とある科学のレベル4.5   作:島根

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今まで第1話『常盤台の空間移動』で約8000文字だったものをより分かりやすく約3000文字×4話に書きかえました。既に前の1話を読んでおられる方は内容自体は変わっておりませんので読み進めなくても物語にはついてこれます。まだ前の1話を読んでおられない方はぜひ読んで頂けるとうれしいです。


レベル4.5計画

食峰「これで本当に良かったの?」

 

食峰が話している相手は

 

 

アレイスター「ああ、御坂美琴は我々統括理事会にとってはどうしても消したい存在だったんだよ。」

 

元世界最高の魔術師にして現学園都市統括理事長アレイスターであった。

 

「どこまでが仕組まれていたことなの?」

 

「全てさ。御坂美琴を抹消する為だけにレベル4.5という値を作り挙げたのさ。御坂美琴を4.5というレベル4クラスに格下げし周囲に戸惑いを与える。そこに君の精神操作能力を組み合わせ反御坂勢力を形成。精神操作能力は正の感情には干渉しにくいが負の感情には干渉しやすいからね」

 

「確かに私の能力は能力対象とする人物が尊敬とか好意を持っている、いわゆる正の感情を持っている人達には干渉しずらいわ。それに仮に干渉できたとしても多くの労力を使うわ。でも戸惑いや憎しみなど負の感情を持っている対象には私の能力が干渉しやすい。それに干渉するにも通常の心理状態より少ない労力で干渉し続けることができるわ」

 

 

「ところで何で彼女をレベル4.5っていう訳のわからない基準を作らずにそのままレベル4に落ちたということにしなかったの?」

 

 

「能力値に変化がないのにいきなりレベル4にしたらその事実を疑う輩も現れると思ってね。彼女はレベル4.5つまり今までの基準であるならばレベル5ではあるが新基準で言えばレベル4クラスにしたというわけさ」

 

 

「私に白井さんを派閥に入れるよう命令したけどあれは意味あるものだったの?」

 

「大いにあるさ。御坂美琴の能力を無力化するためにはまずその精神を削いでいかないといけないからね。彼女にとって白井黒子はいわば精神的支柱、彼女との関わりが少なくなることによって彼女の精神にダメージを与えていく。そして…」

 

「スキルアウトの集団暴行、やはり彼らにキャパシティダウンを与えたのはあなただったのね」

 

「彼女はその性格からしてスキルアウトによる一般人の集団暴行を目撃したら必ず喰い付くと確信していたからね。暴行を行っていたスキルアウトも、暴行を受けていた被害者も全て私が金で買収して超電磁砲を釣るためだけに演出させたのさ」

 

 

「しかしここで計画に誤差が生じた。周囲からの嫌がらせ、白井黒子との疎遠、スキルアウトからの集団暴行、これらによって彼女、超電磁砲の精神は二度と立ち直らないとツリーダイアグラムの予測演算には出ていたのだが、彼女はそれらの困難をもってしても精神を回復させた。つまり我々の予測演算結果を上回る精神力を持った人物であったようだ。しかし、」

 

「白井黒子の自殺」

 

「これは嬉しい誤算だったよ。彼女も予測演算結果では2年以内に50%の確率でレベル5に到達すると出ていたからね。彼女の性格からしていずれは統括理事会の脅威になると思っていた。食峰君には一応白井黒子の足止めも依頼していたがまさか両親を誘拐するとは…君も中々の強者だね」

 

「待って、それじゃあ白井さんがレベル5だったっていうのは偽の情報だったの?」

 

「ああ、あの時点ではまだレベル4クラスだったよ」

 

「…」

 

「白井黒子をレベル5にすることで食峰派閥への誘いを不自然なく行う、さらに御坂美琴との友情関係に少しでも亀裂を与えることを目的として彼女の能力値を改ざんしたわけだ。我々が予想していた結果とは少し違っていたが、まあ結果として御坂美琴をこの学園都市から追い出すことができて良かったよ」

 

何ともひどい話だ。つまり黒子が自殺に追い込まれたのも、御坂が学園都市を去ることになったのも全ては統括理事会によって仕組まれていたことなのだ。しかしそこまでして統括理事会が御坂を疎ましく思っていたのには訳がある。統括理事会は過去に一方通行によるレベル6シフト計画を御坂によって止められた経緯がある。結局のところ最後に直接計画を止めたのは上条当麻であったが、御坂が計画を止めようとしなければ上条もおそらくは命を張ってまで一方通行と戦闘を行うとは考えにくく、結果として御坂によって計画が止められたといっても過言ではない。御坂による研究所の破壊や計画が中止されたことによる統括理事会の受けた損害は測計り知れなく、統括理事会はこの事件をきっかけに彼女を疎ましく思うようになった。しかし彼女はレベル5の中でも一番庶民派と言われていて学園都市での認知度だけでなくその人気も高い。統括理事会も彼女を学園都市全体の広告塔にすることによってより多くの学生を呼びよせることができ、またそれによる統括理事会の受けた恩恵も計り知れなかった。しかし今回統括理事会はレベル6シフト計画に匹敵する新たな計画を実行しようとするにあたり、その内容が人道的に大きな問題を抱えていることから御坂の干渉を受けるではないかという思慮から今回の御坂抹消計画、通称『レベル4.5シフト計画』を実行したのだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――

新能力測定基準開始から1年後 

 

御坂はその精神状態を完全に回復させていた。能力こそ二度と発現させることはできなくなってしまったものの、持ち前の精神力で転校先の学校でも学業やスポーツにおいて優秀な成績を収めていった。しかし表面上は気丈に振る舞っていった彼女も頭の中は常に黒子のことでいっぱいだった。そして月日を重ねていく内にようやく彼女も黒子の死に向き合うことができるようになり、彼女は学園都市にある黒子の墓地に墓参りに行くことを決心した。

 

「黒子… 黒子がいなくなって私には世界の色が暗く見えるようになってしまったわ。それでも私は黒子の分まで生きることを誓ったから決して生きることをあきらめないわ。今まで私の傍でたくさんの優しさと笑顔をくれてありがとう」

 

御坂は風に髪をなびかせながら学園都市を見渡す小高い丘の共同墓地にいた。彼女はこれを以てようやく初めて黒子の死と向き合うことができた。しかし、彼女の目線の先には偶然か必然か統括理事会本部ビルがあった…

 

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