今日も今日とて非日常 作:祇風
肉体労働辛い
GWはお休み戴けた奇跡ありがたや~
「くーぅん…」
力なく横たわる多分狐。
怪物を倒したあと、出てきた事を考えるとさっきの怪物はコレなんだよな…
取り合えずカシウスの石突で軽く突っついてみる。
「くー…」
反応はあるな…。あまり野生の動物は近づきたくないんだけどなぁ…
と過去にしでかした事故であり事件を思い出す。あれは俺としては問題なかったんだけどな…
まぁ、それは置いておいて怪我させてしまったのは大体俺のせいだから連れて帰ろう。
「ヘルト。家まで飛ばしてくれ」「畏まり~」
とヘルトに頼むと足元に魔法陣が展開され、光がだんだんと強くなっていく
「ドルンレースヒェンも有難う。バリアジャケットも解除していいぞ」
そう伝えると鎧が消え去り普段着に変わる。
傷ついた狐を抱き抱えて次に来る転移の衝撃に備えた。
「転移開始します。」
その声と共に光で視界が潰され、体が浮くような感覚が襲う。
強い光でまだ視界が回復しないが浮いた感覚が消えると重力にしたがって体が落ちる
うっすらと目を開けると視界に飛び込んできたのは
「え」「あ」
透き通るような金髪と見開かれた紅い瞳だった
side フェイト
母さんからのお願いを受けた私は数日前からここ第97管理外世界…通称地球にやってきていた
ここに落ちているであろうジュエルシードの回収
だけどこれは予想外でした。ジュエルシードを取り込んだ動物が突然変異してしまった
突然の戦闘に驚いたけれど、背中に尻尾を打ち付けられたぐらいでそれ以外に大きな怪我もすることなく怪物になってしまった動物を倒しジュエルシードを回収することが出来た。
だがそこで気を抜いてしまった私は背後から襲い掛かってきたもう一匹の怪物に気付く事ができなかった
そこで私は多分頭に怪我をしてしまったらしく意識を失った。
少ししてから私は意識を取り戻せた。戦闘中しかも背後からとはいえ頭に受けたのを短時間で意識を取り戻せたのは僥倖だった。
目を開けて体を持ち上げる。すると其処にはこの世とは思えないほど幻想的な光景が広がっていた
足元を覆う綺麗な花々、その香りを感じるだけで痛みが和らいでいく。
視界の奥のほうには頂上の見えない塔も見える。
「フェイト!大丈夫かい!?」
アルフが走り寄って来る。それに頷いて立ち上がろうとするも脚がいうことを利かない
仕方なくバルディッシュを杖代わりに立ち上がる。それを横からアルフが支えてくれる。
「アルフ。ここはいったいどこ?」
支えてくれているアルフを見ると眉を顰めながら目線で前を見るように示してくる
「あそこでフェイトを襲った怪物と相対してる奴がなんか杖を掲げたら何時の間にか…」
と説明してくれた。
白い鎧を着込み、腰から何か紐らしき物が垂れている。
背丈的には私と同じ位だろうか?真っ白?でも光を反射しているから銀色かもしれない髪が三つ編みされている
彼でいいのだろうか?あんなに髪の綺麗な人は見たことない。だがそんな彼の姿に似合わないもの…それは身の丈以上ある大きな黒い杖を持っていた。
童話に出てくるような騎士の姿をしているのに持っているものは魔法使いの杖。
あまりのちぐはぐさに少し違和感を覚えるがそこは取り合えず置いておこう
「早くあの人を止めないとこのままじゃジュエルシードが取られちゃう…!」
走る事ができないから仕方なく一歩ずつ歩いていく
すると彼が突然何処からともなく槍を取り出したので警戒したがすぐにそれも解いた
彼が槍を怪物に向けたからだ。ぶつぶつと独り言のように誰かと会話している
バルディッシュを彼の背中に突きつける。正直に言えばこんな事はしたくない…けれど母さんのためにもジュエルシードを集めないといけない!だから!
「それから…離れてください…」と彼に聞こえる声量で言う
「まぁ。落ち着け、取り合えず武器を下ろせ。」と此方に振り向きながらそう言った
彼の顔を見た瞬間、私は息を飲んだ。
まだ子供っぽさが強いが整った顔、掻き揚げた前髪、見る者を魅了しそうなほど赤より赫い色をした左目。月の様に妖しい色を醸し出す金色の右目。
まるで御伽噺に出てくる皇子様や勇者のようだと思った。
そんな風に言葉を失っていると彼が口を開いた
「この怪物は俺が処理しておくからお前は座って華達に傷を治して貰え」
傷を癒せと言われて自分の体を横目でさっと確認すると意識を失う前にあったかすり傷や尻尾で打ちつけられた背中の痛みは消えていた。
ここまで高度な医療技術を持っているのならもしかしたらこの人は…
とそこまで思考してから頭を振る。そんな訳はない、ここは管理外世界だ。
「…貴方は何処の…魔導士ですか。何の目的で…その石を集めようとしてるんですか」
バルディッシュより彼に向けて突きつける。この腕が小さく震えているのは見間違いだと思いたい。
「(フェイト、コイツが少しでも変な動きをしたらその瞬間にブッ飛ばすよ)」
とアルフが戦闘態勢に入ろうとする。
「人と話すときは武器は下げるべきだ。」
そういうと彼は手に持っていた杖を地面に突き刺した。これは彼に戦闘の意思はないと見ていいのだろうか?
なんて考えていたのが命取りだった。彼は左手を胸に当てたかと思うと私たちの足元に魔法陣が展開される
「その質問の答えは…自分の目で確かめるといい」
「チッ!フェイト飛んで!術式を破壊するから!」
アルフが咄嗟に魔法陣を破壊しようとするが私は直前に気を抜いてしまった事もあり全く動く事ができなかった
「ヘルト、短距離転送魔――動……転送―は―――の部屋だ」
彼が何か呟いていたが聞き取りきれなかったがこれだけは分かった。私達は捕まってしまったという事だろう。
せめてアルフだけでもと思い、アルフのほうを見るがアルフは彼の呟きが聞き取れたのか目を見開いて固まっていた
そして光が私達と彼の間に壁となって視線を弾かれた。
光から目を庇うように腕で顔を覆う。少しの浮遊感と転移時に起きる形容しがたい違和感
それが収まると重力に絡め取られ、下へと落ちる感覚。
衝撃に備えるが襲ってきた衝撃はやわらかい感覚とギシッというばねが軋む音だった。
「え?」
恐る恐る目を開けると其処は誰かの私室にあるベッドの上だった。
部屋の中を見渡すと黒い扉に机、本棚、ベッドと少々殺風景な部屋だなと思った。
だが後ろを振り返ると目に飛び込んできたのは白い刀身の剣だった。
「!?!?」
突然目の前に剣が飛び込んできたら誰でも驚くだろう
更に視線を右左上に向ければ何故さっき気付かなかったのかと思うぐらいに刀剣、あれは質量兵器だろうか?も掛けてある
転移魔法を行使しようとするもうまく魔法が発動しない。それどころか少しづつバリアジャケットが解除されていく。
もしかしてリニスが言ってたアンチマギリングフィールド!?
これじゃあ念話も飛ばせない…。あ、アルフは!?
私と一緒に飛ばされたはずのアルフがいなかったのだ。まさか彼は私達を別々の場所に送ったのだろうか?一つの魔法だけで其処まで器用な事ができるんだろうか
扉と窓を確認してみるが窓は二階なので飛び降りれば逃げられる。
だけど魔法が発動できなければ大怪我を負ってしまうかもしれない
扉の方は内側から鍵が掛けられていただけだった。
一度扉を開けて覗いてみたけれどにぎやかな声が聞こえた。最悪部屋から出た瞬間に見つかるかもしれない
「どうしよう…」
魔法も使えない。アルフも居ない。この部屋から逃げ出す事もできない。
これでは母さんのお願いを叶える事も出来ないとベッドに腰掛けて小さく溜め息を零していると頭上が突然光りだす
バッ!と振り返ると丁度、ベッドの上で光が集まっている。
何が起きても最低限身構えていると一際強く光が強くなった
あまりの光の強さに目が眩む。それでも目を逸らさずに見ていると
「え」「あ」
光が収まった先に居たのは先ほど私達を此処に飛ばしてきた彼が其処にいて此方に落ちてくる
彼が腕の中に何か抱いて居るのが見えたが私は抵抗する事もできずに押し倒されてしまった
ドサッと後ろがベッドだったお陰で幸い怪我などはないが彼が私の上に倒れているせいで身動きがとれずにいた
「いててて…。なんで俺の部屋にいるんだよぉ…」
と情けない声をあげながら彼が私の上で体を持ち上げる。その際に目と目が合う。
「「………………」」
互いに無言の時間が続く。そして不幸はより重なるってことを今回始めて知りました。
ガチャと扉が開かれる。互いに扉の方に顔を向けると…
「」唖然とした顔で動かなくなった銀色の髪で毛先に黒いメッシュが入ってるつり目の女の子
「……」無言でありながら即座にデバイスを展開した茶色い髪の無表情(でも若干目が冷たい?)の女の子
「あれ!?僕が居る!?」と水色の女の子。私と瓜二つな顔をしている
此方に指を指しながらナワナワとしているアルフ。よかった無事だったんだ…
ただそのアルフの後ろから出てきた人。
それは私の大切な家族で、沢山のことを教えてくれたわたしの先生で…
「リニ、ス…?」
私が小さく呟いたその声が聞こえたのか。リニスは…
「はい。貴方の知っているリニスです。フェイトまた強くなりましたね。」
とやさしく微笑んでくれた。
私は胸のうちから上がってくる感情を抑えられずにそれが涙となって零れ落ちていく
いつの間にか私の上からいなくなっていた彼が手を引いてくれる。
そのまま彼は私を起き上がらせると
「感動の再会だ。話したいこととか沢山あるだろう。行くといい」
と耳元で呟くと体を横に退ける。これで私とリニスの間には何も障害がなくなって…
リニスが両手を広げて待ってくれている。私は其処目掛けて飛び込む。
「リニス…!!リニス…!!また逢えた…本当に…!」
リニスに抱きつきながら感情が更にあふれ出す。それ以上言葉が出てこない
「…ふふ、やっぱりまだフェイトは甘えん坊さんですね…」
と穏やかな声で頭を撫でてくれる。私は更にリニスの胸に顔を埋めて声を押し殺しながらなくのだった。
side 刀夜
俺は絶賛正座させられている。一応拾ってきた狐はシュテルの手腕により治療は終えている
背後にはルシフェリオンをバスターモードにして構えたシュテル。
目の前で紫天の書を開きながら俺の喉にエルシニアクロイツを突きつけるディアーチェ
その背後でレヴィと談笑しているアルフ。お前ら俺を助けろよ
「王よ。言い残す事はありませんか」「トーヤの見境のなさは知っておったがここまでとは」
「何でお前らは俺の話を聞く前に判決を下すんだ。俺の話を聞いてからでもいいだろ。」
既に俺が有罪判決なのは可笑しい。それと見境がないとはなんだ。これでも公私は分けてるぞ
「そう言うがトーヤよ。貴様が拾ってきたものは全て女子だぞ」
「それに今回の狐も化生の類でしょう。間違いなくアレは雌です」
拾ってきたってもうちょっとマシな言い方ない?保護とか任意同行とか
あとあの狐、妖怪だったのね。幼孤じゃなくて妖孤なんだな
「それに先ほども何もないようにしていましたが押し倒してましたよね」
シュテルがルシフェリオンを更に構える、いやもう構えるじゃなくて先っちょ刺してますよね。
あ、やめて背中ゴリゴリしないで食い込むから!マジで!
「あれは事故なんです。転移してきたら真下にいたんです。ワザとじゃないんです」
「ディアーチェ、判決を」
ディアーチェが紫天の書を閉じて、エルシニアクロイツを地に立てる。
「判決を言い渡す。」
なんで俺、人助けしただけなのに裁判起こされているんですかね…
「有罪」
ディアーチェが判決を下すと後ろのシュテルがチャージを始める。
この音は……ディザスターヒートか、一撃で仕留めてくれないとは鬼かな?
「まぁ待てシュテル。トーヤが有罪なのは確定だが今回に限り弁明の余地もある」
そういうと紫天の書を戻し、エルシニアクロイツを待機状態に戻す
シュテルもチャージをやめてデバイスを降ろす。仕舞ってくれてもいいのよ?
「だからトーヤ今夜は我らと寝よ」
「は?」
「聞こえんかったか?今夜は我らと寝るのだと言っている」
聞き間違いではなかったようだ
「ハァ!?何言ってんの!?男女七歳にして同衾せず!!」
「つい此間までレヴィやユーリと寝てましたよね」
「いやそれはあいつらが心霊番組見て怖くて寝れないとかいって俺の服を離さなかっただけだけど」
怖いもの苦手なくせに好奇心で最初から最後まで見るあいつらの気が知れん
俺?そういうのは信じない性質なんでまず見ない。妖怪の類は信じるけど
「なに何の理由もなく共に寝るわけではない。其処の小娘は今日泊まるのであろう?」
「リニスの部屋はベッドがシングルだ。そこに小娘…あと使い魔を部屋に押し込むわけにはいかん」
「それで今回だけだが我らの部屋を貸してやろうと言うわけだ」
なるほど確かに筋が通ってる。それに俺の部屋のベッドはキングサイズだから三人ぐらいなら普通に寝れるが…
ベッドがキングサイズの理由?寝相は悪くないんだが寝返りが多いせいで時々落ちるんだよ。
「なら仕方ないけど…お前らが寝るなら俺リビングのソファで寝るけど…」
さすがに女子二人と寝るのはまずい
ほら、外見9歳だけど中身は20歳届いたから…言ってて悲しくなるな…
「其処は気にしなくて良い。トーヤが手を出せぬように両側を挟むからな」
「王よ、これ以上御託を並べるのなら撃ちます。」
「おっけ、寝よう。だからルシフェリオンを仕舞うんだ」
非殺傷とはいえ打ち込まれたら魔力波で意識吹き飛ぶぞ…
それと向こうで抱擁しているふたりもそろそろ戻ってきてもらわないと
「リニス~?そろそろいいか~?」
と声を掛けると抱擁したままだが此方を向いてくれる。
「すみません刀夜。ああ…そうでした、フェイト」
抱擁を止めフェイトをこちらに振り向かせる
「この子がフェイト・テスタロッサ…元主の娘です。フェイト彼が今の私の主です」
そう紹介するとフェイトの背中を押して此方に寄せてくる
「えっと、フェイト…テスタロッサです。よろしくお願いします…」
顔を赤くしてもじもじしながらの自己紹介。なんかこう…くるものがあるよね。
「俺は盾守 刀夜、刀の夜で刀夜だ。よろしくな」
と自己紹介で返しながら右手を差し出す。
右手と俺の顔を何度か見直すと訳が分からなかったのか首をかしげた
「フェイト、握手ですよ。貴方と友好を結びたいんですよ」
とリニスが説明してくれる。それを聞いたフェイトは
「友好…えっと友だちってことでいいんだよね?」
「そうだな。俺と友達になってくれるかな?俺だけじゃなくてあいつらともなってくれるとより嬉しい」
そういうとフェイトは困ったような顔をして
「私、友だちを作った事ないからどうやったら友だちになれるか分からなくて…」
何この可愛い生き物。ユーリと一緒にしたら萌死できる自信があるぞ
「そんなの簡単ですよ、フェイト」
リニスがフェイトの手を取りながら言う。その手を俺の手を握らせ
「これだけで人は友だちになれます。簡単でしょう?」
「これからよろしくなフェイト。」
リニスが微笑みながら言い、それに続くように笑顔で手を握り返す
「う、うん!よろしくねトウヤ!」
ぱぁと花が開くように笑顔になるフェイト。かわいい 可愛い(重要な事なので二回言いました)
「それでなんだがフェイト、今日はもう遅いから泊まっていけ。」
「其処の使い魔も」と言いながらシュテルとディアーチェに部屋を案内するように指示する。
「ねぇねぇ。トーヤん、今日シュテルん達と一緒に寝るんでしょ?僕も一緒に寝てもいい?」
とアルフと談笑が終わったレヴィが聞いてくる。流石に四人はきつくないかな…
と少し考え込んでいるとレヴィが上目遣いで「…ダメ?」と聞いてくるので断れず…
「今日は四人で寝る事になりましたまる」
「何処に向かって話してるんですか王よ。早くこっちに来てください」
とシュテルが自分の横を叩いて催促してくる。因みにレヴィは既に寝た
「ほらトーヤさっさと寝るぞ。」とディアーチェが枕を抱きながら言う。それ俺の枕…
仕方なくノソノソと自分の布団の真ん中へ寝転がる
そして両端からシュテルとディアーチェに腕を絡められる。あの身動き一つ取れないんですけど…
「コレぐらいすればトーヤが我らを襲う心配もなかろう」
「私としては普段抱き枕で寝てますので抱きつかないと寝られないんです」
ときつく腕だけではなく体まで抱きしめてくる。甘い匂いがして来たぞ
なんて意識してしまったのが運のツキ。急速に体温が上がった気がする
「さ、さっさと寝よう。あ、明日も早いからなぁ!」
と無理やり体の向きを変えて眠る体制に入る。するとシュテルが体勢を変えた理由が分かったのかそれとも動けないようにするためなのかよりいっそう抱きしめてくる。
「ふふっ…そうですね。早く寝ましょう。」「ああ、明日の朝食の事もあるからな」
そう言って二人は目を瞑ると直ぐに寝息を立て始める。
直ぐ寝れるとはもう少し女の子としての自覚はないのだろうか。いやまぁ手を出す勇気も無いんですけどね
と一人で考えていれば布団の誘惑にはやはり勝てなく瞼を閉じるとそのまま夢の中へと引き込まれていった
刀夜の他者から見た容姿の表現にむっちゃ困った。
こうやって少しずつ主人公はハーレムを形成していく(なお本人自覚なし)
運がよければGW中もう一話上げるかも?