ダンジョンをとあるチート持ちが攻略するのは間違っているのだろうか 作:しろちゃん
「って言う事があったんですよ」
そう言いながら俺の担当アドバイザーになってくれた人、桃髪の女性ミィシャさんにこの前のリリの一件を説明した。
フルフルと俯きながら肩を震わすミィシャさんに俺はいつものように耳を塞いだ。
「ば、ば、ば」
「・・・ば?」
「馬鹿なのかなぁ!!!あなたはぁ!!!」
突然の絶叫に周りの冒険者たちは驚いたように揃ってこっちに振り向いた。
「ミィシャさん落ち着いて、ほら俺は五体満足ですから」
「そういう問題じゃないっ!!あなたは自分がどれだけ無茶してるか解ってんのぉ!?いいえ解って無いよねぇ!解ってないからこういう事が出来るんだよねぇ!!」
興奮しているミィシャさんに俺は「どうどう」とベルを宥めるみたいに手を出したら不意にその手を引っ張られた。
「えっ、ちょっ!?どこ行くんだよ!?」
「どこ行くんだよって!?そんなの防具も武器も持たずに10階層でオークと戦った馬鹿に私が色々買って上げに行くに決まってるじゃないっ!!解ったらちゃっちゃとついて来なさい!!」
「はいっ!?」
「全く、こんな事になるんだったらエイナに問題児についてのレクチャーを受けとくべきだったわ」
そう呟くミィシャさんに俺、
これは、デートなのだろうか?
俺はあれからミィシャさんに連れられてダンジョンの上にある
「あ、後、これとこれと、これも下さい」
大量の荷物を抱えた俺は「これは絶対にデートとは言わない」と思いながらも、ひたすら買い物かごに物を入れていく女性、ミィシャさんに声をかけた。
「仕事ほっぽり出して買い物してていいのか?」
「大丈夫大丈夫、エイナに書置き残したから何とかしてくれるよ」
それは大丈夫なのだろうか、絶対大丈夫ではないだろう、もう一回言う絶対大丈夫じゃない。
「そんな事より、ほらこれ着けてみて」
両手に持っている荷物・・・ミィシャさんがついでにと言い買った私物を下ろし渡された物、手首の方に小さな石が散りばめられた黒いガントレットを見つめた。
とりあえず着けてみる事に、しばらく手を開いたり閉じたりしているとミィシャさんから声をかけられた。
「それは
絶対に壊れないねぇ、試しにベクトルを操作し破壊を試みてみようか?
「まぁどうかな?って言っても一つ20万ヴァリスもするからね、もっと出世してから「買った」はぁ!?」
そういった俺はすぐに買う気で定員の前に進んだがまたミィシャさんに止められた。
「ちょっと待った!私が悪かったから他のにしよう?それはもっと上位のファミリアの人が買うものだから!」
「えー、やだー」
「子供みたいなこと言わない!大体そんな大金私持ってきてないよ!」
「大丈夫大丈夫、おーい!ヘスティア!」
さっきから俺の後からツインテールをピョコピョコ揺らして付いてくるロリ巨乳に向かって手を振った。
「うひゃっ!・・・えっと奇遇だねぇ色君!まさかこんなところで会うなんてぇ」
「何が奇遇だよ、後ろから覗いてるのバレバレだって」
「えっ!・・・いやボクはあれだよ?別に色君のデートを覗きに来たわけじゃなくてだね!?偶々、たまたま、バイト先に色君たちが来た訳であって・・・」
それ知ってるから、前にベルに聞いたから。
何故か慌てだしたヘスティアに向かって俺は手に持っていたガントレットを差し出した。
「とりあえずこれ買うから付けといて」
「・・・えっ?あっうん」
それを渡そうとしたら隣から静止の声がかかった。
「ちょっと待って、貴方は色君の所の【ファミリア】のヘスティア様でいいですか?」
「うん、そうだよボクがこの子の主神ヘスティアさ」
その言葉を聞いたミィシャさんは素早く俺の持っていたガントレットを取り上げヘスティアの前に突き出した。
「20万ですよ!20万!二つ合わせて40万!まだ一週間しかダンジョンに潜ってない色君が払えるわけないですよね!?」
「えっと・・・色君は今までお金をあまり使ってないんだ、だから備蓄は結構あるからそれぐらいは余裕で買えるよ」
ピシッ!という音がした気がした、そのままギギギギと擬音が聞こえてくるような仕草で此方に向いて来たミィシャさんの顔は引きつっていた。
「オークだけで40万を余裕で稼げる訳無いよね?ちょっと説明してもらっていいかな?」
あっヤバい、地雷踏んだ。
「・・・・を倒しました」
「え?よく聞こえない・もう一回いい?」
「『インファント・ドラゴン』を数体倒しました」
そう言うとすぐにミィシャさんの肩が震えだし2度目の絶叫が
「あー、酷い目にあった」
「仕方ないですよ、そのミィシャという方の気持ちはリリもよくわかります」
「ははは、それで色の持っているのが例のガントレット?」
場所はダンジョン前
「ふっふっふっこれでまた一つ強くなってしまった」
「いや、『インファント・ドラゴン』を一撃で沈めてケガ一つ負わないような人にいるんですか?それ」
「しかも買ったのがガントレットだけなんだよね?まぁ色のスキル的に問題ないと思うけど」
好きに言うがいい、俺は今ご機嫌なのだ。なんたって俺の
「それで?今日はどの階層までいくんだ?」
「えっと、今日は
「
首を掲げる俺にリリが「私が説明しますね」と言い指を立てて説明してきた。
「成程、モンハンみたいな感じか」
「もんはん? なんですかそれ?」
いや、なんでもない、と言いベルと一緒に説明を聞き終えた俺達はギルドに足を進める事にした。
ギルドに着いた俺達にベルは一枚の羊皮紙を突き出した。
「えーと何々? ブ、ブルー「ブルー・パピリオの翅ですね」そ、そうか、えーとそのブルー・パピリオってどんなモンスターなんだ?」
まだ字が読めない俺の代わりにリリが読んでくれたそのモンスターの特徴を聞き出す。
「えーと、ブルー・パピリオって言うのは上層にいる
「そうですね今のリリたちでは少々骨が折れるかもしれません」
ですが、リリは続ける。
「ご安心ください、ベル様、色様、リリに考えがあります。少し準備をして、それからダンジョンに向かいましょう」
自信満々の姿に俺達は顔を見合わせ、頷いた。おそらくお互いに思った事は一緒だろう。
本当この子頼りになる。
無事ブルー・パピリオの翅を入手した俺達はその帰り道に向かっている途中、少し前を進むベルに聞こえないようにリリに話しかけた。
「なぁリリ、最近ベルの様子おかしくないか?」
「それはリリが聞こうと思っていたのですが・・・」
困った顔を向けるリリに俺もそんな顔を向けた。
ここ2、3日ベルの様子がおかしい、フラッとどこに出掛けてクタクタで帰ってくるのだ。てっきりリリと二人で何かしているのかと思ったが、どうやら違ったらしい。
聞いてもはぐらかされるし、どうしたものか・・・
「すみませーん、こんにちはー」
様子がおかしい原因が、結局見当がつかないまま目的地【ミアハ・ファミリア】までやってきた。
「おーベル、早かったねー」
と言いながら奥から出てきたのは今回のクエストの依頼主、獣耳のお姉さんのナァーザさんだ。
ナァーザさんは「これが報酬の2ダースだよー」と言いながらドカッと木箱を机の上に置いた。
ポーションか・・・俺ダメージ食らったこと無いから飲んだこと無いんだよなぁ。今度試しに飲んでみようかなぁ、と思っていると、リリが何やら受け取ったポージョンを唐突に開け、それを口に含んだ。
何してんだアイツ?
「・・・ふふっこのポーションが500ヴァリスですか? ぼろい商売ですねぇ、いやはやうらやましい限りです」
そうしてリリによって明かされる衝撃の真実、どうやら目の前のナァーザという女はベルを騙していたみたいだ。
・・・・・成程
「さぁ、どうやって落とし前「おい」っえ?色様?」
俺は目の前のベルを騙した女に遠慮なく右腕を繰り出した。
「グッ!」
咄嗟に腕を交差してガードしたナァーザに向かってベクトル操作をして力を一点に集めた踵落としを無言で叩きこんだ。
「ガッ!」
床に叩きつけられたナァーザに向かて右足を上げ・・・寸での所でベルとリリに止められた。
「何してんだよ、色!」
「そうですよ色様!暴力は行けません!」
「はっなっせっ!こいつぶっ飛ばさなきゃ気が収まらねぇ!」
がぁっ! と吠える俺はベルとリリにヘスティアが来るまで拘束された・・・
そして今ミアハという主神とヘスティアの謝罪会のようなものが行われている。
「まぁ、過ぎた事はしょうがないからなぁ。もうこんなことが起こらない様にして、けじめをしっかり付けてくれよ。ミアハにはいつも助けられてるし、それでちゃらにしよう」
「うむ、約束しよう」
「・・・」
「それにしても、まさか色君がそこまで怒るとはねぇ」
そう言ってくるヘスティアに抗議の目を向けた。
俺が人生で最も嫌いな事は騙されることだ、嘘をつかれるのは別にいい、だけど騙されるのだけは昔から我慢出来なかった、しかもそれを
処罰が甘すぎるんじゃないんですかねぇ
「ほら、ナァーザ!謝りなさい」
そう言ってミアハはナァーザの背中を押した。ヘスティアの顔を見た後、ベル、リリ、最後に俺の顔を見つめて
「・・・ごめんなさい」
と小さく誤った。
「・・・チッ!」
「色君!?」
それから話が進み何故か【ミアハ・ファミリア】を助けるクエストをするらしい、
納得いかねぇ
「えっと・・・あの・・・」
何故か俺の隣を歩くいてくるナァーザは、さっきから言葉を掛けようとして、止まっての繰り返しである。
「・・・はぁ、ヘスティアが許すって言ったんだ、もう気にしてないから普通に話してきなよ、ナァーザ」
「う、うんありがとー、えっと、ぞれじゃあ質問、色ってLv.1だよね?」
不安そうに聞いてくるナァーガに「ああ、そうだぞ」って答える、どうにもこの世界はレベルが上がりにくいらしく、オラリオの大半がLv.1だそうで、今の俺は紛れもなくLv.1だ。
「それがどうした?」
「うん、実は私Lv.2なんだけど、さっきのやり取りで私に攻撃を加えた色の踵落としの威力が、完全に私の耐久力を上回ってたのは何でかなーって思って」
「あ、あー、あれな、えっとそれはだな」
ヤバい、どう答えよう、
今度は俺が言葉を掛けようとして、止まってを繰り返してると、遠くから「ほぁああああああああああああああ!!!」と言う叫び声が聞こえた。
その声に俺とナァーザは顔を見合わせ
「「ベル!」」
声の主に向けて走った。
モンハンだ・・・
最初そいつを見た時の感想はそれだった
「色はそっちから攻撃して!」
「任せろ!・・・ウィンドカッター!」
「ファイアボルトォ!」
爆炎と爆風が辺りを包み目の前にいた赤い恐竜みたいなモンスター『ブラットサウルス』は息絶えた。
「色!後ろ!」
ベルの言葉に立ち止まっていた俺は後ろを振り向き装備していたガントレットを振るった。
「ベクトルパンチ!」
『ギャォォ!!』
胸に穴を空けられ絶命する『ブラットサウルス』を見て警戒したのか、他の『ブラットサウルス』は足を止めている。
その隙に俺とベルは背中合わせになり、何処から攻撃が来てもいいように、ナイフと拳を構えた。
「あいつ等まだ卵を取り終えていないのか!?」
「・・・まだ見たいだね」
「いっそこのままヘスティアとリリを連れて逃げるか?」
「全く、まだナァーザさんの事怒ってるの?リリの事は何も言ってなかったのに?」
「アイツはベルを騙してた訳じゃないだろ?騙すってのはな、嘘で相手を傷つける事を言うんだ、リリはベルを傷付ける前に改心したからセーフなんだ・・・よっ!」
軽口を叩いていたら『ブラットサウルス』が攻めて来たので俺はカウンター気味に拳を叩きこんだ。
ベルも「屁理屈だなぁ」と言いながら持っていたナイフで敵に切りかかった。
しばらく2人でモンスターを倒しているとリリ達が卵を回収し終えたみたいで向こうの方から合図の音が聞こえた。
【ミアハ・ファミリア】の事件から数日、やはりベルの様子がおかしいと思った俺はリリと共に早く集合し色々話あっていた。
「それで、結局何も解らなかったんですか?」
「そうなんだよなぁ、朝早くからどっかに出かけてるって事は分かったんだけど、どこに行ってるのかさっぱりだ。」
そう言って肩を竦めて見せた俺にリリは顎に手を当て考え込んだ。
「やっぱりベル様の【ステイタス】に関係しているんじゃないですか?凄い上がっているんですよね?」
「そうなんだよ、『ブラットサウルス』と戦った時もそうなんだけど段違いだ。」
『ブラットサウルス』と戦っているベルは、まさしく初めて会ったベルの動きとはパワーもスピードも戦い方も別人のようになっていた、なんていうか洗練されてる?みたいな・・・素人目だが。
二人で考え込んでいると遠くの方から「おーい!」と言うベルのいつもの声が聞こえてきた。
「はぁ・・・まぁ考えても分からない事は分からんな」
「そうですね、いつかベル様が教えてくれるのを待ちましょうか」
そして集まった3人はダンジョンの奥に進んでいく、そこに待ち受ける過酷な試練も分からないまま・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ヘスティアは【ステイタス】の用紙を一言も喋らず凝視していた。
「・・・・・・・・・・・・・・うーん、やっぱりこの《スキル》のせいだよね」
言いながら2枚の【ステイタス】の紙を凝視する。
悔しいがベル君の【ステイタス】の伸びはヴァレン某との特訓と、【
でも、色君はどうしてこんなに【ステイタス】が伸びているのか?、『ブラットサウルス』の攻撃を受けても一切ダメージを負ってないのにどうして耐久値の上昇がおかしいのか?
「【
《スキル》によるダメージ無効なら、そのダメージは本来は0なのだから貯まる【
「【
もしこの仮説が正しいなら・・・この世界の理を騙してるよなぁ
溜息をつきながらヘスティアは眼下の紙に目を落とした。
黒鐘 色
Lv.1
力:D581
耐久:C691
器用:A852
敏捷:A816
魔力:I0
《魔法》
【】
《スキル》
【
・範囲内の
・自身のステイタスにより能力増大
【
・レベルアップまでの最適化
・レベルアップ時の【ステイタス】のブースト
大体【