The egoist   作:阿蘭

1 / 2
導入部なんでそんなに意識して書いてないです。ただ、作品の方向性とか、そんなんは色々混ぜ込んでおきたいです。


プロローグ

「被告人に判決を言い渡す…」

 

ああ、俺は…

 

「死刑」

 

なんのために生きたのか…わからない。

 

死刑と決まってから帰った独房は、行きしに見たものとまるで違っていた。それは絶望に包まれた空間であった。これまで僅かばかりの希望が残っていたが、もはやそれも潰えていた。

 

《ふ…う…ろ》

 

幻聴だ。きっとショックが大きすぎたのだろう。自分が客観的な存在、第三者であるように思われた。

 

「俺も…焼きが回ったな…」

 

《ふ…しゅ…し》

 

声は少しずつ近くなってくる。

 

《ふく…う…ろ!》

 

それは暗闇のなか近づいてくる。

 

《復讐しろ!》

 

そうだ、それもいいかもしれない…自分の心が微かに高揚していくのがわかった。

 

《復讐しろ!》《復讐しろ!》《復讐しろ!》《復讐しろ!》《復讐しろ!》《復讐しろ!》《復讐しろ!》《復讐しろ!》《復讐しろ!》《復讐しろ!》《復讐しろ!》《復讐しろ!》《復讐しろ!》《復讐しろ!》《復讐しろ!》《復讐しろ!》《復讐しろ!》《復讐しろ!》

 

誰に?

 

《社会に》《世間に》《屑どもに》《万物に》《希望に》

《命に》《神に》《法廷に》《全てに》《奴に》《人に》

 

その声は男なのか女なのか、それもわからない声である。

 

そうだ、復讐だ。

 

 

《復讐しろ》《報復しろ》《根絶やせ》《刈り取れ》《殺せ》《破壊しろ》《果てさせろ》《血の海に静めろ》

 

その声は囁き続けた。

 

《世界を絶望に染めあげろ》

 

知らない間にくっくっと笑っていた。

その時、自分の目が爛々と輝いているように思われた。

 

「ああ、全てを、この俺を殺そうとした世界を…」

 

破滅させてやる…

俺が、この手で

きっと、必ず、いつか。

死んでもこの恨みは、、、

 

その時、胸に強烈な痛みが襲った。自分の体が無様に地面を転げ回っていた。

ざまぁねぇ…意識が急速に薄れてゆく。冤罪をかけた社会を潰すと決めたのに、決めたばかりなのに…

 

ゴホッ、ゴホッと咳が漏れ出る。

痰が喉に絡む。吐き出すとそれは血の塊であった。

自分の死が迫ってきているようにしか思われなかった。

 

「悔しい…悔しいよぉ…」

 

口から地が吹き出る。血を見た瞬間だけ、自分が生きていることが理解できた。

 

「かっ…は…」

 

口から血が出続ける。ゴポッと奇妙な音がした。

 

口からまた血が溢れ出た。それはとめどなく、自らの口から流れ出ていた。

 

悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、くやっ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すべての意識が闇に消えた。




読んでいただきありがとうございました。感想等お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。