どうも。作者です。
なんだか最近、執筆する作品が多過ぎて各作品が進行スピードが亀歩きな気がする。
なろうで2作品、ハーメルンで4作品の計6作品を同時にやるなんて、無理だったんだ……。
ついでに言うとリアルも超多忙。精神がマッハで蜂の巣だぜ!!
と言うわけで以上、更新が遅れた言い訳でした。
遅れて、そして変な言い訳してごめんなさい。
それと、今後も更新スピードは亀歩きとなります。ご了承ください。
では、くだらない話はここら辺で。
本編、どうぞ。
先程スバルにメイドについて説明して貰った。
素晴らしいものだな、メイドとは。
自分の身の回りを世話する使用人。自分の分は比較的質素に、雇い主の分は豪華に仕上げる仕事人の事。
その姿は黒いスーツ? にフリルのついた可憐な衣装パーツを取り付けた、可愛らしい服を着ると言う。
ああ、それが彼女の服装か、と思った。
細かい所は微妙に違うが、大体の特徴は合っている。つまり彼女はロズワール邸の使用人という事で合っているという訳だ。
メイドさえいれば日常生活に困る事は無いだろう。
が、俺には必要の無い存在だ。
誰が異世界での仕事という"楽しみ"を奪われて溜まるか。
俺はここには遊びにきたのだ。それを取り上げられちゃ意味が無い。
と言うわけで、俺は彼女に興味はない。もう彼女の情報は、あらかた取り終えた。
さて、次は"生き返り"について、だ。
「スバル、お前は先程、生き返った事がある、と言ったな? つまり、死んだ事もある、と」
「……ッ」
胸を抑えつつも、首を縦に振る。
ふむ、"何か"にとってはよほど"生き返り"は知られたく無いものなのだろう。例え対象であるスバルを殺してでも。
さて、ならばスバルはその何かにとっての"なに"だ?
単なる駒か。それとも愛情持って育てた存在なのか。それともただの遊び道具なのか。
まあここら辺は他の奴を紐解いていけばいつかは辿り着くだろう。楽しみはとっておいてから、だ。
「と言うわけでスバル、早速死んでくれ」
「——⁉︎」
「なに、そんなに驚く事ではないだろう? お前は何度か死んだ事があるのだろう? ならば死んで生き返って見せてくれ。目の前で見せて貰った方が色々と考えやすいのでな」
スバルが死んだ時、どんな現象が起こるのか、実に面白そうだ。それに、もしもそれを解明できた時、俺は"死ねる""かも知れないしな……。
さて、早速準備を……と思ったところで留まった。スバルが死のうとしていないからだ。
「おいスバル、何故死なない? 生き返れるのだろう?」
「何故って……普通簡単に死のうなんて、考えねえだろ!! 何考えてやがんだ!!」
「なにって、お前の生き返りを解明する事だが? じゃあ聞くが、お前はこの"生き返り"を解明したく無いのか?」
「ぐッ……でも!」
「でも、じゃない。じゃあ聞かせて貰うが、お前はこのまま"生き返り"を繰り返して生きていくのか? 実際に目の前で見て、その全てが予想できる世界にて、生き続けるのか?
俺はそんなの、ゴメンだね。全てが予定された世界になど、意味はない。面白みなど、何もないのだ」
そう問いかけると、スバルは顔を俯かせた。スバルの無言が続く。
「お前も、そうだろう? つまらない世界など、興味無いだろう。だったら……」
「……ぃ…だ…」
スバルの口から微かな声が聞こえた。が、その内容は聞こえない。
「なに? 何を言っている?」
俯き続けるスバルに問いかける。すると、顔を勢いよく上げて、鬼の血相で、いい放つ。
「…嫌だって……嫌だって言ってんだよぉ!!! なんで俺が死ななきゃならねえんだよ! 別に死ぬような状況に追い込まれて無いってのに、なんで死ななきゃならねえんだ!!
ふざけんなよ! 俺は誰のオモチャでもない! 俺は、俺はな! 生きているんだよ!」
それだけ言って、スバルは掛けて行った。
まあ追いかけるのも良いが、逃してみるのも一興。どうせ死なれても困るもんじゃないし。強いて言えば解明が出来ない事か。
それにしても……"生きている"か。久しく聞いた言葉だ。生きている、それは同じ事が訪れない、絶えず変わり続ける世界にいる者だけが話せる言葉だ。
俺の場合は、違う。
"生きて、生かされている"だけだ。
市長や魔王のような存在に勝てずにいる、"勇者のなり損ね"。俺には、なんの価値もない。ただただ、労働力として必要とされていた。
だからだろうな、俺がこの世界に来て、歓喜したのは。こんな予定され"ていない"世界は、羨ましすぎる。
「っと、何一人でしおらしくなっているんだ。俺はただただ、気の向くままに、気楽に、生きていく。それが目的だったろうに……」
全く、あんなのに出会ったからかな、などとブツブツ言いながらも、例の青髪少女の所へ歩いていく。
確か名前は、レム、だったか。
生き返りでスバルが死ぬ前に出会った人物、だな。前世(仮)ではそれなりの仲だったことが伺える。
まあ彼女もこんな外見だ、スバルが気になるのも無理はないだろう。
それはともかく。
早速彼女の事もチェックしていこう。
少女の持ち物を漁るのは心が痛まれる……事はないな。何度俺が泥棒したと思っている。
特に何も感じずに少女の武器を取り上げる。
「ほう、面白い形の武器だな」
ただの棒を武器として使う。面白いじゃないか。
攻撃力が全く期待できない・脆い・力を込めにくいの三拍子揃ったこの武器を指名するなんてな。コイツとはいい酒が飲めそうだ。
……冗談はともかく、彼女の武器は確かに威力はあるだろうと思う。
俺はあの時、彼女の攻撃からスバルを守った時、彼女の攻撃をデュランダルで受け止めた。
その時は相手からダメージや衝撃力、つまりは運動エネルギーを全部受け流すように構えていたんだが……何気に衝撃によるダメージが大きかった。
恐らくあれは、遠心力を利用して攻撃するであろう球体のスピードを加速、瞬間的なダメージ及び衝撃力を強化しているんだろう。
この武器は恐らく、そう言った少ない力で大きな力を与える武器なのだろう。
つまり、少ない力で大の威力を与える。なんて女性に適した武器なのだろうか。
まあコストと威力を重視した分、操作性や予備動作などの制限がありそうだが。
「……ぅぅん……」
彼女の呻き声が聞こえた。
ふむ、彼女が起きそうな気配がするな。思ったよりも早い。
やはり、この世界の住人には魔法は余り効かないと言う事だろうな。残念だが、魔法の使用頻度は抑えるとしよう。
それよりも、彼女が起きる前に彼女の武器(の残骸)をさっさと返却して、交渉の準備に入るか。
何気に異世界での生活についても聞いてみたいものである。出来れば、面白い話が聞けることを祈る。……まあ警戒されるだろうがな。
俺は交渉の為に、何事も無かったかのように証拠を相手の知らぬうちに返却、
彼女から少し離れようとして、そして……
世界が止まった
俺の意識が、ではない。世界が、止まったのだ。
身体を動かさずに、周りの状況を目で追って行く。
先ほど俺が彼女に返却した武器が幽霊にでも取り憑かれたかのように一人でに浮かび上がり、しばらくあたふたした後に再び彼女の懐へと戻って行く。
そしてしばらくの時間が経った後に彼女は変な立ち上がりを見せて、準備動作なしで飛んで行ったり、後ろ向きで飛んで行ったりした。
そして極めつきには、空の彼方から飛んできた"鉄球"が少女の操る鉄鎖の武器の先端へと急接近、見事合体して少女の所へと戻ってきたのである。
コレを俺は何処かで見た事がある。
先ほどの『つゆ払い』での、戦闘劇だった。
勿論、彼女の行動は全くの同じでは無い。
全てがあべこべ、つまりは逆再生に流れたかのような状態だった。
俺は思考する。
この原因は一体、なんだ?
予想するに、この現象は恐らく、時間が遡っていると見ていいだろう。
だがそんな現象は普段、起こり得るようなものでは無い。
魔法などで起こすとしても、それはかなり高位の魔法だ。それには少なく無い準備が必要だろう。
これらを踏まえてみると……恐らく、何処かの大きな組織がやったのか、それとも強大な力を持った個人が起こしたかの、どちらかである。
「まあ、別にどっちでもいいがな」
実際、俺にとってはそんなの、関係無いのである。
異世界人である俺にはこの世界との接点が、全くと言っていいほど無い。
そんな俺がこの世界に縛られる? とんでもない。
俺は既に、もっと大きな"なにか"に囚われているのだ。こんな世界に囚われているはずがないだろう。
まあ囚われているならいるで、ある意味幸せな事なのだろうが。
「まあとにかく、移動でもしてみようか」
思考に没頭している間に、時間の流れは元に戻っていた。
どうやら逆再生の時間は終了のようだ。これからは俺も行動すれば普通通りに力が働くな。
とりあえずは、『ロズワール邸』にでも行ってみるか。時間が逆行したならば、先ほどのメイドがいるはずだ。
俺は森の中を一人で進み始めた。
■
目の前に大きな屋敷を見つけた。
一際デカイ建物を中心に、大きな庭園が広がっており、その周りには鉄柵が引かれている。
恐らく、噂の『ロズワール邸』だろう。
この『ロズワール邸』は、先ほどの地点から数時間の場所にあった。
適当に歩けばいつかは当たりを引くと思ったが、まさかこんな簡単に見つかるとはな。ちょっと拍子抜けだ。
さて、探索に面白みが無かった分、中に面白みを求めさせて貰おう。
俺は柵を軽くジャンプで飛び越える。
ふむふむ、中々にザルな警備だ。これだけの規模の屋敷に見張りを立てないとはな。
まあ不用心なのは、俺にとっては好都合なので、改善して貰わなくても結構だが。
ああ、不用心と言えば。
「来い、『サラマンダー』」
召喚でサラマンダーを呼び出す。
確かサラマンダーは、四大精霊のうちの一角、炎を司ると聞いた事がある。
その身体は炎に耐えれる硬い鱗を身に纏い、常に炎を排出し続ける精霊との話だが……ガードラゴンほどのトカゲでは無かったな。まあ所詮どちらもトカゲなんだが。
「サラマンダー、『エストマ』」
「キュィイイ!!」
サラマンダーは上を向いて、キラキラする水のような何かを吐き出す。
その液体は暫くすると俺たちへと降りかかるが……不思議な事に、不快感は無かった。
自身に液体が掛かった事を確認すると、サラマンダーの背中を撫でてやる。
少し熱いが、サラマンダーが気持ち良さそうなので、問題外である。
今サラマンダーにやらせたのは、『エストマ』という魔法だ。
『エストマ』とは……と言っても、詳しい事は俺も知らん。
俺の場合は呪文を唱えるとイメージが頭に浮かんで来て、それを放つ、みたいな感じだが。
悪魔たちにはちゃんとしたイメージがあるようだ。この前、エルフに教わった。まあ詳しい説明の殆どは聞いていなかったが。
それはともかく。
『エストマ』という魔法の効果だが。
この魔法を唱えると、俺たちの状態が周囲からは面白いようになる。
即ち、俺たちの存在を感知出来なくなるのだ。
何故、と言われても前記の通り俺にはイメージしか伝わらないので説明出来ないのが。
まあ、結果だけを知っていると思ってくれれば、結構だ。その表現が今できる表現の中で、一番近いからな。
だが、幾ら透明に慣れる魔法とは言っても、限度がある。
即ち、格上の存在からはその姿を確認されてしまうのだ。
こればかりは、仕方がない。格下の小細工が上位者に通用する筈も無いのだ。
また、時間制限があると言うのも、欠点である。なので長期間の滞在には、あまり向かないかもしれない。
……ま、掛け直せば良いだけの話だが。
「さてと、それじゃあ探索をしていくとするかな」
サラマンダーを隣に控えて、庭の中を悠々と歩いていく。
この屋敷の中がどんなものか、どんな奴がいるのか、実に楽しみである。
投稿時間を見てみてください。面白い事になってます。