「む。なんだ貴様は」
モレリアは和斗を睨み付ける。
和斗は虚空に裂け目を出すと中から太刀を取り出すと正面に構えた。
モレリアとの距離は300m。
モレリアは嘲笑う。
「その距離で刀か?気でも狂ったか」
その言葉を言い終えた時に、モレリアは後ろに飛び退いた。そこには和斗が刀を振り下ろす姿だった。モレリアは魔法を使って海の上に浮かんで居るが、和斗は人間でありながら何故魔法が使えるのか…。
それは和斗の魅了チートによる恩恵だ。
世界が和斗に惚れて、和斗の都合の良い様に世界を創り変えるのだ。それだけで無く肉体チートにより和斗の身体は人間の限界を超えていた。モレリアは直感で攻撃を避けたが視認して避ける事は速すぎて不可能だ。
「貴様…何者だ」
故にモレリアは分かる。
和斗が強者であると。
「男子高校生だ。ちょっと強いだけの」
モレリアは答える気が無いとわかると光線を和斗に放った。当然避けられるが、足を縛ると今度は光線を曲げて和斗に浴びせた。
和斗は刀で光線を斬り払うと、刀を槍投げの様にモレリアに投げた。
モレリアは刀を空中に縛ると中級妖怪を50体虚空から召喚した。
和斗は新たな太刀を虚空から取り出すと中級妖怪を切り伏せる。そこにやっとレティアは参戦した。同じく切り伏せていると中級妖怪の1体が身体に爆弾を付けていた。和斗とレティアの近くで爆発するとその爆風に紛れてモレリアが光線を放った。
だが、それを読んでいたのか先程投げて縛られた刀が動き出し高速で回り出す。光線は散る様に無くなった。
「面白い!こんなに楽しい戦いは300年振りだ!」
モレリアは楽しかった。
自分が本気で戦っても勝てない相手との攻防は楽しかった。モレリアは身体に貯めてる魔力を全て出して戦おうと誓った。
モレリアは身体から数えきれない光線を出すと空中で縛る能力で空間を曲げて和斗に向かわせた。和斗は両手に刀を持って乱舞した。光線は次々と砕けて飛び散りその破片がモレリア自身にもダメージを与えた。
戦いは終わった。
そこには傷だらけの目玉と刀を両手に構えて無傷の和斗が居た。レティアは和斗により遠くに避難させられていた。
モレリアは掠れた声で言った。
「たの…しかった…また…戦いたかったけど…もうお迎えだな…和斗…最後にありがとう」
和斗は目玉に駆け寄り
手を翳して
目玉を回復させた。
モレリアは驚き怒りに満ちた声で言った。
「なっ!?何故助けた!」
モレリアにとっては、命懸けの勝負で命を助けられたのは酷くプライドを傷付けた。
すると、和斗は答えた。
「君が可愛い女の子だからさ。」
モレリアは器用に赤くした。
目玉が赤くなる光景だ。
「わ、私は、た、確かに雌だが…な、なぜ分かった!?私は…目玉なんだぞ…」
その表情は暗く、見た目にコンプレックスを持っている様だった。そんな目玉を優しく和斗包み込んだ。
「君は確かに目玉だが、それも含めて俺は君が可愛いと思えるよ…」
和斗は守備範囲が恐ろしく広いのだ。
「で、でも…私は…悪人とは言え…人を殺して居る…ボスに言われて沢山殺した…」
目玉は涙を浮かべた。
その表情は何処か絶望した様な表情だ。
「それは君の意思かい?」
「そ、そんな事!今日の事だって…母を人質に取られて…やらなきゃ殺すって…」
和斗は直径30㎝の目玉を抱き締めた。
「俺に付いて来ないか?君の母を必ず助ける」
和斗は囁く様に言うとモレリアは全身を震わせた。和斗を愛おしく想う。そんな気持ちがモレリアの全身を駆け巡る。
「ほ、本当か?私は…こんな見た目だし、変な力があって…こんな私でも助けてくれる?」
上目遣いで見つめるモレリアに応える様に和斗は見つめ返して、モレリアを撫でた。
「その代わり…君が欲しい…君の母を助けたら…俺のお嫁さんになってくれ」
モレリアは心酔していた。
ああ…これが恋なんだ…600年生きたけど…こんな気持ち初めてだ…和斗が愛おしい…。
「はい…私は…生涯…和斗だけの物になる」
2人は熱く抱き締め合った。
「和斗様!和斗様!愛してます!」
「レティア!愛してる!」
和斗は分身を作り、レティアをゲットしていた。その日船は揺れ続けた。
和斗は目玉だろうが口説きます。