パルテア区中部
男の兵士が建物の上を立体機動で高速移動していた。
この組の生き残りは自分ひとりだけだ。あとの四人は全員巨人に食われた。
隊員の悲鳴が今も耳にこびりついているようだった。
と、そのとき、かすれるような声が聞こえた。
「ひぇぇぇぇ、ひぇぇぇぇぇ」
そちらを見ると、6Mの巨人が手に老婆を持って、今にも口に運ぼうとしている。
「ちっ!逃げ遅れか!」
男は目の前の建物にアンカーを打ち込み、立体機動装置を起動、高速でジャンプすると、
巨人のうしろに走り、巨人の背部にアンカーを打ち込んだ。
そのままアンカーを巻き取り跳躍、両手の平面刀を持って巨人のうなじにたたきつける。
うなじをえぐりとばされた巨人は老婆を放り出して街道に倒れた。
老婆が街道に放り出される。
男は老婆にかけよる。
「おばあさん!大丈夫ですか!?」
そのとき、視界の光景が高速で反転し、次に頭に鈍痛が走る。
男は地面に転び、うちつけられていた。
何が起こったかまわりを見ると、老婆が走って逃げるのが見えた。
あの老婆が自分を転ばせたのだ。おとりにして逃げるつもりだ。
「あのババアっ・・・」
男は地面に倒れたままうめいた。
男の体に大きな黒い影がかかった。
振り返ると、二体の巨人が自分を見下ろしているのが見える。
一体の巨人が男に手を伸ばす。
男は反射的に息を呑んだ。
「ひっ」
そのとき、別の何者かが自分をかかえるのがわかった。
クリスタが男を抱え、向かいの建物にアンカーをうちこみ、立体機動装置を起動、跳躍する。さっきまで男がいた空間を巨人の巨大な手がつかむ。
クリスタが男に声をかける。
「もうだいじょうぶですよ。動けますか」
二体の巨人の背後に高速で黒い影が飛び込む、
ジャックリーとミカサが奥の巨人と手前の巨人のうなじをそれぞれきりとばす。二体の巨人は糸が切れたように建物につっこみ、街道に倒れる。
そのとき、ジャックリーの体を巨大な口が包み、飲み込んだ。
ローザが叫ぶ
「ジャックリー!!」
首に白い縄が巻きついた巨人がジャックリーを嚥下する。
エレンが叫ぶ
「きさまあああああああああああ!!」
エレンが立体機動で縄付きの巨人の背後から高速でせまる。
空気を切り裂く音が耳をつんざぐ。
縄つきの巨人のうなじにせまり両手の平面刀をたたきつけた。
平面刀は巨人のうなじの半分までうまって止まる。
「くそっ、かたい!」
エレンははっと気が付く、思い出したように背後の建物にアンカーをうちこむ、立体機動装置を起動、体が強力に引っ張られる。
さっきまでエレンがいた空間を巨人の巨大な手が高速でないでいく。
ローザが叫ぶ
「こいつは後回しだ!ここを離れる!」
ローザが立体機動装置を起動、高速で空中を走り、パルテア区前部に走った。
エレンや、ミカサも立体機動装置を起動、建物の上を高速で走る。
そのときクリスタは上を見上げ、上空に大型の巨人がウォールローゼに向かうのを見た。