とある科学のレベル4.5   作:島根

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上条当麻

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(回想)

コンコン(ノック)

御坂「はーい」

 

 

ガチャ

白井「初めまして、わたくし今日から同じ208号室に住ませて頂きますの。白井黒子と申しますの」

 

「はあ? あんた誰よ? あたしにはもう既に同学年のルームメイトがいるんだけど」

 

「それでしたら、ご安心を。わたくしその方を少々非合法的な手段を取りまして追い出させて頂きましたわ」

 

「何それ、怖! っていうか見ない顔ね。もしかして1年生?」

 

「そうですの。と言ってもこれからは一緒に寝食を共にして参りますので学年が違っても毎日会うことになりますの」

 

「… あたしも一応常盤台の看板娘ってことになってるから熱狂的なファンも少しはいるけど、寮の部屋まで押しかけてくる人はいなかったわ」

 

「お褒めに頂けまして光栄ですの」

 

「いや、褒めてないから」

 

「て言うか何さらっとここに住む前提で話進めてんのよ。 … ? 

  その腕章、もしかして風紀委員でもやってんの?」

 

「あら、外すのを忘れておりましたわ。わたくしこう見えて一応風紀委員177支部に所属しておりますの」

 

「ふーん、風紀委員ね。その風紀委員がいきなり寮に押しかけてくることなんてしていいのかしらねー? 早速その風紀委員にでも通報しようかしら?(笑)」

 

「おやめ下さいませ、わたくしこれでも一応正気を保っておりますわ」

 

「正気ねー。でもあんたがあたしと住みたくても寮監の許可がないと住めないわよ?」

 

「そこは大丈夫ですの。ちゃんと許可は取っておりますの」

 

「ふーん、まあいいや。住むか住まないかはともかく、ここで話してたら周りの迷惑になるからとりあえず中に入って」

 

「はいですの」

 

その後

 

寮監「御坂 入るぞー」

 

ガチャ

 

「ん? その娘は一体どこから入って来たんだ?」

 

「? あんた、寮監の許可は取ってあったんじゃなかったの?」

 

「…」

 

「… 理由はともかくとして、無断で寮外の人間を入室させたとして、寮則第6条に基づいて貴様らに罰則を与える。 そうだな… ちょうど寮内の食堂が汚れてきた頃だ。そこを丸一日かけて丁寧に掃除しろ。分かったな?」

 

「待って下さい、この子が勝手にあたしの部屋に入ってきただけであたしには何の罪は…」

 

「分 か っ た な ?」

 

「はい…」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

「あれから、二人して食堂の掃除をしたんだっけ、懐かしいな…

あたしが初めて黒子に電撃を与えた日もあの日だったわね。『お姉様の愛のムチ受け取れて嬉しいですのー』って言った時は今後どうなることやら心配したけど。真面目な時はほんと真面目な子で風紀委員の仕事している時のあの力強い眼差しはあたしが男だったら絶対好きになっただろうなっていつも思ってた…」

 

 

 

「黒子… どうして死んじゃったの?」

 

そうして御坂はまた涙を流し始めた。実際のところ黒子はまだ生きている。しかし御坂はまだそのことを知らない。彼女が黒子と再び会った時彼女は一体どんな反応をするだろうか? 驚くだろうか、それとも嬉しさのあまり抱きつくであろうか? しかし彼女が死んだはずなのにどうして生きているのかを知ったら… その怖さもあって実際黒子は愛しのお姉様に会いにいけないでいる。彼女達の間に幸せはやってくるのであろうか?

 

失意に明け暮れる御坂。心頼りにしていたミサカネットワークの貸し出しを妹達によって拒否された彼女に残された選択肢はもうほとんど残されていなかった。すなわちこのままおとなしく現在住んでいる学園都市外の町に帰るか、あるいはイギリスかどこか遠い所に留学して魔術を学んで魔術師となって統括理事会に復讐をするか。 しかし自分はもう能力は発現できないとはいえ、科学の教育を受けてしまった身。例え魔術が使えるようになったとしても魔術を使った分だけ体に負担がかかる。目から血を流している自分を想像した御坂はそれだけで体に悪寒が走った。では、どうするか。すると最後の悪あがきと言わんばかりに彼女はとんでもないことを思いついた。

 

「統括理事会ビル前で自殺し、統括理事会の悪事を学園都市中に知らしめてやる」

 

自分も今や無能力者とはいえ、一時は学園都市中の誰もが知っていた存在。その知名度を生かし統括理事会ビル前で自殺することによって、学園都市の住民の目を一気に統括理事会へと向かわせる。そしてあわよくばアンチスキルなどの調査により統括理事会の今回の悪事が明らかとなることを彼女は狙ったのだ。悪あがきであることは分かっている。自分が死んでもすぐに統括理事会は動きアンチスキルや学園都市内のマスコミにも圧力をかけるであろう。もしかしたらそもそも自分の死そのものがなかったことにされるかもしれない。しかし悪あがきだとは分かっていても、彼女には他に取るべき手段はもう見つけられなかった。そうして御坂はひとり統括理事会ビル前に歩みを進めていくのであった。

場面は少しさかのぼって…

 

打ち止め「お姉様、行っちゃったねってミサカはミサカはありのままの事実を述べてみたりー」

 

一方通行「あァ…」

 

「お姉様、止めた方がよかったのかなー。能力が使えなくてもお姉様ならこのまま本当に統括理事会相手に戦って死んでしまうかもしれないってミサカはミサカは今更ながら心配してみたり」

 

「… そこは大丈夫だろう。何てたって超電磁砲にはアイツがついているからなァ」

 

  

「(幻想殺しが!)」

 

学園都市最弱にして最強の無能力者上条当麻は今日も街を疾走していた。友人からの情報により親しくしていた常盤台の超電磁砲こと御坂美琴が学園都市に帰って来たという知らせを聞いて彼は彼女に一目でも会いたいと街中を駆け回っていた。

 

上条「御坂… 白井のこともあって気落ちしているかもしれないが、せっかく学園都市に帰って来てるっていうなら俺が一言でも声かけてアイツを励まさないといけないよな」

 

彼は自身の持つ右腕の能力による稀に見る不幸体質と根っからの世話好きな性格から事あるごとに人助けをしていた。彼によって救われた人達は数知れず、御坂もまた彼に救われたことのある内の一人であった。そして今回もまた御坂は彼によって救われようとしていた。

 

「ん? あそこを歩いているのは… おーい御s」

 

彼は彼女の名前を呼ぼうとしたが即座に呼びかけることを止めた。目の前にはすっかり生気を失った御坂の姿が、そして彼女の片方の手には秘かに握りしめられたナイフがあった。

 

「ああ… アンタ久しぶりね。 元気にしてた?」

 

「… お前 何やってんだよ?」

 

「 ハハ。 見て分かんない? まあ普通の人には分からないでしょうね。今から黒子の元へ行く為に死にに行くのよ」

 

「そんなんで白井が喜ぶとでも思ってるのかよ!」

 

「何よ、またお得意の説教タイムの始まり? 死ぬ前になって説教されるなんてあたしも本当にツいてないわね」

 

「お前が今も辛い境遇にあるのは分かっている。白井の一件だってお前が不憫でかわいそうだとも思った。でもだからってそれがお前が死んでいいことにはつながらねえんだよ!」

 

「… じゃあアンタはあたしに一体どうしろって言うのよ? このままおとなしく自分の住んでいる町に帰れって言いたいわけ? 冗談じゃないわよ。あたしはね、黒子のことが忘れたくても忘れられないのよ。この苦しみ今のあんたには到底分からないでしょうね」

 

「じゃあお前は一体何がしたいんだよ?能力の行使さえできないお前に統括理事会相手に戦って勝てる勝算なんて万に一つもないんだぞ」

 

「そうね… 能力さえ使えたらどうにかなるのにね」

 

「つまり、能力さえ行使できればアンタはあたしの統括理事会への復讐を止めないってわけ?」

 

「お前の辛さや怒り悲しみは少しは理解しているつもりだ。もしもお前が再び能力行使できるのであれば今回ばかりはお前の前に立ちふさがるつもりはない。 って言ってもその時になってみないと実際分からないけどな」

 

「そう… なら、」

 

 

 

 

 

 

「あんたのその右腕をあたしに頂戴」

 

 

上条は言葉を失った。いくら自分の右腕が少々不幸を呼び寄せると言ってもだからといってそれを切り落とすことなんて生まれたから一度も考えたことはなかったし、ましてやそれを他者に譲り渡すなんてことは考えるはずもなかった。

 

 

 

 

「正気かよ? 俺の右腕をどうしろって言うんだよ?」

 

「先生にでも頼んであんたの右腕を切り落としてももらってそれをあたしに移植させてもらうわ。そうしたら、あんたの能力が使えるようになるかもしれないからね」

 

「(狂ってる… いくら白井が死んだとはいえこれは予想以上の状況だな。 今のコイツに俺から何を言っても無意味だ)」

 

そう考えた上条は御坂が持っていたナイフをいきなり取り上げ、その刃先を自分の腹部に向け刺したのだった。

 




上条さんの右腕はご指摘にもあったのですが移植しても幻想殺しは使えないようなので、御坂はその事実を知らなかった、もしくは正気を失っているからその事実を忘れていたという設定でお願いします。
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