進撃のGANTZ   作:3×41

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第19話 疾走

ウォールローゼ壁上

 

 

 

 上空を見た兵士が叫ぶ

「また飛行大型巨人が来るぞおおおおおおおお!両手にっ巨人を持ってる!!!」

 その声を聞いて、壁上のアニは火にてらされた夜の上空を見上げた。

 はるか上空に飛行大型巨人が両腕に巨人をかかえてウォールローゼにとんできている。

 両腕にかかえているのは巨人だけでなく、首に白い縄を巻いた人間もいるようだ。

 飛行大型巨人はさきほどよりさらに上空を飛んできている。

 アニは小さくうめいた。

「ちっ、あれをウォールローゼ内におろす気かい」

 

 

 

 

 

 

ウォールローゼ内兵舎牢屋

 

 

 

 体をエックス次にはりつけられたエレンはアルミンにいった。

「くそっ、アルミン、どうやったら信じてくれるんだ」

 

 アルミンは逡巡する。

「きみが無害な一般人だとわかったら。後で僕から臨時本部長にかけあってもいい。だからおとなしくしていてくれ」

 エレンは懇願するようにいう。

「アルミン、昔からの仲じゃないか。俺がわからないのか?」

 エレンは続ける

「ほら、昔、壁の外に出たいって俺がハンネスさんにいって殴られたのを覚えてるか?そのあと門に忍び込もうとしたら、お前に止められてさ」

 アルミンがおどろく

「なんでそれを知ってるんだ?ほんとうに・・・」

 

 そのとき牢屋の外から叫び声が聞こえる。

「飛行大型巨人がくるぞおおおおおお!!巨人もつれてるぞおおおおおおお!!」

 

 二人はそれを聞いて背筋が寒くなった。

 飛行大型巨人がウォールローゼ内に巨人をおろしたら、ここは戦場になる。それどころかウォールローゼの内門があけられれば、巨人がウォールローゼ内に大挙することになる。

 

 エレンは叫んだ。

「アルミン!!出せ!!ここから!!本部長でもなんでも引きずって来い!!」

 アルミンがこたえる。

「無理だよ!!軍規違反だ!!二人とも営倉行きになるだけだよ!!」

「頼む!アルミン!!」

 エレンは両腕の筋肉に力を入れガチャガチャと鉄の拘束具を押す、手首がこすれてやけどのように痛んだ。

 そのとき、エレンはアルミンが右手に持ってるものに気づいた。

「アルミン、お前、何を持ってるんだ?」

 

 アルミンが気が付いて言う

「これ?これは臨時本部長に渡された黒球だよ。君が持ってた」

 エレンはアルミンの手の中の黒球を見た。ゴクリとつばをのむ。

「アルミン、その黒球、こっちに転がしてくれ。足元でいい」

 

 アルミンがろうばいする。

「えっ、なんで・・・?」

「いいから!頼むアルミン!!」

 アルミンは逡巡する

「わかったよ」

 アルミンは鉄格子のそばまでいって右手を鉄格子の間にいれ、そこから壁にはりつけにされているエレンのほうに向かって黒球を転がした。

 黒球がエレンのほうに転がっていき、エレンの左足にコツンとあたった。

 エレンが足元の黒球を見ると、黒球の表面が青白く点滅しているのがわかった。

 

 

 

転送 しますか?    転送 しますか?

 

 

 

 エレンはつばを飲み込んだ。全身が熱くなっているのがわかる。

「ああ、転送しろ」

 アルミンがとまどう

「エレン、何をいって・・・」

 

 そのとき、エレンの体のまわりが黒くゆがんだ。エレンの体の上から徐々に黒くゆがみ、エレンの体に黒いスーツがあらわれていく。

 エックス字にはりつけられたエレンの足元まで黒衣が包む。

 アルミンはそれを見てつぶやいた

「なにが、おこってるんだ・・・」

 

 エレンははりつけられた両腕に力を入れる、黒衣が血管状にメキメキと隆起し、鉄の拘束具を押し付ける。バキンと音がして、鉄の拘束具が引きちぎられる。

 アルミンが驚いていう

「そんな、そんな馬鹿な」

 

 エレンは拘束具を引きちぎるとアルミンのいる鉄格子まで歩き、二本の鉄格子をそれぞれ手に持つ。

 エレンの両腕から背部まで黒いスーツがメキメキと隆起する。それぞれの手につかまれた鉄格子が左右にミリミリと音をたててゆがんでいく。

 ゆがみ、開いた鉄格子からエレンが出る。

 アルミンがつぶやく

「だめだ、だめだエレン、軍規違反になるよ!」

 ここで脱走したとなると、どんな刑罰がエレンにかせられることになるか、アルミンは叫ぶ。

 そのとき外からまた叫び声が聞こえた。

「巨人がくるぞおおおお!!」

 黒衣に身を包んだエレンは牢屋の出口に向かって走りだした。

 

 

 

 

 

 

ウォールローゼ内兵舎牢屋外

 

 

 

 兵舎の牢屋から黒い影が飛び出してくる。

 黒衣をまとったエレンだった。

 

 まわりにいた兵士たちが異常を察知し、エレンをとめる。

「貴様!!どうやって牢屋から出た!!止まれ!止まれぇっ!」

 エレンはウォールローゼの巨大な壁面に向かって疾走する。エレンをとめようと手を伸ばす兵士たちを振りきりさらに加速していく。

 

「とめるなああああぁぁああ!!」

 

 はるか眼前のウォールローゼの上空には飛行大型巨人の影が見える、ウォールローゼの上空をこえようとしているのだ。

 

 エレンはさらに足に力をいれて走り、ウォールローゼの壁面からさらに走る。

走りながらアンカーをウォールローゼに打ち込み、立体機動装置を起動、壁面に足をつけ、さらに駆け上がる。

 

 ウォールローゼの巨大な壁面が高速ですぎさっていく。

エレンはさらに背部の5つの噴出口を起動、バリバリと電気をはなちながらジェット噴射し、加速しながらウォールローゼの壁面を加速していく。

 

 

 

 

 

 

 ウォールローゼ壁上のアニはウォールローゼの下から黒い影が高速でかけあがってくるのが見えた。

 その黒いかげがさらに加速してウォールローゼの壁面から上空に飛んだとき、それが黒衣に身を包んだエレンだとわかった。

 

 エレンは高速で壁面をかけあがり、黒衣の立体機動装置を起動、はるか上空の飛行大型巨人をみすえ背部の5つの噴射口から強力にジェット噴射で加速しながら、

夜の空に加速し高速で上昇していく。

 はるか上空に見える飛行大型巨人がどんどん視界の中で大きくなる。

 エレンは背部の5つの噴出口のジェット噴射で強力に加速しながら両手にもった黒い平面刀をふりかぶる。

 

 高速で飛行大型巨人とすれちがいざま、そのうなじに両手の黒い平面刀をたたきつける。飛行大型巨人のうなじがえぐりとばされ、飛行大型巨人は力を失い、霧散しながら落下しはじめた。

 

 エレンは眼下にパルテア区の街が小さくうつるのが見えた。

 

 

 

 パルテア区後部の街道の上から黒い影が砲弾のように高速で降ってきた。

 その黒い影が街道の石に衝突する。

 

 ブシュウウゥゥゥゥゥゥゥ

 

 エレンの黒衣の足部が音を立てて衝撃を吸収する。

 エレンは体を上げ、目の前にパルテア区の街を見る。

 その眼光が鋭く輝いていた。

 

 

 

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