進撃のGANTZ   作:3×41

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第1章
第1話 木


地面と空が高速で回転する。

 

 

 

地面、空、地面、空、地面、空

 

 

 

森から見上げる薄暗い空と砂利がまじった地面が交互に入れ替わって

どちらがどちらだかわからなくなる

 

遠くで馬の叫び声と飛び散る血の臭いが鼻をついた

 

 

 

高くそびえたつ壁の外で震える生命はどんな灯よりも「やつら」をひきつける

 

噛み砕かれる脅え、怒り、信念、欲望。そこから染み出した血が再び人類の歴史を赤く塗らす。

 

 

 

地面と空の回転がとまりすぐ目の前に褐色の土が広がる。視界のわきを小虫がはっていった。

 

 

 

森の中で馬上から巨人の襲撃に合い地面に投げ出されたエレンは

はねるように振り向いた。

 

 

 

馬のほうを振り向くと、数体の巨人が馬をむさぼり、一体の巨人が薄く笑いながらこちらに向かって全力疾走してきているのがわかった。

 

遠くでミカサがエレンの名前を叫ぶのが聞こえる。

 

 

 

 

 

◇

 

 

 

 

 

馬上で森の木々が高速ですぎさっていく、ミカサは調査兵団の数名と全力疾走する馬上で激しく揺さぶられながらエレンの名前を叫びながら背後を見た。

 

 

 

数十メートル後ろで小さくこちらに走ってくるエレンが見える。

 

 

 

しかし人間が走る速度と巨人が走る速度は比較にならない。

 

 

 

エレンを捕まえようと振り下ろされた巨人の腕がエレンの右側の立体起動装置をはじきとばした。

 

ミカサの見るはるかむこうでエレンがバランスを崩して地面に倒れこむ。

 

 

 

「エレェェェェェン!!」

 

 

 

ミカサは叫んで、全力疾走する馬の上に立ち上がる。

 

暗い森の木々が高速で後ろにすぎていく。

 

 

 

立体機動装置を発動、後部から高圧ガスに押し出されながらミカサは揺れる馬上から、

真上の巨木の枝に跳躍し、はるか眼前の巨人を睨みつけると、両足に力を入れる。

 

 

 

と、横からそばにいた調査兵団隊員がミカサにつかみかかった。

 

 

 

「ミカサをとめろおおおおおおお!!」

馬上の隊員が叫ぶ。

 

 

 

ミカサをおさえた隊員がミカサに言う

 

「いくなミカサ!20体以上の巨人をわれわれだけで相手をするのは無理だ!」

 

 

 

 

 

◇

 

 

 

 

 

ミカサはすこしも迷うことなく両手を腰にかけた二本の歪曲刀に伸ばす。

同時に別のミカサに飛び掛っていた隊員がその刀を打ち払った。

 

 

 

「刀を取り上げろ!殺してでも行くぞこいつは!!」

 

 

 

ミカサはつかみかかる隊員たちの体を揺らしながら叫んだ!

 

「行かせろ!!殺すぞ貴様等!!!」

 

ミカサの顔は鋭くゆがみ、狂犬の形相ではるか眼前のエレンから目をはなさない。

 

 

 

「やめろミカサ!エレンは、、、あきらめろ、、お前まで死ぬことはないんだ!!逃げろ!!」

 

 

 

ミカサは狂犬の形相で前方をにらみつけたまま涙をこぼす。

 

「死ぬ!死なせろ!!エレンといかせろ!」

 

ミカサは前方を睨んでさらに叫ぶ

 

「エレン、、エレェェェェン!!」

 

 

 

 

 

◇

 

 

 

 

 

暗い森の闇が下りる中で、血液が沸騰するのを感じる。

 

死ぬか、こんなところで俺は死なない。

 

巨人の巨大な指がエレンの体を地面に押し付け、強烈な力で肺から空気が押し出される。

エレンは眼前の巨人を鋭く睨みつけた。

 

 

 

 

 

巨人は薄く笑い、エレンの目の前で巨大な口を開けた。

 

ニチャっという音がして大きく、口が開かれる、巨大な赤い口腔と、糸を引く唾液が覗いた。

 

 

 

殺してやるっ!

 

 

 

巨人が地面に貼り付けられたエレンの左肩に噛み付く、鋭いナイフに突き刺されたように、

痛みで左肩が燃え上がる。

 

 

 

殺してやるっ!

 

 

 

巨人がさらに力を込めるとエレンの左肩から血液が噴き出し、バキンバキンと骨が折れる音が響いた。

 

 

 

エレンの目が見開かれ、巨人を射殺さんばかりに睨みつける。

 

 

 

殺すっ!駆逐する!俺がお前らを全員殺しつくしてやる!!

 

 

 

ビキビキと音を立ててエレンの背後から巨大な背骨が出現する。

 

その背骨から伸びた肋骨が目の前の巨人に突き刺さって押し出すと

さらに骨に沿って筋肉が発生し、左肩を失ったエレンの体を包み込みはじめる。

 

 

 

俺がお前らを地上から駆逐する!!!

 

 

 

巨大な骨と筋肉を発生させながら、

一体の巨人が前方になげだされた巨人におおいかぶさるように立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

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