犬夜叉 獣身狼伝   作:凱聖

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。


水神

古の時代より人類は闇を恐れた。

 

しかし、騎士と仲間達の刃と力そして勇気で人類は希望の光を得たのだ。

 

「お城みたいな大きい物でも探して見るとないもんね〜。」

 

洞窟の件から里を離れた犬夜叉一行は、珊瑚がいた城を探していたが手掛かりがなくていた。

 

「でぇ、身体は治ったんだろ?お前の目的も奈落を倒す事。しばらくは俺たちに付き合いな。ん?なんかの文句ある顔だな!?」

 

幼稚な犬夜叉は、珊瑚に睨む。

 

「おいおい。犬夜叉、ややこしい事になるからやめろ。まぁ、奈落に対しては俺たちの方が詳しい。それに珊瑚にとっても損は無いと思う。」

 

ダイチは、犬夜叉にフォローして珊瑚に説明した。

 

それでも珊瑚は、犬夜叉を睨むと弥勒が珊瑚の前に入る。

 

「ですな。ここは焦らず四魂の玉をまず集めましょう。集めてさえいればいずれ奈落の方から欠片を狙ってきます。直ぐにも仇を討ちたいだろうが此処は聞き分けなさい。」

 

(なんか坊さん紳士っぽいけど何か裏ありありだな?)

 

察しの良いダイチは、そのまま弥勒を観察する。

 

「ああ、わかったよ。」

 

珊瑚も納得していた。

 

「分かりますよお前の気持ち。」

 

「ありがとう・・・でも法師様。何で話しながら撫でまわす?」

 

ギュウウッ!

 

珊瑚は、弥勒が腿に対してセクハラをしていたので手をつねった。

 

「とうとう本来の坊さんが覚醒したな。」

 

「珊瑚ちゃんの怪我が治るまで我慢してたのね。」

 

「弥勒いい加減にしやがれ!」

 

すると風船の様な妖怪の姿をした七宝が戻ってきた。

 

「何か見つけたの七宝ちゃん?」

 

「どうかしたか?」

 

かごめとダイチは、七宝に行く。

 

「この先にでっかい湖があるんじゃが中にど偉い社が建っとった。」

 

「「ど偉い社?」」

 

「奈落の城か!?」

 

一行は七宝の言う社に向かう事にした。

 

 

向かう途中水害の後を治す村人達が作業をしている。

 

ゴーン!

 

一行は、その鐘の音を聞くと村人達が神輿の様な物を担いで何処かに向かっている。

 

「生贄の子供じゃ。今度の洪水は酷かったから酷かったからの。」

 

「今度はどこの子だ?」

 

村人達がそんな話をしていると。

 

「子供を生贄に!?」

 

「穏やかじゃありませんね。」

 

「こりゃ裏がありありだな。」

 

ダイチが言うと犬夜叉と一緒に神輿の方に走って行く。

 

「名主様、おいたわしや。」

 

近く者が名主にそう呟く。

 

「何を言う村を守る為に我が子を水神様に差し出すのは当然じゃ。「何が当然だ?」!?」

 

名主は、見上げると犬夜叉とダイチが神輿に乗っていた。

 

「水神とか言ってよ、実は変な妖怪じゃねえのか?」

 

「おいおいそんなに驚くなってよ。」

 

ダイチは、ヘラヘラと驚く村人達を見る。

 

「四魂の欠片で妖力を高めて化け物だろ?隠すと為にならねえぞ?」

 

「全部吐いちまえよ。その方がいい筈だ。」

 

「な、何じゃ此奴らは!?」

 

いきなりダイチと犬夜叉が出て来て驚く。

 

「この村は水神様が守ってもらえる有難い村じゃ。余所者は立ち去れ!」

 

名主は、犬夜叉達に怒鳴る。

 

「な、何!?このクソ親父!」

 

犬夜叉は、名主に喧嘩をしようとするとダイチが抑え弥勒も来たのか錫杖で叩く。

 

「落ち着きなさい犬夜叉。」

 

「何するんでぃ弥勒!ダイチ!」

 

犬夜叉は、二人に文句を言うがダイチと弥勒は名主達に話を続ける。

 

「怪しい者ではありません。我々は故があって人助けを生業にする旅の者。お話は伺いました。よろしければお祓いを致しましょう。」

 

村人は、弥勒の言葉で驚きお祓いをしてもらうかと思い始める。

 

「皆の衆!惑わされるな!インチキに決まっている!お祓いなどをして水神様の怒りを買ってしまう!ワシの子の時にお祓いで終わっては今まで生贄になった子供達に合わす顔がないわ!」

 

(子供が生贄に食われたのか・・・・)

 

ダイチは、密かにその食った水神に対して殺意が湧く。

 

「ん?」

 

ダイチは、殺意を湧出させているとかごめが神輿の中にいる名主の子供が此方を見ているのに気付くとかごめに続いてダイチも見た。

 

そんな事をしている間に名主達は生贄を水神様のお堂に納める為に犬夜叉達を退かして向かった。

 

「なんだか妙じゃな?ん?どうしたダイチ?」

 

七宝は、ダイチが珍しく考えていたので尋ねる。

 

「なぁ、みんな。俺さその生贄に食ってる水神をさ・・・・・・嬲り殺したくなった。どうしてもしたい。」

 

ダイチの殺意が凄まじく外に出ていた。

 

(あ、ダイチさん殺す気だ。)

 

(ダイチ殿本気ですか。)

 

(ダイチは、絶対にするのぉ。)

 

(ダイチってそう言う男か。)

 

(けっ、意地でもやるなあの野郎。)

 

ダイチを見て感じる一行。

 

「でどうする?」

 

「そりゃ助けに行くに決まってるでしょ!?」

 

「うん。」

 

一行は、助けようとしていると。

 

「おめえら本気か?」

 

子供が現れて一行に聞く。

 

「ああ、そうだ。」

 

ダイチは、即答で言う。

 

「だったら着いて来い。」

 

その子供は、藁を巻いて姿を見せなかったが言われた通りに着いて行く。

 

着いて行くと子供は、物を地面に置いた。

 

「くれてやる持っていけ。」

 

「なんだよこれ?」

 

ダイチは、子供が置いた物の価値など分からなかったが。

 

「これは値が張りますな!」

 

「立派な織物だ!」

 

弥勒や珊瑚は、理解したのか驚く。

 

「拾ったな!貴様等を雇おう!」

 

「雇う?(水神をぶっ飛ばしたいんだけどな・・・・)」

 

「さっき言っていただろ人助けが仕事だって。だからこれから雇って水神を退治するんだ。いいな!」

 

「・・・・・」

 

犬夜叉は、子供に寄ると。

 

ゴーン!

 

いつも通りにゲンコツをした。

 

「「犬夜叉!」」

 

流石にダイチとかごめが怒鳴る。

 

「ん?どっちが偉いかはっきりさせねえとな。」

 

そのままゲンコツを続けて答える。

 

「お前嘘でも謝っとけ。」

 

七宝も子供に言うが次の瞬間。

 

「いい加減にしろ!!」

 

ドスーンッ!

 

「おすわりっ!」

 

ドシィーンッ!!

 

ダイチのチョップとかごめのおすわりのダブル制裁で事なきを得た?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日が沈む。

 

ここは水神のお堂。

 

子供の話によると生贄は、お堂の近くの池に水神の船がやってくる。

 

そこを狙って追いかけて水神を退治する流れだ。

 

「いいな?」

 

子供は、犬夜叉達に指示を言うと犬夜叉達は無視しているのかあるいは子供が与えた物を眺めているかのどちらかをしていた。

 

「坊さん、これ盗品かな?」

 

「おう、どう見てもそれだな。」

 

「いいじゃないですか。」

 

「良かないでしょ。」

 

犬夜叉達は、その物を眺めてそんな話をしている。

 

「聞いとるのか!?こら!」

 

「つーかよ。お前なんか名主の顔に似てるなボウズ。」

 

「あ、言われてみれば。」

 

ダイチが言うと子供は、直ぐに黙り込んだ。

 

「ふん、貴様らには関係なかろう。」

 

「助けたい友達でもいるのか?」

 

「!?」

 

子供の考える事にダイチは、洞察力を持って回答する。

 

「そ、そうだ。俺は名主の跡取りで太郎丸と言う。」

 

太郎丸の話によると水神が生贄を欲しがるのは今から半年前ぐらいになるらしい。

 

雨や洪水など様々な水害で祟りが恐ければ生贄を寄越せと水神は言ってきたらしい。

 

そして名主の子供の番になった途端に名主は、姿を隠せと言い出しよく遊ぶ使用人の子供を代わりに生贄にしたと言う流れだ。

 

「親バカですな。」

 

「親バカだな。」

 

「太郎丸は、どうしても助けたいダチだったんだな。」

 

「だからその子を。」

 

「ああ、大切な友達なんだ。だから・・・「これ以上言うな。俺は、感心してんだよ。お前が勇気を持って友達を救いたいって言う気持ちに。」

 

太郎丸は、ダイチの言葉に言葉をしまう。

 

「で?あるんだろう船。」

 

今まで姿を見せなかった珊瑚が退治屋の衣装を着てやって来た。

 

「やる気あんのなサンゴンは?」

 

「サンゴンって何さ?・・・・・人食い水神なんてのさばられておけば退治屋の名折れだ。あたし一人で片付けてやるよ。」

 

「しけた事言わずにやろうじゃねえかよ。」

 

「病み上がりが威勢の良い事を言うな。まだそのどデカイ武器は振り回せないんじゃねえか?」

 

「試してみるか?」

 

「やろうじゃねえか!」

 

珊瑚は、犬夜叉にそう答えると犬夜叉もやる気満々だった。

 

「落ち着けよ。」

 

「犬夜叉!」

 

「まぁまぁお代は頂いたのですからその分きっちり働きましょう。」

 

弥勒は、ダイチとかごめと共に犬夜叉を止める。

 

「犬夜叉も仲間割れしないで。」

 

「それはあっちに言いな。仲間なんかに何なんざさらさらねえみたいだしな。」

 

そんな感じでも犬夜叉達はそのお堂で水神の船を別の船に乗り待つ事にした。

 

そして水神の船を発見し尾行していると鳥居が見えてきた。

 

「水神の鳥居だ。」

 

「昼間オラが見た社じゃな。」

 

七宝は、飛んでいた時に見たと言っていた物だった。

 

「生贄は、中にもう入った様だ。」

 

珊瑚は、水神の船を見ると誰も乗っていない。

 

「「!」」

 

社の門にカニのような妖怪がいた。

 

「門番だ。隠れ「「隠れるか!」」

 

太郎丸が忠告を終える前に犬夜叉とダイチが拳でボコボコにした。

 

「おい!早くしろ!乗り込むぞ!」

 

犬夜叉は、そのまま拳で門を壊した。

 

「ほらぐすぐすしない。ぱっぱと終わらせるんだから。」

 

「す、すごい・・・」

 

太郎丸は、ダイチと犬夜叉の腕っぷしに驚く。

 

 

その頃社の中では太郎丸の友達が水神のいる間にやって来ていた。

 

「名主の子ですか?近うよりなさい。」

 

水神は、不気味な程細く青白い肌をした男だった。

 

ブルブル!

 

太郎丸の友達は、怖さのあまり動けずにいた。

 

「ん?何ですか?その豆だらけの汚らしい手は?お前名主の子ではありませんね。どう言うことですか?神を欺こうと言うつもりだったのですか?」

 

「す、水神様!堪忍してくだせえ!どうかオラを食ってくだせえ!」

 

水神の手が伸びると太郎丸の友達の顔を鷲掴みして持ち上げる。

 

「水神の面目が丸潰れではありませんか?お前は八つ裂きにして雨と一緒に村へ降らせます。」

 

すると外が騒ぎ出したのに気付いた水神は、太郎丸の友達から外からの警戒を強めた。

 

「おらおらおらおら!退け退け退け!!!」

 

「犬夜叉一行のお通りだ!!」

 

犬夜叉の後ろに珊瑚、弥勒、ダイチが門番の妖怪達を次々と倒して行きその倒した後は魚や蟹と言った元々の姿に戻って言った。

 

「ここか!!」

 

犬夜叉が先に辿り着くと水神は、太郎丸の友達を鷲掴みにしたまま待っていた。

 

「お前か?エセ水神は?」

 

二番手に来たダイチが魔戒斧を持って水神に向ける。

 

「た、太郎丸さま!」

 

鷲掴みにされた状態で視界が最後の方にやって来た太郎丸を確認する太郎丸の友達。

 

「す、末吉!」

 

太郎丸は、駆け出そうとしたが直ぐに犬夜叉に止められる。

 

「慌て過ぎだ。」

 

ダイチも太郎丸を宥める。

 

「ん?お前が汚いナリをしているのが名主の子だな?」

 

「そうだ!分ったなら末吉を離せ!」

 

水神の問いに答える太郎丸。

 

「おいおい、エセ水神。末吉を離せよ。」

 

「臭うぜ妖怪の臭いがな!」

 

犬夜叉は、鉄砕牙を抜いて水神に攻撃をした。

 

水神は、近くにある三又の槍を手にすると鉄砕牙を受け止めて押し返した。

 

「何!?」

 

倒れた犬夜叉が鉄砕牙を見ると変化が強制的に解けてしまった。

 

「どうやらあの槍に秘密があるらしいな。」

 

ダイチは、エセ水神の槍を見て言う。

 

「妖怪如きの刀が我が神器雨乞の鉾に勝てるとお思いですか?お前達の神域を怪我した罪は重い。死を持って詫びてもらいます。」

 

刃先のない棒の方を床に叩くと社の中だったのが水の中に流されていた。

 

(かごめ!)

 

犬夜叉は、太郎丸を抱き抱えているかごめを助けようとしたが水流の激しい流れに負けて動けないでいた。

 

(犬夜叉!アイツなら大丈夫だ。それよりもかごめを!)

 

ダイチも息が続かない状態でかごめが行く方に一心不乱に泳ぎ出す。

 

かごめは、亀裂の様な所に吸い込まれるのを見て消えしばらくして亀裂が消えないギリギリでダイチも消えた。

 

「けほけほ!」

 

水を飲んでしまったかごめは噎せて倒れる。

 

(この子を食べる気だわ。何とかしなきゃ。)

 

そう考えている時に水神の後ろで末吉が火を付ける長台の棒を持ち水神に攻撃するもすぐに水神に末吉が捕まってしまう。

 

「今だ!当たって!」

 

かごめは、弓に破魔の矢を水神に放った。

 

水神は、矢を掴んだが破魔の光が水神の手を壊した。

 

「ば、馬鹿な人間の矢如きで!・・・・!!」

 

 

水神は、何かに勘付いたのかしゃがむと亀裂から魔戒斧が水神に当たりそうになる。

 

「おうぇ!おうぇ!かごめ!大丈夫か?」

 

亀裂からダイチが現れ魔戒斧を手に戻すと末吉を保護したダイチがいた。

 

「うん大丈夫。」

 

「とりあえず今は撤退するか!」

 

ダイチは、太郎丸や末吉が居る状態では戯牙で戦うと巻き込まれてしまう事を理解して戦わずに撤退を開始した。

 

「ダイチさん。あの建物に入る。」

 

外を見ると人間が数人入っても大丈夫な大きさの建物に入って隠れる事にした。

 

「弥勒様に珊瑚ちゃん大丈夫かな?」

 

「まぁ大丈夫だろ?直ぐに音が響くと思う。」

 

「音?」

 

かごめは、どう言う事なのかわからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弥勒達は

 

「珊瑚!珊瑚!しっかりなさい!」

 

弥勒は、珊瑚を呼ぶも意識が無く近くにいる雲母も心配そうに見ている。

 

「いかん水を飲んだらしい。息を吹き込まねば。」

 

弥勒は、珊瑚に人工呼吸をしようとしていた。

 

すると珊瑚は偶然目を覚ましそして・・・・そして・・・・・・

 

パチーーンンンッ!!

 

「とんだ誤解ですな・・・・」

 

弥勒は、デカイ紅葉を珊瑚につけられて淡々と言い。

 

珊瑚も顔を真っ赤にさせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチーーンンンッ!!

 

「何今の?」

 

遠くからでも聞こえる音にかごめは、驚く。

 

「良い響きだなサンゴンの紅葉当ては・・・坊さん・・・アンタ何やってんの・・・」

 

ため息を漏らしながら予想が当たったダイチは、呆れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び弥勒達の方に戻り。

 

「でここ何処よ!?」

 

「水神の社の外です。私も気が付いたら此処に居ました。ん?犬夜叉か?」

 

弥勒は、犬夜叉が何かに運ばれた様に気絶されたままやって来ていた。

 

犬夜叉を運んで居たのは金魚の妖怪の様な二匹だった。

 

「かたじけない。」

 

弥勒と珊瑚は、犬夜叉を岸にあげるとお礼を金魚の妖怪にした。

 

「私達もあなた方に助けられたのか。」

 

「「はい!」」

 

「見た所あなた方も水神の眷族のようだが?」

 

どう言う事なのか理解できない弥勒。

 

「あの水神は、偽物です。元々は私共と同じくこの湖に住む精霊でございましたが・・・・」

 

「水神様を騙してあの岩に幽閉し、そして神器雨乞の矛を奪って水神様に成り代わったのです。」

 

金魚の精霊は、涙ながらに説明した。

 

「成る程わかりました。では本物の水神様をお救いしましょう。」

 

弥勒がそう言っていると犬夜叉が目を覚ます。

 

「ば、馬鹿野郎。何悠長な事言ってやがる。俺は社に引き返すぞ。かごめを助けるのが先だ!」

 

犬夜叉だけが社に引き返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(誰か来てくれよ!かごめ達を避難させれば戯牙になってあのエセをぶっ殺せるのに!)

 

建物で隠れているダイチ達は、エセ水神を殺したくて仕方なかった。

 

「ん?足音が消えおったぞ?」

 

隠れている七宝もいきなり音がなくなり驚く。

 

ギギ!

 

「まさか!」

 

ダイチは、気が付いた妖怪ならもともとの姿になり足音も無くし建物を壊せる事に。

 

グシャーンッ!!

 

建物が直ぐに壊れて中のダイチ達が直ぐに丸見えになった。

 

「まずはお前を殺します。」

 

エセ水神が現れかごめに狙いを定める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良いのか犬夜叉とダイチだけで?」

 

珊瑚と弥勒は、水神を救うために封印されている岩に向かっている最中珊瑚が弥勒に聞いた。

 

「犬夜叉なら互角以上に戦えるでしょう。それにダイチ殿もいれば尚のこと安心です。」

 

「そんなに強いのか犬夜叉とダイチは?」

 

「犬夜叉はあれで頭がキレるんです。それにダイチ殿は・・・怒らせたら一番手がつけられない方です。」

 

珊瑚は、弥勒の言っている事が大体理解出来た。

 

金魚の精霊達が言っていた岩に着くとすぐに弥勒達はその岩を探す。

 

「本物の水神様が閉じ込められている岩って何処にあるの?」

 

「多分この辺だと思いますが・・・「誰か居るのか?」え?」

 

 

誰かの声がした。

 

「若い女の声?」

 

「誰じゃ?」

 

「もしや水神様は女神様で?」

 

この生臭坊主は、これに反応した。

 

全く仕方ない兄ちゃんだなぁ・・・・・

 

「早う札を外ずして妾を此処から出せ!」

 

岩に札が貼られて居る所から声が響く。

 

「はっ!ただ今!」

 

弥勒が札を外すと光り出し治ると誰一人出てこない。

 

「す、水神様?」

 

珊瑚と弥勒は、探してもいない。

 

「此処じゃ。」

 

声のする方を見ると小さい女が岩の穴から出て来た。

 

「お!お・・・・・お美しいのですが・・・・そこまでお小さいといかんとし難いですな。」

 

「何が!!」

 

珊瑚が弥勒のやましい事に怒る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃かごめ達は

 

「あ!」

 

かごめは、偽水神に足を掴まれ倒れる。

 

そのまま偽水神が雨乞の矛で刺そうとするが。

 

ガギィーンッ!

 

ダイチが魔戒斧で受け止めて鍔迫り合いになる。

 

「なんです?その斧!?はこの雨乞の矛が当たっても何ともないとは!?」

 

偽水神は、魔戒斧の存在に驚く。

 

ガギィーンッ!

 

そんな最中に雨乞の矛が何かに弾かれる。

 

ダイチが振り向くと犬夜叉がいた。

 

「犬夜叉!」

 

「丁度いい時に来たな犬夜叉!」

 

雨乞の矛で再び鉄砕牙の変化が解ける。

 

「かごめ、無事か!?」

 

「うん。」

 

かごめが他のみんなを見るとみんな無事だった。

 

「あ!水神が逃げるぞ!?」

 

七宝が指差すと偽水神は、逃げようとしていた。

 

「水神何処に逃げた!?」

 

犬夜叉は、キョロキョロと水神を探すと床が泡になり崩れた。

 

「犬夜叉!」

 

ダイチは、咄嗟に犬夜叉の足を足払いして後ろへ蹴り飛ばすと今度は自分の足が偽水神の一部の尻尾に巻かれて湖に引きずり込まれた。

 

「「ダイチ(さん)!!」」

 

 

犬夜叉とかごめは、叫ぶがダイチが浮かんでこない。

 

「浮いて来ねえ!」

 

「ダイチさん・・・「かごめちゃん!」

 

近くから珊瑚の声がして振り向くと弥勒と珊瑚がやって来た。

 

「ご無事で!」

 

「ダイチが水の中から戻って来ねんだ!」

 

「無事でいて!」

 

すると弥勒の手にいた水神が動く。

 

「おろせ法師。偽水神をあばく!」

 

弥勒は、言われるがままに水神を床に下ろした。

 

「水神様?」

 

「これがか?」

 

かごめ達も流石に小さい水神に驚くが水神は、気にする素振りも見せずに耳飾りを取る。

 

「水切りの宝!」

 

水神が耳飾りを投げると円を描くように水の無い空間が作られた。

 

「なに!?」

 

偽水神は、いきなりの事で驚く。

 

「おい・・・クソ蛇随分とやってくれたじゃねぇか!」

 

ダイチの体内に秘められた霊力が放出され偽水神の尻尾の拘束を跳ね返した。

 

「お仕置きの時間だ!」

 

ダイチは、魔戒斧に円を描くと戯牙へ変身した。

 

「女神を引っ張り出して来るとは!しかし私こそが水神なのです!」

 

偽水神は、怯む間も無く近くにいるかごめ達を攻撃しようとした。

 

『何?それ自慢?ガタガタうるせえんだよエセ水神!!』

 

だが攻撃する前に戯牙が高く舞い上がると偽水神の背中に左足の踵落としを炸裂させ地面に叩きつけられた。

 

「貴様も殺してくれる!」

 

「この野郎!」

 

犬夜叉は、起き上がって戯牙を襲う偽水神の後ろへ爪で攻撃する。

 

「雲母!」

 

珊瑚は、雲母に乗り飛来骨で戦う。

 

「愚か者め!神器雨乞の矛の力を見るが良い!」

 

「この!」

 

偽水神が雨雲を呼ぶと珊瑚に襲いかかり珊瑚も飛来骨で攻撃するが弾き返された。

 

「珊瑚ちゃん!」

 

「トドメだ!」

 

偽水神が雨乞の矛で珊瑚を攻撃しそうになるが犬夜叉が偽水神の腕を掴み奪った。

 

「大丈夫か珊瑚!」

 

偽水神は、真っ赤な目をした白い大蛇になり犬夜叉の腕を噛んだ。

 

「犬夜叉!」

 

珊瑚も雲母に乗って体勢を変えて犬夜叉の名前を呼ぶ。

 

すると雨雲が竜巻に変わら村の方へ行く。

 

「竜巻が村へ向かっている!」

 

「このままじゃ村がやられる!」

 

外野で見ていたかごめと太郎丸も驚く。

 

「竜巻をおさめるなぞいとも簡単じゃ。」

 

水神は、すぐに答える。

 

「本当ですか?」

 

「ならば早く!」

 

「おさめてつかわすから早う矛を戻せ!」

 

雨乞の矛がどうしても必要らしい。

 

犬夜叉と偽水神が水面から出て来た。

 

『オラァ!』

 

戯牙は、高く飛ぶと偽水神の頭に頭突きをして犬夜叉の援護をする。

 

『かごめ!じゃああの槍をそこの水神さんに渡せば良いんだろ!』

 

「そうよ!」

 

 

『犬夜叉、珊瑚。あの槍奪ったら後は俺に全部任してくれねえか?許せねんだよあのエセ水神。』

 

今までの雰囲気とはまるで違う事に珊瑚は、気付いた。

 

「わかった好きにしな。」

 

「うん。」

 

「昼間の言った事を有言実行する気ですなダイチ殿は。」

 

やる気が風穴をいつでも出せる準備でいる弥勒も理解した。

 

『おまけだ!』

 

戯牙の再び頭突きをすると怯み口が開き犬夜叉は、解放させると直ぐにかごめの方へ投げる。

 

珊瑚は、雲母を使い湖の中にいる犬夜叉を救出した。

 

「好きにしなダイチ!」

 

珊瑚の後ろに乗る犬夜叉が声をかけると戯牙は、直ぐに水中で偽水神の尻尾を掴むとあの水の無い空間に投げる。

 

「水神様お願いします。」

 

かごめは、雨乞の矛を立てると水神に渡し光り出す。

 

水神の身体が大きくなり一般女性と同じ大きさに変わった。

 

「雲切り!」

 

水神は、雨乞の矛を天に翳すと竜巻が消えた。

 

『さて歯食う縛れ!!』

 

戯牙は、偽水神の腹へ殴ると空高く舞い上がらせ真下から拳の嵐を炸裂させた。

 

『寝てんじゃねえぞこら!!』

 

片手で頭を鷲掴みすると反対側の片手で平手打ちを何発も食らわせる。

 

『今までの子供の分がこれで終わりだとか思うなヨォォ!!!』

 

手刀で顔に炸裂して片目が失明しかける。

 

『オラオラオラオラオラッ!!』

 

拳が止まない雨を降らせる戯牙。

 

『くたばれ!!!』

 

戯牙は、獣身斧で最後偽水神が真っ二つにすると痛みのあまり上へ伸びた。

 

『坊さん後はよろしく!』

 

「はい!」

 

弥勒は、戯牙が吸い込まれない範囲と確認すると偽水神を風穴で吸い込んだ。

 

戯牙は、高くジャンプしてかごめ達のいる方まで戻ると鎧を解除した。

 

そして犬夜叉達は、偽水神が退治するとすぐに太郎丸に別れを言って去ってしまった。

 

「しっかり礼を言いたかったな・・・・」

 

太郎丸は、感謝の気持ちで一杯だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たくっ!四魂の欠片を持っていない蛇の相手をしちまったぜ。」

 

「良いではないか。これも人助けです。」

 

「つーか坊さん。この荷物は?」

 

顔を引き摺ったダイチが弥勒の持っている値の付けられる物を馬に乗せながら質問した。

 

「ええ、それが名主様に息子殿の立派な働きを村の衆にもお話ししましょうかっとまさかこんなに。」

 

「「それ恐喝だろうが!!」」

 

犬夜叉とダイチは、突っ込んだ。

 

「いつもこう言う事してんの?」

 

珊瑚は、かごめに聞く。

 

「まぁときどき・・・」

 

かごめも呆れている。

 

「さぁこれを売っぱらってパーっと遊びましょう!」

 

「あー!あー!俺は二度と人助け何てやらねえからな!」

 

そんなこんなで犬夜叉一行の旅は続くのです。




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