犬夜叉 獣身狼伝   作:凱聖

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今回はオリジナルの話です。


幼児

光あるところに漆黒の闇ありき、古の時代より人類は闇を恐れた。

 

しかし、騎士と仲間達の刃と力そして勇気で人類は希望の光を得たのだ。

 

ここは夢なのか?

 

ダイチは、兵一と桔梗の夢の中に入った時と同じ感覚だと理解した。

 

『犬夜叉 四魂の玉を使って人間にならないか?』

 

気付くとダイチは、またまた兵一になり桔梗の膝元に抱かれ犬夜叉と桔梗は話していた。

 

『俺が人間になれるのか?』

 

『なれるさお前は半分は人間だもの。』

 

『俺が人間になったら桔梗・・・・お前はどうなる?』

 

『私は玉を守る者。玉が無くなれば・・・ただの女になる。』

 

そして夢が終わり目覚めると犬夜叉達と野宿をしていた。

 

「夢か・・・」

 

ダイチは安心したが・・・

 

「あ・・・あれ?」

 

涙が出ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから日が出て一同は再び四魂の欠片と奈落を探す旅をしていると。

 

『くそっ!技を放っても直ぐに再生しやがる!』

 

「きりがねえぜ!」

 

そんな中旅の途中で一同は四魂の欠片を取り込んだり樹木の妖怪と交戦していた。

 

「こうなればあぶり出すしかありません!」

 

弥勒は魏牙と犬夜叉が攻撃した後に素早く札を地面に向かって投げると本体の根っ子が地上から出て来た。

 

「見えた!あの根に四魂の欠片があるわ!」

 

かごめも四魂の欠片の位置を確認すると犬夜叉達に言う。

 

「飛来骨!」

 

珊瑚が飛来骨を投げると犬夜叉と魏牙の連携攻撃で樹木の妖怪は、倒され四魂の欠片を手に入れた。

 

「けっ、ざまねーな!」

 

犬夜叉は、鉄砕牙を鞘にしまい魏牙の鎧を解除したダイチもホッと一息する。

 

「妙ですね。簡単過ぎます。」

 

弥勒は、おかしい事に気付く。

 

「倒して四魂の欠片を手に入れたんだ。心配いらねえよ。」

 

「そうだよな・・・・」

 

犬夜叉は、自信過剰なのか安心しているがダイチも弥勒と同じ意見だった。

 

「おすわり!」

 

ドシィーンッ!

 

犬夜叉は、七宝が何か変な事をまた言ったのか七宝を殴りつけてかごめの恒例のおすわりで躾けられていた。

 

「おいおい七宝大丈夫か?」

 

ダイチは、七宝のタンコブを消毒と絆創膏で手当てする。

 

「?」

 

かごめと犬夜叉の間に変な花が咲いていた。

 

「さっきまであんなのあったけ?」

 

すると花は、少しずつ大きくなっていく。

 

「まさか!」

 

ダイチは、直ぐに犬夜叉とかごめの間にくると手で突き飛ばし避難させる。

 

ボワーッ!

 

花から花粉がダイチに向かって飛び散った。

 

「くっ!」

 

ダイチは、魔戒斧で花を壊して消滅したが花粉の煙が未だに消えない。

 

「「「「「ダイチ(さん)(殿)!」」」」」

 

犬夜叉は、花粉の煙がすぐに消えるのを見て確認すると。

 

小さい子供が魔戒斧を持って横で寝ていた。

 

「思い出した!」

 

珊瑚は、ダイチが壊した花に見に覚えがあった。

 

「どうしたの珊瑚ちゃん。」

 

「あれたぶん妖花だよ。」

 

「妖花?」

 

「妖花の花は獲物を花粉で幼くしてから食べる樹木の妖怪さ。」

 

だがその妖花も既に消滅しているが未だに効果が残っているらしい。

 

「確か元に戻す薬を飲ませれば大丈夫だったとおもうよ。」

 

珊瑚は、その薬の作り方を知っていた。

 

「ん・・・」

 

小さくなったダイチは、目を覚ました。

 

「あ、目を覚ました。ダイチさん大丈夫?」

 

かごめは、目覚めた小さいダイチを見ると。

 

「お姉ちゃん誰?」

 

「え?」

 

かごめ達は驚いた。

 

「おいおい何言ってんでぃ!寝ぼけてるのかダイチ。」

 

犬夜叉がズンズンと来たが。

 

「犬夜叉おすわりっ!」

 

ドシィーンっ!!

 

嫌な予感がしたかごめは、犬夜叉におすわりをした。

 

「えっと・・・・ダイチくん。年いくつ?」

 

「4さい。」

 

かごめ以外の一同は、固まった。

 

そう今のダイチは、28分の4だったからだ。

 

そしてかごめは

 

「可愛い!」

 

とチビダイチを抱っこして頰づりして可愛がっていた。

 

モミモミ

 

「柔らかい。」

 

チビダイチは、何故かかごめの耳たぶを触ると機嫌が良くなった。

 

「ダイチくん耳たぶ好き?」

 

「うん!」

 

笑顔で答える。

 

「可愛い!!」

 

かごめは、また頬づりをしチビダイチも耳たぶを揉む。

 

「まさかダイチさんが小さい頃こんなに可愛かったなんて・・・・誰があんな屁理屈でいい加減な男にさせたの?」

 

かごめは、そうさせた奴を訴えてやろうかと思う。

 

【悪いなかごめ!はっはっはっはっ!!】

 

犯人はコイツ(コウヤ)だった。

 

魏牙の鎧の中から笑いながら謝っていた。

 

「ダイチがオラよりも小さくなっておるな。」

 

チビダイチは、七宝よりも小さくなっていた。

 

その証拠にかごめの背中におんぶして後ろの髪の毛の中に器用に隠れる事も出来た。

 

「・・・・」

 

何故か犬夜叉は、かごめとくっ付いているチビダイチに嫉妬心を宿すが

 

ピョコ。

 

かごめの髪の毛から器用に出て来るチビダイチは、今度は犬夜叉の身体にしがみ付いた。

 

「な、なんでぃ!?」

 

「髪の毛の中に隠れんぼ!」

 

チビダイチは、かごめの時と同じで犬夜叉の長い髪の毛に隠れる。

 

「こ、こら!出て来い!」

 

捕まえるが直ぐに逃げるチビダイチ。

 

「こ、この!」

 

犬夜叉は、捕まえるがフェイントを使うチビダイチを捕まえられずに倒れる。

 

「犬夜叉コッチコッチ!」

 

笑顔で手招きするチビダイチ。

 

「この!・・・・!?」

 

一瞬犬夜叉は、笑顔で言うチビダイチをある子供と重ねた。

 

「へ・・・兵一?」

 

犬夜叉は、その笑顔がかつて怖がらずに来た少年の笑顔だったからだ。

 

そう桔梗以外で接してくれる兵一を思い出す。

 

「ねえ珊瑚ちゃん。その薬ってどの位で出来るの?」

 

「そうだね材料は、直ぐに手に入れられるけど出来上がるのに二、三日くらいで完成すると思う。」

 

つまり二、三日はチビダイチはそのままの姿だと言う事だ。

 

「ダイチ。その背中に背負ってる斧オラにも持たせて貰えんじゃろうか?」

 

七宝は、チビダイチの通常と変わらなく背負ってる魔戒斧を持ちたがっていた。

 

(そう言えばダイチさんが言っていたけどソウルメタルの出来た物は訓練をしないと持てないって言ってたけどチビダイチくん大きさに似合わず背負ってるから嘘だったのかな?)

 

かごめも一度持ってみたが全く持ち上がらないのを思い出す。

 

「良いよ。無理なら落としてね。」

 

チビダイチは、軽々と魔戒斧を持ち七宝に手渡しすると

 

「わっ!」

 

ドシィーンッッッ!!!

 

七宝が重くて魔戒斧を落とすと地面が揺れて地震の様な現象になる。

 

「「「「「・・・・・」」」」」

 

チビダイチ以外の一同は、驚いた。

 

「大丈夫?」

 

チビダイチは、魔戒斧を持つと背中に背負う。

 

やはりチビでもダイチはダイチである。

 

ちなみにダイチは、ソウルメタルの武器を簡単に扱うまでに一週間で覚えたらしい。

 

それだけコウヤの教えが物凄く上手と言う証拠である。

 

その為か修練場で教えた子供達は、ソウルメタルの武器を簡単扱えた。

 

そして夜になり森で野宿をする事になり次の日からダイチを通常に戻す為の薬の材料を探す事になる。

 

「ん・・・オシッコ・・・・」

 

一同が寝静まった夜チビダイチは、魔戒斧を背負い森の奥に入って行った。

 

 

森の奥に死魂虫達を引き連れる桔梗がいた。

 

そう犬夜叉の匂いでも分からない程の森の奥にいる。

 

桔梗は、顔を俯く。

 

(時々・・・・孤独にいるのが無性に虚しい・・・・無数の死魂で満たしても心まで満たされない・・・・)

 

桔梗はため息をついた。

 

森がとぎれた先は、月明かりで照らされる草地になっていた。この向こうに川があり、草地は段丘の一部らしい。桔梗の住んでいた村と、どこか風景が似ていた。

 

その時何時もあの兵一を膝に乗せていたからだった。

 

桔梗は振り向いた。今しがた出てきたばかりの森に何かいる。

 

「誰だ?」

 

とっさに右手があがり、背に負った矢筒の中の矢を探った。森には木の陰から、4歳くらいの子供がこちらのほうを見ていた。

 

「おいで」

 

思わず桔梗は口にした。子供はぱたぱたと出てきた。見覚えのある顔に。

 

「へ、兵一?!」

 

桔梗はつい、高い声を出してしまった。

 

兵一にそっくりの子供は、おびえたような顔で立ち止まった。

「おどかすつもりはなかった」

 

桔梗はそう言った。

 

まがいものの体でも、胸がどきどきするような気分だった。

 

チビダイチは、じっと自分を見ている。桔梗はそっと近寄った。

 

川風が、そのとき、ふと桔梗の後れ毛をなびかせた。

 

(ママみたいな匂いと雰囲気がする)

 

チビダイチの表情が戸惑いに変わり恥ずかしいのか森の中へ駆け戻った。

 

「怖がされてしまったか……」

 

桔梗はそう思い呟くとそれ以上、近寄るのもかわいそうだった。

 

「もうよい。行きなさい」

 

それだけ言って、桔梗は森と反対に草地の奥へと足を進めた。脱力が来る。紅の切袴のひざが、草むらについた。恨めしい川風が、正面から吹いてくる。

 

ふいに、ぱたぱたと音がした。

 

振り向くと、チビダイチだった。

 

「怖くないのか?」

 

「なんで?」

 

チビダイチは不思議そうな顔でトコトコと近寄ってきた。

 

昔兵一が自分を見る様にいて桔梗が何も言わないでいると腕を拡げた。

 

「何か用か?」

 

チビダイチは左右の腕を桔梗の体に回して抱きついた。

 

「おまえ、何を?」

 

小さな手が、そのとき、桔梗の背中に触れた。偶然ではない。まるで、母親が子供を寝かせるかのように、チビダイチは桔梗の背を、やさしく、ぽんぽんとたたいていた。

 

「僕が一緒に居てあげるから大丈夫だよ。」

 

チビダイチの言葉を聞いた桔梗は、ある事を思い出したそう亡き兵一の思い出であった。

 

自分が不在の時に村人の子供が妖怪に殺されてしまい子供の親が桔梗様がいてくれればと恨めしく言った時に内心傷ついた。

 

そして直ぐに一人になった時に兵一が同じ言葉を言ったからだった。

 

ふいに涙があふれた。

 

「わたしを、慰めようとしているのか?」

 

「うん!」

 

桔梗はそっと子供を膝に抱え上げた。ぽんぽんは、まだ続いている。

 

「私は桔梗。お前は?」

 

「ダイチ!」

 

桔梗は、チビダイチがそう言うと強く抱きしめ、幼い肩に顔を押し当て自分の涙を吸い取るにまかせるのは、甘悲しく、そして幸せだった。

 

翌朝

 

「?」

 

無人の古寺で寝ていると二つの布団の内の自分の布団に中で何か違和感を覚えた桔梗は、布団をめくると

 

「すーっ・・・・すーっ・・・・すーっ・・・・」

 

自身の布団の横に魔戒斧を置いてチビダイチが寝音を立てながらいつの間か桔梗の布団に潜って来ていた。

 

「ぁ・・・」

 

桔梗は、チビダイチの布団に戻そうとしたがあまりの可愛さにそのまま寝させた。

 

「温かい・・・お姉ちゃんの身体・・・」

 

チビダイチの寝言を聞いた途端に死人の自分には温かみも無いのに変な事を言うのかと最初は思う。

 

だがチビダイチからしてみたら桔梗と一緒にいると凄く安心したのか心の温かさを感じるのかもしれない。

 

それからチビダイチは、桔梗と外に出かける時は子熊が母熊に着いて行くように後ろから歩いた。

 

「桔梗お姉ちゃん。これ!」

 

チビダイチは、在るもの渡した。

 

「これは?」

 

桔梗は、チビダイチからドングリの首飾りをもらう。

 

「僕の国にはねドングリの首飾りは、幸運を呼ぶんだよ。桔梗お姉ちゃんに幸せがありますように。」

 

「ありがとう大事にするね。」

 

チビダイチは、桔梗から薬草の知識や見つけ方、子供らしい遊びなど様々な物を桔梗に教えてもらった。

 

寝る時も池で水を浴びる時も一緒いた事で他人から見たら仲の良い親子か年の離れた仲の良い姉と幼い弟だった。

 

一週間が経った。

 

「ったくよ!どこい行ったんだあのチビめ!」

 

犬夜叉達がチビダイチを懸命に探していたこの一週間。

 

「何処にいるんだろう?」

 

かごめ達も一週間懸命に探しているがチビダイチは全く見つからない。

 

「犬夜叉の鼻でもわからないとは何処へいるのやら。」

 

「あの夜からずっと見つからないのもおかしいね。」

 

「おーいダイチ出て来い!出て来ても犬夜叉は、殴り怒りはせんぞー!」

 

など言いながら探していた。

 

「早くこの薬を飲まないといけないのに・・・・」

 

かごめは、珊瑚が作った薬を持って呟くのには理由があった。

 

妖花の粉には子供にするだけでなく徐々に高熱を発症してしまう毒も含まれていたからだった。

 

かごめが森の奥に入ると弥勒と七宝も入ろうとしたが突然入れなくなった。

 

「これは結界!?」

 

「弥勒かごめだけ入れたと言う事は!?」

 

七宝と弥勒は、この結界の事を気付いた。

 

「ねえ離れない様に何か目印に・・・・あれいない?もしかして・・・」

 

かごめは、森の中に入った瞬間に弥勒と七宝が突然いなくなった事を以前にも覚えがあったそれは桔梗の結界の中に入った時と同じだったからだ。

 

「まさか・・・」

 

かごめは、森の中を懸命にチビダイチを探していた。

 

そう犬夜叉が突然チビダイチを見て兵一と呟いたのを覚えていたからだった。

 

犬夜叉がチビダイチを兵一と呼ぶと言う事は桔梗も兵一と思う可能性が高かった。

 

森の中を抜けると大きな無人の古寺が聳え立っていた。

 

「?」

 

かごめは、中へ入ると其処には・・・・・

 

「すーっ・・・・すーっ・・・・」

 

「・・・・・・」

 

桔梗が古寺の柱に寄りかかり片足の脚膝を立てたまま座り寝ており、その脚膝を立ててない方で器用に丸く寝ていたチビダイチが気持ちよく寝ていた。

 

「・・・・」

 

かごめは、そのまま忍足の状態でゆっくりと桔梗に寝ているチビダイチに近寄った。

 

そして桔梗からチビダイチを離した瞬間。

 

「んんん!!」

 

チビダイチは、愚図り始めた。

 

「あ!」

 

かごめは、チビダイチが大声で愚図り出したので思わず驚いた。

 

「どうしたダイチ?・・・・・!?おまえ!?」

 

いきなり愚図り始めたチビダイチの声に気付いた桔梗は、目を覚まし膝を見るとチビダイチが居なく近くにチビダイチを抱き抱えたかごめを見て驚いた。

 

一方結界に入れずにいる犬夜叉がいた。

 

「此奴は桔梗の結界か・・・!?」

 

突然何故か結界か消えた。

 

直ぐに結界の中に入ると直ぐに結界が元通り直ったが既に犬夜叉に入られ侵入されてしまったがもう戻る事も出来ないと感じたのか犬夜叉は、結界の中へ進んでいくそう桔梗に会う為であった。

 

「お前何の用だ?」

 

桔梗は、チビダイチに見せた態度と違いかごめに対して威圧感を出してかごめに言う。

 

「聞いて桔梗、この子は信じられないかもしれないけど妖花の毒で子供になったダイチさんなの早く薬を飲ませないと命を落とすかもしれないのだからこの子を渡して。」

 

「ふっ・・・・お前の話を信じろとでも?」

 

「お願い。」

 

「この子は、望んでここに居るそれを離すことが出来るとでも思って居るのか?」

 

「そ・・・それは・・・・」

 

かごめは、チビダイチが望んでこの一週間居なくなった理由を理解した。

 

そうチビダイチは、桔梗と一緒にいたいからこそ此処にいたのだと。

 

その時古寺の外から

 

「桔梗!」

 

犬夜叉の声が響くとチビダイチが完全に目を覚ました。

 

「犬夜叉?」

 

桔梗は、犬夜叉が来た事に驚く。

 

「かごめ?ダイチは桔梗と一緒にいたのか?」

 

犬夜叉がかごめに近づくと桔梗は、ますます悲しく切なく表情を変えていく。

 

「・・・・・」

 

チビダイチは、そんな桔梗を見てられなかった。

 

すると突然

 

ガブッ!

 

「いたっ!」

 

力でかごめで勝てないと判断したチビダイチは、かごめの腕を離す程度まで強く噛んだ。

 

すぐに桔梗に近づくと。

 

「大丈夫桔梗お姉ちゃん?」

 

「ダイチ?」

 

「僕だけがずっと桔梗お姉ちゃんの味方だよ。」

 

来てくれた事に驚いたがそれと同時に嬉しかった桔梗。

 

「犬夜叉にはかごめがいる!」

 

チビダイチは、犬夜叉に向かって大きな声で言う。

 

「な!何言ってやがるんだ!」

 

チビダイチの言葉に動揺する犬夜叉。

 

「けど桔梗お姉ちゃんは、何時も一人ぼっち!だから僕がいないとお姉ちゃんは、もっとダメになる!僕がお姉ちゃんと一緒にいる!」

 

「ふざけた「二股や浮気は、心の弱い負け犬野郎のやる事って爺ちゃんが言っていたもん!」・・・・」

 

(ダイチくん容赦ないのね・・・・)

 

チビダイチのピュアな言葉が犬夜叉の心を刺すいや鋭く刺した。

 

「ダイチくん、私達と一緒に行かないとダメなの。」

 

かごめも動揺しながらチビダイチの妖花の毒を飲ませなければならなかった。

 

「嫌だよ!お姉ちゃんも一緒じゃなきゃ嫌だ!お姉ちゃんは一番優しいもん!!犬夜叉達と一緒に居る時よりも楽しいし!かごめ何かよりも優しいし、綺麗だし遊んでくれるし、良い匂いがするから良いんだもん!!」

 

チビダイチは、ワザとかごめに対して嘘な事まで言って桔梗の味方になる。

 

(ダイチくん優しいわね。)

 

直ぐにかごめは、チビダイチの優しい嘘に気づいてあげた。

 

「だ・・だから僕は・・・あれ・・・」

 

チビダイチは、突然倒れた。

 

「ダイチ!?」

 

桔梗は、直ぐに抱き抱えた。

 

「不味いな妖花の毒がもうまわり始めたか。」

 

「何?」

 

犬夜叉の一言で桔梗は、本当の事と理解した。

 

「・・・・・」

 

【桔梗お姉ちゃん!】

 

桔梗は、兵一の笑顔を思い出した。

 

「(もう失いたくない。)犬夜叉、かごめこの子を頼む。」

 

そう言うと桔梗は、死魂蟲に連れられ何処かへと消えてしまった。

 

「ほらダイチ飲め。」

 

「ゆっくりね。」

 

犬夜叉とかごめにゆっくりと薬を飲み始め飲み終わるとそのまま寝てしまい光り出した。

 

「ん?」

 

ダイチは、目覚めると古寺の天井を確認して後に犬夜叉とかごめの顔が入ってきた。

 

「犬夜叉?かごめ?何で俺は此処に?」

 

今までのチビダイチの記憶が無かった。

 

その後かごめから妖花の毒で4才になった事を説明したが桔梗の事は全く話さなかった。

 

「ダイチ殿あの森で何があったのですか?」

 

「いや坊さん俺も覚えてねんだよ。それを知っているのは犬夜叉とかごめだけだしなんか今でも聞ける雰囲気じゃねぇしよ。」

 

旅をしながら弥勒はダイチから聞いても覚えがない事と犬夜叉とかごめの様子かわ桔梗の件だと直ぐに察した。

 

七宝も珊瑚もあまり深く関わって聞いてはいけないと察したのか犬夜叉とかごめから何も聞かなかった。

 

「「・・・・」」

 

かごめと犬夜叉は、重い空気だった。

 

すると

 

「犬夜叉お手!!」

 

ダイチが犬夜叉の前に回り込んで右手を出して試す。

 

「いきなりなんでぃ!?」

 

「おすわりができるんだからお手とか伏せとかハウスとか出来て犬らしい事出来るんじゃねえかと思ってな!」

 

ふざけ混じりでダイチは、犬夜叉に言うと。

 

それを見たかごめや他のメンバーは笑いを堪える。

 

「犬扱いすんな!!」

 

ダイチは、犬夜叉に三段アイスの様なタンコブを作られた。

 

(重い昼ドラ見たいのは合ってねんだよ。かごめ、犬夜叉。)

 

ボコボコにされても笑顔なダイチだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月明かりが出ている夜。

 

(やはり孤独にいるのが無性に虚しい無数の死魂で満たしても心まで満たされない。)

 

桔梗は、再び襲う孤独に悲しんでいた。

 

が!

 

ジャラ・・・・

 

袖に何か入っている。

 

それを見るとチビダイチがくれたドングリの首飾りだった。

 

(何故だろうかこれを持っていると何故か・・・何故か心が・・・・)

 

桔梗の瞳から涙が出て。

 

「温かい。」

 

笑顔になりしばらくすると何時もの表情に戻りドングリの首飾りを袖に戻すと桔梗は、何処かへと行ってしまった。




次回 弟

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