魔法少女が自分たちのパチスロ台を打ちに行くようです。 作:奏せいや
魔法少女が自分たちのパチスロ台を打ちに行くようです。
まどか「マミさーん、おはようございます。さやかちゃんも杏子ちゃんもおはよう」
さやか「まどかおそーい」
まどか「えへへ、ごめんね」
マミさん「おはよう鹿目さん。でも遅刻はよくないわよ」
まどか「マミさんごめんなさい」
さやか「あれ、ほむらは?」
まどか「ほむらちゃんは今日予定があるんだって」
杏子「なあ、こんな朝っぱらからどこに行こうってんだよ」
マミさん「佐倉さん、今日はみんなでパチンコ店に行くって約束したでしょう」
杏子「パチンコ~? ゲーセンでいいじゃんか」
マミさん「なんでもわたしたちのパチスロ台が今日入荷するんですって。みんなが活躍する台で遊べるなんて楽しみじゃない」
杏子「そうかねぇ、それに私の活躍なんていつも見てんじゃん」
マミさん「そう言わないの」
まどか「みんなで遊びに行くなんてなんだか楽しみだね、さやかちゃん」
さやか「あー、でもパチスロ打ちに行くなんてなんか私抵抗あるなー」
杏子「さやかは優等生ぶるからなー」
さやか「なんですって!? いいわよ、やってやろうじゃん!」
マミさん「はいはい、みんな落ち着いて。それはそうと、ちゃんとお金は持ってきたの?」
杏子「私はない。さやかに借りる」
さやか「ちょっと!」
まどか「私は貯めてきたおこずかいを……」
杏子「そう言うマミは持ってきたのかよ?」
マミさん「ふっふっふっ」
杏子「五万円!? おいマミ、どうしたんだよその大金は?」
まどか「マミさんすごい!」
マミさん「この日のために紅茶とケーキを我慢して貯めてきたのよ」
さやか「それで最近お茶会なかったんですね……」
杏子「てか、いつもケーキとお茶にいくら使ってんだよ……」
マミ「これだけあるんですもの。もう、なにも怖くない!」
さやか「マミさん、失うこと前提なんですか……?」
マミさん「違うわよ! でも備えは必要なことよ」
杏子「それはそうだけどよー」
マミさん「そんなことよりほら、お店が見えてきたわよ」
まどか「うわー、すごい人ですねマミさん。何人くらいいるのかな?」
マミさん「ほんとうにすごい数ね。百人以上はいるんじゃないかしら。ドジッたわ。まさかこんなに並んでいるなんて。まだ三十分前よね?」
杏子「こんな朝っぱらから並んでまでパチスロ打つとか物好きだねー。第一今日平日だろ? 仕事どうしたんだよ?」
まどか「お仕事お休みしたのかな?」
杏子「パチスロ打つために仕事休むとかロクでもない連中だな。それか全員ニートだったりしてな! 見ろよ全員覇気のないツラしやがって、働けってーの」
まどか「杏子ちゃん言い過ぎ!」
マミさん「でも不思議よね、この人たちは普段なにしてるのかしら。佐倉さんの言う通り仕事もしないでパチスロしてるとか」
まどか「マミさんまで!?」
さやか「ねえ、この世界って救う価値あるの? 私なんで戦ってきたの? 教えてよ、あんたが今すぐ教えてよ」
杏子「おいさやか、それ誰に言ってるんだ?」
さやか「ごめん独り言」
杏子「はい、今日は中止中止。今から並んでも絶対打てないじゃん。こんなとこ止めてゲーセン行こうぜ。最近欲しいグッズがあるんだ」
マミさん「残念だけど引き返すしかなさそうね」
まどか「残念でしたね」
さやか「でもさ、この時間でこれだけ並んでるって先頭の人は何時から並んでるんだろ?」
杏子「せっかくだし先頭のやつだけ見ていくか。いったいどこの間抜けがこんなことに時間使ってるんだ?」
まどか「だめだよ杏子ちゃん、怒られちゃうよ!」
杏子「さーて、一番乗りの間抜けは誰かなっと」
ほむら「杏子!?」
杏子「ほむら!? お前こんなところでなにしてんだよ!」
ほむら「そ、それは」
まどか「ほむらちゃん?」
ほむら「まどか!? どうしてまどかがここに!?」
まどか「今日はみんなで私たちのパチスロ打とうねっていうお話してたの。もしかして、ほむらちゃんも?」
ほむら「~~~~」
さやか「あんたの予定ってパチスロだったんだ。へえー、いい趣味してんのね」
ほむら「美樹さやか。あなたは黙ってなさい」
マミさん「暁美さん、ずいぶん早く並んでたのね。いったい何時から並んでたのかしら?」
ほむら「ぜ、前日」
一同「前日!?」
杏子「あっはっはっはっは! おい聞いたかよ、席取るだけで数時間費やすとか転売屋かよ。こんなことする暇あったら宿題でもしとけっての」
ほむら「それくらいすでにしてあるわよ」
まどか「でもそっか、ほむらちゃんは今日はパチスロなんだね。実はわたしたちもそのつもりだったんだけど、並びがすごい数だから打てないんだ」
ほむら「まどか……」
まどか「残念だけど仕方がないよね。ほむらちゃん頑張って。今日は勝てるといいね」
ほむら「待ってまどか!」
まどか「え?」
ほむら「分かったわ。今からあなたたちの席を用意する」
杏子「おいお前まさか!」
ほむら「私は何度でも繰り返す。睡眠時間を削って席を取る!」
ただいま時間遡行中……。
ほむら「確保したわ」
杏子・さやか「すげえええええ!」
杏子「椅子が五台並んでるぞ」
さやか「あんたってまどかのこととなるとほんと見境ないわよね」
ほむら「まどか、一緒に並んで打とうね」
まどか「う、うん。そうだね」
マミさん「ありがとう暁美さん、助かったわ」
杏子「仕方がねぇ、用意されちまったら打つしかねえか」
さやか「それよりあんた、お金は大丈夫なわけ? 私は杏子に貸さなきゃならないから貸せないわよ?」
ほむら「それに関しては問題ないわ。これだけあるもの」
まどか「十万円!? ほむらちゃんそのお金どうしたの?」
さやか「まさかあんた!? 自分の魔法を使って……」
ほむら「何度も時間を遡行してバイトしてきたわ」
さやか・杏子「すげえええええ!」
ほむら「まどか。足りなくなったら私のを使っていいからね」
まどか「あはは……、ありがとね、ほむらちゃん」
マミさん「そろそろ開店するみたいよ。みんな整列して」
ほむら「それじゃまどか、先に行ってるわ」
まどか「大丈夫だよほむらちゃん、私もすぐ行くから……」
マミさん「どうやらみんな無事席は取れたようね」
角からほむら。角二まどか。以降杏子、さやか、マミさん。
まどか「うわー。なんだかドキドキするなぁ。これからこの台で遊ぶんだよね。それにお店中にもいっぱい台が並んでて、なんだか別世界って感じだね。遊園地に来たみたい」
ほむら「そうね、私もまどかと打てるなんて楽しみだわ」
杏子「分かっちゃいないねー。ここは遊園地でもおもちゃ屋でもねえ、天国と地獄が入り交じった戦場だよ。気を抜いたらあっという間に身ぐるみ剥がされるぞ?」
まどか「そ、そうなの? なんだか怖くなってきたよ」
ほむら「大丈夫よまどか」
まどか「ほむらちゃん?」
ほむら「私(のお金)がついているもの」
まどか「う、うん」
マミさん「さて、それじゃみんな準備はいい? 一緒に遊ぶわよ!」
一同「おー!」