犬夜叉 獣身狼伝   作:凱聖

4 / 28
鉄砕牙の話では戯牙は出て来ません。すいません。


母親

光あるところに漆黒の闇ありき、古の時代より人類は闇を恐れた。

 

しかし、騎士と仲間達の刃と力そして勇気で人類は希望の光を得たのだ。

 

満月の夜に男が月を見ていた。

 

その男は武士のような着物を着て右肩にはモコモコの毛を背負っていた。

 

その近くでは岩で積まれた墓らしい建物が存在してその手前から女と翁の顔が付いた杖がやって来ていた。

 

「おお!これは!」

 

やって来たのは茶色の着物を着た全身緑色の小柄の妖怪がその建物を確認した。

 

「殺生丸様!殺生丸様!」

 

小柄の妖怪がその名を呼ぶと先ほどの男であった。

 

「此処か?」

 

「はい!」

 

殺生丸にそう答える小柄の妖怪は、邪見と言う妖怪である。

 

「この杖は此方の方角を示しておりました。そしてこの墓に辿り着きました。直ぐに調べまする。」

 

邪見は、墓の方に向かうと無数の狼の群れが現れた。

 

「げげ!何故獣めが墓守を?殺生丸様!やはり此処です!此処に間違いありませぬ!」

 

殺生丸が来ると邪見は、彼の背後に隠れた。

 

狼達は、直ぐに殺生丸に威嚇を始めると殺生丸は狼の牙を見る。

 

狼達が襲いかかり右手から光る鞭のようなものが出るとクルクル回り始める。

 

そして一瞬で狼達を血肉の塊と化した。

 

「邪見。人頭杖を。」

 

「はい!ただいま!」

 

邪見は、岩の建物に乗ると人頭杖を置いた。

 

すると女の顔が鳴き始めた。

 

「なんと女の面が鳴きましてございまする。ここはお探しの墓ではないと言う事でございましょうか?ああ!殺生丸様!お待ちください!」

 

邪見は、直ぐに行ってしまった殺生丸の後を追う。

 

殺生丸の攻撃から逃げた何匹かの狼達は何処かに向かっていた。

 

「ふぅ〜〜っ、危ない、危ない、何奴だ彼奴は。急いでくれこの事を伝えねばならんのじゃ犬夜叉様に。」

 

狼の毛に入っているノミが狼達に命じた。

 

シュッ!

 

クルッ!

 

ダン!ダーンッッ!

 

月夜の下で己の力の更に磨く為にダイチは、木々を飛び魔戒斧を器用に使うのと同時に祖父コウヤから叩き込まれた喧嘩殺法の体術を使い鍛えていた。

 

「しかし、身体に異常もない。だが・・・・」

 

ダイチは、楓が言った事を思い出していた。

 

《何の修行もしないで結羅の髪の糸が見えるなどと考えられん。ワシとて眼力を身につくのにそれなりの時間と修行を費やした。桔梗お姉様の生まれ変わりのかごめはともかく。お主、霊力に目覚めたのでないか?》

 

「・・・・・」

 

やはりこの異世界に来た事による突然変異が徐々に起こっていると確信しているダイチ。

 

「?焼ける臭い?人間の焼かれる臭いだ!!」

 

人間のダイチでも嫌なぐらいわかる臭いに気付くと臭いの方に向かう。

 

「ふん、跡形もないわこの愚か者共め。逆らわねば皆殺しに会うことも無いのに。殺生丸様の行く所武将共の勢力図がコロコロ変わってしまうわい。「変わった杖持っているな。」ん?」

 

いつの間にかダイチが邪見の真後ろにいた。

 

「何じゃ貴様は!?」

 

邪見も驚き直ぐに人頭杖を構える。

 

「そんなオモチャで俺とやるのかい?」

 

「小賢しい!くらえ!」

 

人頭杖から火が出る。

 

ダイチの正面から火が来るとこの場で消滅した。

 

「フッ。他愛もない。「おーい!だから余裕なんだけど?」な!!」

 

ダイチは、人頭杖の上に立って邪見を見下していた。

 

「?」

 

ダイチは、殺生丸を見るとその殺生丸もダイチを見る。

 

そうこの瞬間から二人は臨戦態勢に入っていた。

 

ダイチにはわかる、ヤツの殺生丸の身体から凄まじいエネルギーが覆っている事に。

 

殺生丸もダイチが先程殺した人間の武将と比べ物にならない程の歴戦の猛者の雰囲気を。

 

ヒュッ・・・

 

木の葉が落ちるのと同時に二人は目にも見えない速さでぶつかり合う。

 

殺生丸が右手から光る鞭を出すとダイチと魔戒斧で鞭を弾く。

 

直ぐに殺生丸の右手を真下から掌底打ちを打ち込むが殺生丸の左手から異様な匂いが発しているので左足で向かって来る殺生丸の左手を受け流し両者間合いを取りしばらく動けない、いや・・・正確には隙が全く無いからの方が正解かもしれない。

 

(何じゃあの人間は!?殺生丸様と互角に渡っている!?)

 

邪見ですらも両者の白熱した戦いに動けないでいた。

 

するとダイチの口が動いた。

 

「あのさ・・・悪いんだけど、ウンコしたいからやめない?」

 

意外な言葉に邪見は、唖然とする。

 

すると殺生丸は、先程の雰囲気が無くなったのかもしくはそのダイチの言った言葉に戦意を喪失したのか殺気が無くなり背中をダイチに見せて川に浮かんでいる船へ向かう。

 

「せっ!殺生丸様!」

 

邪見も後を追う。

 

(あの野郎・・・何だか鋼牙に似てたな・・・)

 

ダイチは、殺生丸と現代の黄金騎士牙狼の継承者冴島鋼牙を重ねながらウンコしに行く。

 

 

「殺生丸様?」

 

「何だ?」

 

船で移動している時に邪見が殺生丸に聞く。

 

「犬夜叉なら知っているかと思いますが?」

 

「犬夜叉?」

 

パンッ!

 

殺生丸は、邪見を川に殴り飛ばし人頭杖で邪見の頭を押し付けて息をさせないでいる。

 

「思い出したくない名前だ。」

 

「ボコボコ!お許しを!」

 

必死で謝る邪見だが未だに人頭杖に押さえつけられていた。

 

「第一ヤツは生きてはいない。50年前に封印されたと聞いているぞ。」

 

「バッ!バッ!ですからその封印が最近になって解かれたと!ボッ!ボッ!それに時より杖の行く先が変わっております。それは何か犬夜叉の目覚めに関わりあるのではと!ところで殺生丸様、そろそろこの杖をお離し下され!い!息が!息が!!ボコッ!」

 

邪見は、溺れて気絶した。

 

 

数日後の朝

 

「よいっしょっと!」

 

骨喰いの井戸から自転車を持って?(何故?持ったまま?)上がって来たかごめが現れた。

 

「ふ〜、疲れた。」

 

余裕そうなかごめ、この子意外と凄すぎる・・・・

 

「犬夜叉やダイチさんと仲良くやっていけば良いな。」

 

そのまま自転車に乗ると犬夜叉のいる方向まで向かった。

 

ピョーン!ピョーン!

 

「ふぃ〜、3日も歩き続けじゃ。ここいらで一休みするかの・・・はて?なんの音じゃ?」

 

振り返ると自転車に乗ったかごめのタイヤが真後ろに存在していた。

 

「のえええええ!!!」

 

プツ!プツ!

 

「?何か引いたみたいな?気のせいかな?」

 

気にせずに行くかごめ。

 

「傷の手当てだ?いらねぇよ。」

 

犬夜叉は、木の上で寝ながらかごめに言い返す。

 

「駄目よ。酷い怪我してたじゃない。降りてよ。」

 

「嫌だね!」

 

意地でも降りない犬夜叉。

 

「降りなさい。」

 

「へっ!」

 

やはり降りてこないので・・・・恒例のアレが。

 

「おすわりっ!」

 

ドシィーンッ!

 

「て!てめぇ!何しやがる!!」

 

犬夜叉が言い返すが気にせずに救急箱を持って来るかごめ。

 

「治療に決まっているでしょう。コテンパンにけちょんけちょんにやられたばかりじゃない。」

 

「言っとくけどな!もう治っているんだよ!」

 

かごめは聞く耳を持たずに犬夜叉の服を脱がせようとする。

 

一方怪我した所に包帯をしている楓がダイチと子供達と一緒に犬夜叉達のいる方向に向かっていた。

 

「楓様?お怪我は大丈夫なの?」

 

「ああ、大分楽になったよ。」

 

笑顔で子供の心配に答える楓。

 

「優しいなお前達は。」

 

微笑ましく子供達を撫でるダイチ。

 

「四魂の玉の欠片早く集まると良いね。」

 

「ははは、子供は心配せんでいい。ただもう少し犬夜叉とかごめが仲良くしてくれると助かるのだが・・・・」

 

「?」

 

「!」

 

子供とダイチは、近くのある物を見ていると子供が楓の方を向く。

 

「ふふ!仲良いみたい。」

 

「?」

 

楓もよく見ると

 

「大人しく脱いで!」

 

「やめろよ!」

 

「脱いで!」

 

「やめろよ!」

 

かごめが犬夜叉にある意味襲いかかっている様に見える。

 

「見てはならん!」

 

楓は、子供達の前に見えない様に塞いだ。

 

「良いか?ああやってお前達のお父さんとお母さんも仲良くする時やるんだよ。」

 

「「「へぇ〜〜・・・」」」

 

しゃがんだダイチが子供達に教えると。

 

「変な事を吹き込むな!!」

 

楓に突っ込まれた。

 

「「ん?」」

 

かごめと犬夜叉が振り向くと楓とダイチがいた。

 

「随分打ち解けた様だな。」

 

「まさか肉体関係に突入する気だったのか?」

 

険しい顔の楓と茶目っ気な事を言うダイチが二人を見た。

 

「「あ!」」

 

直ぐに犬夜叉は、かごめを振り払った。

 

「俺の身体は特別だってのが解らねぇのか?」

 

犬夜叉は、先程の傷口が完治した事を脱いで見せた。

 

「えっ!もう治っている!?」

 

「スゲェな、おい!」

 

かごめとダイチは、驚いた。

 

「アレだけの刀傷が跡形も無いとは。流石だな。」

 

「けっ!人間なんかと一緒にするな!こんな事で感心されても嬉しくもねぇ。」

 

犬夜叉は、服を着ながら言い返した。

 

(人間じゃないけど妖怪じゃない。半妖って一体?)

 

「ん?」

 

かごめが考えているとダイチは、犬夜叉に何かがくっ付いたのを見た。

 

「イテ!」

 

その犬夜叉も何かがいる事に気付いたのか脱ぐとノミが犬夜叉さん血を吸っていた。

 

「ちゅ〜〜、お懐かしや犬夜叉様。」

 

犬夜叉が叩く前にダイチの手が先にノミを叩く。

 

「すまん!こいつの声がムカつく白夜騎士の魔導輪の声に似ていてつい。」

 

犬夜叉は、気にせずにい叩いたノミを見た。

 

「??何でぃノミジジイの冥加じゃねえか。おい!なんか用なのか冥加ジジイ!」

 

「おお!お懐かしや犬夜叉様。・・・ドン!!

 

グリグリ!

 

地面に再び踏みつけるとグリグリと潰すダイチがいたそれも暗い表情の。

 

「悪い!なんか今までの鬱憤をコレで晴らしたかったから。もうしないから。」

 

正気に戻ったダイチが冥加に謝る。

 

「どうしたんだよダイチ?」

 

「ダイチさん?」

 

「昔色々あってな。」

 

そんなこんなで冥加を楓の家に連れて行く犬夜叉達。

 

「俺の親父の墓を暴こうとしている奴がいるだと?」

 

「この冥加、墓守として居ても立っても居られず。こうして・・・」

 

冥加は事情を話した。

 

「墓を捨てて逃げて来たんだろ?」

 

「何アソコは墓石だけでお骨は別の場所にありますから。」

 

「?じゃあ骨は何処だよ?」

 

「さぁ?ワシも本当は知りません。」

 

「大した墓守だぜ。」

 

呆れる犬夜叉。

 

「犬夜叉、お主の父親は、確か西国を根城にしていた化け犬であったと聞いていたが?」

 

「あんまし覚えてねぇけどな。」

 

「それはそれは強くて立派な大妖怪でいらした。何よりも美味しい血をしていられた。犬夜叉様のその血を受け継がれておられる。」

 

冥加は、犬夜叉の父親を語る。

 

「現代だとマフィアの大ボスみたいなものか。」

 

ダイチの言い方のほうが正しいかもしれない。

 

「へぇ〜、じゃあお母さんは?」

 

かごめが言うと犬夜叉の目の色が変わった。

 

「母上様も大変お美しい・・ドン!

 

犬夜叉は、冥加を踏み潰した。

 

「ちょっと犬夜叉!酷いじゃない!」

 

「おれの母親はとっくの昔に死んじまったよ!」

 

犬夜叉は、そのまま家を出て行った。

 

「何で?何かあたし気に触る事言った?」

 

「さてのぉ。」

 

かごめの言葉に楓は知らん顔した。

 

「迫害を昔されたんだろ?おそらくな。」

 

楓の代わりにダイチが答えた。

 

「?あたしお母さんの事を聞いただけよね?」

 

「母君様の事となると犬夜叉様はいつもああだ。」

 

冥加もなぜか困った様な悲しい様な表情になる。

 

そしてかごめは、犬夜叉を探しに行くとそのままじばらくしてダイチもかごめの後を追いかける。

 

木の上で月夜を見る犬夜叉を発見するとかごめは、近く。

 

(お父さんが大妖怪で犬夜叉は半妖。半分妖怪って事は後半分は人間?だから・・・)

 

《ふっ、やっぱり半妖は、半人前か。》

 

結羅の言葉を思い出す。

 

(半分が人間。完全な妖怪じゃない。その事が犬夜叉のコンプレックス。犬夜叉のお母さんは人間。)

 

「お母さんが人間だから。だからお母さんが嫌いなの?」

 

「そうじゃないと思うぞ、かごめ。」

 

「え?」

 

後ろからダイチが来た。

 

「あいつは心根が優しくお母さんが大好きなのさ。憎いのは迫害をした周りの人間だと思う。」

 

ダイチのその言葉に不思議とそんな感じがするかごめ。

 

「「!?」」

 

すると何か変な気配を感じるとかごめとダイチだけじゃなく犬夜叉も感じた。

 

「かごめ!伏せろ!」

 

犬夜叉は、かごめをそのまま地につけた。

 

「痛そうだな・・・」

 

つられて伏せるダイチが顔を引きつった。

 

「う!犬夜叉!」

 

顔に土で汚れて文句を言うかごめ。

 

「わかるか?スゲー妖気だ。」

 

「?あ!」

 

かごめは、空に何かある事に気付く。

 

(この気配?あの殺生丸がいるな・・・)

 

ダイチは、数日前に戦った殺生丸が近くにいる事に気付く。

 

「牛車?」

 

かごめは、そのまま見ると中に女の人が乗っているのを確認する。

 

「女?犬夜叉どうしたんだよ?」

 

犬夜叉の顔付きが変わった事にダイチは、聞く。

 

「どうしたの?」

 

「お・・お袋?」

 

「何?あれがお前の母さんか?」

 

空に浮かぶ牛車に乗る犬夜叉の母親らしき人も犬夜叉を確認する。

 

「お前は犬夜叉?あ!」

 

犬夜叉の母親は、振り返ろうとしたが牛車の中には小鬼が鎖を持って犬夜叉の母親を縛る。

 

「お袋!」

 

「どうゆう事?確か犬夜叉のお母さんは死んだって!」

 

「どうなってんだ!一体!?」

 

三人は空を見上げていると牛車が巨大な手に掴まれた。

 

そのまま牛車が壊れ犬夜叉の母親を捕まえた。

 

【ギャアアアアッ!】

 

巨大な真っ赤な鬼が姿を現した。

 

「犬夜叉のお母さんが!」

 

「この!」

 

「おし!」

 

犬夜叉がジャンプするとダイチも飛ぼうとしたが空に何がある事に気付き止まる。

 

ボゥッ!

 

空から火が降って来て犬夜叉は避ける。

 

「あの火は!」

 

ダイチは、見覚えがある物だった。

 

「ちっ!」

 

鬼の腕には人頭杖を持った舌打ちする邪見がいる。

 

「あいつ!まさか!?」

 

ダイチは、鬼の近くを探すと犬夜叉もダイチと同じ物を確認した。

 

「邪見、殺すのは話しが済んだ後だ。」

 

「へっ!へへい!」

 

邪見は、頷く。

 

「あの時の殺生丸と言う奴か?」

 

「何?どうゆう事だ!」

 

「ん?稽古している時に会って少しやり合ったな。」

 

頭を掻きながら説明する。

 

「どういう事だ殺生丸!」

 

犬夜叉は、睨んで殺生丸に言う。

 

「ほう・・・感心に覚えてくれたか兄の顔を。」

 

「へぇ〜・・・あの野郎が犬夜叉の兄貴か・・・」

 

ダイチは、全然似つかない事に気付く。

 

(おそらく向こうは母親が妖怪だからだろうな。)

 

「兄って?犬夜叉のお兄さん?」

 

かごめもやって来た。

 

「貴様はあの時の・・・ん?」

 

ダイチを確認するとかごめの方を見る。

 

「な、何よ?」

 

かごめは、犬夜叉の後ろに隠れる。

 

「犬夜叉よ・・貴様は人間達とつるむのが誠に似合う。人間等と言う嫌しき生き物を母に持つ半妖。一族の恥さらし者が!」

 

殺生丸は、軽蔑の表情で犬夜叉を見る。

 

「こいつ・・・ムカつく、ぶっ殺したくなる・・・」

 

ダイチは、少しムッとした。

 

「くっ!」

 

犬夜叉も不愉快な顔になる。

 

(やっぱり犬夜叉のお母さんは、人間なんだ。)

 

かごめは、確信した。

 

「殺生丸!てめぇ!わざわざそんな事言う為に来やがったのか!?」

 

「たわけ者!私はそれ程暇ではない!父上の墓の在処を貴様に聞こうと思ってな。」

 

「親父の墓だ!?知るかそんなモン!!」

 

「見えるが見えぬ場所。真の墓守は決して見る事が出来ぬ場所。それが墓の手がかりだ。」

 

意味ありげな言葉を殺生丸は、言う。

 

「何の事だかさっぱり解らねえな!例えば知っていたってお前に教えるか!」

 

「そうか・・・ならば仕方ない。貴様の母が苦しむだけだ。」

 

殺生丸は、右手で光る鞭を出して鬼に叩きつけると鬼は犬夜叉の母親を握り潰し始めた。

 

「犬夜叉!」

 

「おい!犬夜叉!」

 

かごめとダイチが言う。

 

「馬鹿かてめぇ!お袋はとっくの昔に死んでいるんだ!そんなまやかしに俺が引っかかると思ってやがったのか!」

 

犬夜叉は、殺生丸に言い返す。

 

「まやかしか?」

 

不敵に笑う殺生丸。

 

「解らぬ奴め。死人の魂を死者の国から連れて来ることなど殺生丸様には容易き事。わざわざ肉体まで与えてやったと言うのに。息子が信じてくれぬのであればせっかく生き返った寂しかろうて!」

 

邪見も不敵に笑う。

 

(そんな事が簡単なのか?)

 

ダイチは、少し疑問になる。

 

「ああ!犬夜叉・・」

 

犬夜叉の母親は、犬夜叉を見ると手を差し伸べる。

 

(まやかしじゃねえのか?)

 

犬夜叉も動揺して判断できなくなっていた。

 

「この身体、私は一度死んだ身・・ああ!」

 

犬夜叉の母親は、小鬼に更に鎖で縛られて気絶した。

 

「ちくしょう!散魂鉄爪!!」

 

犬夜叉は、鬼の腕を切り母親から切り離した。

 

「犬夜叉のお母さん!」

 

「しっかりしろ!」

 

かごめとダイチは、犬夜叉の母親に寄る。

 

「かごめ!ダイチ!お袋を連れて逃げろ!!」

 

犬夜叉は、二人に言う。

 

「この役立たずが!」

 

殺生丸は、光る鞭で鬼を叩きつける。

 

鬼もそのまま犬夜叉に襲うが。

 

「犬夜叉!」

 

ピカッ!

 

犬夜叉の母親は、両手から光を出して犬夜叉や他のダイチ、かごめも光の中に消えた。

 

「やれやれだ。」

 

「上手くいっております。全てこの邪見にお任せを。」

 

「つまらぬ芝居に付き合わせおって・・・これで失敗したら殺すぞ。」

 

その言葉に邪見もビビる。

 

光が消えると犬夜叉は、一人倒れていた。

 

「ん?」

 

辺りを見るとかごめしか倒れておらずダイチは居なくなっていた。

 

「此処は?」

 

まるでこの世の物とは違う天国の様な場所に来ている気分だった。

 

「此処はこの世とあの世の境。」

 

「?」

 

振り向くと犬夜叉の母親がいた。

 

「此処から母はあの世に戻ります。」

 

「あの世に?そうだよな・・・お袋はとっくに死んじまっているんだもんな。」

 

犬夜叉の母親が後ろを向いて歩くと犬夜叉もかごめが気絶している事を確認すると母親の後をついて行く。

 

「犬夜叉、すっかり大きくなりましたね。」

 

「そりゃな。お袋が死んだ時はほんのガキだったから。」

 

「何もしてあげずたった一人にしてしまい。すみません。辛い思いをさせました。」

 

「べ、別にお袋のせいじゃねぇさ。」

 

「犬夜叉・・・」

 

犬夜叉は、母親を見る。

 

「?」

 

かごめが目が目をさます。

 

(犬夜叉のお母さん?無事だったんだ。あれ?か!身体が動けない。)

 

かごめは、そのまま綺麗な池を見ると犬夜叉の母親の顔が無い事に気付く。

 

(はっ!顔が写っていない!犬夜叉!犬夜叉!こ!声が出ない!気付いて犬夜叉!この人顔が写っていない!その人あんたのお母さんじゃない!)

 

つづく!

 




次回 墓
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。