比企谷八幡は自転車に乗る   作:あるみかん

9 / 16
遅ればせながらあけましておめでとうございます。

新年早々風邪引いてました。年があけてはや9日、熱が38.5℃から下がりません。


比企谷八幡はとうとう自転車部を設立する

~用語解説~

 

 

・ビンディングシューズ

靴裏にペダルに固定できる金属がついたシューズ。ペダルを回す際に、踏み込みだけでなく引き上げの力も逃がさない為効率的なペダリングが可能となる。

アスファルトを歩くことは推奨しない(というか、非常に歩きづらい)。

 

 

・シッティング

座りこぎのこと。ママチャリなんかと違い、ロードバイクはサドルがかなり高いこともあり、座りこぎでも結構なスピードが出る。基本的には座ったまま漕ぐのだが。

 

 

・ダンシング

立ちこぎのこと。ここ一番の登坂やゴールスプリントなど、勝負どころでさらな加速するために使う。登坂で立ちこぎオンリーだと早々に脚が逝く為前述したシッティングと交互に使う。

 

 

 

 

------------------------------------------------------------------------------

 

 

 

結論から言おう。

部員募集のポスターの効果は非常に微妙だった。だって来たのが

 

 

「我が相棒よ!!面白そうなことをしているではないか!!この剣豪将軍が力になってやろうぞ!!」

 

 

↑こいつだもんなあ……。

篠崎は剣豪将軍という言葉に惹かれたのか割りとキラキラした目で材木座を見てるし。篠崎も厨二的なことが好きなのだろうか。このままでは厨二部とか黒歴史部とかになりかねない。それだけはなんとしても阻止しなくては。

 

 

「あー、材木座。俺たちが何をするかわかってるか?楽しいサイクリング部じゃねーぞ」

 

 

「はっはっは!無論よ!我とて弱○ペダルで予習は完璧である!!」

 

 

……弱○ダかよ。

 

 

「でも、これでとりあえず部として承認してもらえるよね」

 

 

 

 

------------------------------------------------------------------------------

 

 

 

 

「よし、オッケー。創部届けは俺から出しておこう」

 

 

とは松任谷先生。これで最低人数の確保と顧問の確保により総武高校自転車部は始動したのである。

一方で、未だ問題は山積みだ。

 

・部室……運動部の部室棟は空きが無いため別の場所を確保しなくてはならない。どうやら松任谷先生に考えがあるとのこと。

・自転車……材木座加入により自転車が足りない。ロードバイクは非常に高価でいち高校生がおいそれと買えるものではない。が、これについては篠崎に心当たりがあるらしい。

・部長……転校生の篠崎、新入部員の材木座というメンバーの為、必然的に部長、俺。……どうしてこうなった。

 

「あ、比企谷は明日、部長会議があるから授業後会議室にいくように」

 

……まじか。

 

 

 

そして翌日。

 

 

「それでは部長会議を始めます」

 

 

ほんわかした女の先輩が告げる。生徒会長だろうか。それにしても、どこかで見たことがあるようなないような。

 

 

「まず、新しく創部された部活が2つあります。部長さんは一言お願いします。えーと、比企谷君お願いします」

 

 

……え゛。

やべーよ、なにも考えてねえよ。さて、どうしたものか。

 

 

「えー、2-Fの比企谷でしゅ」

(噛んだ)

(噛んだな)

(噛んだわね)

 

 

「今年から自転車部を創部しました。練習は主に市街地等を走るか室内になります。グラウンドは使わないので、他の運動部に迷惑をかけることは少ないと思います。運動部の部室棟が埋まっているのでどこかの空き教室を使うことになるかと思います。よろしくお願いします」

 

 

一息に言い切る。

 

 

「ありがとうございます。では次に雪ノ下さん、お願いします」

 

 

「はい、2-Jの雪ノ下です。奉仕部を設立しました。特別棟の一番奥の教室で活動しています。よろしくお願いします」

 

 

確定。陽乃さんの妹、出なくても身内筋だろう。ていうか奉仕部?ボランティア部のようなものだろうか。男子高校生が奉仕部と聞いたら如何わしい妄想でもしてしまいそうなものだが。

 

 

 

 

恙無く会議は終わり、篠崎にLINEを送る。すると、特別棟にいるとのこと。何でも、松任谷先生が特別棟に集合だとか。

 

しばらく待つと松任谷先生がやって来た。俺たち3人を引き連れて向かった先は一番奥の教室。

……俺はこの教室に来たことがあるな。おまけにここがなに部かもしっている。

 

 

「松任谷先生、ここは……」

 

「ああ、奉仕部だ」

 

 

松任谷先生の考えはこうだ。

自転車部の3人は奉仕部と兼部してもらう。奉仕部の雪ノ下にも自転車部のマネージャーとして兼部してもらう(というか、雪ノ下一人のため本来なら未承認のはずだが、副部長に俺、部員に篠崎と材木座が加わっていた)。

平塚教諭がごねて我が儘を通したのかとも思ったがどうやら松任谷先生の発案らしい。

 

 

 

「失礼するよ」

 

 

ノックをし、返事があったことを確認し、入室する。

 

 

「どうされましたか?」

 

「雪ノ下さんだね。平塚先生から聞いていると思うが君に自転車部と兼部してもらう。もちろん、こちらの3人も奉仕部と兼部してもらう。」

 

 

 

かくして、自転車部と奉仕部の4名はそれぞれ兼部し、奉仕部兼自転車部として活動していくのである。

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。