕はやんわりと清姫の身体を離す。
「あぁん…ますたぁのいけず…」
「いけずじゃないし、何度も言う様だけど、僕は清姫とは結婚してないからね?取り敢えず、行くところがあるから大人しくしてて…」
余計に疲労が溜まった様な気がして眩暈を覚えるものの、僕は気を取り直して部屋から出て研究エリアへと向かう。
現在カルデアのシステム周りの責任者は、ダ・ヴィンチちゃんが担当している。
これはダ・ヴィンチちゃん以外に適任者がいなかったため、緊急的な措置に過ぎない。
ダ・ヴィンチちゃんも英霊である以上、カルデアに何か起きた時現界を保っていられるかどうかは分からない。
しかし、彼以上の頭脳を持っている存在が現状――と言ってもこの緊急時以前からだけど――存在しない為、頼むしかなかった…と言うのが内情だ。
本人は現在置かれている状況を深く理解してくれているので、二つ返事で請け負ってくれたと言う事だ。
僕はダ・ヴィンチちゃんの工房までたどり着くと、木製の扉をノックして中へと入る。
「お、来たね~。君が此処に来ることは承知していたとも」
「一体何やったの…」
ダ・ヴィンチちゃんは工房内に設えているショップカウンターの奥で椅子に腰かけ、優雅なコーヒーブレイクを楽しみながら僕と3歩後ろからついてきた清姫を見つめる。
今の発言を察するに、どうやらこのイレギュラーな召喚はダ・ヴィンチちゃんが1枚嚙んでいる様だ。
疲れを吐き出す様に僕が深いため息を吐き出すと、ダ・ヴィンチちゃんはパンッと両手を合わせて拝む様に頭を下げる。
「いや~、この天才も極々たま~~~に失敗をするものでね。こういうのを猿も木から落ちる、と言うのかな?ハハハ」
「ははは、こやつめ」
「待った待った、そんなに怒らないでくれたまえ。我々としても得難い戦力を確保している状態な訳だし、そう悪い話でもないだろう?」
ダ・ヴィンチちゃんは、僕を馬か何かの様に宥めながら、カウンターの下から英霊召喚システムの触媒となる呼符と虹色の金平糖の様な拳程の大きさがある結晶体を取り出す。
呼符は言わずもがな、兄弟子クー・フーリンや錬鉄の英霊エミヤを呼び出したときに使用したので知っているけど、隣に置かれた金平糖擬きは何なのだろうか?
「この結晶体は聖晶石と呼ばれるもので、このカルデアの動力部で生成される魔力結晶体なのさ。この結晶体は莫大な魔力を蓄えていて、その総量たるや1個で君の手に刻まれている3画分に相当する。まぁ、それだけの魔力総量があるなら触媒の代わりにできるかなーって思って英霊召喚システム『フェイト』に使用してみたんだけど…ちょ~っとそこで手違いがあってね」
「…まぁ、原因は分かりましたけど、それだとダ・ヴィンチちゃんが契約したって形になりません?」
「だから言っただろう…手違いがあった、と。いや~、この私もまだシステムの全貌を把握しきっていた訳ではなくってね」
ダ・ヴィンチちゃんはドヤ顔でコーヒーを啜り、ふぅと一息つく。
ダ・ヴィンチちゃんは、このカルデアでも古参に部類する存在だ。
もっとも、本人は比較的好き放題をやっていた質なので、真面目に業務に励んでいた訳ではない様だけど。
それでも、ダ・ヴィンチちゃんは天才と呼ばれた存在だし、現在進行形で自身を天才と言って憚らない。
そして、僕達にはそれを否定するだけの能力は無い。
それだけ…言ってしまえば異質と言う事だ。
「どうも、『フェイト』はレイシフト可能なマスター候補生を対象としてでしか起動できないように何者かがロックをかけていたみたいでね。しかもこれがシステムのメインフレームと同期してあるものだから、下手に手を出そうものなら最悪レイシフトできなくなる。随分と手の込んだ事をしてくれたものだよ」
「それで、二者択一状態で選ばれたのが僕だった訳ですか…だったら、放送か何かで英霊を召喚したことを周知すべきだったんじゃ…」
日常的に魔力をガンガン吸われると言う恐怖の事態が免れたのは良かったものの、何故このヤンデレ娘なのだろう…心理的な負担が半端ないんですけど…第一特異点のティエールでは、立香さんやマシュからは白い目で見られたし…。
おそらく、清姫はこれからも正妻を主張し続けるだろう…外堀を凄まじい勢いで埋めながら。
別に嫌いなわけではないけれど、その…僕には…。
「それはわたくしがダ・ヴィンチさんにお願いしましたの。ますたぁとの再会を劇的なものにしたかったので…」
「そうだね、劇的だったね!抱き枕かと思ったよ!!」
「まぁ!そのまましっぽり抱いていただいてもよろしかったのに…」
「東雲クンもスミに置けないねぇ…」
「スミに置いておいてほしかったんですけど!けど!!」
僕は両頬に手を添えながら顔を赤らめる清姫に抗議を込めた視線を送るものの、本人は何処吹く風と言わんばかりにあらぬ妄想の世界に旅立ち、そんな様子を見たダヴィンチちゃんはニヤニヤとした笑みを浮かべながら此方を見つめてくる。
僕は力なくがっくりと肩を落として、今日何度目かのため息を吐き出すしかなかった。
あれから清姫をどうにか言い包めてダ・ヴィンチちゃんに押し付けた僕は、カルデア戦闘服に身を包んでレイシフトを利用した戦闘シミュレーション内の密林をお師匠であるスカサハと駆け抜けている。
密林は地面がぬかるんでいる上に大小さまざまな木々の根が突き出していて、非常に走りづらい。
しかも鬱蒼と生い茂っている所為で視界も悪く、目標が目立つ存在とは言えまるでカムフラージュでも施されているかのようにその姿を見つける事は出来ない。
僕は一度足を止めて木陰に身を潜め、手に持つ朱槍で地面にルーン文字をいくつか刻み込んでいく。
「ふむ…やはり此方の様子を伺っているようだな」
「変に仕掛けられるよりはまだ良いですよ…おかげで下準備ができるわけですし」
お師匠は僕の傍らで涼しい顔で瞳を閉じ、僕が動くのを待っている。
お師匠は今回の戦闘シミュレーションを行うにあたって、1つの条件を設けた。
それは、宝具の開帳は行わないと言うものだ。
これはゲイ・ボルクが必殺の一撃である上に、全力投擲を行った場合、僕の魔力が枯渇してしまう可能性があるためだ。
カルデアのサポートを万全に受ける事ができない僕は、魔力の枯渇によって動けなくなるばかりか、お師匠の現界維持も困難になってしまう可能性がある。
今はシミュレーターによる訓練なので命の危険はそれ程ないとは言えるものの、実際にそれを起こす訳にはいかない。
宝具を開帳しなくても十二分に敵と渡り合う事ができるようにする、と言うのが今回の訓練の趣旨になっている。
僕は大きく深呼吸してから地面に刻み込んだルーン文字を起動させ、連鎖的に他の地点にも刻み込んだルーン文字を起動させる。
すると、僕と同じ姿をした幻影が浮かび上がり、少量の魔力を抱えて四方八方へと駆け出していく。
これで、あちら側に動きが出る筈だ。
「フッ…一斉にお主が増えたものだから、慌てて動き出したな」
「所詮は獣…ってことなんでしょうね。行きましょう」
遠くで木が倒れるような音が響き渡る。
今回のシミュレーターの標的である獣が、幻影を襲ったために出来た物音だろう。
僕達は音を頼りに再び密林を走って標的へと追い込みをかけていく。
1つ、また1つと幻影が消えていく度に僕達は標的へと迫り、密林の中でも大きく開けたエリアへと辿り着く。
その場に居たのは奇妙な獣だった。
全身は闇に侵されたかのように黒く、頭には目に相当する器官は無く、口腔内はズラリと鋭い牙が並び立つ。
獰猛な豹を思わせるような体躯は自動車の様に大きく、太く先端が先細りをする長い尻尾は蛇の様にのたうち回っている。
「これが、
「生きとし生けるものの天敵と言ったところだ。この魔獣は生ける者の血肉だけでなく、その魂ですら腹の内に収めてしまう。性格は獰猛にして残忍…獲物と見定めればそれを注意深く観察し、最大の効率を以て嬲り続ける。恐怖に打ち震えた魂程、甘美になるようだからな」
お師匠が槍を構えるのと同時に、僕は先ほど起動させたルーン文字を停止させて目の前の戦闘に注力する。
全力で戦わないとはいえ、現界も戦闘に必要な魔力も基本的には僕が賄っている状態だ。
しっかりと足を引っ張らないようにしなくては…!
お師匠が踏み込むと同時に、ソウルイーターは四肢に蓄えられた凄まじい筋力を如何なく発揮して低空を滑り込む様にして跳躍し、素早く前足に備えられた鋭い爪を振り下ろす。
お師匠はその一撃を槍の穂先で素早くいなして地に叩き下ろさせ、いなしたときの反動を利用して素早く体を回転させて鋭い回し蹴りを目のない顔へと叩き込む。
強かに打ち付けられたソウルイーターはその場に踏ん張ることが出来ずに蹴り飛ばされ、地面を転がっていく。
だけど柔軟な身のこなしで体勢を整えると、素早く体を左右に振る様にして跳躍する。
お師匠がソウルイーターを標本の様に縫い付ける為に5本ものゲイ・ボルクを投擲したためだ。
目の見えない状態で如何にして察知したかは分からないけど、すんでのところで回避しつつもかすり傷を負ったソウルイーターは激昂し、咆哮するような仕草をみせる。
「…っ!?」
その瞬間、周囲の音が掻き消える。
比喩でも何でもなく、風の音もお師匠が振るう槍捌きも耳に入ってこなくなる。
お師匠は涼しい顔で槍を握り続けているので、恐らくなんともないのだろうけど、僕には致命的な状態だ。
視覚は言わずもがな、聴覚と言うものは相手の動きを察知するうえで重要な役割を担っている。
その聴覚が、恐らく一時的なものであろうと使えなくなると言うのは視界以外の全方位に無防備を晒しているのとそう変わりが無い。
僕は右手を横に払う様にしてルーン文字を展開して地面に固定させ、万が一の対処のために矢避けの結界を展開する。
これで少なくとも投擲物による被害を最小限に避けられるはずだ。
咆哮を終えたソウルイーターは、全身からドロリとしたタールの様な黒い物質を発生させる。
それらは、地面に黒い染みを作り出しては気化していき、ソウルイーターの全身を黒い靄が覆っていく。
全身が黒い靄に染まり切った瞬間ソウルイーターの姿が掻き消え、次に視認できた瞬間お師匠の身体が空高く弾き飛ばされているのが見える。
血が流れていないところを見ると、お師匠はあの見えない攻撃を見事に捌ききった様だけども、本調子ではない状態でそう何度も捌ききれるものでもないだろう事は想像に難くない。
僕は手に持つ朱槍を地面に突き立て、ルーン魔術によって地面から強靭な蔦状の植物を呼び起こし、ソウルイーターの捕縛を試みる。
この土地は自然にあふれ、植物が多く自生している為にこうした魔術による負担が少なくて済む。
しかし、そんな事はソウルイーターも御見通しだったようで神速の如き素早さで蔦を避け、或いは鞭のようにしなる尻尾で断ち切り僕へと狙いを定める。
「スカサハァッ!!!」
聴力が戻ると同時に、英霊の名を呼ぶ。
死ねない、死にたくない…シミュレーションの中だと言う事は頭の中からスッポリと抜け落ちて、礼装に宿る魔術スキルを行使する。
ソウルイーターは一直線に僕に向かって駆けている。
故に、最早回避は互いにできない…できないのだからこれは最早必中とも言える精度で僕の掌から強力な呪いが叩き込まれる。
『ガンド』
物理的な痛みは伴わないものの、その強力な病魔の呪いは相手に一時的な神経麻痺を起こさせて、まるで時が止まったかのようにソウルイーターの肉体を硬直させる。
ほんの数秒の拘束でしかないものの、確かな隙をお師匠が見逃すはずもなく上空から5本のゲイ・ボルクを投擲してソウルイーターの肉体を地面に縫い付け、トドメとばかりに落下速度の乗った槍の一突きを脳天へと叩き込んで着地をする。
「はぁ…勝てた…」
「私が付いているのだ…勝てて当然とも言えような。とは言え、お主自身が魔術に徹した点は評価しよう」
お師匠はソウルイーターの頭部からゲイ・ボルクを引き抜いてタールの様にどす黒い血を振り払うと、女神もかくやと言わんばかりの笑みを浮かべて僕の頭を優しく撫でる。
心地よさと照れくささで顔を赤らめると、お師匠は良し、と頷く。
「ではこのまま魔物狩りを続行するとするか。あぁ、シチュエーションはランダムで変えるように…。そうさな、6時間もやり続ければ身に染みてこの馬鹿弟子も突撃癖を直すことだろう」
「まって、お師匠、まって。加減!加減と言うものをですね!?」
「そぅら、私がコソコソと狩っていた難敵ばかりだ。気を緩めるなよ?」
先ほどよりも何処か輝いているように見える笑顔を見せたお師匠は、僕の襟首を掴んでずるずると引きずり始める。
僕はジタバタともがいて抜け出そうとするものの、
お待たせしました。
週一で更新再開です。
エイプリルフールからの明治維新で現実を叩きつけてくる運営は、人の心がわからない…(ポロロロン)
オッキがいるのでヒッジが欲しかったのですが、無事に引くことが出来て僕はホッとしてます…ガチャ、三万くらいの天井を設けるべきだと思うんだよなぁ…
次回
「まったく…知りたくもないのに互いの手の内が分かってしまうと言う事に、腐れ縁を感じざるを得んな」
「そらこっちのセリフだ赤マント…だがまぁ、贅沢も言ってられねぇってもんだろ?」
「やれやれ…」
「あの2人、仲いいよね」
「照れ隠しなんじゃないの…?」
「「誰が照れ隠しか!?」」