「はぁ……なんで、こんな山奥にあるかね〜」
赤い帽子を被った一人の男がバイクを手で押しながら、舗装された山道を進んでいた。先程バイクが故障し、仕方なく、山道をバイクを押しながら進んでいた。
男は嫌そうな顔をしながら、山道を進む……しばらく、進んでいると人工物が見えてきた。
「お、あれか?」
押すスピードを上げて、山道を進む……そして、全体が見えた。
木々が生い茂る山の中で、唯一の人工物であり、男の目的地でもある白い建物を視認し、意気揚々と近づく。
「なんとか、着いたか……」
男はシミジミに感傷に浸った。長かった……まさか、途中で故障するとは思わず、しかも、それがその場で治るような故障ではないと知ったとき、どんなに落ち込んだか……しかも、丁度故障したのが、山の中腹だった。
降りるよりも押して、目的地を目指す方がまだ楽だなと楽観していたが、予想以上に辛かった。
「と、門は……」
感傷に浸るのは、後にして、まずは挨拶をしなければと思い、周りを見渡していると、誰かが手を振っていた。
「お〜い、こっちで〜す」
「ん、あっちか……」
男はバイクを押しながら、手を振っている人……女性に近づいた。
「すいません、遅れてしまいました」
「いえいえ、大変だったですね、こんか山道を押してくるの」
「慣れてますから」
以前友人達がら何故かよくバイクをお釈迦にして、代わりに押して帰っていたことが多かったので、慣れてはいるが、山道を押すのには慣れていない……ただの強がりだ。
「うっふふふ、そうですか」
女性も男の強がりがわかったのか、クスクスと笑う。
男もあはははと乾いた笑いで返す。
「と、雑談している場合ではありませんでしたね、中にどうぞ……えと」
「あぁ、自己紹介がまだでしたね」
男は被っていた赤い帽子を取り、軽く会釈をする。
「小波遊一です、今日からデュエルアカデミア アルカナイト校に就任することになりました。
よろしくお願いします」
「はい、私は……えー!小波遊一⁉」
女性は男の名前小波遊一の名を聞いた瞬間、文字通りに飛ぶように驚いた。
そして、グイグイと遊一に顔を近づける。
「こ、小波遊一って、あ、あの現デュエルキングの遊城十代の親友で」
「はい」
「あの初代デュエルキング武藤遊戯にも勝利した、あの!」
「そんなこともありましたねー」
「伝説の赤帽子の小波遊一様ですか⁉」
「はい、その小波遊一です……つか、様って」
目の前までに迫った女性の発言に苦笑いをする小波遊一だった。
ーーーかつて、デュエルアカデミアには最強の世代と呼ばれる世代があった。
ーーーその世代で最も有名なのが、遊城十代。
ーーー当時のデュエルキングであった武藤遊戯とデュエルをし、勝利を勝ち取り、デュエルキングとなった。
ーーーその彼が最高の親友でライバルだ!と嬉しそうに話したのが、同級生の小波遊一。
ーーーそして、初代デュエルキング武藤遊戯も小波遊一のことを褒め称えた。
ーーーそして、小波遊一は初代デュエルキング、二代目デュエルキングに認められたデュエリストとして、世界に認識された。
ーーーその小波遊一のトレードマークが赤い帽子だった。
ーーー故に人々は彼をこう呼んだ。
ーーー伝説の赤帽子と……。
赤帽子の教師生活。
調べて気付く牛尾の年齢。
若干、内容を改変