あたしは魔法を愛さない。   作:殊羽

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1章5話

緊張で浩二君の顔の色が真っ青になってきた頃、ようやく新入生(ただしあたし達を除く)が入ってきた。

天井の景色に目を奪われている子、知り合いに手を振っている子、浩二君のように顔を真っ青にして震えている子、みんな新入生らしい初々しい反応だ(あたし達を除く)。

列の先頭が止まり、1年生が前を見るとそこにはマクゴナガル教授とその横に椅子においてある古びた帽子が見えた。あたし達が日本で被った組み分け帽子だ。おばあちゃんに聞いたところ、あの帽子は開心術を使って被った者の心の中を覗き、本質を見定めて寮に組み分けるそうだ。なるほど、ならばあたし達が魔法を使えるか否かも分かるだろうと思った。何故なら魔法の素質がある子供は無意識下で魔法を使うことがあるらしいからだ。多くは感情の暴発によるものだという。かく言うあたしにも心当たりはある。規制をされていたとしてもそういう無意識の行為は出てしまう。

考え込んでいると、どうやらグレンジャーさんの組み分けが終わったらしくこちらへと走ってきた。

「また会ったわね、貴方と同じ寮だなんて嬉しいわ!これからよろしくね!」

「えぇ、よろしくお願い致します。そちらの席にお掛けになられてはどうですか。」

「そうね、そうするわ!」

ちょっと興奮気味に返事をするグレンジャーさんを横目に、組み分け帽子の方を見るとロングボトム家のご子息がこちらへと来た。彼もどうやらグリフィンドールらしい。

「どうも、また会いましたねロングボトム家のご子息。」

「え、あ、うん・・・・・君もグリフィンドールなんだね。これからよろしく・・・・・それからロングボトムじゃなくて、その、えっと・・・・・ネビルって呼んで欲しいな」

ロングボトム家のご子息が凄くたどたどしい感じでそう要求してきた。

まぁ、そうか。これから同じ寮なのにずっとご子息呼ばわりされるのも嫌ではあるだろう。ならばお言葉に甘えて名前で呼ぶとする。

「では、ネビル。これからよろしくお願い致します。」

「あら、ならば私も名前で呼んで欲しいわ、いいでしょう?改めて言うけれど、私の名前はハーマイオニーよ。ハーミーでもいいわ。」

「まぁ、いいですけれど・・・・・ハーマイオニー、そろそろハリーの番ですよ。」

そう言うとハーマイオニーは勢いよく組み分け帽子の方を見た。そんなに『ハリー・ポッター』が気になるのか。

(彼は普通の男の子なのに)

ハリーの名前をマクゴナガル教授が呼んだことにより静まり返った大広間。先生方も固唾を飲んで見守っている。あたしはハリーに少しだけ手を振っておいた。ハリーも気づいたのか私の方を見て笑った。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

・・・・・

 

長い。

ハリー、貴方異様に長くありません?

 

 

組み分け帽子は被った本人の心に直接語りかけてくるため、本来あたし達に聞こえることは無いその声も、あまりに悩みすぎているためこちらにも聞こえそうな程である。

ハリーは何をそんなに悩んでいるのか。どこと迷われているのか。

多分、スリザリンとグリフィンドールだろう。あたし的にはハッフルパフがお勧めなのだが。

スリザリンでは上手い生き方を学べるだろうが冷たく息苦しい世界だろう。しかも闇の魔法使いを多く輩出している。勿論、闇の道に進まず真っ当に、かつ偉大な事を成し遂げた魔法使いもいるが。

グリフィンドールはすぐに友人は出来るだろうが浅く広くが関の山。そして勇気と言えば聞こえはいいが、本来は猪突猛進で考え無しなやつが集まる所。

だが、その点ハッフルパフは心配はいらない。ハッフルパフは優しく友達思いな生徒が集まる。闇の魔法使いは一番出していないし、誰かが道を踏み外そうとしていてもすぐに気づくし、また元に戻れる暖かさがある。それに、優しさだけでなく意思の強さも必要な寮だ。正直、劣等生の集まる所と言われているが、本当の優等生が集まる所はハッフルパフなのだ。

きっと、ハリーのコチコチに凍った心を完全に溶かしてくれる寮はハッフルパフだと思う。

どうやら組み分け帽子もそう思ったらしく、揺るがぬ意思を持って『ハッフルパフ!』と叫んだ。

(ハリー、どうか頑張って)

あたしは、新しく出来た友達にこっそりエールを送った。




作者はハッフルパフ贔屓です。
だってどう考えてもハッフルパフの方が平和じゃん?行動力あるかどうかはさて置き・・・・・。

因みに主人公のレイブンクローのイメージ
「レイブンクロー?勤勉な子達が集まる所で、合言葉もちょっと独特だよね・・・・・いや、どこの寮も独特なんだけど。でも、虐めが多いわ。いくら頭のいい子でも変な子だったりすると虐められちゃうし。逆に頭が良すぎても駄目とか有り得そうよね・・・・・。あたし的には一番入りたくない寮だわ。」
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