東方物理録   作:熱海 麗

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やっと都市の外に行ける

今回から御霊 雷(ミタマ ライ)の呼び方を、御霊から雷に変えました
ご了承下さい


第9話 レイ、初の対人戦

 

緑狼とレイ、雷の三人はトンネルから出て都市の入り口の門まで来た

レイが高速で走ってきたせいで起きた衝撃波は外にも大きな被害は無かったようだで

大きな音による野次馬が集まってきた程度ですんだ

 

そして森の中を緑狼の先導に従って三人黙って歩いていく。

先に声を出したのは雷だ

 

「うっわーすげえ都市の外側なんて初めて来たぜー!なあ!レイ!」

「うん?あ、ああ、まあね」

 

レイの曖昧な返事に雷は疑問を感じる

 

「何だ、レイお前都市の外に来たことあるのか?」

「え、ああ、うん」

 

レイは都市の外側から来たことを黙っていたかった。存在するはずのない都市の外の人間

それで周りから人が居なくなるのが嫌だった

 

そんな事を考えていると緑狼が立ち止まり

「御霊に聞きたい事がある」

「何をだ?」

 

緑狼が雷を御霊と呼ぶのは仕事モードの時だけだ。

雷も気持ちを切り替える

 

「レイを都市の外側の警備、『都市外周警備隊』に入れる事を御霊は納得してくれるか」

「いや、納得出来ない。それに緑狼総隊長も言ってたでしょう、

 俺でも命懸けの戦闘になるって」

 

ここの妖怪はそれほど強いならレイなら直ぐに殺される、そう雷は思っていた

新しい隊員に早速死んで欲しくなかった

 

「なら、レイと御霊で組手をしてもらう」

「はあ!?何を言ってるんだ?」

「レイとの組手で御霊がレイの実力を知って貰えば納得してくれると思ってな」

「はあ、そういうことか緑狼ちゃん、あんたそれっぽい理由つけてレイが戦ってるの見たいだけじゃねえの」

 

雷は気づいていた。緑狼の仕事モードの顔に期待の表情が見えていたのを、

 

「ふふん、バレちゃったか♪でもそれなら雷も納得してくれるでしょ」

「まあ、ここまで緑狼が戦わせようとしてくるんだから、実力はあると思うしな」

 

雷も嫌がる必要がない、隊員の中にも自分と同じ位強い奴はいるが人数が少ない。もし、そいつと同じ位なら…

 

「戦ってやろうじゃねえか!」

「決まりだな、レイもいいか?」

「ああ、(能力無しで自分の実力がどれ程か知りたかったし)」

「(そう、無理はしないでね)」

 

小声で緑狼と話してから

 

「で、何処で戦うんだ?森の中だから手加減はしなくてもよさそうだが」

 

すると緑狼が

 

「ここだよ、周り見てみ」

「お~なかなかの広場じゃん」

「あれ?ここ昨日…」

 

周りを見渡してみると辺り一面木が一本も生えていない…木が全て吹き飛んで出来た広場になっていた

 

 

「緑狼ちゃん、俺らを戦わせる為に森を吹き飛ばしたのか?」

「いや、私はしていない。やったのはレイだ」

「!?…嘘だろ?」

「あーここ昨日の…」

 

雷は驚いてレイの方向を見るがレイも心当たりがある様な仕草をする

 

「面白い、レイ、戦おうぜ!手加減は無しだ」

「OKわかった、『手加減しねえ』からな」

 

雷はどこからか刀を取り出してレイに向ける

 

「じゃあ、武器の使用可、どちらかが気絶したら終了の一本勝負、いくよ」

「「よっしゃあ!こい!」」

 

 

レイの拳と雷の刀がぶつかり合う

 

 

 

 

 

 

なんかレイと戦う事になった。この広場(惨状)はレイが作ったらしいが、そんなことはどうでもいい

レイと戦うのを楽しめればいい

 

雷は腰に掛けている刀を一本抜いてレイに向ける

 

「「よっしゃあ!来い!」」

 

まずは小手調べ、この刀をどう回避するかを見てレイの戦い方を見極めようとした雷だったが

レイはそんな雷の考えを無視して回避せずに刀を腕で凪ぎ払った

 

「馬鹿野郎!下手したら刀に腕持ってかれるぞ!」

 

思わず雷は叫んだ

 

「ご指摘ありがとう、でも体は丈夫なもんで」

 

レイはそう言い返し刀を凪ぎ払った腕とは反対側の手で雷の腹部に拳を入れた

 

「がっはぁ!…なかなかの威力じゃねえか。良いぜ俺も全力でぶつかってやる!」

 

と言って腰に掛けているもう一本の刀を抜いた

 

小手調べのつもりだったが変更だ、これは本気で行かないとやられるな

こいつ、俺と同格、いや、それよりも強いかもしれないな

 

「ほお、二刀流か…来いよ!」

(能力無しでも雷と同格位か…神様が基本の強さを上げてくれたお陰だな)

 

数分間レイと雷の攻防は続いた、雷が斬りかかりレイがそれを受け流す、そんな状態が十分程続いた

 

「くっそぉ!良いのが当たんねえ!全て受け流しやがる!」

「お前もすげえよ殴っても殴っても全然効いてねえ!」

(私も戦いたくなってきたな、早く終わんないかな)

 

そんな攻防が少し続いた後二人は五メートル程の間隔を取る

そして雷が声を上げる

 

「次でラストだ!刀がぶっ刺さったら急いで永琳博士の所で診てもらいな」

「いいぜ!全力でぶっ飛ばしてやらぁ!」

 

二人は同時に駆け出した一人は刀を持って、一人は己の拳で、その二つが接触する

刀はレイの肩に、拳は雷の顎にそれぞれ同時に当たる

 

レイの肩から血飛沫が…少しの静寂の後、倒れたのは雷の方だった

 

「レイ凄いじゃん!まさか雷に勝っちゃうなんて!」

「いや、俺はこの能力のお陰で気絶に対する耐性がついてただけで、

 普通に戦ってたら多分負けてたよ」

「なんだよ~レイは能力持ちか、なら負けてもしゃあないか」

 

もう起き上がってきた雷が言った

 

「結構全力でやったからもう少し寝てると思ったけど回復力も半端ねえな」

「へ、伊達に西地区警備隊隊長はやってねえぜ」

「それに雷、おまえと戦った時にレイは能力を使っていないぞ」

 

緑狼のその言葉に雷は驚きの声を上げる

 

「おいじゃあ、今までのは本気じゃなかったのかよ!」

「まあね、でも能力を使わないで全力で行ったぞ」

「おいおい!納得いかねえぞ!能力ありでもっかい勝負…!?…」

 

突然大きな爆音と共に強烈な風が吹く。雷は体を守るために体を丸めるがそれでも二、三メートル飛ばされてしまう

 

「何が起きたんだ…!?嘘だろ…」

 

雷は驚愕した目の前には殴り掛かる緑狼とそれを片手で受け止めたレイがいた

二人の周りは殴った時の勢いで地面が大きく削れていた

 

「まあ、こんなもんだ。お前には少々無理がある」

「雷には悪いが能力ありで戦えば緑狼と同じ位の強さはもっている」

 

雷は悟った。この二人は次元が違い過ぎると

 

 




じゃあ、今回は雷について


  御霊 雷

  能力 無し

  地位 西地区警備隊隊長

    西地区生まれの西地区育ち。父親が前西地区警備隊長だったおかげで
    小さい時から緑狼と知り合いである。
    警備隊員になる前は緑狼の事を面倒見のいい姉ちゃん位に思っていたが
    警備隊員になってからは敵う事のない最強の人だとも思うようになった

    緑狼の強さにに近付きたいと思い日々努力を続けた結果、西地区警備隊長で
    能力を持っていない人間の中では人類最強の存在になった
    今では、能力を持っていなくても努力すれば警備隊長にもなれるといった
    証明にもなり能力を持っていない人間たちの目指す先になっている

    また、体術と剣術を得意としており、彼一人で成人男性5人分程の強さを
    持っていると言われる。



次回は雷が妖怪たちとの初戦闘ですかね   
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