この世界は多種多様な種族が生きている。
大まかな種族は人間族、獣人族、亜人族、魔族、魔獣族、精霊族、竜族の七種族である。
獣人族は猫、犬、兎の姿をしたものがいる。
亜人族はエルフ、ドワーフ、ハーピィの三種の事を言う。
魔族は悪魔、コボルト、ゴブリン、オークの三種の事を言う。
魔獣族は所謂モンスターの事を指す。
精霊族は火の精霊、水の精霊、土の精霊、風の精霊、雷の精霊の五種をまとめた事を言う。
竜族は数が少ないく、現存する竜族は火竜と水竜の二種である。
この世界では戦争が多く、数百、数千年と続くような戦争もあった。
人と人、人と魔のような戦争が大半であった。
このような戦争を止めるのは十二人の「勇者」と呼ばれる十二の神に愛され、
力を与えられる者がいた。
神より与えられし力を駆使して勇者たちは戦争を止めるのであった。
草木が生い茂り、小鳥は鳴き、人々の声が聞こえる。
そんな何処にでもあるような村である子供が絵本を声に出して読んでいた。
「ねぇおばあちゃん、勇者様は本当にいたの?」
子供は椅子に座り編み物をしている老人に聞いた。
「勇者様はおった。わしらがこんな風にのんびりと暮らせるのは勇者様のおかげじゃ」
老人はそう言うとありがたや、ありがたやと拝み始めた。
「ふ~ん、そうなだ」
つまらなそうに子供は違う絵本をみだした。
ある森の中で少年と少女が走っていた。
少年は中性的な容姿を持ち、髪は腰辺りまで伸びている。
初対面の者は皆少年を女と勘違いする。
一方少女の方は肩辺りまで伸びた銀髪に幼くも可愛い容姿もあり美少女だった。
「おーい、サーシャ!こっち、こっち」
少年は美しい黒髪をなびかせ少女を呼んだ。
「まってよ~そんなに奥まで行くと危ないよ」
少女はどんどん進んで行く少年に言った。
「大丈夫だって。心配症だな~サーシャは。」
「だって魔獣がでたらっておもうと…」
「だから大丈夫だって!魔獣なんてここ最近出てないし。それに今は父さんからもらったこの剣もあるし大丈夫!」
少年は剣を鞘から取り出しながら言う。
「分かったよ…」
と少女は不安を抱きながらしぶしぶといった感じで了承した。
「あと少しで綺麗な湖に出ると思うんだけど…」
少年は少女が通り易いように木の枝を剣で切り落としながら言うと
「もしかして迷ったの?」
と震えた声で少女は少年に聞いた。
「いや、ここであってる筈なんだけど…」
「……」
「……」
しばらく沈黙が続いた。
森の中を歩き続けると漸く少年が見つけた美しい湖についた。
「うわぁ…綺麗…」
少女は呟く。
「すごいだろ?」
「うん…ここに連れて来てくれてありがとう!」
少女は満面の笑みを浮かべ少年にお礼をする。
少年も満面の笑みで
「おう」
と嬉しそうに答えた。
二人は湖を見ながら他愛もないおしゃべりをしていると日が傾き始めた。
「そろそろ帰ろっか。遅くなると父さんに怒られるし」
と少年は立ち上がると獣が唸る声が聞こえた。
「キャッ!!」
少女は短く悲鳴を上げた。
「サーシャ、絶対に俺の近くから離れないでね!」
少年は剣を抜きいつでも戦える様にな構える。
(くそ、なんで出てくんだよ)