遊戯王~武神使いの波乱万丈な転生生活   作:コズモ君v

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………はい、コズモ君vです(土下座)
はい、分かってます。遅れたか理由を聞きたいんですよね?
えっとですねぇ、まぁ簡単に言うなら……バ○ドリとメモ○フにはまってしまってね………後正直モチベが上がらんかった。
まぁでも遊戯王自体は好きだし最近モチベも上がってきたんで半年も待たすなんて事にはならないと思います。
そして改めて、半年近くも更新できず本当にごめんなさい!これからはもうちょい早めに更新していきたいです……
でわでわ


第9話 お仕置きデュエル!

「えー……君が出雲君だね。話は夏目君から聞いてるよ。何でもエクシーズ使いだとか。」

 

「は、はい。一応エクシーズ使いです。」

 

新品の制服に身を包み、中年くらいの男性と話をしている出雲。

そう、今話しているその中年の男性こそ、出雲が今いるデュエルアカデミアの校長、 釈 杯人しゃく はいとだ。

出雲は今、校長からこの学校についての説明を受けているのだ。

 

「えー…知っての通りこの学校はこのギアルシティでも随一の学校です。並大抵の腕前なら門前払いしている所ですが………夏目君の紹介に加え、貴方がエクシーズ使いという事を込みにして、貴方のこの学校への入学を許可したのです。くれぐれも変なマネをしないよう。」

 

「わ、分かりました。」

「(ここギアルシティって言うんだ……。)」

 

校長の話を聞いていた出雲は、そんな事を思っていた。

 

「えー…夏目君から聞いていると思いますが、君には5年のクラスに入ってもらいます、ですが!……くれぐれもエクシーズ召喚を使わないようにしてもらいたい。」

 

「?何故使っては駄目何でしょうか?」

 

と、疑問に思う出雲。その言葉に校長が気だるそうに口を開く。

 

「えー……この学校の生徒はですね……少々エリート思考の方が多くてですね、自分より多く召喚方を使える貴方を見たなら……最悪いじめられる可能性があるのですよ。ほら、そうなるとめんどうでしょ?」

 

「は、はぁ。」

「(たったそれだけの事でいじめられんのかよ……あとこの校長若干軽いな!)」

 

とにかく出雲は、これからの学校生活を守る為にも、この学校内ではエクシーズ召喚をしない事を胸に誓った。

 

「えー…後は……」

 

校長は手元の書類をぺらぺらめくりる。するとピタッと手が止まり、ある一枚の書類を凝視する。

 

「あ、あのぉ……どうしまたか?」

 

と、校長に問いかける出雲。

 

「……君が今から行くクラスですが、いささか問題のあるクラスでして……まあ大丈夫でしょう。」

 

いきなりそんな事を言われても訳の分からない出雲はどういうことか校長に聞こうとする。

 

「それってどういう……」

 

「話は終わりです。貴方のクラスは三階にある5ーオシリスです。さあ、楽しい学校生活を送って下さい。」

 

有無を言わさずそう言うと、校長は出雲に背を向け椅子に座る。

 

「(すっげぇ気になるけど……まぁとりあえずいっか。)」

「分かりました、失礼しました。」

 

ぺこりとお辞儀をすると、出雲はその場から外に出る。

 

「(……色々と気になる事だらけだけど、折角夏目さんが通わせてくれるんだ。変なマネだけはしないように頑張ろう!)」

 

グッと拳を握り、出雲はそう誓う。

 

「取り敢えず、階段はこっちかな?」

 

目の前に飾ってある学校案内の地図を見ながら言う出雲。テクテクと階段を登って行く。

 

 

 

 

 

 

「はい!今日から新しい友達がこのクラスにやってきます!」

 

教室の中からそんな声が聞こえる。

出雲は廊下で壁によっかかりながら教室の中の反応を待つ。

 

「まじかよ!男かな?女かな?」

「私カッコいい男の子がいいなぁ!」

「私も!でもデュエルの腕のいい人も良いよね!」

「少なくともこの学校に入学出来た時点でそれなりの腕前を持っている事は確かでしょうね。」

「先生、早く紹介して下さいよ!」

 

「(………思ったより普通の反応だな。)」

 

少し拍子抜けする出雲。エリート思考な奴らだとか、問題のあるクラスだとか言われて内心はビクビクしてた出雲だったが、今の喧騒で大分緊張がほどけた。

しかしまだ油断してはいけない。あの校長は問題のある……と言ったのだ。もしかしたら教室の中は結構世紀末な事になってるかもしれない……そんな事を思っていた出雲である。

 

「分かった分かったから、今みんなに紹介するわね。」

「出雲君、こっち来て(小声)」

 

「はい、分かりました。」

「(さぁて、鬼が出るかモヒカンが出るか……)」

 

と、恐る恐る教室の中に入る出雲。

 

「(………普通だ。)」

 

机がカウンターのように一直線に続いていたり、ディスプレイが机にはめ込まれていたりちょくちょく普通でない所も見受けられるが教室内は清潔で広く、生徒達からもある種の品を感じられ、何より誰一人モヒカンじゃなかった。

 

「出雲君、自己紹介して。」

 

と、優しそうな女性の先生に催促され、出雲は教室内を観察するのを止めて自己紹介する。

 

「出雲 光遊です。よろしくお願いします。」

 

と、礼儀正しくお辞儀する。こういうのは第一印象が大事なのだ。

 

「みんな、出雲君と仲良くしてあげてね。」

 

「「「「「はーい!」」」」」

 

と、クラス内のほぼ全員が声を上げる。

ざっと見たところ、クラス内の人数は(休みがいなければ)39人といった所か。男女比も半々くらい……

 

「(なんだ、何も変な所なんてないじゃん。)」

 

そう思うと変に力んでいた肩が自然と落ちる。そのまま先生に指示され空いていた席に座る。

 

「はい、一時間目は20分後だから、それまで出雲君と交流してあげて下さい。では号令!」

 

その声と共に日直と思わしき人物が号令をし、休み時間になる。

案の定多数の生徒が出雲の元に集まる。

 

「なぁなぁ、どこ住んでんだよ!」

「どんなデッキ使ってるのぉ?」

「どのプロデュエリストが好き?やっぱり瞬人選手?」

「何でこの時期に転入してきたんだよ。」

 

ちなみに今の時期は6月の中盤くらいである。(出雲が飛ばされたのは2016年の12月前半くらい。あの次元箱が発売されて間もない頃くらいである。

 

「えぇっと………」

 

無論、セキュリティの人の家に居候してますともエクシーズ使いですとも異世界から来ましたとも言えない……てかこの世界のプロデュエリストの名前も知らない。

 

「おいお前たち」

 

と、そんな出雲に助け船を送った人物がいた。

 

「出雲君が困っているだろ?あんまり質問責めにすんのはよしなよ。」

 

と、出雲を質問責めにしてた人達に言う。

 

「あっ、悪い出雲。」

「ごめんなさい……」

「ごめんね?」

「悪かったな。」

 

と、各々謝ってくる。

 

「あ、別に全然迷惑してないから。むしろこっちこそ気を使わせてごめん。」

 

と、出雲も謝り返す。

 

「出雲君が謝ること無いよ。あ、僕の名前は新島 勝人(にいじま しょうと)、宜しくね出雲君。」

 

「あ、うん宜しく。」

「(爽やかで優しい人だな……)」

 

出雲の持つ第一印象はそれだった。

小学五年生とは思えないそのフォローに、出雲は少し感動した。

 

「一応このクラスの学級委員をやらせてもらってる。分からないことがあったら何でも聞いてよね。」

 

そう言いニカッと笑う勝人。

 

「ありがとう勝人君、頼りにさせてもらうよ。」

 

こちらも笑い返す出雲。

 

「あら、先を越されてしまいましたか…。」

 

ふと、そんな声が出雲の耳に聞こえてくる。透き通るような声はその主の品格を、その口調からは性格をにじませていた。

勝人は苦笑いしながら紹介する。

 

「紹介するよ、彼女はもう一人の学級委員でこの学校の出資者の一人娘の…」

 

瀬女 姫華(せな ひめか)よ、宜しく転校生さん。」

 

両サイドに取り巻きと思われる女子生徒を従えて現れたその少女は格好こそ他の生徒と同じ学生服だが、その顔と雰囲気だけはこの場の誰より一線を画していた。

 

「(苦手なタイプだな……)よ、宜しく瀬女さん。」

 

いわゆるスクールカーストでトップレベルであろう彼女と話すのは苦手なようだ。

 

「貴方!気安く姫華様の事を呼ばないでくれますか!」

 

「そうよ、新入りなのだからまずはお嬢様と……!」

 

と、取り巻きの二人が息を荒げる。

 

「止めなさいシナ、由美。」

 

シナと由美と呼ばれた二人は姫華の声を聞くとすみません と言い黙る。

 

「ごめんなさいね、この二人少し忠誠心が高すぎるの。」

 

「い、いえ。大丈夫ですよ……(絶対関わりたくねぇ……)」

 

勝人とは全く逆の第一印象を抱く出雲。

ふと、自分の隣の席を見る。すると先程までは無かった瓶とその中に立て掛けてある白い花を見る。

 

「(あの花………確か前A君が写真で見せてくれた花に似てるな。確か……スノードロップだっけ?何でそんなのが机に……)」

 

気になった出雲は勝人に聞こうとする。

 

「ねぇ、その花って……」

 

その時、

キーンコーンカーンコーン……

 

と、チャイムの鳴る音がする。それと同時に先ほどの女の先生が教室に入ってくる。

 

「授業を始めまーす!みんな席についてくださーい!」

 

と、よく響く声で生徒たちに言う。

その声を聞いた生徒達は一斉に席につきはじめる。

それは勝人も同じで、小声でまた後で……と言うと自身の席につく。

 

「はい、それじゃあ一時間目の授業を始めますね。

ではまず出席を確認します。阿河 優君。」

 

ハイ!と、前方の方で声が聞こえる。

その後数人の名前を呼んだ後

 

「出雲 光遊君。」

 

と、呼ばれ控えめに返事をする。

その後もどんどん名前を言う先生とそれに返事をする生徒。そして

 

「春咲 瑠奈ちゃん………春咲ちゃん?………」

 

と、ここで先生の点呼が止まる。

 

「おかしいわね、お休みの連絡はきてないのに……新島君、瀬女ちゃん、何か連絡を貰ってる?」

 

と、学級委員の二人に聞く先生。

 

「いえ、連絡の類いは受け取っていませんわ。」

 

と、冷静に答える姫華。

 

「さぁ?何処かで道草でも食ってるんじゃないですか?」

 

少し小馬鹿にした態度で答える新島

 

「(…………うん?)」

 

と、ここで違和感を感じる出雲。

姫華の方は問題ない、先ほどの印象通りの返答だ。しかし

 

「(勝人君……さっき話した時はあんな感じじゃ無かったんだけどな……)」

 

新島の返しはまるでその春咲という女子を馬鹿にするような印象を受ける。

 

「(いや、誰でも嫌いな奴の一人や二人いるか……でも普通あんな露骨に言うものか?)」

 

と、疑問に思う出雲。その間も先生が無差別に誰か知らないか聞いていた。

 

ガラララ

 

と、そんな時教室の後ろの方の扉が開く。入ってきたのはこの学校の制服のような物を着てきてる女子だった。

ような物……というのは周りの生徒の着てる制服に比べて損傷が目立ち、泥にまみれていたからだ。

 

「は、春咲さん!どうしたのその格好!」

 

と、担任の先生が急いで春咲と呼ばれた少女に近づく。

 

「す、すみません……来る途中車の跳ねた泥に当たっちゃて……それと学校に来たとき上履きが無くて探してたらこんなに時間が………」

 

目を涙目にしながら言う春咲。今言った言葉の中に制服の損傷についての事がないという事はその損傷は前についたものなのか……なんて考えを一瞬で振り払う出雲。

表情では怒りを隠しているが内心は穏やかでは無かった。

 

「(ったく、何処の世界にもいるもんだな。イジメってのは……まぁ泥の件についてはツイてなかったとしか言えないが……)」

 

なんて事を思う出雲。そんな出雲の思いに一歩遅れ

 

「誰ですか!春咲ちゃんの上履きを隠した人は!」

 

と、怒鳴る先生。

 

「先生、無駄ですよ。春咲ちゃんを恨んでる人はこの学校中に居るんですよ?」

 

声の主は……新島 勝人だった。

 

「そうだぜ先生。聞くだけ無駄だと思いますよ。」

「だな。」

「それより早く出席確認の続きしてくださいよ、誰かさんのせいで時間とってるんですから!」

 

口々にそんな事を言う生徒達。

 

「(………同じだ。)」

 

出雲は立野と夏目がデュエルし、夏目が負けたときに周りの客が浴びせた声と似たようなものを感じた。

 

「……取り敢えず廊下で体育着に着替えなさい。」

 

小さな声ではい……と言った春咲は教室を出る。

 

「……では出席確認の続きをします。」

 

そうして出席確認をし終えた後、春咲が体育着姿で教室に入り、下を向きながら出雲の方へと歩いていく。そして辿り着いたのは……あの花瓶の置いてある席だった。

 

「っっ!」

 

下を向いていたのでその存在に気づかなかった春咲は、その花瓶に気づいた瞬間顔面を蒼白にする。

隣に座っている出雲はその瞬間を一部始終目撃し、前の席の方で笑みを浮かべている勝人の姿を見る。

この瞬間、出雲はこの花瓶を置いたのも、上履きを隠したのも勝人だということを確信する。

先生も花瓶の存在に気付き声をかける。

 

「春咲さん!それは…「大丈夫です!この花好きですから……」」

 

嘘だ、目に浮かべている涙からも震えているその手からもその事は分かるが口にはせずそう と言う先生。

 

「……一時間目は…」

 

そう言い授業を始める。

授業自体はシンプルかつ小さな子供でも分かりやすく説明しておりとても分かりやすかった………が、今の出雲の頭には入ってこなかった。

 

「(校長先生の言ってた事ってこれだったのか……)」

 

問題のあるクラス……確かにこの規模のいじめは充分問題だ。

 

「(……まずは恨まれるようになった原因を探ってみよう。)」

 

全く知らない子ではあるのだが、いじめを放っておけない出雲は気づかれないようチラッと隣の春咲を見る。

春咲は泥で汚れたノートに必死に板書を写している。

まだ目は涙で滲んでいたが、それでも何度も腕で目をこすり、前を向いていた。

 

「(……見た限り恨まれるような事をする子には見えないんだよなぁ

 

仮に春咲自身が何か恨まれる原因を作ったとしたならまだ救いようがあるのだが、理由のないいじめだったとしたら……

 

「出雲君?どうしたのボーッとして…」

 

考え込む出雲を見て先生が心配し声をかけてきた。

 

「!べ、別に何でもありません。」

 

そう言い板書を写す。

そんなこんなで時間はあっというまに過ぎていき、とうとう授業終了間際になる。

 

「はい、一時間目の授業はここまでです。で、少しお願いがあります。5時間目のデュエルの実技にて戦う相手を休み時間の間に見つけて組んでおいて下さい。では」

 

そう言うと同時にチャイムが鳴り、休み時間となる。

 

「なぁなぁ、俺と組もうぜ出雲!」

「何言ってるんだ、出雲君は僕と…」

「私と組もうよぉ〜」

 

と、沢山の生徒が出雲に誘いをかけてくる。

 

「あ、あははははは…」

 

と、出雲はどうしたものかと考える。

ふと、隣の春咲さんを見てみると、勝人が春咲と話していた。

 

「春…ちゃ…………僕とデュエル………もし召喚したり………君の居場所は……………」

 

と、途切れ途切れに声が聞こえてくる。春咲は遠慮しているようだったが勝人が黒い笑みを浮かべて威圧すると程なくして首を縦にふる。

 

「(今の…)」

 

完全に思考モードに入ろうとする出雲。その時、コツン……と出雲の頭が軽く叩かれる。

反射的に叩かれた方を向く出雲。

 

「転校生さん?どうか私と組んではくださらないかしら?」

 

目の前を見ると姫華が出雲に手を差し伸べていた。

 

「え?あぁ……その、」

 

返事に困る出雲。果たしてYESと言っていいものか……そんな事を考えていると姫華の取り巻き二人が凄い……もうスカゴブリンのような表情でこちらを睨んでいた。

その顔には 断ったらコロス ……という信念が大量に込められていた。

 

「……ひゃい。」

 

そんな情けない返事をもらす出雲。

姫華はふふっと笑い、では……と言った後手を引っ込め取り巻き二人と談笑を開始した。

 

「(思わず返事しちゃったな………でもさっきの勝人君と春先さんの会話……)」

 

周りの質問責めの声を受け流しながら出雲は一人考える

……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時は飛んで5時間目、各々が支給されているデュエルディスクを装着し、とある部屋にやってきた。

 

「みなさん、休み時間の内にペアはもう組めましたね?では好きな場所でデュエルして下さいね!」

 

 

は〜いと生徒達が間延びした声で言いそれぞれデュエルをし始める。

 

「ふふ、宜しくお願いしますね。」

 

と、出雲の目の前で姫華がニコニコしながらディスクを構えている。

 

「………」

 

しかし、出雲は無言のままだ。

 

「?転校生さん、どうしましたか?」

 

異変に気づいた姫華が出雲に話しかける。

 

「……やっぱり放っておけない。」

 

ポツリ……と、そんな言葉をこぼす出雲。

 

「すみません姫華さん、デュエルはまた後で!」

 

そう言い突然走り出す。

 

「………ふふ、分かりました。悔いの残らないよう頑張って下さいね。」

 

出雲の背中を見つめ姫華は笑いながらそう言った……。

 

 

 

 

 

 

「さぁ、ディスクを構えてよ春咲ちゃん。」

 

ドス黒い笑みを浮かべ勝人はディスクを構える。それにピクリと反応する春咲。傍目から見れば蛇に睨まれているカエルのように見えるだろう。

 

「ふふ、休み時間に言ったけどもし君がモンスターを召喚したりカードをセットしたら……分かるよね?」

 

その言葉に春咲は顔を俯かせて頷く。そう、彼女がこれ以上の嫌がらせを受けないためには承諾するしかないのだ。デュエルでサンドバッグ役になり彼のストレスを発散させるしか……

 

「さぁ、デュエルを「ちょっと待った!」……この声は」

 

勝人は勢いよく声の聞こえた方角を見る。

 

「そんな八百長したってデュエルは楽しくないよ勝人君。君の相手は……僕がしてあげるよ!」

 

頭を俯かせていた春咲もその声を聞き頭を上げる。そこに居たのは今日転校してきたばかりだという生徒

 

「出雲……君?」

 

出雲 光遊が居た。

 

「……出雲君、何の真似だい?僕は春咲さんとデュエルがしたいんだ。それに八百長だなんて心外だな。僕はそんな卑怯な真似しないよ。」

 

やれやれという風に首を横に振る勝人。

 

「だから早くそこを退いてくれよ。君だって転校してきたばかりなのにこの学校での居場所を失いたくないだろう?」

 

と、普通に見れば人懐っこい……しかしどこか影のある笑みを出雲に向ける。

 

「………別に。」

 

たった一言、本当になんでもないように言う出雲。

 

「……ちっ、転校生だからって調子に乗りやがって。いいよ!僕が相手してあげる。その代わり僕に負けたら君の立場は無くなると思え!」

 

そう言いデュエルディスクを構え始める。それに呼応するように出雲もディスクを構える。

 

「「デュエル!」」

 

 

出雲

LP4000

 

 

勝人

LP4000

 

 

「へっ?……ど、どうなって……」

 

と、状況が分からず二人を交互に見る春咲。しかしそんな春咲の頭を後ろから優しく撫でる人物が居た。

 

「ふぇっ?!ひ、姫華ちゃん!…あっ、じゃなくて様?!」

 

と、声を上げる春咲。

 

「姫華ちゃんでいいわよ、春咲さん?それより出雲君、私とのデュエルをお預けにしたと思ったら貴方を助ける為にあいつとデュエルをするなんて……素敵な殿方だと思わない?」

 

と、優しく語りかける姫華。

 

「ふむ、姫華様とのデュエルを投げ出した時は島流しの刑に処してやろうと思ったのだが、中々に根性のある男だな。」

 

「あぁ、ああいう根性のある男は嫌いじゃないぞ……無論姫華様が一番だがな!」

 

と、いつの間にか姫華の取り巻きまでもが居た。

 

「あ、あの……私…」

 

と、顔を俯かせる春咲。

 

「自分には助けてもらう資格なんてない……そう言いたいのかしら?」

 

と、春咲の考えを見通す姫華。

 

「そもそも()()()()は貴様が起こしたものでは……」

 

取り巻きの一人、ユナが何か言おうとするが

 

「しっ、始まるわよ。」

 

姫華の真剣な声に3人は目の前を見る。

 

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 

出雲 光遊

 

LP4000

 

手札5枚→6枚

 

 

どうやらルールはマスタールール2のようだ。

 

「俺は手札から魔法カード、「炎舞-「天キ」」を発動!これによりデッキからレベル4以下の獣戦士族モンスターを手札に加える。これで俺は武神ーヤマトを手札に!そしてヤマトを召喚!」

 

大地が割れると同時に石像が飛び出し、中から和風の甲冑を着た戦士が現れる。

 

武神ーヤマト ATK1800 DEF200

 

「俺はカードを2枚伏せ…ヤマトの効果、デッキから武神器ーヤタを手札に加えオキツを捨てる……これでターンエンド。」

 

 

出雲 光遊

 

LP4000

手札…3枚

 

フィールド……武神ーヤマト ATK1800→1900

伏せカード……2枚

 

 

「さぁ、君のターンだよ、勝人君。」

 

「ふん、僕のターン!」

 

 

新島 勝人

 

LP4000

手札…6枚

 

 

「よし、僕は手札から魔法カード、光神化を発動!」

 

 

光神化

速攻魔法

(1):手札から天使族モンスター1体を特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は半分になり、エンドフェイズに破壊される。

 

 

「その効果により手札から堕天使スペルビアを特殊召喚する!」

 

カッとフィールドが強く光り輝き、辺りを眩しく照らす。そして直視できるレベルになった時、そこには身を黒に染めた、異形の天使がいた。

 

 

堕天使スペルビア

効果モンスター

星8/闇属性/天使族/攻2900/守2400

(1):このカードが墓地からの特殊召喚に成功した時、

「堕天使スペルビア」以外の

自分の墓地の天使族モンスター1体を対象として発動できる。

その天使族モンスターを特殊召喚する。

 

 

そのモンスターの出現により、辺りの視線が二人へと注がれる。その視線を受けながらさらに勝人は場を動かす。

 

「さらに僕は堕天使スペルビアをリリース!現れよ、僕の絶対なる正義!光神機(ライトニングギア)轟龍(ごうりゅう)

 

スペルビアの漆黒の体にドンドンとひびが入ったかと思うと、そこから光が溢れ、爆散する。そしてその場に新たに出現したのは、先ほどの堕天使とは打って代わり、体を純白に染めた龍だった。

 

 

光神機ー轟龍

効果モンスター

星8/光属性/天使族/攻2900/守1800

このカードは生け贄1体で召喚する事ができる。

この方法で召喚した場合、

このカードはエンドフェイズ時に墓地へ送られる。

また、このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、

その守備力を攻撃力が越えていれば、

その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

 

 

「……一応お決まりのセリフを。どうしてレベル8のモンスターを1体の生け贄で出せる。」

 

と、分かりきっている事だが質問する出雲。

 

「轟龍は確かにレベル8のモンスター。普通なら2体のリリースが必要だ……けど!」

 

そう言い勝人は手を広げ

 

「このモンスターは1体のリリースでも出せるんだ!しかも攻撃力が守備力を越えていればその分ダメージも与えられる!……まぁその代わりにエンドフェイズになれば破壊されてしまうが……僕は手札から装備魔法愚鈍の斧、団結の力、魔導師の力を轟龍に装備!これによりデメリットは消えさらに攻撃力が3300ポイントアップ!」

 

 

愚鈍の斧

装備魔法

(1):装備モンスターの攻撃力は1000アップし、効果は無効化される。

(2):自分スタンバイフェイズに発動する。

装備モンスターのコントローラーに500ダメージを与える。

 

 

団結の力

装備魔法

(1):装備モンスターの攻撃力・守備力は、

自分フィールドの表側表示モンスターの数×800アップする。

 

 

魔導師の力

装備魔法

(1):装備モンスターの攻撃力・守備力は、

自分フィールドの魔法・罠カードの数×500アップする。

 

光神機ー轟龍 ATK2900→6200

 

「これで僕の轟龍は無敵の攻撃力を得た……バトル!そのモンスターを殲滅しろ!裁きの狂閃光(ギガレイズジャッジメント)

 

光神機ー轟龍はまるで人形かのように感情を感じさせない雄叫びを発し、その口から極太の閃光を放とうとする。

 

 

「……やっぱり無茶だよ、出雲君。」

 

と、春先が今にも消えそうなか細い声を上げる。

 

「勝人君は学年一のデュエリストなんだよ?……敵いっこないよ。出雲君はまだ引き返せる……まだ勝人君と友達になれる……だからもう私の事は放っておいて!」

 

春先の聞いたことのないような大声に驚くクラスメイト達。恐らく産まれてから初めて出したような大声……春先の目にはいつの間にか涙が浮かんでいた。

その言葉を聞き、出雲はハァ……とため息をつく。

 

「本当なにやってんだろ俺……変なマネするな言われたばっかなのにクラス1の人気者にたてつくなんて……まじ頭イカれてるわ。」

 

「じ、じゃあ「でも」」

 

と、出雲は勝人を……そしてほぼ全てのクラスメイトを睨み付ける。

 

「もっとイカれてるのはこいつらだ。一人の女の子をよってたかってイジメ、あたかもそれが日常のように振る舞う……なんだ、この子が何をしたんだ?盗みか?放火か?殺人か?納得できる理由を示してほしいね。」

 

と、敵意を込めた目を向ける出雲。

 

「………」スッ

 

と、勝人が轟龍を制止させるよう手を上げる。

 

「いいだろう、話してやるよ。」

 

黒い笑みをニヤニヤと浮かべ勝人は叫ぶ

 

「そいつは!5年前に起きたギアル工業爆破事件を起こし、逃亡した犯人の一人娘なんだよ!」

 

 

 

…………………………………

 

 

 

 

「で?」




スノードロップの花言葉は………へへへへへ



次回予告
私を庇い、勝人君に戦いを挑んだ出雲君。私がイジメられた理由を聞いても全く意にもかえさず、勝人君をやっつけた。でもその瞬間、勝人君の体から何かが出て来て…
「なんだか知らんがぶっ潰す!かかってこい化け物!!」

次回 闇のゲーム
でゅ、デュエルスタンバイ!

※本当にこんな内容になるかは分かりません……頑張って近づけますが
あと感想、批評、問題点の指摘等はどんどんして下さい!

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