捻くれた少年と強がりな少女   作:ローリング・ビートル

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GLOBAL COMMUNICATION ♯2

「ただいま~」

「二人共、アイス買ってきたよ~……どしたの?」

 

 シスターズが揃って怪訝そうな目を向けてくる。

 

「いや……何でも……」

「そ、そうよ……何でも、ないわ……」

 

 あの後、20回もツイスターゲームをしたので、体力が残っていない。普段使わない筋肉を使ったせいか、疲労感が半端じゃない。体の柔らかい絢瀬さんでも割としんどかったようだ。…………何より絢瀬さんがタンクトップに短パンだから、色々と目の毒だし、結構体が触れ合って心臓に悪い。やはりそう簡単に慣れるものではない。リトさんを見てみろよ。

 

「もしかして絵里さんに変な事してたの?」

「し、してねーし」

 

 むしろされてる側のような気がする。

「ごめんなさい、八幡さん。ウチのお姉ちゃんが……」

「亜里沙、待ちなさい。何故真っ先に私を疑うの?」

 

 あぁ、体痛い。

 

 *******

 

「そういえばお姉ちゃん。そろそろ帰らなきゃね」

「「え?」」

 

 アイスを食べ終えた亜里沙が言うと、二人が驚いた反応を見せた。ちなみに二人とは言うまでもなく、アイスを美味しそうに頬張る絢瀬さんと小町である。

 

「もう少しいてもいいんじゃない?」

「そ、そうよ!まだやりたい事が……」

「お姉ちゃん、明日から朝練があるんでしょ?」

「はい……」

「それに、あんまり恥ずかしい姿見せてたら、タイトルが『捻くれた少年とポンコツ可愛い少女』になっちゃうよ?」

 

 それはもう手遅れな気がする。

 

「亜里沙がポンコツって言った……はあ、このままカマクラちゃんとこの家で養われていようかしら」

 

 絢瀬さんは比企谷家のペットな彼女になろうとしていたが、そうはいかない。

 

「残念ながら、それは俺のポジションです」

 

 安々とこのポジションを譲るわけにはいかない。

 

「そんな事堂々と宣言しないでよ、ゴミぃちゃん」

「あはは……」

 

 シスターズは割とガチでドン引きしていた。

 しかし絢瀬さんは俯いて、何やらブツブツ呟いている。

 

「なるほど……なら将来はなるべくお給料の高い仕事について……」

 

 ……聞かなかった事にしておこう。

 美人で俺を養ってくれるとか、このままじゃ本気で惚れてしまいそうだ。気を確かに、八幡!

 

「あの……」

 

 亜里沙がおずおずと手を上げる。

 

「どした?」

「実は来月、私の誕生日なんです」

「え、そうなの!?」

「なので、良かったら、今度は二人が泊まりに来ませんか?」

「わあ、行きたい行きたい!いいよね、お兄ちゃん!?」

「……まあ、その時にならんとわからんが、祝うぐらいはしたいな……」

 

 あまりいい予感はしないが、こうして小町も仲良くしてもらっているし、祝いたい気持ちはある。

 

「ほら、お姉ちゃんも!」

「え~っと、就職先は千葉がいいかしら?いや、都心でもここから通えるかしら?」

「「「…………」」」

 

 駄目だこの人……はやく何とかしないと……。

 


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