あたしは魔法を愛さない。   作:殊羽

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1章2話

それから数日後、あたしとゆーすけと浩二君はイギリスの魔法使いに連れられて必要な教科書などを買いに魔法界まで来ていた。

イギリスの魔法使いがレンガを叩いた後、レンガが組変わり、ダイアゴン横丁が見えた。

「さて、必要なのは杖とローブと教科書だな。だがまずは金を金貨に変えなくてはならない。グリンゴッツの金庫に行くぞ」

あたし達は後ろをついて行きながら、並んでいるお店を見る。あぁ、来たのだ。来てしまったのだ。逃げられないのだ。

家族は祝福してくれた。冴えない5番目の子は実は素敵な才能を持っていたのね、と。

才能・・・・・か。姉たちはそれぞれ素晴らしい才能を持ち合わせているし、美人だから仕方がないのかもしれないが。

所詮はその程度なのだ、家族にとってのあたしなど。

 

 

グリンゴッツで日本円から変えた英国貨幣を金貨に変えてからローブのお店に行った。それは案外早くに終わった。教科書も必要なものを買えばいいだけだ。

「すせりは小説買わないの?本読むの好きでしょう。」

「小説も買うよ。それから、色んな事典とかね。」

「ええぇ!?すせり先輩英語読めるんっすか!?」

浩二くんがさもびっくりという様子で言うので、少し意地悪な返答を返した。

「貴方この数日間のうちに英会話と英語文法叩き込まれたのに読めないの?もう一回教えてもらう?」

そうなのだ。組み分け帽子に選ばれてからの数日間はひたすら英語を話せるように、読めるように、書けるようにと教えられた。あんなにスパルタだった授業はない。ALTの先生も苦笑いしていた。

「ぃいいい、いえ!!大丈夫っす!!問題ありません!!なのであの授業は受けたくないっす!!」

浩二君は思い出したのか首をブンブン振って拒否している、少しいじめすぎたかもしれない。あまりの怯え様なのでゆーすけとあたしは少し笑ってしまった。

最後のオリバンダーの店では杖を選ぶのに苦労した。

 

 

「ごめんくださーい・・・・・」

呼びかけてみても反応がない。でも店は開いていたはずだ。

ゆーすけがもう一回言うとオリバンダー老人は出てきた。

オリバンダー老人はあたし達の腕の寸法を図り、それから色々な杖を探してきてくれた。

ゆーすけと浩二君はあたしよりも早く終わったようだが、あたしはまだ見つかっていない。いざ触ろうとすると何故か店にあるものを壊してしまう。そこまで拒否しなくてもいいじゃないか。

「まだ見つからないの?随分と長いね」

「うるさい、自分は早く見つかったからって。」

「ま、まぁまぁ・・・・・ほら!新しい杖が来たみたいっすよ先輩!」

ゆーすけが奥を指さしながら言ったのであたしも奥を見る。

するとそこには神妙な面持ちをしながら杖の入っている箱を見つめているオリバンダー老人がいた。

「・・・・・あの、どうかなされたのですか?」

「え?あぁ・・・・・大丈夫ですよ。ほれ、この杖はどうかな?」

オリバンダー老人から渡された杖は先ほどの杖と違って触ろうとしても店に変化が訪れないし、持った途端自分の手に馴染む感覚がした。

「この杖、凄く持ちやすいです。気に入りました。」

「・・・・・なんということだ。私は以前これを持った人物を知っている。」

見たことがあるではなく聞いたことがある、ということは相当昔の人なのか。

「どなたですか?」

「ヘルガ・ハッフルパフ・・・・・ホグワーツの創始者の1人じゃ。私が家に残されていた記述を元に作ったものでな・・・・・あの英雄ハリー・ポッター殿でさえも受け付けなかった強力な杖じゃ・・・・・。お主がこれに選ばれたということはお主には・・・・・何か強い意志があるのか、それとも強い意志を求めているのか・・・・・」

オリバンダーさんは段々と敬語が外れていく。よっぽど驚いていらっしゃるようだ。

それにしても、ヘルガ・ハッフルパフの杖か・・・・・何故そこであたしが選ばれたグリフィンドール寮の創始者であるゴドリック・グリフィンドールの杖ではないのか。よくわからない。

そんな不思議な体験をした後も他にも色々なものを買って終わった。

 

 

ダイアゴン横丁で必要なものを一通り揃えてからの日々は卒業式などの行事ごとで忙しかった。

クラスメイトは組み分けが終わった後に記憶を消され、あたし達は表向きは海外留学ということになっている。

この事から魔法界と人間界は相容れない存在である、という事が分かった。

イギリスには飛行機で行くらしい。ロンドンに着いたらそこから列車だという。

その方がいいだろう、とのダンブルドアの配慮だ。

友人との別れとかそういうのを気にしてくれたのだろうか。

まぁ、友達は見送りに来てくれるそうだからここは感謝するべきなのだろう。

荷物の一部は姿現しでホグワーツまで送られる。まぁ、アレを列車の中にまで入れるつもりは無かったが。

飛行機に乗る前に友達と別れを惜しんだ。本当はこの子達と一緒に高校へと通う予定だったのだ。いつも一緒にいた、これからも一緒にいるはずだった友人の顔を見れないのは悲しい。その事を思うと泣きそうになったが、ゆーすけが頭を撫でてくれたお陰で持ちこたえた。

飛行機に乗ったあたしは疲れたのか暫くして寝てしまった。

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