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音ノ木坂学院、放課後、生徒会室。
「よく来てくれたわね」
「「「…………」」」
高坂さん、園田さん、南さんの二年生・三人組が固まっている。…………この前の事を気にしているようね。まずは私が謝らないと。
「この前はごめんなさい」
くっ!思ったより冷たい声が出てしまったわ!いけない!皆の表情が強張っている…………。少し部屋の温度が下がったのを感じながら、私は話を始める。あ、笑顔を作るのを忘れないようにしないと。
「あなた達、ス、ス、スクールアイドルやるのよね?」
「こ、怖い……」
失礼な!
これでも頑張ったんだからね!
…………おかしいわね。八幡君の前なら自然に振る舞えるのに。
「はい、そうです。まだ3人しかいないので、部として正式な承認は得られませんが、新入生歓迎会の際に、何かが出来ればと思っています」
「そう…………」
よし、言うのよ絵里。私もスクールアイドルやりたいって…………いえ、さすがにそれは…………。
私は3人の顔を見る。学校の為に必死になってくれている素敵な子達。この子達は純粋な思いでスクールアイドルをやろうとしている。そこに私が不純な動機で入るなんて…………。
「あの……生徒会長?」
「どうしたのかな?」
いや、私がスクールアイドルに入って廃校を阻止すればいいのよ。そうよ!バレエの経験があるからそれをダンスに生かせばいいじゃない!おまけに私は顔はいいし、スタイルも抜群だって八幡君が言ってたような(言ってない)。
「う、海未ちゃん……生徒会長どうしちゃったの?」
「わ、わかりません。さっきから一人で悲しんだり、笑ったりしてますが」
「こ、こわいよぉ……」
はっ!そういえば……。
信じがたい事ではあるけれど、まだ私と八幡君は恋人同士ではないのよね。2回もキスをしたから忘れそうになってたわ。そ、それにあと10回も…………えへへ。
「あの、生徒会長……」
「名、何?キ、キスはあと10回残ってるわよ!」
「何の話ですか!?」
おっといけない。心の声が口から出てきたわ。
私は三人をじぃっと見る。
むぅ。私ほどではないけどかなり可愛いわ。
八幡君が浮気しないかしら。
高坂さんは快活な雰囲気が周りまで明るい雰囲気にしてくれそうな女の子だ。ぱっちりした目が本当に可愛い。
園田さんは大和撫子というイメージを具現化したような清楚な佇まいが魅力的な女の子だ。艶のある長い黒髪に魅了される男子は多いだろう。
しかし!!
この二人には足りないものがあるわ!
それは…………胸よ。
やっぱり男の子は大きな胸が好きなのよ。
「ふっ」
「な、何?」
「今、少し不愉快な気分になりましたね…………」
ということは、私のライバルは……この子ね。
南ことりさん。
変わったサイドポニーが印象的なふわふわした雰囲気の女の子。この子のスタイル…………中々ね。これは要注意だわ。きっと脱いだらすごい事になるでしょう。
…………少し話が逸れたわね。
「いいわ。部活として承認します」
「え!?本当ですか!?」
「いいんですか?」
「わぁ~♪」
「ええ、ただ人数を合わせる必要があるわね」
「?」
ついに言う時が来た。よし、家で亜里沙を相手に何度も練習したから完璧なはず!
私は思いきり土下座をして言った。
「お願いします!私もスクールアイドルに入れてください!」
「「「…………」」」
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