とある科学のレベル4.5   作:島根

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お待たせしました。第11話投稿します。


もう後には戻れない

 御坂「到着したわね」

 

 季節は夏の終わり。だいぶ暑さも和らぎ、何か事を起こすには絶好の日和であった。御坂、上条、食峰の三人が今いる場所は東京永田町。目的は、学園都市に長年存在した悪法治外法権を撤廃するためだ! 彼らは今まさに、日本国の中枢である国会議事堂の前に来ており、その内部へと足を運ぼうとしていた。

 

 警備員「ん? そこの学生さん、見学に来たのかね? あいにく今日は一般には開放されていないんだ、ごめんよ」

 

 当然のことだが、国会議事堂のような重要な施設の出入り口前には必ず警備員がいる。国会議事堂の内部に入る為には、まず警備員をどうにかしなければならない。

 

「見学じゃないわ。私達はここに特別な用事があって来たのよ」

 

「… とりあえず、お名前と職業をどうぞ」

 

「御坂美琴、職業は学生よ」

 

「御坂美琴? ちょっと待ってくれ」

 

 そう言って警備員は何やら来訪予定者が書かれている名簿らしきものを取り出し、そこに記載されている名前に御坂の名前が記載されているかを確認し始めた。

 

「あいにくだが、御坂美琴という名前はこの名簿にも記載されていないようだ。ここの見学は事前申し込み制でね。悪いけど今日のところは出直してくれないか?」

 

「そんなことどうだって良いのよ! あんたもしかしてこのあたしを知らないわけ? 元学園都市第3位の常盤台の超電磁砲よ」

 

「学園都市? 聞いたことはあるが、あまり詳しくは知らないな」

 

 当然のことである。学園都市の上層部の方針として、学園都市内の情報は外部には原則非公開とされているので、例え御坂が学園都市の中で名が知れた存在であったとしても、その名は学園都市外では全くもって知られていない。この警備員にとっては、御坂はそこらへんにいるごく普通の中学生なのだ。

 

 上条「 … こうなることは分かっていただろうよ。お前、学園都市の外の学校で一体どんな学校生活送ってきたんだよ」

 

「うっさいわね。永田町は学園都市とも少しは関わりがあるから、末端の奴でも知ってると思ったのよ!」

 

 こんな茶番を見にきたわけではない。業を煮やした食峰は、自身のバックからリモコンを取り出し、それを警備員に向け能力を発動させた。

 

 食峰「私達を、ここの責任者の所に連れていきなさい」

 

 すると、警備員は三人を国会議事堂の内部へと案内し始めた。

 

「全く… 警備員ぐらい、アンタの力を借りなくても突破できたわよ」

 

「あんなに時間かかってたのに? それともあれかしら? 最終的にはお得意の回し蹴りでも入れるつもりだった? フフフ、御坂さんのやることなんか所詮その程度なのねえ」

 

 挑発する食峰。御坂が能力を失ってもこの二人の関係には大して影響しないようだ。

 

「アンタ、ちょっと一回表出なさいよ」

 

 そしてその挑発に乗る御坂。一触触発の状況。それをなだめるかのように、上条が割って入った。

 

「御坂… お前今はもう無能者なんだから、食峰の能力から身を守る術がないだろうよ。食峰も、御坂も今はレベル5じゃないんだから、いい加減ライバル意識燃やすのもどうかと思うぜ…」

 

 この二人は出会った場所が学園都市でなかったとしても、お互いにいがみ合うだけだったのかもしれない。そう思う上条当麻であった。

 そうこうしている内に、三人の目の前を歩いていた警備員の歩みが止まった。

 

「この部屋の中に、国会議事堂の管理責任者であり、国会議事堂の歴史に通じている者がおります。では私はこれにて」

 

 三人の目の前にある古びた茶色の扉。ドアノブは金色をしており、中に入らなくとも、この部屋がいかに立派であるかということが容易に想像できる。この中にいる人物に会って話せば何か重要な情報が得られる。根拠のない自信が御坂の中にはあった。女の勘、それともただの思い込み? そんなことはどうだっていい、早くこの扉の向こうにいる人物に会いたい。そう思い御坂は

 

 

 ドアを二回ノックした。

 

「はい、どーぞ」

 

 扉の向こうからたいぶ年老いた男性らしき声が聞こえた。そして三人はその部屋の中へと入っていった。

 

「おやおや、誰が来たかと思ったら、学生さんか。よく警備員がここまで案内して来たね。暴力か何かで脅してきたのかな?」

 

 突然の来訪にも全く動じない部屋の主。年を取れば皆こういう感じになるのかと考える御坂であった。

 

「まあ、そんな所ね。そんなことはどうだっていいわ。あなたがここの責任者で間違いないわけ?」

 

「ああ、そうさ。私はここ国会議事堂の管理を任されている者だ。」

 

「とりあえず、一旦席につきたまえ。何だかずっと立たれていると心が落ち着かない」

 

 御坂は席に座りそして考える。この老人から一体どうやって自分達にとって重要な情報を聞き出すのか。食峰の能力を使えばすぐなのだが、御坂の性格上それは最終手段としてできるだけ使いたくない手段だった。そのようなことを考えていると…

 

「ああ、心配しなくてもそこの金髪のスタイルのいいお嬢ちゃんの能力はここでは使えないよ。君達は学園都市からやってきたのだろ?この部屋には特殊な細工がなされていてね。私がこの部屋の中から出ない限り、君達は私に何も手出しすることはできない」

 

 自分達が能力者であることがばれている? 三人は自身の背中に嫌な汗が流れてくることを感じる。さすがは統括理事会。こうなることはもちろん予想していたことだ。しかし学園都市に何ら関わりのないような、一見するとごく普通の一般人に学園都市の名前を出されては、三人が焦るのは無理のないように思えた。

 

 

 

 

「分かったわ。じゃあ、力づくではなくあくまで合法的に話を進めていきましょう」

 

「合法的話合いね… 面白い」

 

 御坂は思考をめぐらせる。この男は自分達の素性を知っている。なら、そのことを逆手に取って話を素早く進めればいい。いちいち学園都市の説明をしなくても済むじゃないか! そういう風に考えなければ…

 

 よく見ると部屋の内部には無数の監視カメラ、そしてさっきから気になっていたのだが、部屋の窓から見える大通りを誰一人として人が歩いていない。そして先程から聞こえるヘリコプターの飛行音、そして辺りを取り囲む全身に防弾チョッキとサングラスをかけた武装集団。

 

「どうやら、私達は罠にはまったようねえー」

 

 正気を保てなかった。




次回も2週間を目処に投稿します。よろしくお願いします。
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