進撃のGANTZ   作:3×41

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第3話 湖

ウォールローゼ壁内調査兵団兵舎

 

 

 

 人類の3つの壁のふたつめ、ウォールローゼの内側の大きな湖のほとりに調査兵団兵舎が設営されている。

 宿舎、食堂、鍛錬場、談話室、武器収納室などが併設され、調査兵団の団員に使用されている。

 

 その兵舎の外部鍛錬場で最近調査兵団に入った第104期訓練兵が3名、火をたいて夜の闇を散らしながら、トレーニングをしている。

 

 

 

 

 

 

「アニはすごいねそんなに懸垂できて」

そういったのはクリスタ・レンズである。

 鍛錬場に建てられた鉄棒にぶらさがり懸垂をするアニ・レオンハートにいう。

 そのクリスタに隣で木によりかかっていたユミルが言った。近くにたいた火にてらされて顔の右半分が薄赤く輝いている。

「クリスタはもうちょっと筋力つけたほうがいいかなー」

 

 アニは鉄棒にぶらさがって両腕に力を入れ、体を持ち上げる、そのたびにアニが着たタンクトップの外側で両肩の筋肉が隆起し、そばに焚かれた火で赤くてらされている。

 そして体重を両腕で支えながら、静かにいう。

「立体機動でも体力は基本だからね。アンカーを打ち込むときには体幹を安定させないと軸がぶれる。私やミカサは立体機動でほとんど体幹がぶれないから早いのさ」

 

 アニやミカサは第104期訓練兵団生の中でも立体機動が抜きんでて早い。クリスタは馬術には秀でるものの、体力面でも立体機動の速度はそこまでの速さはなかった。

 そう聞いてクリスタはしゅんと肩を落とした。

「そうだよね。私もやっぱりもうちょっとトレーニングしてみるよ。みんなのこと、ちゃんと守りたいし」

 

 そういって、アニがつかまっている鉄棒の隣の鉄棒に両腕でつかまり、両腕に力を入れて小さな体を持ち上げる。

 数回クリスタの小さな体が上下して、12回ほど数えたところで動きが鈍くなる。その隣のアニはすでに30回以上の上下運動をしているのに、なめらかな動きで懸垂を続けている。

 

 その二人を見ながらユミルがクリスタにいう。

「鍛えるのはいいけどさ、腹筋なんか割れるまで鍛えなくていいからね。あんたは馬術ならぬきんでてるんだし、かわいくしててよ私のクリスタ」

 ユミルは鉄棒につかまって動かなくなったクリスタを見ながら、思いついたように続けた。

「そうだ。あさっての休みにトロストの雑貨屋にいってみない?クリスタもいきたがってたでしょ?ふたりでデートさ、どう?」

 ユミルとアニとクリスタは同じ寝室を使っている。

アニとユミルのベッドはそっけなかったが、クリスタはベッドのわきに人形や小物を置き、和やかな装飾をほどこしている。

 ユミルは普段からそうしたクリスタの趣味をよくしっていることもあってクリスタに誘いを持ちかけた。

 クリスタは鉄棒から下りてから、しびれる両手を肘についてこたえる。

「ありがとうユミル。でも今はミカサとエレンも気になるし、二人が戻ってきたら、みんなを誘っていこうよ」

 クリスタが気にしているのは、同じ第104訓練兵団生のミカサ・アッカーマンとエレン・イェーガーである。

 二人は調査兵団にはいって間もないにもかかわらず、壁の外の調査の動きを見学するために熟練の調査兵団員3人と遠征していた。

 アニがなめらかに懸垂を続けながらつぶやく。

「今回は遠征の下準備の見学ってことだから、危険はないだろう。あの死にたがりも一緒だから特にね」

 そばの焚き火がパチンと音をたてる。

 そのあとユミルが言う。

「違いない。エレンの血の気の多さはなんなのかね、まぁそろそろもどってくるころだろ。ミカサは小物になんて興味ないと思うんだけどねぇ」

「ミカサとエレンがもどったらそのうち私たちの番もまわってくるよ。ユミル、あんたはクリスタに馬術でもならっておいたらどうだい。かなり走るらしいからね」

 アニが鉄棒から下りてユミルにいう。

 そう聞いてクリスタが伏し目になる。

「そんな、私なんてたいしたことないよ。私なんかより馬術がうまい人はたくさんいると思うし。でも私でよかったらいつでもいってね」

 ユミルはそう聞いてクリスタにかけよって抱きつく。

「痛い、ユミルちょっと痛いよ」

 じゃれつくユミルにクリスタは少し笑いながらいう。

 

 アニは懸垂で熱くなった筋肉から湯気をたてながら、バケツを手にとってそばの湖まで行き、バケツに水を汲むと煌々と揺れる火のところまでバケツをはこんで火に水をかけて消す。

「私はそろそろ戻るよ。あんたたちもじゃれあってないで早くもどりな」

 

 アニが空になったバケツを持って兵舎のほうに歩いていき、少ししてユミルとクリスタも兵舎に向かった。

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