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それでは今回もよろしくお願いします。
生徒会長 雪ノ下雪乃
副会長 由比ヶ浜結衣
書記 一色いろは
庶務 比企谷八幡
廊下に張り出された紙にはこう書かれていた。
通りかかる生徒は上から順番に眺め、最後に書かれた名前を見て、顔を僅かに顰めながら通りすぎていく。まあ、そのリアクションも仕方ないだろう。
というわけで、これが汚名返上大作戦その二・生徒会活動だ。学校内で目につきやすい生徒会活動を頑張る事によって、周りの見る目が変わるだろう、という実に安直な作戦である。いや、この際だから何でもやるけどさ……でも、ゆきのん!庶務って何さ!何で俺だけ役なしなの!?哀しそうな顔で『ごめんなさい。これが限界だったわ』なんて言わないで!
……そんなこんなで、俺は生徒会役員の一人になった。
「そう、八幡も生徒会に入ったのね」
「ええ、一応……そういや絵里さんも意外と生徒会長でしたね」
「い、意外とって何よ!こう見えても優秀な生徒会長として先生方に褒められてたんだからね!」
「いや、ほら、絵里さんの事だから、人前で転んだり、読む事にしていた紙を間違えたりとか……」
「大丈夫。私、失敗しないので」
「そ、そうですか」
「私、失敗しないチカ」
「わかりました……」
翌日。新生徒会メンバーは、生徒会室の模様替えを行っていた。由比ヶ浜と一色の趣味で、女子感満載のカラフルでポップな部屋になったが、そこはご愛嬌って事で。
そして、城廻先輩の荷物を運び出し終えた後、彼女はこちらに向き直った。
「比企谷君……生徒会をよろしくね」
やたら哀しそうな顔で、城廻先輩がこちらを見てくる。近い近い近い近い近い!なんて考えていると、突然距離を取り、背を向けた。
「比企谷君に彼女ができても私……いいえ、いけないわ、めぐり。ここで断ち切るのよ」
何やらブツブツ呟いた城廻先輩は頭を左右にブンブン振った後、意を決したような表情で、もう一度俺を見据えた。
「比企谷君……頑張って。それじゃあ……ね」
「は、はい」
言い終えると、城廻先輩は俺に背を向け、駆け出し、そのまま振り返らなかった。
「……お疲れ様です。城廻先輩」
何かに一つ区切りがついたような気持ちになりながら、俺は生徒会室へと戻っていった。
「八幡、八幡!」
「今日はやけにテンション高いですね。何かあったんですか?」
「ラブライブの関東大会決勝の会場が幕張メッセになったのよ!」
「……おお。急に会場の規模がでかくなりましたね」
「そうなのよ。これがどういう意味かわかる?」
「?」
「は、八幡が……スタッフとして参加できる可能性があるのよ!」
「……そこですか」
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