遊戯王-旋風の疾走決闘者-:Re   作:ケケマロ

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煉「諸君、連れ去られた者達は死んでなどはいない。
彼らは魂を閉じ込められ、別世界に隔離されただけだ。
我々治安維持局はその別世界へ移動する方法を開発し、
そしてその魂を元の姿へと戻す術を開発している。
諸君らに集まってもらったのは他でもない。
魂を生きた人間に戻す禁断の技術、
「リバース・アバター」の試作(プロト)のお披露目のため。
そして、WRDC優勝者である風薙遊悟への優勝祝いの意味もある」

煉は会場の中心で街の人々の視線を釘付けにした。



光の中へ

大災害、そしてWRDC決勝から1週間が経った。

遊悟は相変わらず廃墟で過ごし、大破したD・ホイールを復活させた。

煉からまだこの次元でやり残していることがある、

まだ疾走決闘(ライディング・デュエル)は終わっていない、そう告げられたからである。

凛は遊悟と別行動をし、街の復旧に協力していた。

五郎、彩斗らプロデュエリスト、

煉率いる治安維持局は街の人々を安全な場所である、

WRDC会場に避難させた後、救助活動に尽力した。

そして今日、煉はデュエルレーンを解放し、

目の前で疾走決闘(ライディング・デュエル)を楽しんでもらうための余興を行うと言った。

 

 

 

煉「残留思念…その魂の欠片を繋ぎ、

伝説の疾走決闘者(ライディング・デュエリスト)を蘇らせた!

その存在を知らぬ者はいない!

しかし、その本当の名を知る者は誰一人としていない!

この男の名を呼べ!

伝説の疾走決闘者(ライディング・デュエリスト)、絶対王者「J」!!」

 

派手やかなライトと轟音と共に、Jという男が会場に姿を現した。

会場は驚嘆と喝采で包まれた。

 

J「待たせたな!この俺が地獄から舞い戻ってきたぞ!!」

 

煉「そして…Jの対戦相手は当然コイツだ!

旋風の疾走決闘者(ライディング・デュエリスト)

挑戦者(チャレンジャー)「風薙遊悟」!!」

 

こちらも派手な演出に見送られ、白い疾走決闘者(ライディング・デュエリスト)が疾走する。

廃墟都市(サテライト)の少年に惜しみない拍手が送られた。

 

遊悟「イィヤッホオウ!!」

 

両者はスタートラインに並び、顔を合わせた。

 

J「ほう、貴様がチャレンジャーか…いい疾走決闘(ライディング・デュエル)が期待できそうだ」

 

遊悟「J…まさか本物と会えるなんて感激だぜ!」

 

Jから手が差し伸べられる。

遊悟はその手を握り、握手を交わした。

 

J「俺の生きていた時代から100年は経ったと聞くが、

まだ俺のファンがいるとはな…」

 

煉「準備はいいか!さあ、エキシビジョンマッチ開始!」

 

  『ライディング・デュエル・アクセラレーション!!』

 

Jは当時のデッキ、D・ホイールを使用していた。

しかし、初期の加速で遊悟をグングン引き離していく。

 

遊悟「嘘だろ!?早すぎる!!」

 

J「この俺の「フォーチュン・チャリオット」には、いかなる時代にも追いつくことは無い!」

 

煉「…あのD・ホイールには安全装置が無い。

故に現在ある通常のD・ホイールに追いつくことはできない…」

 

しかし、加速していく真紅のD・ホイールを白いD・ホイールが内側から追う。

遊悟は第一コーナーで追い返した。

 

遊悟「よっしゃ!」

 

J「ほう…この俺を内側から制すとは…昂らせてくれるな…!」

 

先行を取ったのは遊悟であった。

 

凛「いいぞー!遊悟ー!」

 

「行けー風薙ー!」「負けんじゃねえぞ!ジェーイ!」

 

遊悟「俺のターン!俺の場にモンスターがいない時、

SR(スピードロイド)ベイゴマックス」を特殊召喚!

さらにチューナーモンスター「SR(スピードロイド)電々大公」を通常召喚する!」

 

J「チューナー…シンクロ使いか…!」

 

  十文字の姿もつ魔剣よ、疾風宿す力奮わせ全てを切り裂け!

    シンクロ召喚!出でよ、HSR(ハイスピードロイド)魔剣ダーマ!

 

竜造寺「先に動いたのは風薙…」

 

五郎「あの嬢ちゃんの言ってた子供…実力はどうかね」

 

観客席からWRDCの出場者達が遊悟の決闘を見守る。

 

遊悟「魔剣ダーマの効果!墓地の「ベイゴマックス」を除外して500ダメージを与える!

カードを2枚伏せて、ターン終了だ!」

 

 J LP4000→3500

 

J「俺のターン!俺は「変容王ヘル・ゲル」を召喚!

さらに「オーバー・チューン」、場にチューナーがいる時、

手札のチューナーを特殊召喚する!来い、「幻影王ハイド・ライド」!」

 

遊悟「チューナーを2体呼び出した…?」

 

彩斗「いや…あれがJの戦略…」

 

J「ヘル・ゲルの効果!自分の場のモンスター1体のレベルと同じになり、

上がったレベルかける200、俺のライフを回復する!」

 

 J LP3500→3900

 

J「俺の疾走決闘(ライディング・デュエル)は無限大!」

 

  天を焼くシリウス、孤狼の蒼き瞳よ、地に縛られた牙無き犬共を噛み砕け!!

      シンクロ召喚!出でよ、天狼王ブルー・セイリオス!

 

遊悟「チューナー同士でシンクロ召喚!?」

 

J「フッ、「ハイド・ライド」はシンクロする時、

チューナー以外のモンスターとして扱うことができるのだ!

バトル!魔剣ダーマを攻撃!「天狼蒼牙(ウルフズ・ファング)」!」

 

遊悟「迎え討て!「ラピッド・スラッシュ」!」

 

魔剣ダーマの斬撃を蒼い狼の牙が噛み砕いた。

 

 遊悟 LP4000→3800

 

遊悟「うぐぅ」

 

煉「先にゲームを動かしたのはJか…」

 

Jは僅かな隙を狙い、遊悟を追い抜く。

 

遊悟「まだまだぁ!俺は「レベル・レジストウォール」を発動!

戦闘破壊された魔剣ダーマのレベルと同じレベルになるように、

手札からモンスターを出す!

手札の「ワンショット・ロケット」と「シェイブーメラン」を特殊召喚!」

 

J「ならば俺は「インスタント・チューン」を発動する!

相手が特殊召喚したターン、

このカードをレベル1チューナーとしてシンクロ召喚する!」

 

    天頂に輝く死の星よ!地上に舞い降り生者を裁け!

  シンクロ召喚!降臨せよ、天刑王ブラック・ハイランダー!

 

凛「! あのモンスターは!」

 

遊悟「Jのエースカード!」

 

J「ターンエンド!さあ来い、チャレンジャー遊悟!」

 

遊悟「行くぜ!俺のターン、ドロー!

俺は2体のモンスターでシンクロを…」

 

J「残念だがそれはできない!「死回帰線(デス・トロピクス)」!」

 

ブラック・ハイランダーの漆黒に輝く鎌が2体の調和を切り裂いた。

 

遊悟「そうか!ブラック・ハイランダーは…!」

 

五郎「そう、シンクロ封じの戦略がJのお株だぜ。

当時のJの強さの一つにその戦略があった」

 

唯一無二の絶対王者、Jが勝ち続けてきた所以がそこにはあった。

 

遊悟「…だが諦めないぜ!「魔封印の宝札」を発動!

このターンの魔法の発動、及びカードのセットができない代わりに2枚ドローする!

…!よし!「ワンショット・ロケット」を攻撃表示!バトルだ!」

 

J「弱小モンスターで攻撃を仕掛けるか!迎え討て!「死兆星斬(デス・ポーラ・スレイ)」!」

 

ワンショット・ロケットはその小さな体で強大な悪魔に突進する。

悪魔は漆黒の鎌で迎え討ち、その体を切り裂いた。

 

 遊悟 LP3800→1000

 

遊悟「うわぁぁ!っくぅ!」

 

D・ホイールを回転させ、ダメージを受け流す。

 

遊悟「「ワンショット・ロケット」は自身の攻撃では破壊されない!

そして戦闘したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手に与える!」

 

遊悟はJを追走し、D・ホイールに旋風を纏った。

旋風に乗って、Jに衝撃(フィール)を叩き込む。

 

 J LP3900→2500

 

J「ぐぅっ!くっ、この程度のダメージの為に不利な攻撃を仕掛けたのではあるまいな?」

 

遊悟「当然!俺は「ワンショット・ブースター」を召喚!

ワンショットブースターをリリースすることで、

このターン戦闘を行い、破壊されなかった相手モンスターを破壊する!」

 

小さな機械はブラック・ハイランダーを吹き飛ばした。

 

J「フン、まさか弱小モンスターに後れを取るとはな」

 

遊悟「ターンエンドだ!」

 

J「俺のターン!…!どうやら俺の相棒がお前に会いたがっているようだ!」

 

遊悟「…!Jの相棒…!「レッド・デーモン」!」

 

J「魔法(マジック)カード「リチューナー」発動!

墓地のチューナーモンスター1体を蘇生させる!

変容王ヘル・ゲルを蘇生!さらに風来王ワイルド・ワインドを召喚!

ヘル・ゲルの効果でワイルド・ワインドのレベル4までアップする!」

 

 J LP2500→3100

 

遊悟「いよいよ来る…!Jオリジナルの切り札…!」

 

  漆黒の闇を裂き天地を焼き尽くす孤高の絶対なる王者よ!万物を睥睨しその猛威を振るえ!!

         シンクロ召喚!降臨せよ、琰魔竜レッド・デーモン!!

 

漆黒の翼、真紅の瞳、そして3本の角を持つ悪魔の竜。

エドマンドの持つ模倣(コピー)カードではないオリジナルの悪魔の竜である。

 

遊悟「コイツが…「琰魔竜レッド・デーモン」!!カッコいいぜ!!」

 

J「レッド・デーモンの効果!このカード以外の攻撃表示モンスター全てを破壊することで、

レッド・デーモンは攻撃権を有することができる!「真紅の地獄炎(クリムゾン・ヘル・バーン)」!」

 

琰魔竜が拳を振るうと、遊悟のワンショット・ロケットを焼き尽くした。

 

J「レッド・デーモンよ!挑戦者の最後の壁を焼け!「極獄の裁き(アブソリュート・ヘル・ジャッジ)」!」

 

琰魔竜の獄炎が遊悟を襲う。

 

遊悟「がはあぁ」

 

守備モンスターへの攻撃、ダメージは無い。

しかし、その衝撃は遊悟を、そして会場の人間全てを震撼させた。

Jは遊悟を引き離すように加速していく。

 

遊悟「くぅ…!なんて衝撃(フィール)!これが絶対王者の圧倒的な(パワー)!」

 

煉「これで不完全(プロト)だと…?馬鹿げた力だ…J…!全盛期はこれの倍以上か…!」

 

五郎「むぅ…!やはりやりおるわ…!J…「ジャック」よ…!」

 

五郎は数少ない「J」の全盛期を知る者だった。

伝説の存在になるために捨て去った名を知りながら、

その内情を同郷だった吾郎は黙ってJを送り出したのだった。

 

J「カードを1枚伏せターンエンド!」

 

Jのパワープレイングに会場は盛り上がる。

ついにはJのコールが始まった。

 

J「喝采せよ!称賛せよ!!この俺がJ!絶対王者なり!!フハハハハ!!」

 

遊悟「流石だぜ…!だが…!俺も負けられねえんだ!俺のターン!」

 

「ジェーイ!最高だぜ!!」 「このまま負けんじゃねえぞ遊悟!!」

 

遊悟「俺は「SR(スピードロイド)ダブルヨーヨー」を召喚!

墓地の「電々大公」を蘇生させる!」

 

J「さあ今度は邪魔立てすることは無い!存分に力を振るうがいい!」

 

     聡明に輝く澄明の翼!新たなる風を巻き起こせ!

  シンクロ召喚!出でよ、クリアウィング・シルフ・ドラゴン!

 

凛「来たぁ!クリアウィング!」

 

竜造寺「シルフ!?」

 

煉「「シンクロ・ドラゴン」じゃない…!?」

 

遊悟「これが俺だけの新たな翼…」

 

遊悟はあの決闘の後、「クリアウィング・シンクロ・ドラゴン」を見つめなおした。

「シンクロ・ドラゴン」は確かに強力だが、

その強力さはこの次元のみに通用するものではないかと。

D・ホイールの修繕後、凛と疾走決闘(ライディング・デュエル)をし続けた。

分かったことは、「クリスタルウィング」でこのカードの進化が止まったということ。

それ以上の進化を望むことができないということであった。

 

J「それが遊悟、貴様のエースモンスターか…」

 

遊悟「そうだ!そして…コイツは進化し続けるモンスター!」

 

凛との決闘によって分かったその答えを基に、

遊悟は「因子」によるクリアウィングではなく、

「因子」に触れる前の、元の「クリアウィング」を編み出したのだった。

 

遊悟「俺は魔法(マジック)カード、「ネクロイド・シンクロ」を発動!

墓地の「ワンショット・ブースター」に「ワンショット・ロケット」をチューニング!」

 

  無限を見据える幻想の目!ここに目覚めよ、進化の力!

    シンクロ召喚!出でよ、HSR(ハイスピードロイド)夢幻のダイス!

 

彩斗「アレは…!」

 

煉「シンクロチューナー…!?」

 

J「面白い!!」

 

グッと前傾姿勢を取る。

旋風の想い(フィール)を未来へと進む確かな力に変える。

 

遊悟「レベル7のシンクロモンスター、クリアウィング・シルフ・ドラゴンに、

レベル3のシンクロチューナー、夢幻のダイスをチューニング!」

 

J「この布陣…!」

 

旋風のフィールは前を走るJを追い越して突き進む。

その速度は光を越え、少年と白竜は姿を消した。

 

     水平線を超えし光の翼!新たなる世界を拓け!

  疾走調和(アクセルシンクロ)!降誕せよ、ブライトウィング・シルフ・ドラゴン!

 

遊悟と白竜は再び姿を現した。

白竜は黄金色に輝く翼を得て、その力を昇華させた。

 

凛「やったぁ!成功した!!」

 

煉「アクセルシンクロ…あの野郎…!まだ強くなるか…!」

 

煉はニタリと笑う。

 

遊悟「俺は墓地の「電々大公」を除外して効果発動!

墓地のチューナー、「夢幻のダイス」を特殊召喚する!」

 

J「今度は何を狙う!」

 

遊悟「「夢幻のダイス」の効果!

墓地の「SR(スピードロイド)」1体を除外して、

そのレベル分このカードのレベルを変化させる!

この効果に対して「ブライトウィング」の効果を発動!

フィールドのモンスター効果を無効にして破壊する!「シャイニング・ブレイク」!」

 

黄金の竜は夢幻のダイスを取り込み、更なる輝きを引き出す。

 

遊悟「この時、相手に破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与え、

さらにブライトウィングの攻撃力をアップする!」

 

 J LP3100→2100

 

J「むうぅ!」

 

遊悟「喰らえ!「光速のシャイニング・エッジ」!!」

 

光の竜が琰魔竜に突撃する。

その速度に琰魔竜は成すすべもなく打ち砕かれた。

 

 J LP2100→900

 

J「ぐぬはっ」

 

Jは旋風の衝撃(フィール)を受け切った。

 

遊悟「今のをわざと受け切りやがった!」

 

J「当然だ…!疾走決闘(ライディング・デュエル)とは魂のぶつけ合い!

今度は俺の魂を受け切るがいい…!俺のターン!」

 

グオンと音を荒げ、Jが再び加速する。

遊悟はJに負けじとさらに加速した。

 

J「魔法(マジック)カード「死者蘇生」を発動!蘇らせるのは当然レッド・デーモンだ!」

 

琰魔竜が再び、Jの下に羽ばたく。

 

遊悟「何をしてくる…?」

 

J「(トラップ)発動!「真紅の厄災(クリムゾン・カラミティ)」!

俺の場に「レッド・デーモン」が存在する時、

墓地のチューナーを2体蘇生させる!蘇れ!「ヘル・ゲル」!「ハイド・ライド」!」

 

Jの場に2体の王が復活した。

 

遊悟「チューナー…新たなシンクロ召喚か…!」

 

J「ただのシンクロ召喚ではない!

レッド・デーモンにヘル・ゲルとハイド・ライドを二重調和(ダブル・チューニング)!!」

 

遊悟「二重調和(ダブル・チューニング)だって!?」

 

  孤高の絶対破壊神よ!神域より舞い降り終焉をもたらせ!!

  二重調和(デュアル・シンクロ)召喚!琰魔竜王レッド・デーモン・カラミティ!!

 

その体は漆黒に染まり、3本の角は真紅に輝き、獄炎と共にJの頭上に降臨した。

琰魔竜王はまさしく悪魔の王に相応しい姿へと進化した。

 

遊悟「これが…この竜が…伝説の疾走決闘者(ライディング・デュエリスト)の真の切り札…!」

 

Jは後ろ向きに走り、挑戦者の瞳を見つめた。

その瞳にはまだ諦めを感じ取ることはできなかった。

 

J「挑戦者(チャレンジャー)遊悟よ!最後のバトルだ!

喰らうがいい!絶対王者必殺の一撃!「真紅の絶対破壊(クリムゾン・アブソリュート・ブレイク)」!!」

 

遊悟「迎え撃つ!ブライトウィング!「光速のシャイニング・エッジ」!!」

 

強靭な琰魔竜王の拳が、黄金の竜の拳とぶつかり合う。

Jのフィールは練り上げられ、真紅に燃え上がる。

遊悟は旋風で光を反射させ、黄金色に輝き始める。

 

J「絶対不敗不滅のフィール!「真紅の絶対的力(クリムゾン・アブソリュート・フィール)」!!」

 

遊悟「これで決めるぜ!「全力疾走する旋風《フル・スプリント・フィール》」!!」

 

黄金色の竜が琰魔竜王の拳を躱し、その全力の一撃を叩きつけた。

 

遊悟「ブライトウィングの効果!

このモンスターの攻撃力より高い攻撃力の高いモンスターとバトルする時、

墓地のシンクロモンスターの数かける1000、このカードの攻撃力をアップする!!」

 

竜造寺「よし!!これでブライトウィングの攻撃力は6200!!」

 

凛「遊悟の勝ちだぁ!!」

 

その威勢にJはニヤリと笑う。

 

彩斗「いや…」

 

煉「ブライトウィングの攻撃力は変化していない…!」

 

J「その意気は良い!だが!まだ甘い!!

真紅の厄災(クリムゾン・カラミティ)」のもう一つの効果が発動していた!

この効果で特殊召喚したモンスターが同時にシンクロ素材になった場合、

このターン、フィールドのカラミティ以外のカード効果を全て無効になる!」

 

遊悟「そんな…!それじゃあ…俺の…」

 

 遊悟 LP1000→200

 

負け…か…

 

J「カラミティの効果!戦闘で破壊した相手モンスターの攻撃力分のダメージを与える!」

 

  「地獄の災厄琰弾(ヘル・カラミティ・メテオ)」!!

 

遊悟の頭上から無数の隕石が降り注ぐ。

少年は災厄を一身に引き受けた。

 

 遊悟 LP200→0

 

絶対王者のフィールは凄まじく、会場全体を震わせた。

 

遊悟「ぐわあぁぁ!?」

 

激しいパワーにD・ホイールごと、少年はレーンの外へと吹き飛ばされた。

壁との衝突を旋風の(フィール)で和らげた。

 

レーン上には絶対王者の高笑いのみが響いた。

 

J「フハハハハハ!!頂点は常にこの俺!Jが存在する!!」

 

煉「フッ…やはり強過ぎたか…王者は…」

 

遊悟「容赦ねえなぁ…俺の優勝した大会のエキシビジョンだってのに…」

 

凛「遊悟ー!!」

 

客席を見ると、幼馴染が手を振っていた。

 

遊悟「凛!!…ハハハ…負けちまった!…情けねえなぁ…」

 

凛「落ち込まない!あのJと疾走決闘(ライディング・デュエル)したんだからさ!」

 

会場は勝者であるJへの喝采と共に、

善戦した遊悟への拍手とコールが起こった。

 

「ジェーイ!ジェーイ!!ジェーイ!!!」 「遊悟!遊悟!!遊悟!!!」

 

J「フン!この俺だけでなく、あの少年にも喝采が送られるとはな…!」

 

Jは場外に飛んだ少年を指差し、クイクイと指で呼ぶ。

遊悟はコールに応えるために走って会場の中心に向かう。

 

WRDCエキシビジョンマッチ。

勝者は伝説の疾走決闘者(ライディング・デュエリスト)、Jの勝利で終わった。

 

 

_________________________________________________________________

 

遊悟「本当についてくるのか?」

 

凛「当然!母さんも、みんなも、遊悟も連れて帰る!

僕だけ待ってるなんてできないもの!」

 

会場を後にした深夜、遊悟達は廃墟都市(サテライト)の家へと帰っていた。

 

遊悟「さて、行くか」

 

準備を整え外に出ると、そこには髪を赤く染めたダリオがいた。

 

ダリオ「遊悟、準備は整った?」

 

遊悟「派手な髪してんな!ハハッ」

 

凛「準備万端!いつでも行けるよ!」

 

ダリオは赤い髪をクルリと巻くと、後ろを向く。

 

ダリオ「僕とユーリはとても似ているからね。

髪を染めて、見分けが付くようにしたのさ」

 

赤髪の少年が手を虚空にかざすと、そこに光が集まった。

 

ダリオ「1、2、3!」

 

集まった光は姿を変え、扉の形に整った。

 

ダリオ「これが次元の扉。行き先は予定通り「エクシーズ次元」…

ユーノがいる次元に繋がっている…

この次元を出るための扉の鍵は遊悟…君の「因子」だ」

 

遊悟「俺の…「運命の因子」…」

 

遊悟が手をかざすと、パリンと音を立てて扉が開いた。

 

凛「開いた…!」

 

扉の向こう側には光が渦を巻き、先の見えない道がどこまでも続いていた。

 

ダリオ「よし…!」

 

「待て」

 

進もうとする少年達を引き留める声。

その主は私服の煉であった。

 

煉「風薙遊悟。よく聞いておけ」

 

遊悟「鬼瓦煉…何の用だ?」

 

死神に殺気は無い。

遊悟は煉の話を聞くことにした。

 

煉「これを持って行け」

 

そういうと白い決闘盤(デュエル・ディスク)を二つ投げ渡す。

 

遊悟「これは?」

 

煉「それは新型の決闘盤(デュエル・ディスク)…俺からの餞別だ。

そいつには高精度のセンサーがつけてある。

お前らがどの次元にいるのかをそれで確認することができる」

 

ダリオ「次元の居場所を確認する意味は…?」

 

煉「以前、ユーリという男に出会った時、それと同型のセンサーを刺していてな…

それで大方のユーリのいる次元の場所に目星を付けている」

 

ダリオ「そのユーリ…本物だね…

僕が来るより前に一度だけリズと二人で来ていたハズだよ」

 

煉「…お前たちがユーリのいる次元に着いたことを確認した時点で、

この次元から闘うことのできる戦士を送り出す。そのために必要なのだ。

先んじてその次元に行く決闘者(デュエリスト)がな」

 

遊悟「それが俺…なるほど。らしい理由だよ…」

 

凛「見送りに来てくれたのかと思ったよ」

 

遊悟と凛は決闘盤(デュエル・ディスク)を装着する。

 

煉「それだけだ」

 

遊悟「ヘッ、こんな野郎の見送りなんて必要ないね!」

 

遊悟は率先して扉の向こうへと歩き出した。

ダリオはそれについて行く。

凛は煉に一礼して小走りで遊悟を追った。

 

煉「貴様と俺は1勝1敗…勝ち逃げは許さんぞ…」

 

遊悟は右腕を掲げ、不器用なエールに応えた。

少年達は光の中へと進み、やがてその姿を消した。




今回で「旋風の決闘者」は完結です。
次回からオリカを多めに使用するので合わない方はここでさようならノシ
次回投稿は2、3週間後を目途に毎週投稿できたらいいなぁ

ルールはマスタールール3で行きます。
理由はリンクじゃないと大量展開しにくいし、
小説という形式上、位置が分かりにくいのは致命的だからです。



最後に今回のオリカを書いておきます。

≪リチューナー≫
通常魔法
①:自分の墓地のチューナーモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

意外と無かったチューナー蘇生魔法。
あってもいい効果なのにアニメ、漫画でも無い。

≪クリアウィング・シルフ・ドラゴン≫
レベル7/風属性/ドラゴン族/ATK2500/DEF2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
①:1ターンに1度、このカード以外のモンスター効果が発動した時、
そのモンスター1体を対象に発動できる。その発動を無効にし破壊する。
その後、このカードの攻撃力はターン終了時まで、
このカードの効果で破壊したモンスターの攻撃力分アップする。

シンクロ次元では無双できる性能のクリアウィングの自重版。
正直扱いにくかった。
S(シンクロ)S(シルフ)で揃えたつもり。

≪ブライトウィング・シルフ・ドラゴン≫
レベル10/風属性/ドラゴン族/ATK3200/DEF2500
S(シンクロ)チューナーモンスター1体+「クリアウィング・シルフ・ドラゴン」
このシンクロ召喚は相手ターンでも行う事ができる。
①:1ターンに1度、このカード以外のモンスターの効果が発動した時に発動できる。
その発動を無効にして破壊し、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。
この効果でモンスターを破壊した場合、このカードの攻撃力はターン終了時まで、
この効果で破壊したモンスターの攻撃力分アップする。
②:このカードがこのカードより攻撃力の高い相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算前に発動できる。
ダメージ計算終了時まで、
このカードの攻撃力は墓地のS(シンクロ)モンスターの数×1000アップする。
③:このカードが相手によって破壊された場合、
自分の墓地の「クリアウィング・シルフ・ドラゴン」1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。

出したかった、出して欲しかったアクセルシンクロモンスター。
今となってはクリスタルでよかった気がする。

HSR(ハイスピードロイド)夢幻のダイス≫
レベル3/風属性/機械族/攻撃力1000/守備力1000/チューナー
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
①:1ターンに1度、墓地の「SR(スピードロイド)」モンスターを1体除外することで、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカードのレベルをそのモンスターのレベル分上げる。
●このカードのレベルをそのモンスターのレベル分下げる。

SR(スピードロイド)シンクロチューナー。
産廃。

真紅の厄災(クリムゾン・カラミティ)
通常罠
①:フィールドに「レッド・デーモン」モンスターが存在する場合、
自分の墓地の悪魔族チューナーモンスターを2体まで対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
②:①の効果で特殊召喚したチューナーが2体以上を素材とする
S(シンクロ)召喚に使用され墓地へ送られた場合、
このターン相手はフィールドで発動する効果を発動できない。

琰魔竜王の召喚をサポート、OCG効果を付与するカード。
これぐらいのパワーでも多分使われない(トラップ)特有の哀しみ。

次回からさも当然のように、
シンクロ、エクシーズ、フュージョン・ドラゴンが消えてるかもしれません。
察してください。
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