視界が暗転する。
何も聞こえない。
と、視界の上のほうから景色が視界の下へと広がっていく。
目の前に白い部屋が広がっていた。
エレンは思いついたように体を構える
「きょ、巨人!?巨人は!?」
エレンは周りを見回す。そこは10m四方の白い部屋だった。
右手にドアがあり、左手には小さな窓があった。
そして気がついたのは、エレンの目の前に鎮座する1mほどの黒い球であった。
「いない?巨人が、消えたのか?」
まだ心臓がドキンドキンと強く収縮を繰り返している。
部屋をきょろきょろ見回して、どうやら巨人がいなくなっていることを確認する。
そしてここはどこだ?
「このドア、鍵がかかってんのか?」
エレンがドアのぶをつかみ左右にひねってもドアが開かない。
エレンはドアを開けるのはあきらめて黒い球をはさんでその反対側の窓のほうに歩いていった。
窓の前まで行き、窓を覗いてみる
「なんだ、、ここ、、?」
窓の外から見えたのは暗く広がる空だった。
そしてその下のほうを見ると、星空のような赤く光る点が広がっていた。
「あれは、、壁の市街地か?」
ということは、この部屋は壁のはるかに上空にあるのだ。
どうやって、だれがここに自分を運んだのだ?それに、どうやってあそこに戻ろう。
さきほどから気づいていたことだが、壁に触れようとするとまるで間にガラスがあるかのように触ることができない。
と、突然後ろから声が聞こえた。
ほ~た~る~の~ひか~り~ まど~の~つき~
エレンが振り返ると、その音は黒い球から聞こえてきていた。
エレンは黒い球のほうに歩いていき、コンコンと叩いてみる。
「なんだこれ?中に誰かいるのか?」
そうしていると、ブゥンという音がして、
黒い球の前方から文字が浮き上がった。
おまえはしにました。そのいのちをどうつかおうが、
おれのかってなんだお(笑)
「なんだ?これ?」
エレンがいぶかしんでいると、球の両サイドがガコンという音を立てて開く、
そこに何か入っているのがわかった。
それは何かの入れ物と、さらに銃のようなものや刀のようなものだった。
「なんだこれ?うわ、これ重いな、20キロくらいあるんじゃねぇか?んでこれは?」
ケースには『さおなし(笑)とかかれていた』
「さおなし?なんだこれ」
エレンがケースを開けると、中には黒いゴムでできたようなスーツが入っていた。
「なんだこの変な服は、ん?これって立体機動装置だよな?」
黒いスーツには見慣れた立体機動装置やアンカーがとりつけられてある。
エレンが疑り深くみていると、黒い球の前方にさらに画像と文字がうかんだ
「なんだ?」
『こいつらをやっつけてくだちぃ』
映し出されていたのは巨人の画像だった。
好物:人間 特徴:でかい
泣き声:うあーうあー
エレンがよく知っている巨人の情報が書かれている
「うーん」
エレンはその画像を見ながら考える。
「よく考えたら」
さらに続ける
「俺死んでないぞ?」
『・・・』
「巨人に左肩をかまれて、そのままだったら死んだかもしれないけど、なんか変な肉につつまれて、痛みも消えてたし、うん、生きてた」
『・・・』
黒球はこたえない。
「死んでねぇっていってるだろ!なんとかいえよ!このくろだま!」
『では、いってくだちぃ』
黒球にそう文字が浮き上がると、エレンの頭部からじょじょに消えていく
「おい!なんだよそれ!死んでねぇって言ってるだろ!!聞いて、、」
エレンが言っている途中でエレンの口が消失する。
白い10m四方の部屋には誰もいなくなった。