建物の上から穴あきの巨人がミカサをつかんだのが見える。黒衣のエレンは血液が凍りつくように感じた。
巨人の巨大な右腕のいくつもの穴から白い縄が這い出してくる。ミカサは身をよじるが巨人の腕をふりはらえずにいる。
エレンは自分の心臓がにぎりしめられたようだった。
迷わず立体機動装置を起動、背部の5つの噴射口からジェット噴射し、強力に加速。
高速で加速しつつ巨大なうでにつかまれたミカサのほうへ疾走する。
「ミカサをはなせええええええぇぇぇ!!!」
黒い平面刀を上空に振りかぶり、両腕に力をいれる。両腕がメキメキと血管状に隆起し、そのまま渾身の力でミカサをつかむ巨腕に黒い平面刀をたたきつける。
黒い平面刀が穴あきの巨人の巨腕にめり込む。巨腕の手がゆるみ穴あきの巨人がミカサを離す。
と、巨人の左手が黒衣のエレンをつかんだ。
「ぐおおおおおおおおおおっ!」
巨人の巨大な左腕のいくつもの穴から白い縄が這い出し、エレンを突き刺そうとする。
エレンの黒衣がキュイイイィィィィンと悲鳴を上げる。
建物の上から兵団服のエレンは黒衣のエレンを見た。
黒衣からドロっとした液体が流れ始める。
「ガあああああああああああああああっ!!」
黒衣から液体が流れ始め、黒衣が力を失う、穴あき巨人の巨腕のいくつもの穴から這い出した白い縄が
エレンの体につきささる。
「あああああああ、あああああああああああっ!!」
白い縄が黒衣のエレンの首にまきつき、そこから細い糸が出てきてエレンの首につきささる。
「くっ、、ああああああああっ!!」
やられるのか?このまま穴あきの巨人にあやつられる生ける屍とかすのか?
体が燃えるように熱い。
左を見ると、もうひとりのエレンがこちらに立体機動で疾走してきているのが見えた。
もう口が動かない。わかるか?俺の願いが。
黒衣のエレンは自由な右腕で腰部のハードポイントを探り、こちらに疾走してくるエレンに右腕を突き出す。
建物の上を立体機動で疾走し、エレンは穴あきの巨人の巨腕につかまれた黒衣のエレンにむかって加速した。
黒衣のエレンが自分に右腕をつきだしてくる。
エレンは右手の平面刀を右に振りかぶり、そのまま渾身の力で黒衣のエレンの首にふりきる。
黒衣のエレンの首がはねとばされる、切断面から白い糸がビチビチと動いた。
黒衣のエレンは首だけになってうすれる意識の中でもうひとりのエレンを見た。わるいな。そう思って、意識がとぎれていった。
兵団服のエレンはそのままむかいの建物に着地する。
左手には、黒衣のエレンの右腕からもぎとった黒球があった。
その黒球は青白く点滅している。
新しい武器 転送しますか? 新しい武器 転送しますか?
兵団服のエレンは小さくつぶやいた。
「ああ、転送しろ、ガンツ」
兵団服のエレンのまわりが黒くゆがみはじめる。
エレンの頭から、巨大な黒い影がエレンの体をつつみはじめる。
その黒い影がエレンの足元まで覆う。
エレンは黒い巨大なヘヴィスーツを身にまとっていた。