私は電車を降り、駅を出たところで父の知人で落ち合うことになっている。
「え~と、どこにいるのかな? 」
あたりを見渡すとこちらに向かって手を振ってこちらに向かっている人影が見えた。
「よく来たね、諏訪蘭香ちゃん」
私を迎えてくれたのは無精ひげに白髪の髪、そしてそこにダンディズムを醸し出す大人の雰囲気がとても似合う人物。
「こんにちは、タカミチさん。これからよろしくお願いいたします」
「ああ、こちらも君のお父さんからよろしくと言われているよ」
この人、高畑・T・タカミチは、私の父の友人の一人で、私を預かってくれる人だ。仕事は教師をやっているらしいが、いったい父と知り合ったのかは謎だが、それなりに仲がいいらしい。
しかし、父の友好関係はいったいどこまであるのだろうか? 父の話によると有名な探検家から、鑑定家、刑事に果てはタクシードライバーなど、かなりの友好関係を持っている。まあ、そんな話は置いておいてと。
「ところで、私が通うことになる学校はどういったとこなんですか」
「うん、少し騒がしいかもしれないけど、基本、みんないい子だよ。ちょっと変わったこともあるかもしれないけれど……。まあ、詳しい話は学園長のところで話そうか」
「はい」
そうして私たちは学園長がいる学園長室へと向かうのであった。
■◆■◆■
「フォフォフォ、ようこそ麻帆良へ」
私の目の前には学園長と名乗るぬらりひょんの如き頭を持った正体不明の存在がそこにいた。
「何か失礼なことを考えなかったかのぉ? 」「いいえ」
読唇術まで使えるのか、こいつは!などと考えながらもとりあえず社交辞令で答えた。
「改めまして、今日からこちらに転校する事になった,諏訪蘭香です」
「まあ、そう改まらなくてもよい。お主のことはお主のお父上から聞いておるからのぉ。無論、君の『呪い』についてもきいておる」
「――!そうですか」
それもそうだろう、私の『呪い』のことを知っていないと大変なことになってしまうだろう。
「しかし、難儀な呪いにかかってしまったのぅ、お主もお主のお父上も」
「いえ、慣れましたし、父もこの『呪い』のおかげで数々の発見をできたわけですし」
「そうか……、まあ、そういってくれるとこちらも助かるわい、と話を戻すとして、お主のクラスじゃが、二年A組じゃ、担任は……」
そう言った時に扉からノックする音がした。
「おお、ちょうどいいところに来たのぉ。入ってきて良いぞ」
そして、――失礼します――と幼さが残る声と一緒に部屋の中に入ってきたのは小学生ぐらいの男の子であった。
「学園長、話ってなんですか」
「前にも言っていた転校生についてじゃ。ほら、そこにおるのが転校生の諏訪蘭香ちゃんじゃ」
学園長がこの男の子に私のことを紹介したので、私も一応――諏訪蘭香です――と挨拶をしたが、話の流れからもしかすると、いや、まさか……。
「ほら、お主も挨拶しないか」
「あ、はい!ぼくが二年A組担任のネギ・スプリングフィールドです。えっと一応英語を担当しています」
デスヨネー。まあ、想像していたけれども……。
「え、えっと……。よろしくお願いします? 」
疑問形になっているがこの際どうでもいい。
「フォフォフォ、心配せんでもネギ君の学力は折り紙つきじゃ」
そういうことじゃないんだけど……。ああ、頭が痛くなってきた。これ以上は考え無いようにしよう。
「さて、もう少しで学校が始まる時間じゃ。クラスのみんなと仲良くするんじゃぞ」
無責任な学園長の言葉を聞いた後、私は少々の不安とともに私が勉強することになる二年A組へとネギ先生とともに向かった。
私とネギ先生が部屋を出たその後
「あの子があの男の娘か、やはり似ているのぉ、雰囲気が。そう思わんか?タカミチや」
「ええ、そうですね。どこか大人びたところかそうですね」
「しかし、親子そろって難儀な呪いじゃのぉ不老不死とは」
「学園長、それを彼が聞いたら怒りますよ『俺は不老でも不死でもない、ただ死にやすく、そして生き返れるだけだ』って」
「フォフォフォ、それもそうじゃのぉ。じゃがどちらにせよ、邪な者にとっては、貴重な研究材料じゃの」
「学園長!」
「分かっておる。未来を担う大事な生徒たちの一人じゃそんな風に扱うつもりはない。ただ、そんな輩もいるという話じゃ。そしてわしたちの仕事は……」
「子供たちを守ること、ですね」
「一応教師でもあるんじゃから教え、導くことも忘れぬようにな」
「ええ、もちろん。――それじゃあ、彼女の荷物を運ばないといけないので」
「うむ、よろしく頼むぞ」
ああ、受験生が何をやってるんだろう……。