……
うん、まあ言うならアレから翌日だよ。
炊事、洗濯、掃除、火事────じゃなくて買物。僕は今、腋巫女神社でこんな家事を熟させられてるワケですよ、はい。
俺に取ってはまぁまぁ普通だ。家では時々ながらも家事を手伝わされたきた身だから、一応やり慣れてるのよ。
────そうそう、昨日の事で気になる事があったのに、皆さんお気付きだろうか? 実は、霊夢は俺に"能力の使用を制限をするように"と念を押しただけなんだわ。
本来なら念を押すより御札である程度封印するとか、能力を使えないようにするのが普通だろぉ。しかし、霊夢は俺に御札を貼るどころか、ただ口で、言葉で言っただけだ。
更に実はで、あの後霊夢にちょいと訊いてみたんだ……
"霊夢さん? 何故俺に制限しないのぉ?"
“制限? したわよ”
"単に言葉で念を押しただけじゃないの"
“封印でもすると思った? 残念、あなたの能力は封印とか抑止が効かないの”
"どゆこと?"
“あなた能力の力が強過ぎるのと、能力の存在が大き過ぎる。これが効かない理由”
"……たったそれだけぇ?"
“たったじゃないわ、しっかりとした理由よ。封印や抑止には能力の力と存在が重要なのよ。力が強過ぎたり、存在が大き過ぎたりすると、封印も抑止も不可能なのよ。例によって、『核融合』の力は抑える事が出来ないし”
"あぁ、あの空さんね"
“まぁ、あんたなら無理に使う事も無さそうだから、口だけで良いかなって思ったの。大それた事が出来るような度胸も無さそうだし”
"ま、確かにそうだ────って、おい"
“何度も言うようだけど、くれぐれも無闇に使わないでよね。私が面倒になるし、幻想郷だって危なくなるんだから”
────と、まぁこんなとこですよ。俺から言わせりゃ、能力なんて控えめに使えば良いと思ってるし、そんな誰が"こんなに"素晴らしい幻想郷を危険に曝すなんて言うバカをするんだ。
俺ならば絶対に"そんな"能力の使い方はしないね。それに大前提、こんな能力の使い方あまりわからないから無理だしさ。
決して度胸が無いからとかじゃ無いぞ?! 俺は俺で考えてるし、破壊行動はしたくないって思ってるだけだからな?
「さてぇ? 炊事良し、洗濯良し、掃除良し。取り敢えずは片付いたかな? 霊夢さ〜ん! 終わりましたよぉ!」
やる事が終わった俺は霊夢が居そうな場所へ走り出す。勿論、みんなわかっての通り、霊夢が居そうな場所とは、縁側だ。
「霊夢さぁん、終わったよ────ありぃ?」
縁側に顔を覗かせたが、霊夢の姿は無く、ただ飲みかけの御茶と食べかけの茶菓子のみ存在してる。しかし首を左に向けると、庭に霊夢が居た。
すぐ左に居たのに、気付かなかった……だと? 目の前の事に集中し過ぎた場合に起きるおバカな現象が今、俺に発生した。やっぱ幻想郷に来てから間が抜けてるのかな、俺。
首を傾げて自分の異常を気遣いつつ、俺は直ぐ左の庭に居る霊夢に歩み寄った。いつに無く真剣な様子と雰囲気を漂わせている霊夢に近づき、そっと耳元で声を掛けた。
「もしもーし、霊夢さ〜ん」
「ひゃあッ!?」
俺の御声がけに豪く驚いた様子で跳躍し、頬を赤らめながら周囲を見回し、俺を発見した途端にいきなり俺の頭に平手を振るった。擦り気味なので、大して痛くは無いが、一応痛がっておく。
「痛ッ! 何をするだァー霊夢さん!」
「いきなり耳元で囁くように言うなッ! ビックリしちゃったじゃないの!」
「だからっていきなり平手打ちは無いんじゃないのぉん?」
「何言ってんのよ! 今の平手に手応えが無かったあたり、あんた大して痛く無いでしょ⁉」
あららバレてましたか────まぁ、そりゃそうだよな。平手の一撃なんか一番手応えがわかり易い攻撃だし、そんなのが擦ってたら誰だって痛がるワケも無いし、当然だよなぁ、うん。
「それよりあんた、やる事ちゃんとやったんでしょうね?」
「おう、それが終わったから丁度今それを伝えようとしたところ、平手をくらい、今に至るワケですわ」
「ッ! ────終わったなら終わったで普通に言いなさいよ! 何でワザワザ耳元で言うの!?」
「おもしろそうだったから」
「はぁッ!? おもしろそうだったからって、何で耳元で……耳元で……さ、さささ……/////」
えーっとね、何故にこの娘は顔を赤くしてオドオドしてしまってるのでしょうかねぇ? うーん、僕には全くわかりませんでありますよ、えぇ。
「何を顔を赤くしてるんですかぁ? もしかして、耳元にキちゃった? 意外と可愛い面あるんだね霊夢s(バキッ」
────痛いわ、それは痛いわ霊夢さぁん。いくらなんでも知り得る限りかなり丈夫な木製の御祓棒で人の頭を叩くなんて、いくらなんでも痛い酷い……
「んむぅ!」
「まぁ、そう怒らずに。俺だってこうして頭にタンコブつくったんだから」
「あんたが何も言わなきゃそうならなかったでしょうがッ!! それにそれは私がつくったヤツ!」
「随分と楽しそうだな、霊夢。私も混ぜてくれよ」
さて、白黒のネガポジ大好きな皆さん。お待ちかねの「〜だZE☆」で有名な盗人小娘、
「魔理沙、来てたの?」
「今さっき来たばっかだ。それで、そこの見るからに外来人は、何だ?」
「彼は優。私の神社の前で爆睡してた呑気な奴よ」
「どうも、呑気な奴で〜す」
「────みたいだな。外来人って言うからにはおもしろいのかと思ったら、さすが予想を裏切らないな。お前の神社に現れる外来人は皆面白かったからな」
やや、どうやら霊夢さんの神社に現れた外来人の先輩達は皆さんおもしろかったようです。俺もその履歴に恥じぬよう、おもしろく居ようではないか!
「さっきからお前誰と話してんだ?」
「幽霊です(迫真)」
「……で、魔理沙。今日は何の用で来たの?」
「わはは〜い!wwww 無視されたよ!wwwwww 僕今かなり綺麗に無視されたよ!wwwww 清々しいくらい華麗にスルーされちゃったよwwwwwwww」
「あんた少し黙って!」
「はいはい、わかりまぁした」
霊夢さんにエラく怒鳴られてしまったので、私は少し黙る事に致します、はいお口チャック。俺が喋らなくなると、一息於いてから魔理沙さんが口を開いて話し出しました。
「実はな、ここ最近妖怪の山の麓近くに温泉が湧いてな! 今からそこに行こうと思うんだが、どうだ?」
「温泉? 良いわね、実は最近妙に異変が連続して疲れてたところなのよ。丁度良いから私もそこで日頃の疲れを癒そうかしら」
「ほい来た! じゃあ早速行こうぜ! 優、お前も勿論行くよな?」
「ん? あ、いや、俺はやめとく。俺風呂はあんま好きじゃないんだ。いいよ、俺は留守番しとくから、霊夢さんと魔理沙さんは楽しんでらっしゃいな!」
妖怪の山、山の麓近くの温泉、更にこの二人の異変解決者…間違いない、地霊殿だ。つまり、この先の俺の介入は物語の進行上、許されないって事だ。
わかっているからこそ、行かない────いや、わかっていても行きたい、しかし行けない。それが理……? 俺の中で強く芽生え、発達した謎の意思か?
『まさか、これが狙いだったワケでは無かろう……。幻想の賢者、八雲よ……』
「ん? 優、今お前何か言ったか?」
「えっ? 何が? どうした? 俺何も言ってないけど?」
「じゃあ今の声は……空耳か。さて、じゃあ行こうぜ、霊夢」
「えぇ」
頷いた霊夢さんは魔理沙さんと一緒に妖怪の山に向かって飛んで行った。こうなったからには俺も何処か行くつもりだ、霊夢さんばっかり良い思いさせてらんないもんねぇ。
さて、皆さん気になる俺の行きたい場所は、ズバリ紅魔館でしょう! Yes! その通り紅魔館、何も答えてもらってないだろうけど勝手に話を進めるぞ!
実際にこのゲームが新規発売された順からその舞台の地へ赴く事にする。理由? 特に無いと言っておこう、だって楽しそうだから。
そうと決まれば、早速紅魔館へGO! 善は急げなり! それが人間、好奇心の塊とは俺の事だ。では、これより、優の幻想郷気まぐれ一人ツアー開始です! パチパチパチパチ!
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