カルデアの落ちなし意味なしのぐだぐだ短編集   作:御手洗団子

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マスター、帰省する~ヨヒメン襲来編~

「先輩、大丈夫ですか……?」

 

「____……」

 

その日、マスターとマシュは暗くなった夜道で家路を急いでいた。 もう時間は七時を回っており、きっと料理を作って待ってるマスターの母はお冠だろう。

だが仕方がない今の今まで冬木の異端審問会の刺客から逃げ回っていたのだ。 何の集団なのかと聞かれれば、なんてこともないカップルに対する只の嫉妬にまみれた男たちの怨念で構成された春の来ない男たちの集団なのだが、その怨念こそが人間を人間足らしめるのだと、どこかのアヴェンジャーが言っていた。

 

「あ、着きましたよ! お義母さん怒っていないといいんですけど……」

 

「_____?」

 

マシュのお母さん呼びが今変じゃなかったかと思いながら、マスターは震える手でドアに手をかける。 明日からどうしよう、当然家もマークされているだろうし、いっそメディアさんから結界張ってもらうか。 と明日から始まる大変な一日を思って肩を重くしながらマスタードアを開く。 今はとりあえず、マスターの母に謝るのが最優先だったのだが……

 

「お帰りなさいませ、旦那様♡」

 

ドアを閉める。 表札を確認。 良し自分の家。 カルデアに続く何処でもなドアじゃない。 もう一度ドアを開ける。

 

「お帰りなさ」

 

ドアを閉める。 近くのホテルを検索、マシュの手を取る。

 

「______?」

 

「ほ、ホテルにですか!? いや、でも私達にはまだ早いともうしますか、心の準備が……いえ、先輩が望むのなら……」

 

マシュは顔を真っ赤にして何か盛大な誤解をしているが、マスターにはそれどころではなかった。 すぐさま、ここを離れなければ……とりあえず近くの寺の鐘に隠れればいいかな……!

そんな思いで駆け出そうとするマスターに、家の扉が開きフライパンが飛んできたかと思うと、マスターの頭にクリーンヒットした。 良い金属音が響き、マスター駆け出したのも合わせて電柱にぶつかるまで転がっていった。

 

「先輩ー!?」

 

「ふふふ、別に怒ってはいないのよ。 若い二人が遅くまでナニしてたか聞くなんて野暮じゃない? おかーさん全っ然怒ってない。 でも……この子は何なのかよーく説明してほしいんだけど……」

 

玄関にはどう見ても怒り心頭なマスターの母が立っており、そしてその後ろには慎ましげに咲く百合の花のような可憐な少女、またの名を嘘つき焼き殺すガール。 ある意味この現代社会に一番出してはいけないサーヴァントが、清姫が、にっこりとその場で旦那様(ますたぁ)の帰りを待っていた。

 

 

 

 

「清姫さんがなぜここにいるんですか!?」

 

「妻が夫の傍にいるのが可笑しなことでしょうか?」

 

「答えになっていません!」

 

「息子が現地妻作ってた……」

 

リビングで正座をさせられているマスターに二人の少女が取り合う様にその腕を引っ張り合っている。 なんだか時代劇の有名な裁きの一つを思い出すが、おそらくどっちもマスターが死んでも離さないだろうし、本気で引っ張ったら多分千切れる。

 

「んで、この状況をどう説明する気でしょうか息子様?」

 

「さ、裁判になったらどうしよう……弁護するべきなのか……?」

 

そして目の前には仁王立ちのマスターの母と、なんだか気まずそうにしているマスターの父。 状況的には最悪である、味方が一人もいないというより、ダ・ヴィンチちゃんが言ったようにカルデアの職員として誤魔化せないというのが不味かった。 なんせ清姫は嘘を嫌い、嘘を見破る。 下手に誤魔化すと清姫はそれを嘘と認識して最悪火を噴く大蛇になるであろう、そうなってはこの家はおしまいである。 それだけはマスターは避けたかった。 令呪で危険行動を縛ることも可能であるが、それはマスターの心情に反することでなるべくなら使いたくは無かった。

「____……」

 

「はい? 何ですって?」

 

ならば、覚悟を決めるしかない。 嘘が駄目ならば、ここは正攻法、正直に全てをぶちまける______!

 

 

「___実は清姫はカルデアで世界を救うために自分のサーヴァントとして召喚された英霊で嘘を嫌う嘘つき焼き殺すガールなんだ!」

 

部屋の空気が凍る。 長い沈黙の後、言い切ったとなんだか吹っ切れた顔をしているマスターの肩にマスターの母はそっと手を置いて慈悲深い顔で微笑む。 もしかして上手いったかとマスターは顔を明るくするが。

 

「んなわけあるかー!! アンタ今何歳か言ってみろー!!」

 

「_____!?」

 

「せんぱーい!?」

 

「だんなさまー!?」

 

そのままマスターの母はマスターの腕を握るとそのまま思いっきり投げ飛ばした。 事前にマスターの父が開けていたベランダへと続く窓を抜けそのままマスターは花壇に頭から突っ込む。

 

「しまった、間に合わなかったか!」

 

と、慌てて玄関からダ・ヴィンチちゃんが家へと帰ってくる。 姿を見ないと思ったら、どこか遠出をしていたらしい。 彼女にしては珍しく慌てた表情である。

 

「カルデアから姿を見ないと連絡があったと思ったら……やっぱり自力でここに来てたのか……」

 

「あら、レオナルドさんのお知り合いだったの?」

 

「ええ、まぁ我々の仲間といいますか……とにかくカルデアの一員でして……」

 

天才ダ・ヴィンチちゃんが嘘にならないように細心の注意をはらいながら清姫の説明をしている間、清姫とマシュは花壇に埋まってしまったマスターの頭を必死に掘り返していた。 こういう時は仲の良い二人である。

 

 

 

 

「へぇ、清姫ちゃんもあっちでうちの息子とねー……父さんの血かしらねー……」

 

「か、母さんその話は後にしないか、な?」

 

「はい旦那様、お口を開けてくださいまし。 良く味が染みた卵です。 さぁ、さぁ……」

 

「むっ、先輩こちらのこちらの大根は良く味が染みて美味しいですよ!」

 

「______……」

 

その後無事にマスターが掘り返された後、とりあえずご飯が冷める前にと言うことで清姫も加えてテーブルで食事をしていた。 マスターに食べさせようと箸で格闘しているマシュと清姫に挟まれ、非常に気まずそうにしているマスター。 母と父の目線がすごく痛い。心に痛い。 因みに今日の夕飯はおでんであり、アツアツのおでんをマシュと清姫は食べさせようしているので凄く熱い。 両頬がものすごく熱い。

 

「まぁ、なんというかアグレッシブな子でして……」

 

「まぁはるばるここまで息子を追いかけてきた時点でそれは分かるというか……でも清姫ちゃん日本人よね? お家はどこなの?」

 

「紀伊国でございます、お義母様。 でも婚約の儀はこちらでも私は全然構いません!」

 

「なんか字が違う様な気がするのは私だけかしら。 あと婚約自体認めてませんから」

 

「紀伊……というと和歌山あたりか、それでも遠くだな。 しかし古めかしい言葉を使うんだね清姫さん」

 

「あぁそれは私自身が平安じだ」

 

「はい! 清姫さんこんにゃくです!」

 

「あちゅい!? 火を噴けるからってこれはあちゅい!?」

 

あつあつのこんにゃくを清姫の口に入れ込むマシュ。 危うく神秘が漏えいする所であった、嘘を嫌う清姫は自分の正体でさえも躊躇なく喋ってしまう。 下手をすればマスターの両親の記憶をいじらなければならない事態にもなりかねないので、マスター達三人は常に気が抜けない状況であった。

 

「旦那様ぁ、舌を火傷してしまったかもしれません。 見て頂けませんか?」

 

「_____」

 

「あちゅい!? たまごは! たまごは止めてください! あぁでも旦那様からあーんされてるみたいで幸せ!」

 

「あ、アグレッシブな子なんだね……」

 

色っぽく舌を出す清姫に無慈悲にたまごを入れ込むマスター。 とりあえずこれで清姫に喋る暇を与えないのが一番だとマスターは思ったらしい。 その後もマスターたちは清姫が要らない事を喋ろうとした瞬間、おでんを口に突っ込むことを繰り返し、無事夕飯は終了した。

 

 

「ひどいです……おかげでお腹は膨れましたが、おかげで本当に舌を火傷いたしました……」

 

「いえ、清姫さんが喋ってしまうこと自体がカルデアの機密事項に関わるので……」

 

「嘘を言ってないので、余計にひどいです……」

 

夕飯の後、マスターの両親が後片付けをしている間、マスターとマシュと清姫の三人はソファーに座ってテレビを見ていた。 ちょうど午後のニュースがやっており、テレビという物自体見たことが無い清姫は、興味津々であった。 なお当たり前のように二人とも隣に座るため、マスターは挟まれる状態になっており、非常に居辛い状況である。 _そして当たり前のように腕を組んで引っ張り合いをしているので肩が外れそう、痛い_

 

「しかし清姫さんはどうやってここまで?」

 

「先ほど言ったじゃありませんか、旦那様と一緒の飛行機に乗っていました」

 

「え、でもカルデアのプライベートジェットにはダ・ヴィンチちゃんと先輩と私以外の生体反応は……」

 

「いえ、乗ると言っても飛行機の上です」

 

「飛行機にしがみついていたのですか!?」

 

「ええ、旦那様の為ですもの。 しかしながら途中で横風のせいで振り落とされてしまって……下が海じゃなかったら危なかったです」

 

「いえ、下が海でも十分アウトな気がします」

 

清姫の凄まじいまでの愛のなせる業に若干引きながらも少しばかり尊敬するマシュ。 因みに頭にあった角も愛の力でどうにか隠しているらしい、愛、愛ってなんだ。

 

「それから、しばらく街を彷徨っていたのですが。 旦那様のお義父様が私を見つけてくださって……あぁまさにこれは運命……」

 

「凄まじい幸運力ですね。 確か清姫さんの幸運はEだったはずですが……」

 

「愛の力です!」

 

「便利ですね、愛。 ……先輩?」

 

ふと二人に挟まれているのに何も反応が無いマスターを不思議に思ったマシュがマスターに声をかけるが、返事も何もない。 何事かと思ってマスタの顔を覗いてみると、マスターはテレビで合っているニュースをただじっと見つめていた。

 

「先輩、そんなに真剣に何を……」

 

「______?」

 

マスターは清姫に、街中で何もしていないかと氷のように冷たい声で清姫に尋ねる。 その声に驚いた様に清姫はマスターを見つめるが、マスターは清姫を一瞥もせず、ただテレビのニュースを見ていた。

ニュースには、焼き焦げたアパートが映し出されていた。 犠牲者も多数出ており、ニュースではそのアパートはある悪質な詐欺業者が使っていたとされる部屋から出火していたことから、何者かが強い恨みを持って放火したのではとの見解が出されており、目撃者もいまだに出てきていなかった。

 

「先輩、これって……」

 

マシュが驚き、テレビを見つめる。 可能性は十分あった、他の英霊なら目の前の惨状が起ころうとも自制が利くものが多いが、清姫は嘘にだけは自制という物が利かなかった。 それは彼女を構成する部分であり、精神の根底にある部分。 彼女は嘘を許せないのだ、それが起こると本能に近い怒りで炎を吹き上げる。 それは「嘘」だけを焼却する炎、そこに良いも悪いも関係ないのだ。

もし、彼女が本当にこのテレビに映っている惨状を起こしたのだとしたらマスターはどうするのか。

決まっている。彼女を「敵」と判断する。 無辜の人々を傷つける「敵」だと判断し、躊躇しながらでも令呪を使い、自害をさせてでも彼女を英霊の座へと強制送還させる。

それは彼の冷酷な覚悟の一面であった、彼は敵には情をかけるが、容赦はしない。 人理を救う旅の様々な出会いで彼が磨かれてきた一つの覚悟であった。_因みにそんな日々暖かい彼の冷たい一面はどこかの女神と母には大うけらしい_

 

「いえ、違います。 この清姫、魂に懸けて旦那様のお手を煩わせることはしておりません」

 

だが、清姫も真直ぐマスターを見つめながらそれを否定する。 少しばかり声が震えているのは、信じてもらえるか分からない不安の表れであろうか。 しかしながら清姫の性質上、嘘をつくというのはあり得ない事で_____

 

「_____よ、よかったぁ……」

 

と、しばらくの静寂の後、体中の空気が抜ける様な溜息をつきながら、ソファーへと体深く預ける。 安心した様に笑う姿は何時もの通りのマスターであり、先ほどの冷たさ何て元からなかったみたいで、マシュもほっと安心する。

そもそも一線を越えたのなら冷酷に敵とみなすが、一線を越えていなければ生前どんな悪逆を行ったサーヴァントでも笑顔で受け入れ信じるし、一線を越えようする者がいるならば全力で阻止しようとするのがマスターであった。_そんなこちらが心配になるほどの深すぎる懐が特にアヴェンジャー系サーヴァントに受けている_

 

「_____」

 

「謝ることはありません、私も自分の性格は十分に把握していますので……疑われることは仕様がないのです。 でも良く疑いもせず信じてくださいました……これはやはり婚約するしかないのでふぁっ、ひゃっ……」

 

「むっ……」

 

何時もの調子に持っていこうとする清姫を遮るように、マスターの手が清姫の頬を柔らかく包む。 マスターの指が優しく清姫の頬を撫でるたびに清姫から熱い吐息が漏れ、興奮のあまり清姫の頭から小さく角が生えてきだしている。 綺麗な青い目は清姫をじっと見つめ、清姫は逸らすことも出来ず、そのまま長い時間が___

 

「せんぱいっ!」

 

「____っ!?」

 

「あぁ……もうちょっと……」

 

流れる前にマシュがマスターのふとともを抓って無理矢理中断させた。 マスターからしてみれば、清姫を疑ってしまったケジメというか、清姫が落ち込んでいたので元気を取り戻してもらおうとしてやった事なのだが、周りからしてみれば只のプレイボーイである。 これも何処かの女性経験豊富なサーヴァント達が旅をする中、マスターがそういったことに疎かったのをいいことにあれよこれよ要らぬことを仕込んだのが原因なのだが、やられる方は得しかしないので誰も突っ込まないでいた。

 

「へぇ、何だか知らないけどあんな乙女ゲーみたいなこと無意識でやったわよ。 なんだか昔の誰かさん思い出すわねー」

 

「勘弁してください……」

 

なんだかあくまのような笑顔で笑いかける母と、その笑顔を受けて顔をそらす父。 こちらもなんだか色々とあったらしいが、マスターの父があまり語りたがらないのでマスター一家最大の謎なのであった。

 

「あっ、そういや清姫君は明日で強制送還だから」

 

「え”っ」

 

「当たり前だろう? 正式の手続きもせずに来たんだから、解雇されないだけマシと思いたまえ」

 

とそうしているうちに、お風呂上りのモナリザ(ダ・ヴィンチちゃん)がワイシャツ一枚で髪をタオルで乾かしながらリビングに入ってきた。 その色っぽさに思わずマスターの父とその息子は見入ってしまうがどちらも人生のパートナーから思いっきり太ももを抓られる。 こういう所は父親似らしい。

 

「そんな、旦那様の実家でらぶらぶ新婚生活は……」

 

「そんなものはとりあえず君の性格をどうにかしてから言いたまえ。 あ、清姫君の寝室は私の部屋だからね、今夜は夜通しお説教だゾ☆」

 

「いーーーーやーーーーー!!」

 

清姫の絶叫があたりに響く、今夜はなんだか賑やかになりそうな予感をマスターの母は感じて、また娘が増えるのかなと一人面白そうに笑っていた。

 

 

 

 

 

 

「いただきます」

 

「いただきますだべ」

 

「いた殺だきま殺す殺」

 

翌日、穂群原学園の昼休み。 前日と同じくマスターと学友たちはお昼になるとやってくるマシュと机を合わせて昼食と取っていた。 いつも通り殺気がむんむんである。

結局清姫は一日中嫌がったが、マスターの父の言い訳に嘘を感じ取って火を噴こうとしてしまい、マスターからもお叱りを受けて渋々強制送還を受けいれた。 今はダ・ヴィンチちゃんと港で迎えの船待ちである。 マスターの護衛と冬木の調査のためにサーヴァントを何人か調査用の器材と共に船に積んでいるらしく、その入れ代わりでカルデアへと戻っていく手筈らしい。

 

「____?」

 

ちょっと可哀そうだったかな思いながら、マスターも自分のお弁当を食べようと鞄を探るが、どうもお弁当の感触がしない。 マスターから血の気が引く。

 

「____……」

 

「先輩、お弁当を忘れてしまったのですか?」

 

「あらまー、今行っても学食混んでるべー。 オラのほうれん草食べるけ?」

 

「マシュちゃんにあーんなんかするから、天罰が下ったんだろう」

 

「まったくもって同感である」

 

二人の学友を殴りたい気持ちを抑えながら、お弁当忘れたことで不機嫌になる母の顔を浮かべ、大きくため息をつくマスター。 こうなるとマスターの母の不機嫌は数日間続くのだ。

 

「せ、先輩。 でしたら私と半ぶんこなんてどうでしょう。 そのお箸は一人分しかないので、その……食べさせあいになってしまいますが」

 

「だれか割り箸持ってこーい!!」

 

そうはさせるかといたるところからマスターに向って投げられる無数の割り箸、アンミリテッド・チョップスティック・ワークスとでも言う様にあっと言う間にマスターの机にいくつもの割り箸が乗っていく。 おのれ、それほど人の幸せが憎いかとマスターがニヤニヤしている学友に宴会芸のように口と鼻に割り箸を突き刺そうとした時、教室のドアが開き一人の少女が入ってきた。

 

それはマシュを雪山に咲く白百合とするならば、その少女は風に舞う桜のよう。

一つ一つが上品な動きであり、学校に不似合いな着物姿がまたすれ違う人々の目を奪う。 パーフェクト、まさにパーフェクト。 正に可憐な日本美少女であった。

教室がしんと静まる。 少女は手に包みを持っており、誰かを探しているかのようであり。 教室の男子は無いとわかりつつも、もしかしたらと言う妄想が止まらない。

 

「あぁ、こんなところに居られたのですね!」

 

そして、その少女は誰かを見つけたように声を上げると、パタパタと小走りで駆け寄っていく。

もしかしたら止まらない男子たちがその足が自分に向ってくるのではと淡い期待を抱きながら、敗れていく。

 

「せ、せんぱ……」

 

そんなことに気付かず、箸を持って勝手に学友のおかずを食べていたマスターはなぜか顔を青くしているマシュに首をかしげる。

何故そんなに焦っているのか検討が付かないでいるとマスターにふわりと良い花の匂いが包んで来た。 良い匂いだと思っているのも一瞬、なんだかとても身に覚えのある匂いにマスターは何かを感づき、ゆっくりと後ろを向く。

そこにはいるはずのない____

 

「お義母様から頼まれて、お弁当を届けきました。 旦那様♡」

 

何かが破裂するかのように教室から殺意があふれ出し窓ガラスが砕け散った。

 

______マスターの明日はどっちだ。

 

 

 

 

 

「清姫ちゃんにお弁当渡したのだけど、大丈夫かしら」

 

「大丈夫さ、なんせ一人でここに来たんだから」

 

お昼が過ぎたころ、珍しく休みを取れたマスターの父は昼間っからマスターの母と、ソファーで抱きしめあいながら映画を見ていた。

 

「あら、宅配便かしら」

 

「あぁ、良いよそのままで、俺が出るよ」

 

すると、玄関から呼び鈴が鳴り、だれか家に来た事を知らせた。 妻の頭を撫でながら、玄関にへと向かうマスターの父。 はて、宅配便でも頼んだろうか、なんだか嫌な予感がするが気のせいだと言い聞かせながらドアを開ける。

 

「はい、どちら様でしょうか?」

 

「ハイ! えーっと_____君のお家デース? ここ?」

 

が、ドアを開けるとそこには宅急便ではなく、南国のお姉さんが立っていた。 ホットパンツに、シャツからは豊満な胸を覗かせており、向日葵を思い浮かぶような優しい太陽色の髪をしていた。

 

「あぁ、また息子の名前……」

 

「オーウ! 息子ってことは貴方あの子のお父さんネー!? んー! 初めまして!」

 

なんだか悪い予感が的中してしまった父に、目を輝かして抱き着く南国のお姉さん、ついでに両頬にキスをするのは正にドラマで見る様な挨拶であり_____

 

「あーなーたー?」

 

妻の嫉妬心を煽るには十分な行為であった。

 

 

_______マスターの父の明日はどっちだ。




マスター的には、プレイボーイ共から「女を怒らせた時にはこうするといい」と教えられる。 実践してみると旨く行くのでマスターは「こういうことをすれば女性から喜ばれるのか」と思う。 で、それを見てプレイボーイ共が面白がってさらに大胆な事を教えていく。
以下ループみたいな感じですね。 只ある女難のランサーとアーチャーから、滅多な事ではやるなときつく言われているので、滅多には見られません。 マスターの貴重な攻めシーン。


清姫襲来編! だが、日常に絡ませるには嘘がね……と言うことで、時々懲りずに出現するテケテケみたいな立ち位置にしました。

と、途中で挟んだ優しいだけではマスターはやってはいけないという話。 このような覚悟を持つことも様々なサーヴァントから気に入られる要素の一つだと思うのです、

次は、結構想像して人が多かったので、ぐだ子編! ぐだ男と違って喋ららせて行くつもりです。 レッツゴーベアー号!

感想誤字脱字いつもいつもありがとうございます。 とても励みになっています。 お礼にジャガイモをマッシュしたやつお送りしますね。

それでは楽しんで見ていただケルト大変うれしくです。
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