「え、何で?」
遊一にしてみれば、本当になんで?どうして?何故に?と考えたくなった。
自分は今日来たばかりの教師だ、そんな実力もわからない人間よりも、他の人間が適任ではないか?とも考えた。
小波遊一は確かに有名なプロデュエリストだが、どちらかというとかなりマイナーなプロデュエリストである。何故かというと、遊一があまり大会に出ないし、伝説の赤帽子とも呼ばれているが、それはデュエルアカデミア本校の出身者が呼んでいるだけで、実はそこまで有名ではない。
他にも理由がある、第一にTVや雑誌などにまったくと言っていいほど出ないし、さらに友人達にも自分のことは口止めをしているからだ……十代には無意味だったが。と遊一は考えているが、実は既にかなりの有名人である。
何せ、初代デュエルキングと二代目デュエルキングが名指しで褒め称えた人物だ、有名にならないはずがない。
「私がデュエルをしたいからです」
もちろん、神原は小波遊一のことは有名になる以前から知っているので、デュエルをしたいとずっと思っていた。
「じゃ、嫌「ちなみに拒否権はありません」……へ?」
遊一が気配に気付き、後ろに振り向くと黒いスーツを着て、サングラスをかけた、ゆうは2mはある巨漢の男達が遊一の退路を塞いでいた。
あ、これダメだわと諦めた遊一は嫌々ながら、デュエルディスクを構えた。それを見て、ニッコリと笑い、神原も再度デュエルディスクを構えた。
「「デュエル‼」」
そして、二人のデュエルが始まる。
先攻 神原 桜 天下桜花
VS
後攻 小波 遊一 昆虫王者
LP4000
通常デュエル
1ターン目 神原桜
「まずは私のターン、ドロー」
神原桜はまず相手小波遊一先生のデッキが何かを考えていた。彼女が知っている小波遊一のデッキは複数あり、その中で現状一番使いそうなデッキを考えていた。
……だが、思いつくはずがなかった。小波遊一に情報に関しては、かなりの自信があるが、その大量にある情報の中から、何のデッキをしようするかなどわかるはずがないので、まずは相手の出方を伺うことにした。
「私は“ローンファイア・ブロッサム“を召喚します」
「げぇ⁉」
ローンファイア・ブロッサム 星3/攻 500
床にヒビがはいり、そこからから現れたのは、大きな実をつけた植物だった。その大きな実は赤色に淡く光を発していた。
「“ローンファイア・ブロッサム“の効果を発動します。
1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在する植物族モンスター1体をリリースして発動でき、それにより、デッキから植物族モンスター1体を特殊召喚ができます。」
“ローンファイア・ブロッサム“
効果モンスター(準制限カード)
星3/炎属性/植物族/攻 500/守1400
1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在する植物族モンスター1体をリリースして発動できる。
デッキから植物族モンスター1体を特殊召喚する。
赤く発光していたローンファイア・ブロッサムの光がより一層強くなった。
「“ローンファイア・ブロッサム“をリリースして、デッキから二体目の“ローンファイア・ブロッサム“を特殊召喚し、さらに効果を発動し、デッキから“ギガプラント“を特殊召喚します!」
「ですよねー、そうしますよねー」
ギガプラント 星6/攻2400
さて、ここで軽く説明をしよう。“ローンファイア・ブロッサム“の運用の方法の一つとして、“ギガプラント“の効果の活用がある。
“ギガプラント“はデュアルモンスターと呼ばれる特殊なモンスターで、再度召喚と呼ばれる二度手間をすることにより、効果が使用できるモンスターである。これを聞いた人間の大半はデュアルモンスターを使えないカードだと認識するが、それは間違いである。
確かに、再度召喚という二度手間が必要だが、デュアルモンスターはフィールド、墓地に存在する限り、通常モンスターとして扱われ、再度召喚することで効果モンスターとなり、効果が使えるようになるモンスターだが、通常モンスターとして扱われるのはかなりデカい。
何故なら、通常モンスター専用のサポートカードが使えるからだ。
“思い出のブランコ“や“ジャスティブレイク“などが使用できる。ただ、“ジャスティブレイク“などのカードは使い所を考えなければ、自分のモンスターも犠牲になる可能性がある。
そして、何よりも効果が強力なモンスターが多い、その代表格が“ギガプラント“である。
“ギガプラント“
デュアルモンスター
星6/地属性/植物族/攻2400/守1200
このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、
通常モンスターとして扱う。
フィールド上に表側表示で存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
●1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。
自分の手札・墓地から昆虫族または植物族モンスター1体を選んで特殊召喚する。
という効果を持っているモンスターだ。
1ターンに1度とはいえ、コストなしの特殊召喚はかなり大きいし、場合によってはすぐに再度召喚状態にできるため、かなり強力な効果だ。しかも、レベル6のモンスターとしても、攻守のステータスも悪くないし、植物族で土属性なので、サポートカードも豊富だ。
故にデュアルモンスターだが、植物、昆虫族が関連するデッキなら採用率が高い優秀なモンスターだ。
……で、“ローンファイア・ブロッサム“との運用方法の話に戻るが……面倒から、いいや。
「私はカードをセット、ターンエンドです」
神原 桜
LP4000
手札3
モンスター
ギガプラント 攻2400
魔法、罠
セット×2
2ターン目 小波遊一
“二重召喚“とかは使わなかったな……デッキに入れてないのか?
まぁ、別にデッキに必要なカードではないしな。
「俺のターン、ドロー」
そういや、ドローで思い出したが、確か全員がデュエリストのアイドルグループで“ドロー40“といたな〜。
何がいいのか、まったくわからないが。
「“アーマード・ビー“を召喚」
「“アーマード・ビー“⁉」
アーマード・ビー 星4/攻1600
アーマード・とつくと次にコアと書きたくなるのは俺だけか?と思いながら、どうみてもスズメバチな“アーマード・ビー“を見ながら、思った。
つか、神原が“アーマード・ビー“を見て、警戒したところを見るに“アーマード・ビー“の効果を知ってんな。
「ふむ、“アーマード・ビー“の効果を知っているみたいだな……だから、どうした?
“アーマード・ビー“の効果発動!
1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し発動できる。
選択した相手モンスターの攻撃力をエンドフェイズ時まで半分にする、“ポイズンニードル“‼」
「くっ⁉」
“アーマード・ビー“が“ギガプラント“に近づく、蜂の様に舞い、蜂の様に刺した……って、あいつは蜂だったわ。マスターガイドで蜂の様に刺す!なんて、説明があったせいだ。
絶対そうだ。
ギガプラント 攻2400÷2=1200
“アーマード・ビー“
効果モンスター
星4/風属性/昆虫族/攻1600/守1200
1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
選択した相手モンスターの攻撃力をエンドフェイズ時まで半分にする。
「さらに、魔法カード“孵化“発動。
自分フィールド上のモンスター1体をリリースする。リリースしたモンスターよりレベルが1つ高い昆虫族モンスター1体をデッキから特殊召喚できる……俺は“ヴァリュアブル・アーマー“を特殊召喚」
“孵化“
通常魔法
自分フィールド上のモンスター1体をリリースして発動する。
リリースしたモンスターよりレベルが1つ高い昆虫族モンスター1体をデッキから特殊召喚する。
ヴァリュアブル・アーマー 星5/攻2350
“アーマード・ビー“の周りに大量の毛虫が現れ、糸を吐きかけると“アーマード・ビー“が繭に包まれる。そして、繭が割れ、そこから巨大な蟷螂“ヴァリュアブル・アーマー“が現れた。
「そして、墓地に送られた“アーマード・ビー“を除外して、“ジャイアントワーム“を特殊召喚!」
そして、次は地中から巨大な蟲が現れた。
ジャイアントワーム 星4/攻1900
“ジャイアントワーム“
効果モンスター
星4/地属性/昆虫族/攻1900/守 400
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地に存在する昆虫族モンスター1体をゲームから除外した場合のみ特殊召喚する事ができる。
このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、相手のデッキの上からカードを1枚墓地へ送る。
「さらに永続魔法“大樹海“発動!」
遊一と“ヴァリュアブル・アーマード“達の周りに先が見えないほどの木々に覆われた樹海が広がる。
「いくぞ、神原!“ジャイアントワーム“で“ギガプラント“を攻撃‼」
“ジャイアントワーム“がその巨体をクネクネと動かしながら、蜂の毒で弱った“ギガプラント“に迫り、その巨大な口で噛み砕こうと開く……が。
「待ってください、罠カード“
「ちっ!」
“ジャイアントワーム“が噛み付こうとした瞬間、足元から棘の壁が現れ、“ジャイアントワーム“達を引き裂いた。
遊一の目の前に巨大な棘の壁がそびえ立っていた。
“
通常罠
自分フィールド上の植物族モンスターが攻撃対象に選択された時に発動できる。
相手フィールド上に攻撃表示で存在するモンスターを全て破壊する。
「自分の植物族モンスターが攻撃対象に選択された時に発動できます、相手フィールド上に攻撃表示で存在するモンスターを全て破壊します‼」
「だが、“大樹海“の効果発動。
昆虫族のモンスターが破壊されたとき、破壊されたモンスターと同じレベルの昆虫族モンスターを手札に加えることができる!」
“大樹海“
永続魔法
フィールド上に表側表示で存在する昆虫族モンスターが戦闘またはカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時、そのモンスターのコントローラーは破壊されたモンスターと同じレベルの昆虫族モンスター1体をデッキから手札に加える事ができる。
「破壊されたのはレベル4“ジャイアントワーム“とレベル5“ヴァリュアブル・アーマー“だ、よって、レベル4とレベル5のモンスターを手札に加える」
「……っ」
「俺はレベル4“アーマード・ビー“とレベル5“ミレニアム・スコーピオン“を手札に加える」
さて、これで後で戦線は回復できるが、このターンは攻撃できないが、こいつで戦線を持たせるか……。
「俺は墓地にいる昆虫族モンスターを二体除外して、現れろ!」
地を割り、山を砕き、現れるは悪魔の昆虫王者。
「“デビルドーザー“‼」
“デビルドーザー“
効果モンスター
星8/地属性/昆虫族/攻2800/守2600
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の昆虫族モンスター2体をゲームから除外した場合のみ特殊召喚する事ができる。
このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、相手のデッキの上からカードを1枚墓地へ送る。
「さて、始めようか……」
遊一と“デビルドーザー“は凶悪な笑みを浮かべた。