ただ自分がやるべきことは言われなくても分かっていた。
あの男を…「鬼瓦煉」を越えること。
それが遊悟にできる、「認められること」に繋がっているように感じていた。
襲撃の惨劇を嘆くように空は暗く閉ざされている。
崩壊した街並みを抜けて、
悲しむ人々を追い越して、
遊悟はWRDCの会場へとやってきた。
遊悟「やっぱり…ここで待っていたか…!」
そこには黒いD・ホイール、煉獄の
煉「遅かったな…風薙遊悟…何をしに来た…」
固唾を呑み込みニヤリと笑ってみせた。
遊悟「鬼瓦煉!お前を…越えるために来た!」
会場にいるのは二人の他には誰もいない。
誰もがこの決闘を見る余裕がないのである。
だがこの世界の記憶に残ることになる
凛「ってところかな?」
遊悟「凛!お前無事だったのか!?」
凛「当然!母さんやみんなは…連れて行かれちゃったんだね…」
少年は黙ってうなづいた。
煉「なぜここにいる」
凛「スタートの合図、必要だよね?僕がやるからさ」
遊悟「…ああ、頼む。凛」
二人の
準備が整うと少女がコールする。
『スリー・ツー・ワン!!』
『ライディング・デュエル・アクセラレーション!!』
二人の
一日走りきりのD・ホイールから煙が上がる。
おそらくはエドマンドとの闘いの時にすでに無理を押しているのだろう。
しかし、これで最後だ…
最後の決闘となるのだから、もう少しだけ耐えてくれ…
第一コーナーを先取したのは完璧な機体に乗る煉であった。
煉「俺のターンからだ!俺は「手札抹殺」を発動!
互いに手札を全て捨て、捨てた枚数と同じ枚数のカードをドローする!」
遊悟「ちぃ…!俺は5枚カードをドローする!」
煉「俺は4枚…手札から「エクストラ・フュージョン」を発動!」
遊悟「アイツ…融合まで使うのか!」
煉のカードから神秘の渦が現れた。
煉「俺は
「デストーイ・マッド・キマイラ」を融合する!」
遊悟「「インフェルニティ」じゃない上に…
カテゴリまでバラけたモンスター同士の融合だと!?」
飢餓より生まれしは新たなる煉獄のしもべ!
融合召喚!スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン!
渦から生まれたのはついさっき遊悟を苦しめた紫竜であった。
遊悟「スターヴ・ヴェノム!?なぜお前がそのカードを持っているんだ!?」
フンと鼻を鳴らし、煉は答えた。
煉「お前を
お前の
お前の
遊悟「あの
煉「あれだけではない!この街を襲ったモンスターも!
ユーリと共に来た
俺のデッキに組みこんでいるのさ!カードを2枚伏せターンエンドだ!」
遊悟「つまり…お前はあの時よりも格段に強くなっている…」
目の前のスターヴ・ヴェノム。
そしてそれを操る煉獄の決闘者。
全てにおいて相手に不足は無い。
遊悟の口から笑みが零れる。
遊悟「俺のターン!俺は「
召喚に成功した時、墓地の「
煉「レベルは7…どちらを出す…?」
遊悟「当然こっちだ!俺はレベル4のダブルヨーヨーに
レベル3の三つ目のダイスをチューニング!」
澄明の翼翻し、光の速さで闇を貫け!
シンクロ召喚!クリアウィング・シンクロ・ドラゴン!
煉「来たか…クリアウィング…!」
透明な翼を持つ白竜が空を舞った。
遊悟「俺は手札の「
このカードの特殊召喚に成功した時、フィールドのモンスターの攻撃力を600下げる!」
煉「
遊悟「そう!俺はクリアウィングの効果でレベル5以上のモンスター効果を無効にし破壊、
そしてそのモンスターの攻撃力分このカードの攻撃力をアップする!
「ダイクロイック・ミラー」!」
煉「攻撃力4300…
だがスターヴ・ヴェノムには破壊された時、相手モンスターを道連れにする能力がある…」
遊悟「そんなことは分かっている!
俺は「ドラゴン・シールド」をクリアウィングに装備!
装備モンスターは戦闘及び効果では破壊されず、
俺への超過ダメージも0になる!」
煉「ほう…なかなか考えたじゃあないか…」
遊悟「バトル!スターヴ・ヴェノムを攻撃!「旋風のヘルダイブ・スラッシャー」!」
煉「ぬぅ…!」
煉 LP4000→2500
白竜の攻撃が紫竜を貫いた。
だが現状出せる最大限の
煉にダメージを与えることはできなかった。
遊悟「ちっ…だが「ドラゴン・シールド」でクリアウィングは破壊されない!ターンエンドだ!」
煉「俺のターン!俺は
デッキからカードを5枚墓地へ送る!
俺は墓地の「
俺の場にモンスターがいない時、こいつは墓地から復活する!」
復活したモンスターはレベル9、最上級モンスターである。
遊悟「レベル9の…チューナー?」
煉「さらに手札の「ダークネス・シード」を召喚!
さあ行くぞ…俺の、俺だけの「シンクロ召喚」…「
レベル1のダークネス・シードにレベル9のデス・サブマリンをマイナス・チューニング!」
遊悟「「マイナス・チューニング」だと!?」
漆黒の帳降りし時、百の魔眼が開かれる!舞い降りよ闇よ!
マイナスシンクロ!出でよ、ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン!
現れたのは黒い百つの魔眼を持つ竜であった。
遊悟「見たことも聞いたこともねえ…
ヤバい雰囲気がビリビリと伝わってくるぜ…!」
面白い…!コイツは…鬼瓦煉はやっぱりとてつもない
煉「手札から速攻魔法「コズミック・サイクロン」を発動!」
煉 LP2500→1500
煉「相手の魔法・罠を1枚除外する!
「ドラゴン・シールド」をゲームから除外!」
遊悟「くぅ!」
黄色い雷が白竜の盾を取り除いた。
煉「ワンハンドレッド・アイは墓地の闇属性モンスター全ての効果を得る!
「インフェルニティ・スピアベアラー」の効果で、
手札が0の時に攻撃力が800上昇!
さらに墓地の「インフェルニティ・リローダー」の効果!
手札が0枚の時、デッキからカードを1枚ドローする!」
煉はカードを引き抜き、遊悟に見せつける。
煉「俺が引いたのは「ダークネス・デストロイヤー」!
モンスターを引いたらそのカードを墓地へ送り、
レベルかける200のダメージを与える!1400のダメージを喰らえ!」
遊悟 LP4000→2600
遊悟は煉の放つ黒い
しかしそれでも遊悟のD・ホイールには重すぎるダメージであった。
遊悟「ぐあぁ!!」
溜まっていくダメージに耐えきれず遊悟はよろつき、レーンの壁に倒れかかる。
壁を蹴りすんでのところで壁の衝突を避けた。
煉「そんなことで俺を越えられるのか!!
バトル!ワンハンドレッド・アイでクリアウィングを攻撃!
墓地の「
相手の魔法・罠カードの効果の対象にならず、効果も受けない!
さらに攻撃する時、相手フィールドのモンスターの効果は無効化される!」
遊悟「くっ…ならば墓地からだ!「三つ目のダイス」の効果を使えば…!」
煉「無駄だ!墓地の「毒蛇神ヴェノミナーガ」の効果!
このカードの攻撃力は墓地の爬虫類族モンスターの数かける500アップし、
フィールド上で表側表示で存在する限り、
このカード以外のカードの効果の対象にならず、効果も受けない!
さらに戦闘ダメージを与えた3ターン後、お前のエンド時にお前はデュエルに敗北する!」
遊悟「なぁっ…!?攻撃力が4300なだけでも厄介なのに、
そのうえ3ターン後の敗北の特殊勝利効果持ちだとぉ!
しかもあらゆる攻撃も受けない…!無敵じゃねえか!!」
煉「喰らえ!「インフィニティ・サイト・ストリーム」!」
遊悟「ぐぅ!俺は「クリボー」の効果を発動!
手札から捨て、戦闘ダメージを0にする!」
寸でのところで小さな精霊が衝撃を吸収した。
煉「まだだ!「デストーイ・マッド・キマイラ」の効果!
戦闘破壊した相手モンスターを自分フィールドに特殊召喚する!
そしてこの効果で特殊召喚したモンスターが自軍に存在する限り、
このカードの攻撃力はそのモンスターの数かける300アップする!
さらにバトルフェイズ終了時まで、相手は魔法・罠カードを発動出来ない!」
百眼の竜は白竜を破壊、そして自軍に引き込んだ。
遊悟「ぐぅ…クリアウィング…!」
煉「ここで終わりになるか…?クリアウィングでダイレクトアタック!」
遊悟「まだだ…!「メンコート」の効果を発動!
このカードを特殊召喚し、相手の全てのモンスターを守備表示にする!」
煉「だが!ワンハンドレッド・アイは効果を受けない!
墓地の「ダークネス・デストロイヤー」の効果!
2回攻撃ができ、守備モンスターを攻撃した時、貫通ダメージを与える!
ワンハンドレッド・アイで追加攻撃!」
百眼の竜の追撃がふらつく遊悟に襲い掛かる。
遊悟「俺は…墓地の「タスケルトン」の効果を発動!
このカードを除外して、モンスターの戦闘ダメージを0にする!」
煉「ちぃ…仕損じたか…だが墓地の「ダークネス・シード」の効果!
俺のライフが4000未満の場合、ライフを4000まで回復する!」
煉 LP1500→4000
遊悟と煉の間にさらに絶望的な差ができる。
遊悟「俺のターン…!」
痛みで縮こまる体にグッと力を入れる。
まだ限界ではないはずだ…!
まだまだここで終われるはずがない…!
遊悟「ドロー…!俺はカードを1枚伏せ、「モンスター回収」を発動!
メンコートをデッキに戻し、手札が5枚になるようにドローする!」
…ほう…まだ闘うつもりか…
まだ自身の境遇から抗い続けるか…!
煉は舌打ちした。
彼には遊悟の姿がかつての自分に見えて仕方が無いのだ。
この国を守ろうと…弱者を守ろうとがむしゃらになっていた煉。
しかし…
エドマンドを
上層部は殺人鬼を「切り札」として罰せずに幽閉した。
正義を信じていた煉はその判断に納得がいかず、正義を見放した。
上の判断を待たず、指名手配犯の命を刈る…
彼はいつしか「死神」と呼ばれるようになったのだ。
煉は自分の中で目的を見失い、死神と呼ばれることに慣れていった。
目の前の少年は何かを守ろうとしている。
自身のプライドか、
あの女か、
それとも
大きな何かをその眼に映している。
自分と重なるその少年に煉は苛立ちを覚えていたが、
どうあっても諦めろとは言うことができなかった。
煉「…そのスピードで!俺を追い抜くことができるものか!!
ここでギブアップか!風薙…遊悟!!」
少年は5枚の手札を手に再び前を見据える。
少年には彼の眼に侮蔑の念なんてものがないように見えた。
それ以上に、その眼には期待が籠められているように見えた。
遊悟「終われるか…!俺は手札から「所有者の刻印」を発動!
戻って来い!クリアウィング!」
少年のカードが碧に輝く。
その輝きに白竜は正気に戻った。
遊悟「俺は「
さらに装備魔法「磁力の指輪」をクリアウィングに装備!
装備モンスターの攻撃力は500ダウンする代わりに、
相手は装備モンスターにしか攻撃することができなくなる!」
煉「だが効果を受けないモンスターにその縛りは効かない…
ただ攻撃力を下げる戦法に何の意味が…?」
遊悟「俺は伏せた
同じ攻撃力のモンスターが2体いる場合、そのうちの1体で直接攻撃ができる!
そしてシェイブーメランの効果発動!
クリアウィングを対象に攻撃力を400下げる効果に対しクリアウィングの効果!
攻撃力をシェイブーメランの攻撃力2000を加え、4000にする!
喰らいやがれ!今持てる全ての力!」
煉のD・ホイールを後ろから追い、バックストリームで
遊悟「「旋風のヘルダイブ・スラッシャー」!!」
今までの遊悟のどの
流石に効いたのだろう。
煉は失速し、遊悟の追い抜きを許した。
煉 LP4000→0
遊悟「やった!どんなもんだ!!」
もうもうと立つ煙から一つの影が遊悟を追走する。
遊悟「なにぃ!?」
煉「まだだ!「死神」はそう簡単には死なない!!
俺の「
黒いフィールを纏い、煙を弾き飛ばした。
煉「墓地の「インフェルニティ・ゼロ」の効果!
コイツの効果を得たワンハンドレッド・アイがいる限り、
俺はライフが0でも敗北しない!」
遊悟「ハハッ…マジかよ…!もはや負けないためのモンスターじゃねえか…
カードを2枚伏せてターン終了だ…!」
煉「互いのターン終了時、俺はライフが4000になるように回復する!」
煉 LP0→4000
遊悟「不死身…!」
勝てる手段が見えない…勝てる未来が見えない…
だが何故だ…?
思わず顔がニヤけちまう!
煉「お前の全力はここまでか!?俺のターン、ドロー!
俺はカードを1枚伏せる、そしてインフェルニティ・リローダーの効果!
ドロー!…俺が引いたのは「モンタージュ・ドラゴン」!
墓地へ送り1600のダメージを与える!」
遊悟「
遊悟 LP2600→1800
煉「バトル!」
遊悟「リバース発動!「攻撃の無敵化」!
俺は2つの効果のうち、このターンのダメージを0にする効果を適用する!」
煉「ならばもう一度クリアウィングを奪う!ワンハンドレッド・アイ!攻撃だ!」
遊悟「墓地から「ガード・マスター」を除外して効果発動!
攻撃対象モンスターを守備表示にして、このターンの戦闘破壊を無効にする!」
クリアウィングは防御の構えを取り衝撃を無力化する。
煉「ターン終了…おい…使わないのか…?「あの力」を…!」
遊悟「あの力…?…!そうか…!」
しかし百眼竜を相手に毎ターン手札を消耗しきるために、
先程5枚ドローしたにもかかわらず、既に手札は僅か1枚。
遊悟「いや…1枚だけある…!引き当てろ!」
このドローが未来を創る!
遊悟「ドロー!!…」
引いた!!
遊悟「だが…ここからだ!俺は
煉「ここにきて…運任せのギャンブルカード…!」
遊悟「出目が悪ければ…俺は…この世界は終わっちまう…!
頼むぜ…!運命の…ダイス・ロール!!」
右手を振りかざし、運命の女神に全てを託す。
ころりとサイコロは転がり、出た目は…6!
遊悟「最大値!!俺はカードを6枚ドローし、デッキから6枚除外する!」
煉「運任せ…とはいえ、まだ見放されたわけじゃあないといったところ…か…」
遊悟「見せてやる…新しい力!
俺は
揺れろ!運命の振り子!過去と未来を貫け!
ペンデュラム召喚!レベル3、刻剣の魔術師!
煉「ペンデュラム…!」
新たな可能性に死神がニタリと笑う。
遊悟「まだだ!シンクロモンスター1体をチューナーとして扱い、
ペンデュラム召喚されたペンデュラムモンスター1体を素材にシンクロ召喚を行う!」
煉「ペンデュラムからのシンクロ…!」
我が胸に宿る魂の奇跡!遍く世界に光を放ち、平穏の地平へ導け!
シンクロ召喚!出でよ、
蒼い聖衣を纏う魔導剣士が君臨する。
煉「こいつは…エドマンドの時のカードか…」
そうだ…多分こいつを呼び出したことが…
あの渦を呼び出したんだ…!
遊悟「今度は…正しく使いこなして見せる!
俺は「魂の解放」を発動!お前の墓地のモンスター5体を除外する!
除外するのは…「インフェルニティ・ゼロ」、「インフェルニティ・ガーディアン」、
「インフェルニティ・スピアベアラー」、「インフェルニティ・ビショップ」、
そして「毒邪神ヴェノミナーガ」!」
煉「ちぃ!ワンハンドレッド・アイの唯一の弱点を突いてきたか…!」
墓地の闇の魂を浄化し、百眼竜の耐性を取り除いた。
遊悟「バトル!
魔導剣士は勇者の剣を構え、魔竜に突撃する。
その剣で魔竜を一刀両断にした。
煉 LP4000→3700
煉「ぐあっ!」
遊悟の魂が死神を揺さぶった。
遊悟「どうだ!ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン、撃破!!」
煉「くっ…!…ひひひ…!だがこんなことは予測圏内!
俺は墓地の「インフェルニティ・リベンジャー」の効果発動!
手札が0で自軍モンスターが破壊された時、
このカードはそのモンスターと同じレベルとして特殊召喚される!」
遊悟「ワンハンドレッド・アイのレベルは…8?」
煉「否!-8だ!」
遊悟「マイナス!?…何かを狙っている…!カードを1枚伏せターンエンド!」
煉「俺のターン、ドロー…!俺は永続
現れろ!「レッド・デーモンズ・ドラゴン」!」
牢獄から縛られた悪魔竜が姿を見せた。
遊悟「レッド・デーモンズ・ドラゴンだとぉ!?」
それは遊悟と激戦を繰り広げたエドマンドのカードであった。
煉「風薙遊悟…お前がシンクロの未来を創り出すのならば…!
俺は…シンクロの極地にして根源…過去へと向かう!
レベル8のレッド・デーモンズにレベル-8のリベンジャーをチューニング!」
『
古に封印されし、紅き煉獄の竜よ!今ここに目覚め飛翔せよ!
シンクロ召喚!レベル0、究極神アルティマヤ・ツィオルキン!
遊悟「レベル…0…!」
紅く神々しく燃え上がるその姿はまさしく太陽。
煉「手札を1枚、場に伏せる」
その瞬間、太陽と思しき竜が黒く陰る。
その影はが上空から現れた。
永劫の檻より魔の龍が放たれる!舞い降りろ闇よ!
シンクロ召喚!出でよ、インフェルニティ・デス・ドラゴン!
遊悟「なんだ!?何が起きた!?」
煉「アルティマヤ・ツィオルキンの効果!
俺の場にカードが伏せられた時、
インフェルニティ・デス・ドラゴンの効果発動!
魔竜は黒い炎を吐き出し、魔導剣士を葬った。
遊悟 LP1900→250
遊悟「くっ!」
黒い
グンと回転して衝撃を受け流すが、既に限界が来ていた。
遊悟「ぐぅ…!煙が…!」
だが、疾走るのをやめてしまえば決闘が終わってしまう。
せっかく楽しくなってきたのにやめられるはずがなかった。
グッと喰いしばり、愛車に鞭を打つ。
煉「その意気だ!追いついて見せろ!」
遊悟「俺のターン、ドロー!
俺は「ステップ・オン・シャドー」を発動!
相手の特殊召喚されたモンスターよりも低い、
エクストラデッキから出したモンスター1体を効果を無効にし特殊召喚する!
もう一度蘇れ!クリアウィング!」
透明の翼を持つ白竜が決死の覚悟で舞い上がる。
煉「またそいつか…懲りないやつだ…!」
遊悟「行くぜ…あの時のリベンジだ!
俺はチューナーモンスター、「赤目のダイス」を召喚!」
レベル7のクリアウィングにレベル1の赤目のダイスをチューニング!
神聖なる光蓄えし水晶の翼!世界を照らす閃光となれ!
シンクロ召喚!羽搏け!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン!!
煉「クリスタル…!」
神々しく輝く水晶の翼がきらめく。
限界を超えた
遊悟「今度は俺達が噛みつく番だぜ!
喰らいやがれ!「烈風のクリスタロス・エッジ」!!」
強化された陣風による突撃が魔竜を襲った。
煉「相打ち狙い…いや、何かある!」
遊悟「クリスタルウィングの効果!
レベル5以上のモンスターとバトルする時、
そのバトルする相手モンスターの攻撃力をクリスタルウィングに加える!」
水晶の翼は魔竜の黒い炎を映し出し、さらなる輝きを得る。
黒い閃光が煉に襲い掛かる。
遊悟「自身の
これが俺だけのフィール、「
煉「ぐおおぉ」
煉 LP3700→700
遊悟は水晶竜の旋風を操り、D・ホイールの走りを補助する。
遊悟「どうだ!もうあの時とは違う!お前に…勝てる!」
煉「くぅ…「
あの野郎…俺の
遊悟のフィールは相手のフィールを旋風を巻き込み、
より強力なフィールにすることで確実なダメージを叩き込むフィール。
煉の自身を覆い弾くバリアーのようなタイプのフィールには、
防御の無い腹にブローをぶち当てるようなものである。
煉「相性最悪…!やってくれるな!」
少年は新たな
壊れたD・ホイールとは思えない程の速度で死神を置き去りにした。
遊悟「これが最後のバトルフェイズだ!速攻魔法「ファイナル・クロス」発動!
シンクロモンスターが墓地へ置かれたターンに発動できる!
フィールド上のシンクロモンスターでもう一度バトルできる!
もう一度攻撃だ!クリスタルウィング!」
煉「迎え撃つ!アルティマヤ・ツィオルキンの効果!
攻撃対象になった場合、相手の攻撃力を得て、さらに相手フィールドのカード1枚を破壊する!」
遊悟「クリスタルウィングの効果!モンスター効果が発動された時、
そのモンスターを対象にして発動を無効にして破壊する!」
煉「アルティマヤ・ツィオルキンは1ターンに1度破壊されない!」
遊悟「だがこのままバトルは続行!
超過ダメージ3000のダメージを受けてお前の負けだ!鬼瓦煉!!」
まだ俺は倒されるわけには行かない…
まだ
権力が陥落するとは…
ならば俺は…最強の壁となり、お前を討つ!!
煉「
遊悟「!」
あの野郎が…そんな泥臭いカードを使うなんて…!
煉「このカードは自分フィールドの表側表示のモンスターが1体のみの場合、
相手フィールドの攻撃力が一番低いモンスターの攻撃力分アップさせる!」
遊悟「…やっと本当のお前が見えた気がするぜ…!煉!!」
煉「遊悟!!
黒い死神は纏う鎧の形を変え、遊悟を迎え撃つ。
遊悟はUターンで死神と向かい合う。
煉「お互いのモンスターの攻撃力は同じ3000…」
遊悟「伝説の
煉「ただ戦闘破壊されるだけならば、
手札、場共になくしたお前が圧倒的不利になる…
俺にこの決闘の軍配が上がるだろう…」
技術では俺が勝るが、遊悟の旋風はそれを補い速さでは勝てない…
ならば勝敗を分けるのは…遊悟の
それがはったりならば俺に勝つことはできない!
遊悟「行くぜ…レェン!!」
少年の放つフィールは回転を始める。
回転は旋風となり、動けなくなったD・ホイールの永久機関となる。
煉「行くぞ…ユウゴォ!!」
死神の纏う黒い鎧は鋭い刃に変形し、その切っ先を少年に向ける。
目を背けず、真っ直ぐな視線が痛く突き刺さる。
合図もなく、同時にスタートした。
『これが俺の全力!「全力疾走する旋風《フル・スプリント・フィール》」!!』
『絶対破壊の鎌!「
旋風の
全力のぶつけ合いは轟音と共に辺り一帯に光をもたらした。
荒廃した街に二人の
一瞬の後、背き合う二人。
先に口を開いたのは煉であった。
煉「そのリバース…やはりはったりじゃあなかった…か…」
遊悟「俺の伏せカードは…「シンクロ・デストラクター」…!
戦闘破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与えるカード!
そして…」
ぐらりとD・ホイールにもたれ掛かる。
限界を超えていた白いD・ホイールは鈍い音を立てて崩れ、遊悟は倒れた。
煉「そうだ…
死神はニヤリと笑い、黒い武装を解いた。
煉「お前だ…遊悟…!」
死神は武装を解除したのではない。
ダメージを受けすぎて、形を維持できなくなったのだ。
遊悟の
そこから差す太陽の光は祝福するように、限界を超え闘い抜いた少年を照らした。
やっとの思いで追いついた少女が二人の元へとやってきた。
凛「遊悟!」
煉「お前は…凛とかいったか…」
黒い衣装を着る警察官が少女に気付く。
凛「あ~あ…また頑張りすぎたんだ…」
煉「…今はそいつを連れてここを去れ」
レーンの下には
煉「やつらには俺が話を…」
その時、ふらりと満身創痍の少年が立ち上がった。
凛「遊悟?」
少年はレーンの壁をよじ登り、右手を掲げて叫んだ。
遊悟『俺が!WRDCの優勝者!新しいデュエル・チャンピオンだ!!』
下にいる人々はどよめく。
中には煉の同業者、治安維持局の人間もいた。
『鬼瓦さんが負けた!?』
『あいつは
不満を抱く者もいた。
しかし、
『だが今の光を見ただろう!』
『あいつは
確かに凄い奴だったじゃないか!モニターにも映っていた!』
煉「モニター…?」
凛「
「物凄い
空を見上げると確かにヘリコプターが一つ飛んでいた。
煉「…なるほど…実際に見せた方が話が早かったか…」
『アイツはチャンピオンにふさわしい
『今じゃあ
『遊悟ー!!』
街の人々による、新たなチャンピオンを称えるコールが始まった。
『遊悟!遊悟!遊悟!!』 『風薙ー!!』 『カッコいいぜー!!』
遊悟にはそれがこの上なく心地よかった。
やっと…やっと
荒廃してしまった都市に一縷の風が吹いた。
それは差別を越えられる「自由」をもたらす旋風。
遊悟はやっと張り詰めた日々から解放されたのだった。
少年は心の底から安心し、満足できたのであった。
ぬわ疲
長い期間休んで申し訳ありませんでした。
次で「旋風の決闘者」編ラストです。
次回からオリカ出しますので苦手な人はこのまま大団円感でさようなら。
オリカって結局自己満足に過ぎないですが、
なるべく原作を越えるようなのは出さないように心掛けますので、
気に入って貰えたらまたお付き合いください。