今回もデュエル描写はありません。
後投稿遅れてすいません。次はもう少し早く投稿したいです。
でわでわ
「綺麗な街だなぁ。」
車の窓から見えるネオン街を見て、出雲はそんな感想を漏らす。
「そうでしょ。この街夜景がとっても綺麗なんだよね。」
出雲の感想に合わせ、車を運転している夏目もそう言う。
あの後、セキュリティの本部から出た出雲と夏目は夏目の運転で家に向かっている所だった。
「(この世界に来てからこんなに落ちつけれたのって初めてかなぁ。はぁ、平穏万歳。)」
この世界に来てから平穏とは程遠い困難を乗り越えてきた出雲はこのいつまで続くか分からない平穏をぎゅっと噛みしめる。
「(て言うか)」
出雲は今まで思いもつかなかった事を考える。
「(俺って、誰が何の目的でここに飛ばされたんだろう。考える時間無かったけどこれって結構重要な事なんじゃないのだろうか。)」
腕を組み、ウ~ンと唸る出雲。
「あ、もうすぐで着くよ。」
が、夏目のその一言でその思考を止める。
「(まあ今考えても仕方がないか。今は生きることに専念しよう。)」
出雲はまだみぬ家にワクワクしながらそんな事を思う。
「うお!すげぇ!!」
夏目の家を見て出雲の発した第一声はそれだった。
1人はおろか5人で住むにも広いであろう3階建ての一軒家など、前世でも数えるほどしか見ていなかった出雲はそのでかさに驚いていた。
「そ、そんなに凄いかなぁ?」
「いやいや、これは凄いですって。セキュリティの給料ってばかでかいんだなぁ。」
「い、いやこれは父親が無視やり押し付けたというかなんというか……」
「ん?どうしたんですか?」
「い、いや。それより早く入ろうか。」
夏目は扉のドアの紋章にデュエルディスクをかざす。
ピッ! ガチャ
電子音と共にドアが開く。
「さ、入って。」
「は、はい。お邪魔します。」
「違うでしょ出雲君。」
夏目が拗ねたように言う。
頬を膨らませたその顔に、自分の中の目覚めてはいけない性癖が目覚めそうになるのを必死に抑え、出雲はこう返した。
「あっ、えっと……ただいま?」
「はい、おかえり出雲君。」
笑顔でそう言われた出雲は、やはり性癖が目覚めそうになった。
「ええっと、このバッグは一旦リビングに置いておくね。」
そう言い、車に積んであるカードが詰まった3つのスポーツバックをリビングに運ぶ夏目。
「(………あれ?増えてね?)」
確か1つだけだった筈なのに……と、首をかしげる出雲。
きっとスポーツバック1つだけじゃそんなにカード入らないんじゃね?と危惧したどっかの作者が事実を書き換えたのだろうがそんな事は今どうでもいい。
「ええっと、今は確か8時くらいだったか。何だかんだでもう夜か……。」
「もしかして……お腹空いたかな?」
「あっ、いえそんな事は」
グ~
「………」
「ハハハ!正直なお腹だね。しょうがないなぁ、出雲君は。」
「ちょ、笑わないでくださいよ!」
「ごめんごめん、直ぐに何か作るからね。」
「あ、ありがとうございます。」
「ふふ、どういたしまして。」
そう言い、キッチンに向かう夏目。
手持ちぶさたになった出雲はとりあえずデッキの調整を行う事にする。
「(この世界じゃデュエルが生命線だからな。ちゃんと組んでおかないと。)」
それに…と、出雲は立野と呼ばれていたデュエリストを思い出す。
「あいつはまだカード化されてない筈の 【亞空間バトル! 】を使っていた。という事はこの世界にはあのレベルのぶっ壊れアニオリカードが幾つもあるってことだ。それらも早急に対策していかないと……」
そうブツブツ言いながら、出雲は近くに置いてあったスポーツバックを開ける。
「これは……すげぇ品揃えじゃねぇか!」
思わず叫んでしまう程、そのスポーツバックの中のカードは品揃えが良かった。
初期のカードから自分が死んでしまったあの時時点の最新パックのカードまで全てが揃えられており、またご丁寧にもカテゴリ順に並んでおり、何処にどんなカードがあるのかもいち早く見つけられた。
前世では手がつけられなかったあんなカードやこんなカードまで、全てが3枚ずつ入っており、もう出雲的にはこれだけで今日起きた悪い出来事全てをチャラに出来るくらいの喜びに満ち溢れていた。
「こんだけカードがあれば、もう3つくらいデッキ組めるな……。って、そんなの作るよりもデッキ調整しねぇと!」
出雲はケースから自分の武神デッキを取り出す。
「(さてと……どんなカードと組み合わせようかね。)」
出雲は密かに考えを巡らせた。
~1時間後~
「「ご馳走さまでした!」」
出雲と夏目は手を合わせそう言った所で皿を流しに持っていく。
デッキ調整をしていた出雲であったが、調整が終わる前に夕食が完成する方が早かった為、先に夕食を食べていた。
ちなみに夕食はハンバーグだった。
「ありがとうね、出雲君。」
「いえいえ、これくらい自分でやりますよ。」
そんな会話をした後、出雲は夏目にこう問いかける。
「ねぇ…出雲君。」
と、夏目が遠慮がちに出雲を訪ねる。
「ん?何ですか?。」
と、出雲は夏目の方を向く。
夏目は胸元に入れていたデッキケースから自分のデッキを抜き取った。
「少し僕のデッキを見てもらえないかな。」
「それくらいなら別に良いですけど……。」
「ありがとうね。出雲君。」
いえいえと言い、出雲は夏目から渡されたデッキに目を通す。
その内容は
「(うっわ……ナァニコレェ)」
思わずそう思ってしまう程、そのデッキは酷かった。
まずモンスターが少ない。デッキの4分の1程度しか入っておらず、効果モンスターの割合はさらに少なかった。また辛うじてある効果モンスターも切り込み隊長とコマンドナイト、スピリットドラゴンくらいしかおらず、後はバニラのカードしか無かった。
また、魔法や罠もそれ単体では意味をなさないカードが幾つもあり、使えるのは二重召喚やメテオ・ストライク、そしてドレインシールド等全10枚程だった。
「あ、あのぉ夏目さん。このデッキは……」
思わず訪ねてしまう出雲。
それに対して夏目は恥ずかしそうに頬を染めた。
「あはははは、笑っちゃうだろ。実は僕今デッキがそれしか無くて…、元々持ってたデッキがある事情で使えなくなったから仕方なく使ってるんだけど……見ての通りろくなカードが無くて。
それでお願いなんだけど、余ってるカードがあれば何枚か貸してくれないかな。流石にこのデッキだと録に戦えないから…。あ、本当に余ってるカードで良いんだ!この通り!」
と、頭を下げてお願いされる。
出雲はそれくらいの事か…と言い、夏目の顔を上げさせる。
「それなら借りるなんて言わず、自分が夏目さんのデッキを作りますよ。こう見えてもデッキ作りには自身があるんです。」
出雲は自分に任せろと言わんばかりのどや顔で胸を叩く。
「え!で、でも、カードを貸してくれるだけでもありがたいのに、デッキを作ってくれるだなんて…」
夏目は手をブンブンと振り、恐縮する。
「夏目さん、俺は貴方がいないと今頃牢屋の中で暮らしてたかもしれないんです。いわば……命の恩人的な?
もっと威張っててもいいんですよ?」
出雲は夏目にそう説く。
「で、でも…」
「いいですから、自分に任せてください!」
気に入らない所があったら変えてもいいですからと、つけ足して出雲は夏目を説得する。
「えっと、じゃあ……お願いします。」
カクカクとした動作で腰を曲げる夏目。
「ははは、了解しました。夏目さんはゆっくり風呂にでも入っててください。」
出雲はカードの入ったバックを持ち、リビングにある小さなテーブルの近くに置き、デッキをいじり始めた。
「出雲君……」
夏目は悪いなと思いながらもさっぱりしたい気持ちがあった為、風呂に入りにいった。
出雲がデッキをいじくり回して30分くらいたっただろうか。
「ふう、取りあえずは原型は完成した。後はこのデッキを夏目さんが気に入ってくれるかどうか……か。」
出雲は風呂場に居ると思われる夏目の所に歩いていった。
「夏目さ〜ん、取りあえずデッキの原型的な物が完成しましたぁ!見てもらってもいいですかぁ!」
この世界のカードはある程度の防水加工がしてあるらしく、長時間水につかったら駄目だが、少しの水滴くらいなら弾いてしまうのだ。その事にデッキをいじくっている途中に気づいた出雲は夏目さんに風呂にいながら見てもらおうと思ったのだ。
「!い、出雲君!?ま、待ってて、今服を…きゃあ!」
「!な、夏目さん!どうしたんですか!」
夏目の悲鳴を聞いた出雲は夏目の身に何かあったのかと心配になり風呂場に直行する。
幸い風呂場の鍵は開いており、出雲でも中に入れた。
「夏目さん!」
風呂場の中を覗いた出雲が見たものは…
「い、出雲君……」
風呂場の床に尻餅をついている、豊かな双丘をその胸元につけてる、女性の姿だった。
「な、夏目……………さん?」
次の瞬間、出雲は赤い霧を吹いた。
ラッキースケベ、許すまじ。
感想、批評受け付けてます。
修正:タイトルを修正しました。