ダンジョンをとあるチート持ちが攻略するのは間違っているのだろうか 作:しろちゃん
それは何でもない日常の1ページ。
『神々の叡智』と呼ばれる、世界中の様々な本が収納されていると噂の図書室で、一人の少女が一冊の本を抱えながらトテトテと走っていた。
「かみさまー、ご本よんでくださいー!!」
図書室の一角に備え付けられている『神々の叡智』の主の寝室に勢いよく入った少女は、中に居る神物に飛び付く。
「ゴフッ!?……き、君は相変わらず元気一杯だね。でも図書室では静かにしなきゃ駄目だぜ?」
「はーい!!」
元気よく大声で手を上げた少女に、嗜めた神様は困り顔で頭を傾け、髪に結わえている純黒と白銀の小さな鐘を鳴らした。
「全く、素直な所はあの子そっくりだし。話を聞かない所は彼そっくりだ」
そう言いながら少女の白髪を優しく撫でた神様は、青と黒の珍しいオッドアイをした幼げな瞳を懐かしそうに見詰める。
「むぅ、かみさまご本~」
「はいはい、昨日の続きを読めばいいんだろう?」
「はい!ありがとうございます!!」
そう言った二人は、何時もの様にベッドにゴロンと寝転がり。少女が持ってきた古ぼけた本を広げ、神様が朗読していく。
本の内容は、とあるファミリアが戦争をする話で、二転三転する話に少女は手に汗を握りながら聞き入っていた
「なんと【勇者】は迷宮の王、アステリオスを
「えぇ~、ずるい!!かみさま、ゆうしゃさんずるいです!!」
頬を膨らましてプンスカと怒る少女の頭を一撫でした神様は、ゆっくりと頁を捲る
「【勇者】は【英雄】に言いました。『このままではあまりにも一方的だ、だからルールを変えて上げよう』、そのルールとは………おや?」
「かみさま、これなんですか?」
頁を捲った時にハラリと落ちた羊皮紙を、少女は不思議そうに見詰めた。それを受け取った神様は少女に説明する
「これは、アステリオスと闘った時の【英雄】の【ステイタス】さ」
「すていたす?」
「そうだよ。懐かしいな、こんな所に挟んでたのか」
やっぱり分からないと首を捻る少女に、神様は続きを朗読する事にした。五分もすれば、少女は【ステイタス】の事など忘れ、古びた本の内容に聞き入るのであった
ベル・クラネル
Lv.3
力:SSSSSSS2019
耐久:SSSSSS1938
器用:SSSSSSS2103
敏捷:SSSSSSSSS2504
魔力:SSSSSS1800
幸運:G
耐異常:H
《魔法》
【ファイアボルト】
・速攻魔法
《スキル》
【
・早熟する。
・懸想(おもい)が続く限り効果持続。
・懸想(おもい)の丈(たけ)により効果向上。
【
・
「
アステリオスさんの咆哮を受け、咄嗟に両手に持った武器を構えながら混乱する僕に、フィンさんは言葉を続けた
「あぁそうだ。このまま四対一で君一人を倒したとしても、賛成派が納得しないだろう。だから――――」
観ているであろうオラリオの人達に見せつける様に、仰々しく両手を上げながら
「目の前に居るアステリオスを、【ヘスティア・ファミリア】の旗が奪われる前に、君が一騎討ちで打倒出来たのなら。君達の勝ちにして上げるよ」
「………………………」
これは――――見せしめだ
たぶん、僕達を助けようとしている
昔の僕なら思いも付かなかった作戦だけど、イシュタルさんの所と一緒に活動していて、こういう作戦がどれぐらい効果的なのか嫌と言うほど教えられている。
「この
まるで、挑発するかの様にフィンさんは――――フィン・ディムナは聞いてきた
正直、僕はまだアステリオスさんが
でも
「………………受けます」
これが現実なんだ
「その
戦うしかない
どんな理由であれ、この場にいる四人を相手にするより、アステリオスさん一人を相手にした方が遥かに勝率が高い。そう判断した僕は、漆黒のナイフと紅刀を腰の鞘に戻し、背中に差していた
「すみませんアステリオスさん。色の命は貴方の命よりも――――重い」
「――――」
僕の言葉に何も返さず、アステリオスさんは静かに
ヴェルフに作って貰った
「最後の確認です。貴方は本当にフィンさんに
「……………自分は」
僅かに、緊迫した時間が流れる中で、【ヘスティア・ファミリア】のエンブレムが刻まれた腕輪を外している漆黒の怪物はゆっくりと口を開き
「【ロキ・ファミリア】のアステリオスだ」
低い声音で、僕の導火線に火を着けた
「――――そうかよッ!!」
これで、僕は負けられなくなった
色を裏切ったコイツだけには負けられなくなった
色が守ろうとした全てを踏みにじったコイツだけには負けられなくなった!!!
「かかって来いよ
『ヴォオオオオオオオオオオオオッッ!!!』
――――僕はもう迷わない
怪物は喜びに震えた
ずっと見ていた『
今も忘れる事のない、あの情景に最高の形で届いたのだから。
(再戦を、ベル・クラネル。貴方ともう一度戦いたい!!)
『ヴォオオオオオオオオオオオオッッ!!!』
Lv.6でも怯ますほどの自分の『
しかし、その笑みと情景は
ゴォォォォォォン!!!
(消えッ!?)
白の少年が音を残して消えた。しかもそれだけではない、Lv.6の冒険者と互角に戦える程の
咄嗟に後ろに突き刺した白銀の
――――こっちを見ろよッ!!
死んでいた。この言葉を思い出さなかったら今の一合いで
ゴォォォォォォン!!!
焦燥する猛牛に次の攻撃が向けられた。狙いは右の脇腹、大剣を突き刺すように放ったベルを振り払う様に、アステリオスが
――――とんっ
驚く程の身軽さで、
その明確な殺意に、モンスターである本能が鎌首をもたげる
『ォ……ォオオオオオオオオオオオオオ!!!』
反射的に突き出したのは角だ。首に向かって来る袈裟斬りに、己の
(なに………が?)
「らァッ!!!!」
ボンッッ!!!!
少年の白光を纏った左拳が、猛牛の顔面に勢いよくめり込んだ。
数十
ベル・クラネルがやった事は単純であり複雑だ。
これは、【ステイタス】が上がるたびに精密になっていく色の反射の精度でも、反射返しが出来る様に努力し続けたけたベルの絶技。
鍛え上げられた人の技に歯を何本か持っていかれた怪物は、ようやく己の愚かな過ちに気づく。
(なにを慢心している)
漠然と、勝てると思っていた。深層で鍛え上げた肉体は暴走した黒鐘 色を一方的に押さえ付けられるほど強靭で、Lv.6の【ロキ・ファミリア】幹部でさえ引けを取らないもの。だからこそ、この勝負で勝ち、一勝一敗に持ち込み、次の戦いで器を更に昇華させた彼と決着を着けようと、そう思っていた。
(なんて………無様)
そんな考えでいるから、こんな情けない姿を最強の好敵手に晒しているのだ。
(殺す気………それでも、まだ甘い)
そう、殺す気でも甘すぎる。今のベル・クラネルと本気で闘うなら、それこそ"殺される気"でいかなければ瞬殺される
だからこそ、アステリオスは解き放った
己の全力を
背中に携えた、二つ目の
双斧の構え
『ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!』
白銀の斧が、光と音を纏いながら突っ込んできた白の少年を十字に引き裂く
引き裂いた筈だった
(なんだ、時間が………ッ!?)
――――戻った
アステリオスはそう感じただろう。しかし、この
それがどれほど高度な芸当なのか理解出来ないまま、アステリオスが斧を振り抜いた状態で、時間が再び動き出す。
『ヴォオオオオオオオオッッ!?』
隙だらけの脇腹に、通り抜けざま入れられる漆黒の一閃。
(くっ………)
少年の姿は見えず、残っているのは光粒と鐘の音のみ
それは、天井や壁を使った立体的な軌道で相手の死角から死角に跳び、捕捉されれば歩幅に緩急を付けた特殊な走法で、消えたように見せ掛ける技術。
ゴォォオオオオオオオオオン!!!
『オオオオオオオオオオオオオッッ!!!』
影すら掴めない兎の軌跡を猛牛は必死に追い掛ける。しかし振るった剛撃は当たらず、逆に手痛い反撃を三撃もらった
(なぜだ!?何故ここまで…………ッ)
ゴォォオオオオオオオオオオオオオオン!!!
『ヴゥンン!?』
咄嗟に仰け反って交わした黒閃は頬を掠め、血飛沫が舞う
ゴォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!
『ヴオッ!!』
切り裂いたのは幻影で、光蹴が
ゴォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!
高らかに
(何故ここまで差が開いている!?)
モンスターをおびき寄せるトラップアイテムを身体中に巻き付けながら、重圧魔法を受けた状態で、27階層に篭り続け。更に一定間隔で
(何故ここまで差が縮まらないッ!?)
アステリオスは気付くべきだった。
怪物を打倒するのは何時だって英雄なのだ。
"殺される気"で闘っていては怪物は英雄に勝利できない。
『ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッ!!!』
「シッ!!!」
武器を失った
両手と両足で絶え間なく行われる
【
『平賀 才人』
それは、魔法の使えない少女に召喚された使い魔の少年の物語。
色に初めて聞かされた異世界の話、その中でもベルのお気に入りのシーンは少年がたった一人で七万の軍勢と戦う所だ。
異世界の少年は、一本の剣でどれだけ絶望的な戦力差でも戦い続けた。
たった一人の少女を守るため、自分の想いを貫くために、自分一人に向けられる魔法を避けきり、降り注ぐ弓矢を切り払い、そして勝ったのだ。
――――自分の命を犠牲にして
『ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッ!!!』
「シッ!!!」
――――決めたんだ
ベルは異世界から来た黒の少年を、物語の少年と重ね合わせた。
――――君が自分一人を犠牲にして、大切な者全てを守ろうとするのなら
確かに、ベルにとっての
――――僕は君一人を守れるような
しかし、ベルが何時も見ていた
――――そんな英雄になってやる
ベル・クラネルの狂おしいほどの願望が背中を燃やす
大切な何かを、大切な誰かを、自分を犠牲にして守り抜こうとするお人好しを、守り抜けるような強さが欲しい。
ここで目の前の怪物を打ち倒して、
もう二度と、黒鐘 色を失いたくないッッ!!!!
「ああああああああああああああああああッ!!!」
――――一閃
――――二閃
――――三閃
頭を庇うように腕をクロスさせている巨躯が、白黒の閃光が煌めく度に夥しい紅血を吐き出す
兎の速さを際立たせている理由は、常識はずれの【
《
刀身200
強く、硬く――――そして、軽い
武器素材は37階層に現れる『
修業のために潜っていた黒の少年達とウダイオスの命懸けの戦いで、今まで闘技場に散らばり回収出来ないでいた大量のドロップアイテムや魔石は消滅したが、この大剣だけは最後に残り持ち帰って来た。
自分には扱えないからと、黒の少年はそのレア・ドロップアイテムを鍛冶師に渡し、膨大な魔力を送り込まれても傷一つ付かない柄の部分は『炎刀・虚空』に。
魔力が伝わりやすい刀の部分は、鍛冶師の重力魔剣の技術を流用して、第一等級武装にも引けを取らない大剣に生まれ変わる。
そして、ベルは二人の想いが宿った一等級の
大きくて、軽くて、硬くて、強い、まさに幻のような漆黒の大剣は、初めて扱う白の少年の掌にピッタリとフィットし、三人の想いに答えるように刀身を煌めかせた。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!!!」
電光石火の如く、無数の斬撃がアステリオスを削っていく
勢いは止まらず増すばかりで
すでに
しかし
『ここで、ベル・クラネルに負ける訳にはいかんのだッッ!!!!』
猛牛の想いが破裂した
「ッ!?」
踏み抜きからの蹴り上げ、巻き上がる無数の石に、高速で動き回っていた兎は堪らず後退する。ベルにダメージはない、それは黒鐘 色がよく使っていた戦法と酷似していたからだ。
だが、距離を開けてしまったのが不味かった。
覚悟を決めたアステリオスの瞳が、【
「ガレスッ!!!」
「後で説明してもらうぞ!!!――――――受けとれぇぇえええええええええええええ!!!!」
『ヴォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!!!』
投げ渡された
(――――なんだよ)
死線を潜り抜け、研ぎ澄まされた警鐘が鳴り響く。
再び構えられた武器は《黒幻》と同じ一等級武装、
しかし、警鐘の正体はその武器ではない。
(なんだよその目はッ!!!!)
それは何かを守ろうとする英雄の瞳だ。
怪物に似つかわしくない覚悟の瞳だ
よく見知った瞳を向けられたベルの頭が怒りで燃える。
「ヴェルフ!!!!」
「使えッ!!!ベルッ!!!」
気絶から回復した鍛冶師から投げ渡されたのは『勇剣・金剛』
あの瞳をした猛牛に、今まで通用していた技術は通らないと察したベルは
半ば叩きつける様な形で、黄金に輝く重力魔剣を《黒幻》に押し当てた
「あああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!」
『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!』
両腕を輝かせたベル・クラネル
血塗れのアステリオス
大質量を誇る二つの武器が、二人の英雄によって激突する
『すごいすごいっ!!!!両者一歩も引かずにお互いの武器を撃ち合わせているぅぅううううううううう!!!!!これはまさしく伝説に残る一戦だぁあああああああああああ!!!!!』
『……………』
『おっと、どうしましたミィシャさん?確かに
『あ、はいそうですね………本当に凄い』
戸惑いの言葉が天から落ちてくる。しかし、オラリオの冒険者達にはそんなものは聞こえていなかった。
「おい、やべぇぞ。なんだこの戦い」
「俺、今すぐダンジョンに行きたくなっちまった」
「熱いじゃねぇか。兎も……牛も」
「いけぇええええええええええええええ!!そこだぁああああああああああああああ!!!!」
「モルドうるせぇ!?」
「俺は牛を応援するぞ!!!!」
「ぶっ殺せぇ!!!アステリオス!!!!」
「勝ってくれ!!!!ベル・クラネル!!!!」
「お、おいお前ら!?」
「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」」」」」」」
二人の乱舞に魅せられた冒険者達からドッと歓声が巻き上がった。しかも、その応援の対象には人とモンスターの垣根など存在しないかの様に
「ヘルメス様………」
「あぁ、わかっているよアスフィ」
水色の髪の冒険者に声を掛けられた男神が、顔を隠すように帽子を押させながら上空を見上げ、とある冒険者に言われた言葉を思い出した
全てを賭けた何て言ってる割りには、うちの団長をえらく過小評価してくれるじゃねぇか
ベル・クラネルは俺が側にいるからどうのこうのなるようなちっちぇ男じゃねぇんだよ
「…………ッ」
人々の心を燃え上がらせる人間と
「くっそぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
『ヴォルァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!』
ゴォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!
二人の咆哮と
「『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!!!!!!!!!」』
袈裟斬り、大薙ぎ、斬り上げ、鍔迫り合い、逆袈裟斬り、突き、振り下ろし
兎は背中を燃やす《
牛は積み重ねた《
譲れないものを守るために戦う二人の英雄は己の
「ふっぐぅうう!!!!」
『グッッ!!!』
腕が軋み
「はぁッッ!!!」
『ヴァアアアア!!!』
身体が悲鳴を上げる
しかし
負けられないのだ
意地があるのだ
守るべき者があるのだ
「『お前にッッ!!勝ッッ!!!!」』
バキィィィィィン!!!!!!
金属音と共に仰け反ったのは――――兎だ
『フゥウウウウウウウウウウウ!!!!!』
牛は容赦なく隙だらけの胴体に斧を差し向け
「ファイアボルトォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」
緋色の炎雷が、止めの一撃を放とうとしている猛牛の鳩尾に放たれた
『魔法』を放った部位は脚
常識を越えた攻撃は【剣姫】や鴉でも反応出来ず、ありとあらゆる物を破壊する
『魔法』の効果を減殺させる
【ロキ・ファミリア】の
しかし
『フッ!!!!』
漆黒の猛牛には当たらない
それは、彼が最も警戒していた攻撃だからだ
それは、彼の命を消し去った攻撃だからだ
たとえ、【剣姫】や鴉が反応出来なくても
「――――――――がっっっ!!!」
『魔法』を避けるために屈んだ状態から、下からすくい上げるように
その衝撃で、白の少年の体が天高く舞い上がった。
――――夢を見ていた
「ベルくん、可愛いね」
「うわァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
初めて《スキル》が発現した日の夢だ
「なに騒いでんだ?」
「お、色くん見てくれ。ベルくんの《スキル》の名前、可愛いだろ?」
「神様ァ!?」
あの時の僕は、色に《スキル》の名前の事でバカにされると思っていた
「え~となになに………あ、アル………あるごのぅと?」
「英雄願望って読むんだよ」
「一々説明しなくていいですよ、神様!!」
―――――でも
「英雄ね――――――――格好いいじゃん」
「「えっ?」」
―――――違ったんだ
「分かってねぇなヘスティア、男はみんな英雄に憧れるもんだぜ?――――それにな」
―――――君は本当に
「ミノタウロスと一騎討ちで戦って勝ったお前は、間違いなく英雄だと俺は思う」
―――――最初に出会った時から
「ま、それでも願望があるってんなら」
―――――どこまでも、常識はずれで
「最強の英雄でも目指してみるか?」
――――どこまでも、僕の心を震わせる
一瞬だけ意識を落とした少年が覚醒する
(大丈夫だ、ヴェルフの
――――――よしっ!!
【
『
――――その物語は
妖術を扱う狐に重力を操る武人
伝説の鍛冶師や鬼の小人
怪物鴉と英雄兎
『ダンジョンをとあるチート持ちが攻略する』
―――きっと、何処までも続いて行くそんな物語
だから
―――――なろう
―――――最強の英雄に
――――あの
ゴォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッ!!!!!!!!
殻を破った白の英雄を祝うように、
「勝負だぁああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
『ヴゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!』
少年は吠え
怪物は答えた
考えずとも分かる、この一撃を避けてはダメだと
この一撃を真っ向から打ち破らなければダメだと
構えるは黒牛最大の
対するは白兎最強の
『魔法』の爆発力を利用した高速の立て回転で落ちてくる英雄の勢いは、回転速度が上がる度に空間を切り裂いた
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」
『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!』
天地が破れ
砕ける《黒幻》
「――――ッ!?」
そして
『ヴオッ!?』
斬り飛ばされた紅角
「『まだだッ!!!!」』
二人の戦いは止まらない、まだ終わってはいない
大剣が無くなったからなんだ!!!僕にはまだ
角が無くなったからどうした!!!自分にはまだ
ガァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!
破鐘の音が反響する
【
限界を破壊された背中の刻印が、灼熱に焦がされた。
その熱に押されるように、輝ける四肢で目の前の猛牛を打ち倒すべく、英雄は駆ける。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオおおおおおおおッ!!!!!」
同じタイミングで足元の石を砕いた猛牛は、
『ガァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!』
漆黒のナイフと紅刀を両手に構えたベル・クラネル
ドワーフから借り受けた大戦斧を片手に構えたアステリオス
両者は再び迷宮の一角で
激しい火花を散らさなかった
――――嘘だ
崩れ落ちる膝
――――嘘だ
落とされた大戦斧
「…………………嘘だ」
少年の物とは違う、終わりを次げる
VS【ロキ・ファミリア】
戦闘形式カテゴリー――――争奪戦
勝負結果
【ヘスティア・ファミリア】――――敗北
「――――ッッ!!!!」
兎の慟哭が
本当に大切な話は次回になります