真・カンピオーネ無双 天の御使いと呼ばれた魔王   作:ゴーレム参式

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 続けての投稿です。

 タイトル通り、あの邪神たちが登場します。

 ちなみに、兼魔を断つ剣に登場する神性とは中身が違うのであしからず。


 では、誤字脱字が嫌いな方はお逃げください。

 PS:SAN値が減っても作者は一切責任を取りませんので。


天の御使いと生ける炎と風の眷属…あと、ときどき美少女

 そこは漆黒の世界だった。

 地平線まで続く真っ黒な空間。そこに、北郷一刀はひたすら歩いていた。

 どうして自分がここにいるのか、どうして自分が歩いているのか、いつまで歩けばいいのか解らず、意識が薄れる中、ただひたすら前進する。

 

 何時間何分何秒か歩いたころ、ようやく黒しかなかった地平線に、ひとつの物体を見つけた。

 それは真っ白な《門》であった。

 遠くから見れば、どっしりとした石造りで、何やら彫刻が施されているようであった。

 近づいてみれば、その巨大さと不気味さがよくわかる。十階建てのビルを見上げるかのように縦に長く、大理石の美しい白さがあるのに、そこに彫られているのは禍々しい怪物たちと摩訶不思議な文字らしき幾何学模様が刻まれていた。

 

 北郷一刀は門の前に佇む。

 なぜだかしらないが、この門を開けたくなる。

 理由が分からない。だが、門を潜れば彼女たちと再会できる、と、甘く不気味な意識が一刀の脳裏に囁く。

 自制心はなかった。不安定な精神のまま、本能に従って扉を開けようとする。

 

――ダメ…その扉を開けるのはまだはやいです。

 

 が、誰かの声が、その行動を止めた

 声色からして少女だろう。周りを見渡すが声の主はいない。

 だが、本能が開けろ、開けろ、と訴える。

 自制と狂気に板挟みに苦痛になる中、少女の声がまた聞こえた。

 

――貴方が今、会うべき人は別にいるはずですよ。

 

 その時、脳裏にある女性の輪郭が浮かんだ。

 思い出した。意識と記憶が鮮明になったとき、悪魔のような囁きは聞こえなくなった。

 

――ほら、後ろでまってますよ。

 

 一刀が後ろを振り向くと、そこに()()がいた。

 真っ黒な世界に一体化したような黒い修道服に身を包み。

 それと対称に黒い布からはみ出た銀髪の毛先。

 そして、闇でさえハッキリと映る焔のような紅い瞳が一刀を卑しく微笑むかのように見つめていた。

 

 あぁ、そうだ。思い出した。

 一刀は彼女の名を叫んだ。

 

「―――ナイア…!」

 

 瞬間、漆黒の世界が砕け散り、視界が真っ白な世界へと変わる。

 そこに並行地平線まで続く白一色の空間。先ほどの巨大な《門》ない。

 あるのは一点の黒だけ。

 

 彼女は自分を殺そうとした邪神。

 あいつは自分が殺したはずの女性。

 

 ナイア。ナイアーラトテップ(這い寄る混沌)のシスターナイアが自分の目の前に居た。

 

「なに辛気臭い顔してるんデスカ。カズトさんは笑顔が一番似合ってるんですから、スマイルですヨ、スマイル♪」

「でも、俺はおまえを…」

「今更、後悔されても後の祭りデース。あなたは私を殺した。その事実は一生変わらないネ。それに勝者が敗者に気を使うなど侮辱してるもんデス。勝者は勝者らしくどーんと胸張っていればいいんデース。なんたって邪神を倒した探索者は大勢いますが殺した人なんて早々いませんし、邪神として悪者として、勇気あるモノに倒されるのはラスボス(仮)として誇りなのデース。――だから、今は愛しい女性として最後の別れだけはいわせてちょうだい」

 

 さきほどの天真爛漫な行動と打って変わって、悲しげな表情で慈愛に満ちた瞳でみつめるナイア。

 同居生活で、彼女のいろんな貌を観てきた一刀だが、悲しげな貌ははじめてみた。

 その表情に一刀は目を丸しながら彼女の言葉を一文字聞き逃さず聞く。

 

「貴方には貴方の生きる道があるはず。たとえそれが巨大なる運命の輪に組み込まれたものであれ、その輪の向きを変えることも外すこともできるわ。つまり、今と未来は自分の手で決められるってわけ」

 

 そう言って、一刀に背を向けて虚構に向って歩き出す。

 

「私を殺してもあなたの道は変わらない。他人に人生を決められても、それもあなたの通る道の地面の一部でしかない。そこに縛りなんてないわ。常に己の道を突き進め。後悔しないよう納得するまで歩きもがき苦しめ。それで諦めず前進できれば、その道が貴方だけの…私を殺した北郷一刀が通った立派な獣道となるわ」

「まってナイア!」

 

 手を伸ばし追いかけるも、距離が縮まらず遠ざかっていく。

 

「私に会いたかったら、もっと強くなりなさい。そして、世界を知り、世界から飛び出しなさい。この世は無限の可能性で溢れてるんですもの。新たな出会いや再開があっても不思議じゃないし、なにより愉しいわよ」

 

 そう言って、身体をクルっと廻って正面を一刀に向けた。

 

「それじゃー機会があればまた、殺し愛をしましょう。私だけの宿敵さん」

 

 天真爛漫すぎる素敵な笑顔を浮かべたまま、朝日に照らされ霧散した霧のようにナイアは消えた。

 その空間に残された一刀ひとりだけ。

 

「…まったく、最後にそんな笑顔でお別れなんて卑怯すぎだろう…」

 

 ひとり立ち尽くしたまま思わず失笑し、一刀は小声でつぶやく

 

「またな、ナイア」

 

 

==============================

 

 

「カズトー!いいかげん起きなさーい!!」

「のっわ!?」

 

 突然の大声に一刀は起き上がった。

 周りを確認すると、そこは白でも黒でもない霧灰色な空間だった。

 そして一刀の目の前には…、

 

「よーやく、おきたわね、この御寝坊さんっめ♪」

 

 真っ白な壁が話しかけていた!?

 

「誰がエレベストと対極的な高度0の絶壁まな板だごらぁぁあああ!!」

「げっぼォォォ!?」

 

 切れ味のあるアッパーが一刀の顎を捉える。

 そのまま、エビぞりに吹き飛び、一刀は仰向けに倒れ伏す。

 

「まったく、初対面の義母に向って失礼でしょう!? ちゃんと言葉を選びなさいこのバカ息子!!」

「ず、ずみばせんでじだ…」

 

 強烈なアッパーをもらい、顎を擦る一刀。

 改めて絶壁――もといアッパーを放った人物を観る。

 そこに居たのは少女だった。10代はんばぐらいだろう。紫掛かった桃色の長い髪をツインテールにし、華奢な細身を卑猥な服装で隠している。

 ただし、普通の少女とは違う。蠱惑的に美しく、近寄りがたい神秘的な雰囲気を醸し出していた。

 邪神が放った禍々しいオーラとは対照的に神々しい。

 …もっとも、一部に関して極端的に正反対だが…。

 

「今、不名誉なこと考えなかった?」

「気のせい気のせい。で、聞きたいことあるんだけどいい? ここ何処? 君、誰?」

「無理やり話しを変えたわねぇ。まぁいいわ。教えてあげる。ここは生と不死の境界といわれる場所よ。そして、私はパンドラ。神殺しの母にして、あなたの義母よ。ママって呼んでもいいのよ♪」

「え? パンドラ?」

 

 パンドラと名乗る少女に、一刀の眼が丸くなり、ジィ~とパンドラを見つめる。

 「いやん、そんなにみつめられると恥かしい~」とパンドラは赤くなった頬に手を添える。

 そんな少女に一刀は、

 

「それってギリシャ神話に登場する災いが詰まった箱をついうっかり開けちゃったあの美人妻のパンドラのこと?」

「…なんだろう、美人妻って言われてうれしいのに、ドジっ子扱いされたような気がする…」

 

 一刀の偏屈なイメージに、神殺しの母と称する少女は落ち込む。

 邪神とおなじでテンションの波が激しいようだ。

 

「そういえば俺、生きてるのか?」

「生きてるわよ。カンピオーネに生まれ変わったおかげでね」

 

 パンドラは気を取り直し、一刀に指をさした。

 

「貴方は邪神ナイアーラトテップを殺し、見事、神殺しに成功。かの邪神の権能を簒奪してカンピオーネに転生―――したのはいいんだけど…」

「??」

 

 急に歯切れの悪くし、一刀から眼を背けるパンドラ。

 頬をぽりぽり搔きながら申し訳なさそうに言う。

 

「今回のは、貴方を含めていろいろとイレギュラーだらけだったから、貴方が普通のカンピオーネになったかどう私にもかわからないの。もしかしたらとんでもないバグが起こるかもしれないから注意しておいて」

「それってどういう意味…」

 

 言いかけたその時、一刀の視覚がテレビの砂嵐のように乱れる。

 

「それから…………はや…にげ………くわし……は…彼女に聞いて…ちょ…い…」

 

 パンドラが何かを忠告しているのだが、雑音がひどいため聞こえない。

 雑音と視界の乱れが激しくなるにつれ意識がまた薄れる。

 まるで夢から覚めるように、徐々に視界がぼやけていく。

 

「それ……じゃ…第二の…人…生……謳歌してね…♪」

 

 

================================

 

 

「ん? ここは?」

 

 一刀が目を覚ますとそこは草花が生い茂る草原だった。

 ン・ガイの森に迷う直前に訪れたオーストリアのとある草原だ。

 

「もっどてこれたのか?」

 

 両腕を組み首をかしげる一刀。「もしかしたら今までのは全部夢だったのでは?」と考えるが、ボロボロになった服装といまだに痛む顎が、夢でないことを物語っていた。

 そのとき、一刀の腹からぐうぅ、と重低音が鳴った。

 

「そういえば迷宮に探索してから何も食ってなかったなー」

 

 空が赤から青黒く染まりかけていた。時刻は夕方あたりだろう。

 まずは腹の虫を抑えるため、近くの街で食事をしようと一刀が後ろを振り向く。

 が、後ろを向いたまま硬直してしまった。

 なぜなら……

 

「えー…どちらさまで?」

『我が名はクトゥグア。火の神性であり、混沌の化生ナイア―ラトッテプを殺すためこの世界に顕現した神である』

『小生はイタカ。冷気の神性だ。まぁ、こやつの連れだと思ってくれ』

 

 なんでいるんだと、一刀は内心ツッコミを入れた。

 眼前に熱気と火炎を帯びた巨躯と、風と冷気を帯びた巨躯の二体がいる。

 

 前者の巨躯はまるで煉獄を模したような醜い肉塊の鬼神。

 もしくは、業火と熱線を放出する紅蓮の怪物。

 

 後者の巨躯はまるで氷像を模したような美しい骸骨の巨人。

 もしくは、吹雪と冷気を撒き散らす紺碧の怪物。

 

 クトルゥフ神話において有名な二柱が、空中で佇みながら一刀を見下ろしていた。

 

『我が宿敵ナイアーラトテップの気配を辿って顕現してみれば、居るのは人間ひとり。だが、貴様から感じる気配は宿敵もの。きさま、貴様の魂はあの性悪馬鹿ではないな。アヤツの化身とという線はないか。と、するならば…』

『ナイアーラトテップを殺し、カンピオーネという種族に転生した愚か者が妥当だろう。フフ、あやつが面白い計画を立てていると聞いて来てみれば、もっと面白いことになっているようだな』

 

 草原の草花が焦げ、同時に、霜ができる。

 二体の邪神が無意識に放つ膨大な熱気と寒気が、空気を生み出し突風となって荒野と化す草原を駆け抜ける。

 強く激しい熱風と冷風と暴風に晒され、一刀は唖然としたままそれを耐え抜く。

 

『せっかく人の世に来たのだ。土産として、生まれたての神殺しの力味わいとうみたくなった』

『人間よ、我が宿敵を奪った愚者よ。邪神を一体葬ったその栄光と経歴に称賛して、私たちの相手をしてもらおうではないか』

 

 本人を無視して話が進んでいた。

 一刀は冷や汗をながしつつ、とりあず僅かな希望を持って、言う。

 

「…俺の拒否権は?」

『『あるわけないだろう』』

「デスヨネ~」

 

 あっけなく希望を砕いた二柱に邪神に苦笑する一刀。

 いまにも襲い掛かりそうな邪神たちに背を向けて――

 

「逃げるが勝ちぃぃぃ!」

 

 一目散に逃げた。

 

「混沌の次は火と風の神性がダブルで登場って無理ゲーだろッ! なんで次から次へと邪神が俺の前に来るんだよ!?」

「邪神に惹かれるフェロモンでも出してるのではありません?」

「そんな遭遇率が高くなるもん出すかッ! SAN値が下がりっぱなしになるわ! …ん?」

 

 草原を駆け抜ける最中、横を振り向くと少女がいた。

 パンドラと容姿が似て、長い髪をツインテールしているが、鮮やかな桃色と対し、こちら透き通るような蒼白の髪であった。

 また、服装も蠱惑的なパンドラと違って、布地が多く、紅いカーペットをそのまま纏っているような民族衣装で、ツインテールの上から薄い黄色いベールをかぶっている。その仕方ら覗く金色の瞳と白い肌が不思議と可愛さと魅力が感じさせる。

 ナイアは妖艶な悪魔、パンドラが蠱惑な母神のイメージなら、こちらは神秘的な妖精のイメージだろう。

 もっとも、彼女も普通の少女ではないことは一刀は分かっていた。

 なにせ、音速並みに走る自分の横を飛行しながら肩を並べているのだから。

 

「誰デスカ貴女?」

「この姿で会話したのは初めてですね。改めまして北郷一刀。私の名はウムル・アト=タウィル。外なる神ヨグ=ソートスの眷属であり窮極の門の案内人にして鍵番。そしてあなたのパートナーです」

「…えっ?」

「『なに言ったんだこの美少女ちゃんは?』と困惑してる顔ですね。こと詳しく説明してあげたいのですが、今はあの火達磨と雪達磨から逃げるのが先決ですよ」

 

 少女がそういうと、背中から熱気と冷気が伝わってくる。

 十中八九、二体の邪神が追って来ているのだ。

 

「えぇーと、ウムル・アト=タウィル…」

「わたしの個体名は『ルリ』と呼んでください。本名だと長くて言いにくそうなので」

「それじゃールリ。おまえは俺がナイアと戦ってた時に、契約がどうなの言って、あの必殺技みたいなものを教えてくれた子なのか?」

「その問いにすこし修正させてください。そもそもこの身は銀の鍵にあり、銀の鍵そのもの。同時に銀の鍵と融合した一刀もまた、私の一部であり私は一刀の一部。いってみれば私たちは運命共同体であり、私はあなたの分身といって過言ではありません。それに、あの性悪邪神を斃したのはあなた自身です。私はただ身体の使い方を教えただけにすぎませんよ」

「複雑すぎて理解しにくいけど、とりあえずお前は銀の鍵の取り扱いをしってる俺のサポーターってことか?」

「簡潔にいえばそうですね」

「だったら教えてくれ! クトゥグアとイタカァを斃すにはナイアの時の必殺技みたいのが必要なんだ!?」

「無理です」

 

 即答だった。

 ルリは冷淡に言う。

 

「使えることは使えますが、今の貴方では無限にある書くエネルギーをコントロールするこは不可能です。おそらく86%の確率で自爆します。もっとも、成功しても周囲に尋常のない被害でるのはたしかです」

「あぁ~たしかに…」

 

 なにせ、ン・ガイの森を一回で消失させた必殺技だ。

 それも対消滅という危険極まりないエネルギーを使用している。

 下手に使えば、比喩ではなく文字通り世界が消滅するかもしれない。

 

 八方塞がりの状況に頭を悩ます一刀。

 背後から邪神たちの呻き声らしき音が耳に届く。同時に暑さと寒さが物理的に強く感じてくる。

 この危機的状況の、下追い詰められる一刀の生存本能が最高潮に高まり――

 

 ドッグン!

 

――ぎゃはははは! どうやら俺様の出番のようだな相棒!

 

 彼の内面でひとつの意識が目覚め鼓動した。

 

「今のは一体…!?」

「どうやら、彼女の置き土産の出番のようですね」

 

 意識の底から聞こえてきた甲高い声に困惑する一刀。

 ルリは身体を逆さ浮揚しながらふむふむと一刀を観ながら頷く。

 

「幼妻の説明で言ってたでしょう。神を殺した人間はカンピオーネに転生する際、殺した神の権能を簒奪すると」

「権能?」

「神様の独自の能力のことです。銀の鍵を使った無限もまた権能の一端です。そして、あの性悪邪神を殺した一刀なら彼女の能力が使えます」

 

 今の呪力なら銀の鍵を使わなくとも十分権能を行使できますよ、と言いながら一刀の胸に指を当てる。

 

「でも、気を付けてください。権能には場合によって条件やリスクがあるものもあります。何が起こるのか私でも予想はできませんが、彼女の権能からしておそらく何かしらの対価があるはずです。使用には十分気を付けて―――と、いっても、今の貴方には無用な節介でしたね」

 

 逆さになりながら、心配無用で不敵に笑うルリ。

 なぜなら一刀もまた不敵に笑っていたからである。

 

「あたりまえだ。危険があろうがリスクがあろうが、そんなもの百の承知さ。だって()()()()()()()()だ。俺が信じないわけにはいかないよ。…それに怖がって使わないまま死んだりしたら、あいつに合わせる顔がないし、それこそ殺した相手への最大の侮辱になってしまうッ!」

「…だったらその力、殺した者のため思う存分振るってください。それが貴方を愛したナイアーラトテップの手向けとなるでしょう」

「わかったッ!」

 

 足に急ブレーキをかけ、迎え撃つ形でUターンする一刀。

 前方より火焔の塊と冷気の塊が、周囲を焦がし、凍結させる。

 クトゥグアとイタカだ。早く飛行できるよう身体を熱気と冷気に顕身したのだ。

 膨大な熱量と冷気が移動してるため、二柱が駆け抜けた場所が禍々しい神風を発生させ、木々や草花だけでなく近くの街の建造物を吹き飛ばしていた。

 二体は今にも襲い掛かろうとする魔獣を前にして、その身を元の鬼神と巨人に戻す。

 

『どうした? 鬼ごっこはおしまいか人間よ』

『先ほどと違って随分ヤル気のようだな』

 

 見下した目線で語るクトゥグアとイタカ。

 ただ、興味本位で観られているだけなのに、貧弱な人類を発狂させるほど霊圧を放っていた。

 しかし、その霊圧に恐れず、一刀は見上げる形で二体の邪神に不敵な笑みを見せた。

 

「…ナイア…おまえの力、使わせてもらうぞ!」

 

 胸の奥で何かの鼓動が高まる。

 本能の底から爪牙を使え、神を虐殺しろ、と訴える。

 脳裏より、怪しい言霊が囁く。

 一刀はその言葉に従い聖句を唱えた。

 

「彷徨うは亡霊、嘲笑うは悪霊、誘うは鬼火、命を犯すは死神、汝、深き泥沼より穢れた魂を引きずりて、生に執着する魂の断末魔を断て」

『聖句!? ナイアーラトテップの権能を使う気か!』

『そうはさせん!』

 

 クトゥグアは周りに五つの光の玉――火の精を展開、イタカは口から骨まで凍らす極寒の吹雪を噴出する。

 火の精と絶対零度の近い吹雪が一刀に直撃…寸前で、一刀の背後よりボロボロの巨大な大鎌が出現し、玉と液体を振り払い切った。

 ゆらりと、背後で蜃気楼のような者が現れる。徐々にソレの体の輪郭が整え、顕現する

 ボロボロの破けた西洋の服を纏い、左手に蒼い光を放つサビたランタン、右手に刃が欠けた死神の鎌を構える。その頭は巨大なカボチャ頭。くり抜いた両目と口より燃え盛る火花がチラチラと零れていた、

 約10メートルがあろう二頭身の奇怪な怪物にして、秋の祭事の主役であるジャック・オー・ランタンとは似て似つかない最低な悪霊の化身。

 その名は…。

 

――ぎゃっはははははは!! ハロウィンマンの登場だぜベイベー!!

 

 カボチャ頭の悪霊――ハロウィンマンは甲高い声で下品に笑う。

 

「ハロウィンマンの化身ですか。初めてにしては中々なものを出しましたね」

「知ってるの?」

「知識として知ってます。それに、私と一刀は一心同体なので、アレがどういうものなか分かりますよ」

 

 ハロウィンマンは一刀の頭上を飛び越え、クトゥグアとイタカがいる空中へ飛行する。

 

『化身を召喚しようとも所詮は奴の一部。軽くひねってやろう』

 

 イタカがハロウィンマンに立ち向かう。

 クトゥグアは動かない。下見のつもりだろう。もともとイタカはクトゥグアに付いてきた邪神である。イタカをダシに様子見とところだろう。彼らの共闘という感覚を持ち合わせてはないのだ。

 …二体同時に攻撃しない分、一刀にとってはありがたい状況であるが。

 

 

―――ぎゃははははははは!!!

 

 一方でハロウィンマンとイタカの戦いは熱戦していた。

 冷気と魔風を飛ばすイタカに対し、ハロウィンマンはチリ紙のように身を風に任せてスルリと避け続ける。

 すれ違いざまに、刃がノコギリ状になっている大鎌でイタカの身体を切りつける

 イタカが風を操りハロウィンマンを引き寄せるも、ハロウィンマンは風に乗せて口から業火を放つ、紺碧の巨躯を焼く。

 

 小枝のように細く脆そうなハロウィンマンに、細いが氷山を思わせる巨人のイタカ。

 体躯からしてハロウィンマンが不利であろう。一撃でもイタカの攻撃が当たればその身をバラバラに壊れてしまうだろう。

 しかし、現実はイタカがバラバラにさけかけていた。

 まるで氷塊がかき氷機の薄い刃に削られたようにイタカの身体に無数の傷が刻まれ、血らしき青い液体が流れていた。

 

『いいかげん凍り漬けになれ!』

 

 功を焦ったイタカはすべての神力と魔力を口に集約。

 咆哮と共に、絶対零度に近い魔氷の息吹を放った。

 極寒の冷気と思わせる息吹は広範囲に広がり、飛んでいたハロウィンマンを凍結させ、氷塊に閉じ込めた。

 

 勝った! とイタカが勝利を確信した矢先、氷塊に固められたハロウィンマンが消えた。

 

『なんだと!?』

 

――HAHAHAHA! 残念、幻影だ♪

 

 イタカの頭上にハロウィンマンがいた。

 実は氷漬けにされたハロウィンマンは、ハロウィンマンが左手のランプの光で映した幻影だったのだ。

 

 気配を感じたイタカが、すでに大鎌を振り下ろされ、紺碧の巨躯を斜めに両断した。

 

『おのれ、糞悪霊があぁぁぁ!』

 

 伊達に邪神の端くれではないイタカは、息絶える寸前、ハロウィンマンを道連れにしようと腕を伸ばす。

 しかし、ハロウィンマンは口から猛々しい業火を放つ。炎に包まれたイタカは、大地へと墜落。

 轟轟と猛々しく燃えるイタカは断末魔を上げることなく焼死体となり、そのまま灰となって散っていく。

 

「よし! まず一体!」

 

 ハロウィンマンの勝利にガッツポーズをする一刀。その横でルリがぱちぱちと拍手していた。

 

 空中で「ぎゃっははははは!」ちハロウィンマンが下品に笑い声を上げる。

 その時、紅蓮の塊がハロウィンマンに襲い掛かった。

 

『まだ、我がいることを忘れるな腐った廃棄物め』

 

 先ほどまで様子見していたクトゥグアである。

 火の神性はプロレス技でいうところのベアハッグでハロウィンマンを押しつぶそうとする。

 轟轟と燃える巨躯と接触してるため、ハロウィンマンの身体に火が移ってしまい、その身が燃えだしていた。

 

――ぎゃははははははは! 激しいハグが好きだが火達磨プレイはご免だぜ!

 

 変身! と、ハロウィンマンはカボチャの形をした人魂となり、クトゥグアの剛腕からすり抜け脱出。

 クトゥグアから離れたところで元の姿に戻ると、仕返しとばかりに口から業火の息吹を吐く。

 が、クトゥグアはその業火をも上回る紅蓮の大業火吐き対抗する。

 悪霊の業火と炎神の業火。両者の焔が激突し、互いに押し合う。

 しかし、徐々に悪霊の業火が押され始めていた。

 

「火力はやはり本家が上のようですね。それと、クトゥグアの体内から高熱量が溜まっていますよ」

「冷静に説明してる場合ッ!? 逃げろハロウィンマン!」

 

 鑑賞ムードで淡々と言うルリに、一刀がツッコミを入れる。

 その間、紅蓮の焔が悪霊の火を飲み込んでいく。

 

『塵ひとつ残さず燃え尽きろ!』

 

 クトゥグアはさらに火力を強める。

 口から放たれた灼熱の火焔はさらに大きく広がり、ハロウィンマンごと、一刀たちがいる場所を焼き尽くした。

 

 それは、まるで無慈悲なる獄焔。

 すべてを灰にするまで止まらない生きた荒ぶる炎そのものであった。

 

 クトゥグアが火焔を吐き終えると、一刀たちがいった場所は焦土と化していた。

 その場には一刀の姿はない。おそらく灰塵となり散ったのであろう。

 

『―――ッ!?』

 

 そう思っていたのはクトゥグアだけだった。

 突如、真上から殺意を感じ、上を見上げると――

 

「チェリォォォ!!」

 

――ぎゃっはははは!

 

『ぐっは!?』

 

 頭上より急降下する一刀とハロウィンマンの姿があった。

 神殺しと悪霊はそれぞれ拳とランプでクトゥグアの頭を殴りつけた。

 奇襲を許したクトゥグアは、そのまま空中で態勢を崩す。

 

 一方で焼き殺されたはずの一刀は、空中で浮遊するハロウィンマンの頭に乗っかっていた。

 

「あっちぃ~!? やっぱり素手でやるのは無理か」

「素手でやる以前に、火の神性に素手で殴ろうとする一刀のおかしいですよ。せっかく私が『緊急回避』で助けてあげたのに。アホなんですか。馬鹿なんですか」

「悪かったって。また、助けてくれてありがとうな」

 

――ぎゃっははははは! やるじゃねーかロリッコ♪

 

 燃え盛るクトゥグアを殴ったため拳が軽く火傷した一刀。その横にルリの姿があり、一刀の無鉄砲さにあきれ果てていた。

 そんな二人を頭上に乗せたハロウィンマンはケラケラと笑っていた。

 

「ところで、さっきのはテレポートか? ナイアも使っていたけど、ルリも使えたんだな」

「それは不正解です。今のは銀の鍵がもつ時空を操作する力を応用したものです。時間と場所を虚構に設定、それを因果律で強制的に繋げて実体化させる。空間転移と時間跳躍と足したようなものです。テレポートとはすこし違います」

「ふぅーん…あれ? たしか銀の鍵は使えないんじゃー……」

「使えないといったのはエネルギーのコントールのことです。それに、一刀自身には使えないといっただけで私が補助すればある程度使えるんですよ。べ、別に忘れたわけではありませんからね!」

「いや、急にキャラを変えなくとも誰も攻めないよ…」

『なるほど銀の鍵か…。しかも、ヨぐ=ソートスの眷属憑きとは面白い』

 

 呑気に会話する二人にクトゥグアが入り込む。

 クトゥグアはルリの正体に気づき、先ほどの全力を無傷で回避できたことに納得する。

 

『しかし、銀の鍵があろうが私を殺すことはできんぞ。ただでさえ、おまえの権能は私と相性が悪いからな』

 

 たしかに…、一刀は唇を嚙んだ。

 

 クトゥグアはナイア―ラトッテプの宿敵であり最大の天敵の神性。

 その荒々しい性格と火の神格で、ナイア―ラトッテプの領地であるン・ガイの森を焼き尽くした逸話をもっている(もっとも、一刀もン・ガイの森を消失させたが)。

 そのため、ナイア―ラトッテプの権能もまた、それに反映されている恐れがあった。

 一刀も、相性については肯定する。

 …だが、それはあくまでナイア―ラトッテプとクトゥグアの相性に関してだ。

 

「いけ! ハロウィンマン!!」

 

――ぎゃっははははは! 了解!

 

 一刀の合図にハロウィンマンはクトゥグアに向って一直線に飛ぶ。

 『特攻か…!』と、最後の悪あがきと考えたクトゥグアだったが、のちに違うことをその身で知る。

 

「我は浄火の偶像。燃え滾るこの身で神々の供物を清め、不浄を封じる炎の檻なり!」

 

 心身から何かが削れた感覚に襲われるが一刀は無我夢中で聖句を唱えた。

 すると、クトゥグアの足元から第二の化身が姿を現した。

 

―――ゴォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオンンンン!!!!!

 

『化身の連続同時使役だと!?』

 

 無数の木の枝で構築され、燦々と燃え続ける巨大な人型――ウィッカーマン。

 その身をクトゥグアを軽く超えるほど巨大で、空中にいるクトゥグアを見下ろせるほどの高さがあった。

 

―――ゴォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオンンンン!!!!!

 

 怨霊の断末魔な咆哮を上げ、編み物状に束となった木の枝の手で、クトゥグアの足を掴む。

 

『離せ木偶の坊!』

 

 身体中から紅蓮の炎を放出するクトゥグア。しかし、ウィッカーマンの手は燃えて塵とはならない。

 抵抗するクトゥグアをウィッカーマンは胴体に引っ張り寄せる。

 

 バキバキ! ウィッカーマンの胴体が縦に裂け、空白の胴体が露になる。

 そのままクトゥグアを胴体に放り込み、裂けていた胴体が元に戻り、鳥かごのようにクトゥグアを閉じ込めた。

 

『こんなもの――ッ!? どうなってる!? なぜ燃えつくせない!?』

「あたりまえだ。なんたって『元から燃えて』いるんだしなッ」

 

 それこそがウィッカーマンの能力。

 巨大な木偶の形をした燃え盛る木の檻に閉じ込める単純なものだが、その真価は火の属性をもつ者の能力を封じるというもの。

 たとえ、どんなモノも灰燼にさせる業火があろうと、モノを燃やし尽くさない限り、けして灰と化さない。

 そのため、ウィッカーマンは燃え尽きない。なぜなら永久に燃え続ける木偶人形があるがゆえ、火で破壊されることは不可能なのだ。

 

「どんなに相性が悪かろうが、それをどう使いこなして勝負するかが肝心だ。圧倒的な力をもつおまえらと違って人間には知恵という力がある。人間をあまり舐めるな生ける炎(クトゥグア)!」

『おのれぇぇぇ!』

 

 内部から燃やし尽くそうとするクトゥグアだが、燃え続けるだけウィッカーマンに変化がない。

 なぜならば、永遠に燃え続ける木偶は永遠に灰となることはないのだから。

 

――ゴォォォォォンンンンン(さぁ、てめぇの大鎌で俺ごとヤルんだハロウィンマンッ!)!!!

 

――ぎゃははははは! 分かったぜウィッカーマン!

 

 ウィッカーマンの雄叫びに答え、ハロウィンマンは大鎌を振り上げる。

 

――だが、お前だけには痛い思いはさせないぜ!!

 

 と、見せかけて切腹するように大鎌で自身の腹を突き刺す。

 鎌の刀身は背後にいるウィッカーマンとクトゥグアまで貫いた。

 

『ぐがぁぁぁぁぁ!?』

 

――ゴォォォォォンンンンンン(へっ、それでこそ俺たち混沌の邪神さまの化身だぜ)!!

 

「……なに、この小芝居?」

「まぁ、ナイア―ラトッテプの化身ですし、脚本家気質と悪ふざけの性格も反映されてるんでしょう」

 

 ハロウィンマンの頭の上で一刀は苦笑し、ルリは「おふざけが過ぎるかいつも失敗するんですよ」と、呟きため息を吐いた。

 

『な、舐めるな…この程度で我が滅ぼせると思っているのか…』

「まだ生きてたんですね。さすが、クトルゥフ神話を代表する邪神。でも、安心してください。ちゃんと主人公の手でとどめを刺してあげますので」

 

 そういってルリは一刀の眉間に人差し指を当てた。

 すると一刀の脳裏に新たな呪文が流れた。

 

「ルリ? これは?」

「銀の鍵を応用した攻撃方法をイメージとして送りました。この方法ならある程度被害の規模を抑えられますし、火の神性なら効果抜群のはずです」

 

 私もバックアップするので一刀はおもいっきりやっちゃってください。と、無表情で親指を立てる。

 一刀はこくりと、頷き、燃える枝の檻に閉じ込めらたクトゥグアと対面する。

 今にも檻を破壊し食い殺そうとする殺意に満ちた眼光を向ける火の邪神に対し、一刀はまっすぐみつめ、神抹殺の聖句を唱えた。

 

「……――深き暗き怨讐を胸に…汝、埋葬の華に誓い、我は世界を停める者なり」

『その言霊もしや!?』

 

 左手の手刀より負の無限熱量――絶対零度の冷気が集束する。

 クトゥグアは逃げ出そうと暴れるも、灼熱の檻に閉じ込められ動きが制限されている上、ハロウィンマンの大鎌が突き刺さったままのため身動きができなかった。

 冷気を帯びた手刀の先をクトゥグアに向ける。

 

「触れれば消滅必至の窮極奥義、その身で味わえ! ハイパーボリアァァァァァッゼロドライブッ!」

 

 イタカの冷気をも超える絶対零度の突きが、クトゥグアの眉間に突き刺さる。

 瞬間、燃え盛るクトゥグアの巨躯が瞬時に凍結していく。

 

『よもや、混沌の宿敵である我が奴の化身と人間に惨敗するとは――ぬわぁああああああああああ!?!?』

 

 悲鳴を上げながら凍り付いていくクトゥグア。

 絶対零度によって心身まで凍ったその肉体は、燃え盛るウィッカーマンの内部で氷結となり、粉々砕け散った。

 

 

 

===================================

 

 

 

「ふぅ…」

 

 クトゥグア、イタカの二体の邪神を斃した一刀は、荒野と化した草原に降り立つと、一息吐く。

 戦いが終えたのでハロウィンマンとウィッカーマンは「おもしろいことがあれば、呼べよ相棒!」と言い残し消えた。

 

 二度目の神殺し、それも二体同時というカンピオーネに成りたての一刀にとって精神的な疲労が激しかったようで…

 

「大丈夫ですか?」

「疲れた…すこし休む…」

 

 そういって心配するルリを押し倒した。

 突然のことでルリはビクンと驚き尻餅をつく。このままいやらしいことでもするのではとルリは警戒するも、一刀は何もしなかった。

 なにせ、彼女の膝の上で熟睡していたのだから。

 

「…やれやれ、邪神相手に無理やり膝枕させてそのまま寝るなんて神経が千切れてるんじゃないですかこの人は?」

 

 ちらっ、と一刀を覗く。

 一刀はルリの膝の上でぐっすりと熟睡していた。

 

「ZZzzz…」

「………はぁぁ、まぁいいでしょう。今日一日いろいろあったんです。私からのご褒美としましょう」

 

 爆睡する一刀にルリは彼の頭を優しく撫でる。

 一刀の無邪気な寝顔を眺めながら、頬を赤くし、特別な情を抱くのだった。

 まるで、側年が離れた兄妹、下手をすれば恋人同士のような光景であった。

 

 

 

 

 

「―――ところで、さっきから隠れてる人。用事があるんなら私がお応えしますが?」

「ふむ、バレておったか」

 

 そのとき、ルリの背後から老人らしき男性が突如として出現した。

 貫禄があるが、老人らしからずダンディーな風格で、一見、黒い服装でわからないが布地の下はかなりがっちした体型なのだろう。たたずまいからして、相当身体を鍛えているのだろう。

 また、その眼力は鋭く、多くの修羅場を潜ってきた者の眼であった。

 そんな怪しい老人をルリは一刀の頭を撫でながら背中越しで語りかける。

 

「あたりまえです。時空の神の眷属である私が、次元に隠れている魔術師の気配を感じなくてどうしますか。それで、貴方はカズトの敵ですか? それともただの覗きが趣味の枯葉ですか?」

「カッカカカ、そう警戒するな時空の門番よ。覗くのも仕事の一環だが、おぬしらの敵ではない」

 

 老人は顎をさすりながら笑う。

 無関心に語るがよほど警戒していると、老人を察していた。

 

 この老人、侮れない。次元の案内人であるルリは無表情の裏で警戒を強める。

 対して、老人は不敵な笑みで言う。

 

「ただの通り過ぎの老いぼれ魔法使いじゃ。もっとも――」

 

 

―――おぬしの膝の上で寝ておる小僧の師匠になるかもしれんがな

 

 

 

 

 

 数分後、二体のまつろわぬ神の気配が消えたことを感知した近辺の魔術師たちが草原に到着する。

 そこで魔術師たちが観たのは緑豊かな草原が灰と霜の荒野と化した光景()()だった。

 その後、魔術師たちはこの事を賢人議会に報告。議会は調査を始めるも有力な情報は得られず調査は一時凍結となった。

 

 

 そして、月日が流れて現在。

 七人目のカンピオーネが誕生した翌日、天の御使いだった青年の新たな物語が始まる。

 

 

 

 




 一刀の権能については後日、設定でこと詳しく紹介します。

 また、本編で新しい権能が登場すれば追加してかきますのでおたのしみに。
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