ウォールローゼ壁上
モアルが巨大な壁の上からパルテア区の上空を見てつぶやいた。
「あれが飛行大型巨人・・・」
20Mほどの巨人が背中からはやした巨大な羽で羽ばたいている。
アニがいう
「あの巨人はウォールローゼにむかってきてますね」
ライナーがいう
「あいつがパルテア区に巨人を運んだんだ。次はウォールローゼの内かもな」
それを聞いてモアルがうめいた
「そんな、ウォールローゼまで破られたら人類は・・・」
アニがモアルにいう
「あの巨人を殺します。モアルさん、援護は頼みます」
アニがユミルたちにいう
「あんたら、今からわたしの言ったとおりに動きな」
◇
ウォールローゼ内側兵舎牢屋
エレンが鉄格子の向こうのアルミンにいう
「アルミン、俺がわからないのか?」
アルミンは少し逡巡する。
「だって、エレンは僕たちと一緒にいたし、君はエレンにとてもよく似ているけど、別人といわざるをえないよ」
エレンは両腕に力をいれる。手首の拘束具はびくともせず、手首がこすれて痛んだ。
「そんなこといってる場合か!!今壁の中ではミカサやみんなが戦ってるんだぞ!死んじまうかもしれない!!ここを開けろ!アルミン!!」
アルミンは首をふる。
「それはできない。僕がまかされてるのは見張りだ。それにその鍵を持ってるのは本部長だ」
「それじゃウォールローゼが破られたら。俺は犬死にだ!」
アルミンは唇を引き結ぶ
「パルテア区を奪還するために。みんな戦ってる」
そのとき牢屋の外から叫び声が聞こえた
「ウォールローゼに飛行大型巨人接近!!降下にそなえろ!!」
◇
ウォールローゼ壁上
兵士が叫ぶ
「飛行大型巨人がくるぞおおおおおおおおおおお!!!」
壁の上にいるモアルはアニにいう
「あなたたち、いったいなにをするつもりなの?」
モアルがみたアニはウォールローゼの壁のふちにたっていた。はるか眼下にはウォールローゼ内の兵舎が見える。
アニのとなり5Mにはライナーが並んでいた。
壁の上空に飛行大型巨人が見える
アニが壁の下にアンカーでぶらさがっているユミルとベルトルトに叫ぶ。
「準備はいいかい!?それじゃきな!」
壁の中部にぶらさがったベルトルトが叫ぶ
「それじゃいくよ!!」
ユミルとベルトルトはアンカーを壁の上部に打ち込んだまま、立体機動装置を起動、背中から高圧ガスを噴射し、アンカーが強力にまきとられる。
二人は壁をかけあがりながら高速で加速していく。
アニのしたからユミルが、ライナーのしたからベルトルトが高速でかけあがってくる。
ユミルとベルトルトがアニとライナーのしたまで加速してきたとき、アニとライナーはトンと壁からとんだ。
その両足をそれぞれユミルとベルトルトの肩にのせ、ユミルとベルトルトが肩にアニとライナーをのせたまま高速で加速し壁から上空に飛翔する。
壁から10m上空に上がったところでアニがジャンプし、立体機動装置を起動、圧縮ガスに背中を押されてさらに上空に加速する。
壁のはるか上空で滞空する。アニのまわりでは夜の空間が広がりあたりには星空が広がった。そして目の前10Mに飛行大型巨人の巨体が見える。
飛行大型巨人にアンカーを打ち込み、立体機動装置を起動、アンカーに強力に引っ張られながら、飛行大型巨人に向かって加速する。
加速しながら両手の平面刀を振りかぶる。そのとき、飛行大型巨人が身をよじった。アンカーがひっぱられ、アニの体が上にひっぱられる。刀がとどかず、飛行大型巨人とすれ違う。
アニは巨人から遠ざかりながらつぶやく。
「ちっ、仕損じた。しかしいい、その位置がいいよライナー」
アニが飛んでいった場所にライナーが上がってきていた。アニは立体機動装置を起動、高圧ガスを噴射して位置を調整し、ライナーに飛ぶ。
高速で接近するアニを見てライナーはうめく。
「な、なにっ!?」
アニがライナーの巨体に突進、両足をライナーの体に密着すると、そのまま両足の筋肉に力を入れ、ライナーをけりとばす。
「うおおおぉぉぉっ!?」
アニがライナーを踏み台にして強力に蹴り飛ばし、反転する。目の前には飛行大型巨人、そのまま飛行大型巨人にせまり、両腕に持った。平面刀を振りかぶる。
飛行大型巨人のうなじに向けて、両腕の平面刀をたたきつける。すると飛行大型巨人は右腕を振り上げ、平面刀はその右腕にはばまれ、右腕をえぐった。
「くそっ」
アニとライナーが夜の空中から落下していく。
飛行大型巨人はウォールローゼ上空をしばらく飛んで、パルテア区に引き返した。