犬夜叉 獣身狼伝   作:凱聖

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今回はというよりもこの作品は転生物に近くしました。ただし神様転生とは違います。流れ的にいきなり初っ端から転生する様な作品にしたくなかったというのが個人的な考えです。自分の転生のストーリーを作りました。周りの転生物に何か寂しいので自分なりにアレンジしました。それでは始まるよ!




光あるところに漆黒の闇ありき、古の時代より人類は闇を恐れた。

 

しかし、騎士と仲間達の刃と力そして勇気で人類は希望の光を得たのだ。

 

平行世界いわゆるパラレルワールドとはご存知だろうか?

 

そうダイチの世界ではホラーがいるが妖怪や霊力がなく、犬夜叉達の世界ではホラーは存在しない代わりに妖怪や霊力がある。

 

だがもしも犬夜叉達の世界における平行世界の更に平行世界が存在するとしたらどう想像するだろうか?

 

この話はこの主人公と深く関わる事かもしれない話かもしれない。

 

ん?ここは?

 

ダイチは、ある景色を見ていた。

 

映っているのは自分の手だが誰かに手を掴まれていた。

 

それも自分の手が幼い。

 

『お姉ちゃん。喉乾いたから少し待って。』

 

幼い頃の自分の声がある女性に向かって元気良く言う。

 

『ああ、わかったよ。』

 

女性は、優しそうな声が響く。

 

水を飲むために池の水を飲み終わり池に写る姿は、幼いダイチの顔だった。

 

・・・・何だよ!?これはまるで子供の頃の俺じゃねえか!?

 

その子供が走って戻ると女性は、待っていた。

 

よく見るとかごめにそっくりな女性だった。

 

『本当に僕もついて行って良いの?』

 

『大丈夫だ。途中まで一緒の道だからな、兵一。』

 

『わかったよ桔梗お姉ちゃん。』

 

桔梗!?

 

目に入って来たのは巫女装束を身に付けたかごめにそっくりな女性がその子供を兵一と呼び再び歩き始める。

 

ザザッ!

 

草むらが直ぐに音が聞こえると鋭い音が響く。

 

『お姉ちゃん!?』

 

倒れ込む桔梗を見た兵一は、直ぐに駆け寄る。

 

『くっ・・・』

 

桔梗の右手には、四魂の玉が存在した。

 

手を伸ばそうとすると何かの足が桔梗の手を踏み付けた。

 

『バカが、人間なんざになる気なんざさらさらねえよ!』

 

聞き覚えのある声だ。

 

そう犬夜叉の声だった。

 

『犬夜叉!やめてよ!やめてよ!』

 

兵一は、直ぐに犬夜叉にしがみつく。

 

が!

 

ドスッ!

 

『ああ・・』

 

兵一の下腹が犬夜叉の爪に切り裂かれ倒れる。

 

『へ・・兵一・・』

 

桔梗は、倒れたまま兵一に四つん這いで歩み寄る。

 

『犬・・・夜叉・・・?』

 

何故自分達を攻撃したのか理解できない桔梗。

 

ん?何だよ!あの犬夜叉の身体から出てるドス黒い物は!?

 

兵一の映る物を見て犬夜叉に似ているが何か別の何かが違うとダイチは気づく。

 

だがダイチは、見ているだけで何も出来なかった。

 

『ふっ、この玉もっと怨みの血を吸わせなきゃいけねぇな。このガキ同様に村の奴ら皆殺しだ。』

 

犬夜叉らしい者は、四魂の玉を持って去る。

 

『兵一・・兵一・・・しっかりしろ兵一。』

 

涙を流しながら桔梗は、抱き締め兵一の意識を確認する。

 

『お姉ちゃん・・・死ぬの僕・・・?』

 

『気を・・・しっかり持つのだ・・・』

 

だが桔梗には、声をかけるしかなす術がなかった。

 

『もしも・・・生まれ変わったら・・・またお姉ちゃんに・・会っても良い?』

 

『ああ、良いとも・・だから・・しゃべる・『ありがと・・・う・・・』・・兵一?』

 

すでに兵一は、笑顔のまま息絶えた。

 

『おのれ・・・犬夜叉・・・おのれぇぇぇっ!!』

 

桔梗は、瞳から再び涙を流し怒りの声で立ち上がり村に向かい犬夜叉を矢で封印した。

 

「わっ!」

 

全身寝汗塗れで起き上がる。

 

「ダイチ?どうした?」

 

今日は楓の自宅で寝ていたので近くで寝ていた楓が起き上がる。

 

犬夜叉達は、四魂の玉を集めるので村の外に出てる。

 

ダイチは、稽古に集中したいからと今回は外した。

 

「あ、婆さん。すまん、起こしたか?」

 

「お主何かに魘されていたぞ?」

 

楓が心配そうにダイチを見る。

 

「なぁ、婆さん。少し聞いても良いか?」

 

ダイチは、勇気を持って楓に話す。

 

「婆さんの姉ちゃんの桔梗は、何で死んだんだ?」

 

「・・・・」

 

楓は、黙り込む。

 

「いや、身内の死を聞いて不快ならこの事は聞かなかった事に「お前なら話しても良いだろ。」え?」

 

楓は、布団から起きると暖炉に火を起こし昔の事を聞かせた。

 

「桔梗お姉様は、犬夜叉の爪で切り裂かれただけでなく近くにいた兵一と言うお姉様を慕う子供が先に命を落としその後お姉様は、犬夜叉に最後の力を振り絞って封印して直ぐに息絶えた。」

 

「兵一?」

 

ダイチは、その兵一と言う子供を夢で見ていた。

 

「兵一は、この村に流れ着いた戦争孤児でなお姉様が薬草を取る時に連れて来た。わしも可愛い弟の様に可愛がっていた・・・可哀想にまだ4つの子供だったのに。わしが目をある事件で負傷して目が見えなくなったのにどうしても薬草を取って治すからと言う優しい子だった。」

 

楓は、悲しい表情でその子を思い出す。

 

「婆さんすまねえなそんな話を聞いて・・・少し夜風に当たりに行くから寝ててくれ。」

 

何故か複雑な気持ちのダイチは、楓の自宅を後にして月夜の出る外へ歩く。

 

(何故あんな夢を見たんだ?)

 

いつの間にかダイチは、村からかなり離れた場所に来ていた。

 

キャーーッ!!

 

「今の悲鳴は!?」

 

ダイチは、聞き覚えのある声そうかごめの声が聞こえて直ぐに走り出す。

 

「どうしたんだ!!?」

 

ダイチが犬夜叉とかごめと七宝が野宿している火の光を確認すると犬夜叉達に近づく。

 

「あれダイチさん?」

 

かごめは、無事らしい。

 

「いてて!」

 

顔を抑える犬夜叉。

 

「いきなり何するんでぇ!」

 

犬夜叉は、どうやらかごめにビンタされたらしい。

 

「あ、ごめん。寝ぼけて怖い妖怪が襲って来たのかと思って・・・」

 

かごめの答えにホッとするダイチ。

 

「ダイチさんこそ何で此処に?」

 

「いやな・・夜の散歩してたらかごめの悲鳴が聞こえて来たんだ。・・・ん?」

 

後ろを振り向くと老婆の妖怪が何かを持って通り過ぎて行く。

 

「あいつ何持ってるんだ?」

 

「湿った土の匂いと骨の匂い・・・」

 

犬夜叉が独り言のように老婆の妖怪を見て言う。

 

「!」

 

ダイチは、嫌な予感がして直ぐに村に戻る。

 

「ねえダイチさん?」

 

「おい!」

 

ダイチは、かごめと犬夜叉の声を無視して全速力で走る。

 

「!?」

 

ダイチが日が出る頃にようやく村にたどり着くと楓の自宅の奥にある社が壊されていた。

 

「楓婆さん!?どうしたんだこれは!?」

 

頭に傷を負う楓にダイチは、聞く。

 

「ダイチ・・・盗まれた・・・」

 

ダイチは、何か重要な物だと楓の口調からして察する。

 

「まさか!桔梗の何かか?」

 

ダイチは、ハッとすると楓が頷く。

 

「ダイチさーん!!」

 

空を見るとかごめと寝ている七宝に荷物を背負った犬夜叉がやって来た。

 

「なんでぇ楓ババアの血の匂いがしたが生きてたかの。」

 

どうやら犬夜叉は、あの老婆の妖怪から楓の血の匂いがしたので追って来たらしい。

 

「そうか・・・妖怪からワシの血の匂いを嗅ぎつけて。」

 

「ったく生傷の絶えねえババアだなおめぇも。」

 

かごめとダイチに支えられている楓の後ろで犬夜叉は、生意気にいうが。

 

「(へー。)楓ばあちゃんが心配で戻ろうって言ったんだ。」

 

「優しい野郎だな犬夜叉は・・・」

 

かごめとダイチは、犬夜叉の思いやりに感心する。

 

「で?壊された此処には桔梗の何があったんだよ?」

 

ダイチが話の続きを楓に聞き直す。

 

「此処にはな桔梗お姉様の墓だった所だよ。」

 

「此処にお墓が?」

 

「桔梗の骨をか?何か物騒だな。」

 

かごめが驚くとダイチも嫌な予感が当たる。

 

「お姉様は、巫女の中でも並外れた力を持った方だった。その骨を妖怪の手に渡ればどのように悪用されるか・・・」

 

その話を聞くと犬夜叉は、社から離れようとする。

 

「犬夜叉?」

 

「断る!楓ババア俺と桔梗は、敵同士だったんだぜ。どこのどいつがこの胸に矢を放ったか忘れちまったんじゃねえだろうな?」

 

犬夜叉は、手には胸を当てて楓に言うと去る。

 

「そうだったな・・・」

 

楓は悲しい表情で諦めていると。

 

「俺は行くぞ婆さん。」

 

「ダイチ?」

 

流石の言う人物に楓も驚く。

 

「なんだかよ。他人事に思えないんだ。(それに昨日の夢が物凄い胸糞悪いしな!)」

 

ダイチは、犬夜叉に続いて社を去る。

 

(犬夜叉?)

 

ダイチは、社から出ると村の木下で背もたれしている犬夜叉を発見した。

 

「!」

 

すると犬夜叉の目の前にかごめがやって来た。

 

「行こうよ犬夜叉。」

 

「どこに?」

 

かごめの顔を見ると目をそらす犬夜叉。

 

「ねぇ可哀想じゃない桔梗。お骨取られるなんて・・・あんたとどんなに憎しみ合っていたってもう良いじゃない。桔梗は、ずっと昔に死んじゃったんでしょ?」

 

かごめは、犬夜叉を優しく説得した。

 

「・・・・」

 

プイ

 

何故か今日の犬夜叉は、かごめの顔を逸らす。

 

ムッ!

 

「ちょっと!」

 

かごめは、目をそらす犬夜叉の髪を引っ張って自分と顔を向く合わせる。

 

「な!なんだよ!?」

 

「なんかあんた!昨日から私の顔を見ようとしないわね!」

 

かごめは、昨日の夜からの犬夜叉の異変に直ぐに勘付く。

 

「別になんでもねえよ・・・」

 

「わかった!私の顔が桔梗に似ているからでしょ!だから嫌なの!?だから嫌いなの!?」

 

だが犬夜叉の目に映るかごめが桔梗に見えて仕方ないそれを本人は自覚していた。

 

すると犬夜叉は、かごめの手を握る。

 

「そんなんじゃ!」

 

「えっ?」

 

かごめは、自分手を犬夜叉が握るのを見ると犬夜叉の顔を見る。

 

「そんなんじゃねえ・・・」

 

(え・・・な・・・何?)

 

かごめの胸の高鳴りが高くなる。

 

「ちょ!ちょっと!何よ!!」

 

ドン!

 

かごめは犬夜叉を押し倒した。

 

(な、な、なんなの今のは?)

 

落ち着こうとするかごめ。

 

(やれやれかごめは、鈍感だね・・・惚れてるのな犬夜叉に。)

 

無自覚なかごめに溜息を吐きながら呆れるダイチは隠れて見ている。

 

「「「ん?」」」

 

三人は振り向くと楓が馬を引き連れて来た。

 

「婆さん?」

 

「楓婆ちゃん。」

 

「わしとて妹巫女。桔梗お姉様の骨は我が手で取り戻す。犬夜叉、裏陶がどちらの方角に行ったかで良い教えてくれ。」

 

「死にてえのかババア?」

 

「俺も行くからついでに教えてよ。」

 

ダイチは、楓の馬を触る。

 

「楓婆ちゃん、ダイチさん。」

 

かごめが止めに入る。

 

「止めたって無駄だろ?」

 

犬夜叉がかごめ話の途中で割り込んで来た。

 

「桔梗の骨は兎も角ババアとダイチの骨は拾って帰ってやるよ。」

 

馬の手綱を持つと犬夜叉は、案内をし始めた。

 

「すまん犬夜叉。」

 

「ははは・・・勝手に殺すなよ。」

 

楓とダイチは、安心して犬夜叉を見ると。

 

「楓婆ちゃんあたしも行っていい?」

 

「かごめ?」

 

かごめは、犬夜叉の後をついて行った。

 

(犬夜叉のさっきの目はあたしじゃなくてあたしの中に桔梗を見ていた?)

 

かごめは、自分の自転車を持つと七宝を連れて馬に跨った楓とダイチと共に犬夜叉の後を追いかけた。

 

夜、日が暮れたので野営をする事になった。

 

「みんな寝たな。」

 

ダイチが辺りを見渡すと疲れているのかかごめ達は、寝ている。

 

「ダイチおめえも早く寝ろよ。朝早く突入するからよ。」

 

「犬夜叉。」

 

「ん?」

 

ダイチは、犬夜叉が起きているのである質問をする事にした。

 

「前々から気になっていたんだけどよ。かごめは桔梗の生まれ変わりなんだろ?かごめと桔梗はどう言うところが違うんだよ?」

 

妙な質問に犬夜叉は、迷わず口が動く。

 

「桔梗は・・・かごめよりも賢そうだし美人だ。かごめは、暴力的で心が狭いぞ。」

 

ゾクッ

 

「え?」

 

ダイチは、何故が悪寒が走り犬夜叉から離れる。

 

その時。

 

「おすわりっ!」

 

ドシィーンッ!!

 

「ふんぎぃっ!」

 

犬夜叉は、地面にめり込む。

 

「あっ!起きてたんだ・・・・」

 

ダイチは、寝ているかごめの方を見る。

 

「見たろダイチ?こいつの心の狭さを。」

 

「おすわりっ!おすわりっ!おすわりっ!おすわりっ!おすわりっ!おすわりっ!おすわりっ!おすわりっ!おすわりっ!おすわりっ!おすわりっ!おすわりっ!おすわりっ!!」

 

かごめの容赦ないおすわりっ!が更に続く。

 

「バカだな・・・彼処で桔梗よりも良いところを言えばおすわりっにならなかったのによ・・・恐ろしい言霊の念珠・・・黄金騎士すらもつけられたら100%勝てない最強のアイテムだな・・」

 

ダイチは、何時もの慣れた光景に微笑ましく見える。

 

「ふんぎ・・・・」

 

ガクッと倒れると犬夜叉は、気絶した。

 

「かごめは、眠んないのか?」

 

ダイチが気絶した犬夜叉の代わりに火の番をしながらかごめを見る。

 

「・・・・」

 

ダイチは、今起きているのをかごめと自分だけだと把握した。

 

「俺よ、昨日怖い夢を見たんだ。」

 

「怖い夢?」

 

かごめは、そのままダイチの話を聞く。

 

「草原で俺は小さいガキになっていて誰かといいや・・小さいガキの俺はそいつの事を桔梗って言っていたんだ。」

 

「桔梗?」

 

かごめは、今回関連する名前を聞いて驚く。

 

「桔梗は、俺の手を握って反対側の手には光る玉・・・そうだな四魂の玉だと思う。それからいきなりの桔梗は背後から犬夜叉に爪で切り裂かれた。」

 

「犬夜叉が!?」

 

あり得ない顔でかごめは表情を変える。

 

「でもよ俺が見た時なんだか何時もの犬夜叉の雰囲気じゃなかったんだよ。まるで何かが化けて犬夜叉の姿になっている感じだった。それで俺はその犬夜叉を止めようとして爪で腹を切り裂かれ四魂の玉を奪って消えた。その後桔梗が俺を抱き締めて泣いていた。息を引き取った後の桔梗は、怒りと悲しみに溢れた表情になってその夢は終わったんだ。」

 

ダイチは、全てをかごめに話すと無言がしばらく続く。

 

「よかった・・・」

 

「へ?何が良かったんだ?」

 

「だってダイチさんは、その夢の犬夜叉が偽物だってわかったんでしょ?あたしもその夢を見ていたらきっとそんな風に思うもん。あいつ心が狭いけど優しいところあるし酷い事をする奴じゃない。」

 

かごめの言葉を聞いたダイチは、プッと笑う。

 

「何よ?」

 

「いや、安心して笑ったんだ。かごめは、俺よりも犬夜叉の事わかっているじゃん。で?俺が居ない間に何があったんだよ。」

 

ダイチは、かごめから色々話を聞くと何でも犬夜叉は朔の日に人間に戻ってしまう事を説明した。

 

かごめ自身も犬夜叉が人間になる日があれば信頼して守ってくれるのをダイチしかいないと思い打ち明けた。

 

「確かにヤバイな俺も朔の日にいる時は出来るだけ見張っててやるから。」

 

この状況は流石に危険だと真顔でダイチ自身も理解した。

 

翌朝。

 

「一刻も早く桔梗お姉様の骨を取り戻さねば。」

 

早朝、一同は準備を済ませると再び動き始める。

 

「はぁ〜、なにやら悍ましい予感がしてならぬ。」

 

「何が悍ましい予感だ。」

 

楓の乗っている馬の後ろに乗る犬夜叉が喋り出す。

 

「そんなに取られたくなかったら川にでも流しちまえば良かったんだ。未練がましくこんな事になるんだろ?」

 

「犬夜叉、お前は墓とはどう考える?墓とは単に遺体や遺骨を納める場所ではない。本当に墓を必要とするのは残された者達の心なのだ。」

 

「残された者達の心?」

 

「続けてくれよ婆さん。」

 

楓の言葉にダイチも食らいついた。

 

「お姉様は、巫女として生まれ村人の為に霊力を使っておられた。物の怪を避けつけず難病や飢饉も共に戦い励まし続けた。お姉様が亡くなられた後も村人は決して挫ける事なく強く生きてこうとしとる。しかし、人とはか弱き生き物。困難や不安が容易く押し潰される。面影を慕いたいのだ。その心の拠り所たったのだ。あの墓は。」

 

「可哀想だな・・・桔梗は。」

 

「ダイチさん?」

 

「まるで魔戒騎士の様に孤独なものだったんだろうな。戦う時も。強い霊力を持った為に誰かを愛する事も好きな事も全て犠牲にして来たんだな。」

 

《お姉ちゃん!》

 

ダイチの頭には丘から空を見上げる桔梗の姿が突然現れた。

 

《兵一。》

 

振り返った桔梗は、優しい笑顔で兵一の頭を優しく我が子を撫でる様に触り愛おしくも見えた。

 

ポロッ・・・・

 

「どうしたのだダイチ?」

 

「ん?」

 

楓の言葉に気付くと目から涙が流れていた。

 

「な!何で涙を?」

 

目を拭くと何故自分が涙を流していたのか理解できないダイチだった。

 

(あっ!あの時の目だ。あたしの顔が桔梗に似ているから?嫌いなの!?《そんなんじゃねえ・・・》あの時の犬夜叉、あれは人を憎んでる目じゃなかった。もしかすると・・・・犬夜叉は本当は桔梗の事好きだったんじゃ?50年間も封印されてだとしたらこいつメチャクチャ可哀想な奴かも。)

 

「!」

 

視線に気づいた犬夜叉は、かごめを見る。

 

「な!なんでえかごめ。」

 

「なんでもない(かわいそう。)」

 

「なんかすげえムカつくぞその目つき。なんだその憐れむようなまなざしは!?」

 

「犬夜叉かわいそー!」

 

犬夜叉の背後にいるダイチがふざけ口調で犬夜叉な可哀想な視線を送る。

 

「何がだ!」

 

犬夜叉は、ダイチを睨むとかごめを見る。

 

「あ、ごめん、変な事を考えちゃって・・・」

 

「え〜〜〜っ!てめえらなに考えていたんだコラ!」

 

「あーもーうるさい!」

 

「犬夜叉かわいそー!」

 

かごめは、自転車を漕ぎまくりダイチもイタチごっこの様に犬夜叉から逃げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

此処は裏陶の住処兼工房の様な場所だった。

 

「うひひひ・・・なかなか良い焼き上がりじゃ。」

 

工房の中の粘土を焼く窯の中を開けると裏陶は、頭に付けている草を粘土に置くと窯の火が消えて始める。

 

「桔梗の霊骨と墓土を練り込み、我が鬼窯にて焼きたる人器。どお〜〜れ。」

 

裏陶は、鎌で粘土を刺すと割れ始める。

 

その粘土の中から若く美しい女・・・桔梗が生まれたばかりの衣服を着てない状態で現れた。

 

「桔梗よ、お主は昔この世にある時巫女として四魂の玉を狙って来る妖怪どもをことごとく葬り去ったと言うではないか?これからはこの鬼女裏陶の僕として四魂の玉を集めて貰うぞ。立て桔梗!そして戦え!」

 

裏陶か妖力を使い桔梗を動かそうとする。

 

が!

 

ヨロッ・・・ドシャッ!

 

直ぐに倒れた。

 

「ん〜〜?」

 

裏陶は、倒れた桔梗の髪を鷲掴みにして持つとある事に気付く。

 

「魂が戻っておらぬ!これではただの抜け感!この裏陶の術が魂を取り逃がすはずはなし。と言うことは・・魂はすでに転生し、他の体に生まれ変わっていると言うのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃犬夜叉達は。

 

「こ〜わ〜い〜。」

 

今にも壊れそうな橋を渡っていた。

 

「大丈夫か?」

 

ダイチは、かごめを心配する。

 

「ねーこの橋いっぺんに渡って大丈夫かな?」

 

「落ちるかとしんねーな。」

 

「可能性はあるな。」

 

「え?」

 

犬夜叉とダイチのさりげない言葉にかごめは、驚く。

 

「何か来るぞ!」

 

七宝は、何かが橋の奥から来るのに気づく。

 

「え?な、なにあれ?」

 

人形で出来た侍達がゾロゾロとやって来た。

 

「(鬼婆の兵隊か!?)かごめ、楓ババア、ちょっと揺らすぜ。」

 

「一暴れするからな!」

 

手を鳴らす犬夜叉と魔戒斧を構えるダイチが直ぐに戦いを始める。

 

「散魂鉄爪!!」

 

「おうら!!」

 

犬夜叉は、爪で戦いダイチも喧嘩殺法の技を使いながら魔戒斧で倒して行く。

 

「粘土?」

 

ダイチは、敵を倒すと今までの触感とは違う事に気づく。

 

「きゃ〜〜!どんどん来る〜〜!」

 

「「ちっ!」」

 

犬夜叉とダイチは、再び戦いを始める。

 

「ったく何奴じゃ、この忙しいのに・・ん?あの小娘・・・」

 

裏陶は、外のうるささに気づいたのか見に来るとかごめに目が止まる。

 

「似ている!あの面差し、桔梗にそっくりじゃ!」

 

裏陶は、直ぐに飛び出してかごめに向かう。

 

「どけ!てめえら!」

 

犬夜叉は、敵を倒すが土人形で出来ているのか壊れていない手の部分が犬夜叉を次々と掴む。

 

「くっ!」

 

犬夜叉の身体から纏わり付いて離れない。

 

「おい!犬夜叉!ん!?」

 

真横を見ると裏陶が見えると裏陶は、鎌を振り下ろし橋を切った。

 

「きゃっ!」

 

かごめが落ちそうになった時裏陶が捕まえてさらわれてしまう。

 

「楓婆ちゃん!犬夜叉!ダイチさん!」

 

犬夜叉達は、崖から落ちた。

 

「あ、あんた!」

 

「うひひひ、この高さから誰も助からん。」

 

「犬夜叉ー!!」

 

かごめは、裏陶の住処に連れさらわれてしまった!

 

続く。




次回 桔梗
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