ダンジョンをとあるチート持ちが攻略するのは間違っているのだろうか   作:しろちゃん

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基本主人公視点


第3話 魔法

俺は目の前の光景に若干興奮していた。

 

「ファイアボルトォォォォ!!」

 

右腕を前に突き出し、叫びながら魔法の呪文を言う白髪の少年は勿論中二病等ではなく、その右腕から雷の様な炎を噴出させた。

 

『ギィャ!!』

 

目の前のゴブリンに着弾した魔法は爆炎を上げそのモンスターを消し炭に変える。

 

訂正しよう、俺は目の前の光景に凄く興奮していた。

 

「おお、スゲェ!もう一回、もう一回見せてくれよ!!」

 

「もう、しょうがないなぁ、もう一回だけだからね」

 

そう言いながらも満更ではない様子の白髪の少年は右手を前に突き出し「ファイアボルト!」と叫び魔法を放つ。

 

『グブォ!』

 

モンスターの焼けこげる匂いを嗅ぎながら隣にいる白髪の少年にパチパチパチっと称賛の拍手を送った。

 

「ふっふっふっ、それじゃあいったん帰ろうか?」

 

「オッケー、でもその前にちょっと待ってくんね?」

 

「ん?いいけど、どうしたの?」

 

俺はさっき見た白髪の少年の魔法を思い出しながら右手に集中した。

 

イメージは風を集める感じに、よしっ集まって来たな、次は鋭く、回転させて。

 

「え?何この風!?」

 

「えーと名前は・・・まぁ適当でいいか【ウィンドカッター】!」

 

叫びながら腕を前に突き出すと、俺の周りで渦巻いていた風が鋭い刃になって、ちょうどいいところに現れたコボルトの集団に突っ込んだ。

 

『『『『『『『ギィャァァァァァァ』』』』』』』

 

予想どうり風の刃はコボルトの集団を尽く全滅させる。

 

「・・・・・・」

 

「さっ早く帰んぞ」

 

と言い、俺こと黒鐘 色(くろがね しき)は唖然としている少年、ベル・クラネルの肩を叩いて歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

「む~」

 

「あの?ベル様?」

 

「む~」

 

「えっと、どうかなさったんですか?ベル様?」

 

「悪いね、朝からずっとこの調子で拗ねてんだよ」

 

「拗ねてない!」

 

「ハイハイ」

 

と言いながら俺は目の前の小柄な少女に肩を竦めた。

 

事の発端は昨日ヘスティアに言い渡された「今日はダンジョンに行くの禁止!」という言葉に従いベルは街に出掛け俺はヘスティアに文字を教えて貰っている日の夜に、ベルが行き成り《魔法》に目覚めたのが始まりだった。

 

外で何してきたし・・・

 

「《魔法》ってそんないきなり目覚めるもんなのか?」

 

「んー?どうなんだろう?やっぱり成長期だからじゃないかな?」

 

そう言いながらヘスティアは「あははは」とワザとらしく笑いながらベルに魔法について教えていた。

 

こっちがビックリするぐらいはしゃいでいるベルと指を立て魔法の推測を立てていくヘスティア、それを眺める俺という、気づけばいつもみたいな構図が完成していた。

 

「それじゃあ夜も遅いし今日はもう寝て明日その魔法を試してみようぜ」

 

そう言ったのは欠伸をしたヘスティアだ、俺達はその言葉にお互い顔を見合わせ

 

「「はい分かりました」」

 

と言い俺とベルは床に毛布を引き寝る事にした。

 

 

まぁ、結局お互い寝れず協会を飛び出し冒頭のようになったと言う事である。

 

「成程、そういう事でしたか・・・あっ自己紹介がまだでしたね、リリはリリルカ・アーデと言います。気軽にリリと呼んで下さい」

 

「おう、俺は黒鐘 色、色って呼んでくれても構わないぜ」

 

そう言いながら目の前の小柄な少女、リリと握手した。

 

 

 

 

 

「ねぇ色、さっきの事どう思う?」

 

リリと夜までダンジョンを回った帰り道、ベルは俺に言ってきた。

 

「さっきのって、リリが冒険者に絡まれていたことか?」

 

そういうとベルは首を縦に振った。

 

それはダンジョンに潜ってしばらくした時の事だ・・・

 

シュッ!

 

『ギッィ!』

 

『ギャッ!』

 

「おおー!色様お強い!本当に駆け出し冒険者なんですか?」

 

「はっはっはっ」と笑いながら持っていた小石をポケットにしまい、今度は右手に風を纏い目の前のモンスターを切り裂いた。

 

「ウィンドカッター!!」

 

『ギィヤァァ』

 

「ちょっと色!僕の分も残しといてよ!」

 

「悪いって、ほら、出てきたぞ」

 

指を刺すとそこには蝶々みたいなモンスターが出てきた、それに合わせてベルも腕を前に向ける。

 

「ファイヤボルト!」

 

モンスターがベルの魔法で焼け焦げるのを確認すると、俺達はしばらく休憩することにした。

 

「それにしても色様はどうしてそんなにお強いんですか?殆どのモンスターを小石を投げるだけで倒す冒険者なんて聞いた事ありませんよ?」

 

「うーん、悪い、企業秘密って事でいいか? ウチの主神に口止めされてるんだよな」

 

俺の《スキル》一方通行(アクセラレータ)については絶対に自分のファミリア以外には言ってはいけない様にヘスティアに言われていた、まぁ言われなくてもベラベラ喋る気はないが・・・

 

「それは残念ですね。あっ、深い詮索はしませんよ」

 

違うファミリアですので、と言いながらリリは自前に俺達が渡したおやつのじゃが丸君を口に運んび周囲を警戒しているベルの事をジッと見ていた。

 

「でもリリはいいのか?ベルみたいにモンスターを倒して【経験値(エクセリア)】を稼がなくて?」

 

さっきから疑問だった事を質問してみる。リリはダンジョンに入ってから一体もモンスターを倒さずひたすら魔石を取っているだけだった。

 

「リリはサポーターですからね、戦闘はベル様と色様に任せてドロップアイテムを集めるのがリリの仕事です」

 

「ふーん、そう言うもんなのか」

 

「そう言うもんなんです、そもそもサポーターの役割は・・・」

 

リリにサポーターについて説明を受けていると。

 

「やっと見つけたぜ!このチビ!」

 

一人の男が突然そう言うといきなりリリの胸倉を掴んで汚い罵倒を飛ばした、そのまま殴り掛かりそうな男の手を俺は慌てて掴んだ。

 

「おっさん、殴るのは良くないって!ストップ落ち着け」

 

「てめぇ何もんだ!このチビとつるんでんのか?」

 

そう言いつつも男はリリの胸倉を掴んだままこう言った。

 

「悪い事は言わねぇ、キッパリ手を切っとけ、こいつに騙される前にな!」

 

男がリリを掴んでいる手に力を籠める、「うぐっ」というリリの苦しそうな声が聞こえる。

 

騙される?何言ってんだこのおっさん?

 

「何してんの!?色!」

 

動けなくなっていた俺に向かってベルの鋭い声が突き刺さった。

 

「リリを放せぇ!」

 

ベルは男の体を蹴り強制的にリリを開放する、そして「逃げるよっ!」と言ってそのまま一時7階層を後にしたのだった・・・

 

 

「まぁ本人は「あんな人知りません、人違いでは無いでしょうか」って言ってたけど怪しすぎるよな」

 

隣に歩いているベルは俺の言葉に少し考えた後。

 

「色、僕はね・・・」

 

ベルの言葉を聞いた俺は・・・

 

 

 

 

 

 

「おはようございます!ベル様!色様!」

 

「おはよう、リリ」

 

「あっ・・・リリ、おはよう」

 

昨日の事が嘘だったかのようにリリはいたって普通だった、遅れて挨拶したベルは、多分リリの事を考えていたのだろう。

 

「今日は10階層まで行ってみませんか?」

 

ダンジョンに行く準備を進めていると不意にリリがそんな事を言ってきた。

 

「どうして、いきなりそんな・・・」

 

「ベル様、リリがお気付きにならないと思っていたのですか?ベル様や色様は簡単に10階層を踏破できる実力をお持ちになっているのでしょう?」

 

「・・・」

 

考え込むベルを見ながら俺も腕を組んだ。

 

実力、実力ねぇ・・・ダンジョンに潜り始めてから一週間も経っていない俺に実力なんて物は皆無だ、一方通行(アクセラレータ)が無ければコボルトともまともに渡り合えないんじゃないんだろうか?はたして、この《スキル》が10階層に通用するのかどうか・・・

 

俺が自分の実力について考えてたらどうやら10階層に行くことになったらしいくベルの「行こう、10階層」という言葉につられて足を進めた。

 

 

 

10階層に向かう途中俺はリリに

 

「よろしければこれを使ってみませんか?小石よりも威力が高くなりますよ」

 

と言われ小さな鉄の塊を大量に貰っている、ベルは《バゼラート》という武器を貰ったらしく、試し切りを目の前でしていた。

 

「なぁリリ、昨日の男の話なんだけどな?」

 

「何ですか?あの男は勘違いで襲ってきた見ず知らずの他人ですよ?」

 

言いながらフードで顔を隠すリリに向かって言葉を投げかける。

 

「まぁ言いたくないなら無理には聞かねぇよ、違うファミリアだし・・・なっ!」

 

シュッ!と試しに鉄の塊を制服のポケットから出し、投げるとモンスターは断末魔を上げ魔石だけになった、どうやら威力は小石よりも格段に上がっているらしい。

 

「でもいつでも言ってくれたら相談には乗るぜ、俺もベルも」

 

「・・・そうですか」

 

一言だけ残してそそくさと俺が倒したモンスターの魔石を取りに行ったリリを見送った俺は溜息をつきながらベルに次の階層の道を尋ねた。

 

 

 

「・・・あなた方みたいに強いお方にリリの気持なんか分かりませんよ」

 

その呟きは誰にも聞こえない・・・

 

 

 

 

「ここが10階層・・・」

 

目の前には霧が立ちふさがっていた、もしここではぐれたら俺は一生ここから出られないかもしれない。

 

「リリ、色、離れないでね」

 

「・・・はい」

 

「はいよ」

 

ベルが何度も声をかけながら進んでいくと開けた草原みたいな所に出られた。

 

周りを見ると枯れ木のような物が周囲を囲っていた。

 

「あれが『迷宮の武器庫(ランドフォーム)』か?ベル」

 

聞くとベルは静かに頷いた、その仕草を見て俺は周りを警戒する。

 

しばらく進むと木々を押し倒すようにソイツが現れた。

 

でっかい体に豚の頭、『迷宮の武器庫(ランドフォーム)』を引き抜いているそのモンスターは来る途中に話で聞いていた『オーク』は・・・こん棒のようになった『天然武器(ネイチャーウエポン)』を構えながらこちらに突進してきた。

 

『ブッグゥゥゥゥッ!!』

 

「来ましたよ、色様!」

 

「任せろ!」

 

言うな否や俺はポケットに突っ込み鉄の塊ではなく数粒の小石を掴んだ。

 

「これでどれぐらいの耐久力か試してやる・・・ぜっ!」

 

たかが小石と侮るなかれ、ベクトル操作により高められたその威力はまさしくショットガンだ。

 

しかし相手は10階層の大型モンスター、その程度(ショットガン)の攻撃は分厚い皮膚に拒まれて魔石まで届かなかった。

 

「やっぱダメか、後はよろしくなベル!」

 

「任せて!」

 

ベルは自身の白髪がブレる程のスピードで小石をくらって怯んでいる『オーク』に向かって行った。

 

「ぜぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

『プギョォォォォォ』

 

叫びながら突き刺した《バゼラート》は見事に『オーク』の魔石を破壊したらしく、その巨大な体を崩していく。

 

「やっぱここら辺じゃこれは使えないな」

 

そう言いながら小石をしまい代わりに鉄の塊を出して、それを勢いよく投げる。

 

『プゴッ!』

 

小石がショットガンならこの鉄の塊はライフルと言った所か、ブレることなく真っ直ぐに遠くに現れた『オーク』に向かった弾丸はものの見事に巨大な豚の頭を吹き飛ばした。

 

それを見て微妙な表情になったベルに俺は手を振り近づいて行く。

 

「何とかこの階層でもやれそうだな」

 

「うん、そうだね、色が僕より先にモンスターを倒さなければね」

 

どうやらまだ物を投げるだけでモンスターを倒している俺に納得がいってないらしいベルはジト目でそんなことを言ってきた。

 

「だってしょうがないじゃん、あんなデカいモンスターに近づきたくないし、リリもそう思うだろ?」

 

そう言いつつ後ろに居るだろうリリに声をかけるが返事が返ってこない。

 

「・・・リリ?」

 

「おい、あいつまさかはぐれたんじゃ!」

 

焦った俺達は周囲を警戒し、ある異変に気付いた。

 

「なんだ?これ?」

 

それは肉の塊だろうか?近づいてみてみるがやっぱりただの肉の塊だ。

 

「色!そこから離れて!」

 

ベルの声を聴いて俺は急いで離れようとしたがどうやら一歩遅かったらしい。

 

『プギャァァァァッ』

 

「嘘だろッ!?」

 

いつも間に眼前に迫っていたオークが俺に向けてこん棒を振り下ろしていた。

 

避けれねぇっ!?

 

咄嗟に腕をクロスさせガードを試みる、ベルの絶叫が聞こえ俺の腕にオークの一撃が炸裂し・・・

 

『プギョ!?』

 

「なぁーんちゃって☆」

 

オークの持っていた『天然武器(ネイチャーウエポン)』は反射によって粉々に砕けていた。

 

「お返しだぁッ!オラぁッ!」

 

『プゴッ!?』

 

オークの胴体めがけて鋭い蹴りを放つ、ベクトル操作により威力が増した蹴りはオークの体を上下に切断した。

 

「リリ、何言ってるの!?」

 

振り向くとどうやらリリと話していたらしいベルが追いかけようとしてオークの群れに向かおうとしていた。

 

「ベル!ここは俺に任せて、お前はリリの所に行ってやれ!」

 

「駄目だよ!色を置いて行くなんて!?」

 

「いいから行けっ!間に合わなくなるぞ!!」

 

「で、でも!」

 

たく、しょうがない、まだ迷っているベルの肩に俺は手を乗せる。

 

「あの子を救ってあげたい、昨日言ったお前の言葉は嘘なのか?」

 

「ッ!?・・・・・・行ってくる、でも色も無事でいてね?」

 

「当たり前だろ?こう見えて俺はまだ一撃も食らったことが無いんだぜ!」

 

「・・・うんそうだよね、よし!行ってきます!」

 

「応ッ!行ってこい」

 

駆け出したベルに向かってオーク達のこん棒が振り下ろされるが、それが当たる前に俺の鉄の礫(弾丸)がそいつらの頭を打ちぬき、跳躍、こっから先には行かせんとばかりにオークの群れの前に降り立った。

 

敵を改めて認識した十数匹のオークが俺に向かって天然武器(ネイチャーウエポン)を構える、それに立ち向かうように俺は鉄の塊を構えた。

 

「悪ィが、こっから先は一方通行だ。 侵入は禁止ってなァ!大人しく尻尾ォ巻きつつ泣いて、無様にもとの居場所へ引き返しやがれェェェ! 」

 

その叫びと同時に俺とオークの群れは激突した。

 

 

 

 

 

 

 

「という事があったんだよヘスティア」

 

「な、成程ね、劇的に【ステイタス】が上がっているのはそのためか、でもあまり危険なことはしないでおくれよ」

 

そう言いつつヘスティアは【ステイタス】を更新した紙を俺に渡してきた。

 

それを見ながら今日の結末を思い出す、まぁあれだ、簡単に言うと俺がオークを全滅させて、なんとか追いついた時にはベルとリリが抱き合ってリリが泣いていた。

 

何なんだろうな、ここは異世界だがそれでもこの言葉が相応しいのだろうか?

 

「リア充爆発しろ」

 

「えっ!?」

 

顔を綻ばせているベルに溜息をつきながら俺はその言葉を口にした。

 

 

 

 黒鐘 色

 

 Lv.1

 

 力:H153→F365

 

 耐久:I70→F380

 

 器用:E425→C670

 

 敏捷:E401→D550

 

 魔力:I0

 

 《魔法》

 

【】

 

《スキル》

 

一方通行(アクセラレータ)

 

・範囲内の向き(ベクトル)を自在に操れる

 

・自身のステイタスにより能力増大

 

 

幻想御手(レベルアッパー)

 

・レベルアップまでの最適化

 

・レベルアップ時の【ステイタス】のブースト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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