看板娘のモンスター   作:ばたけ

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今回は過去編です。

最近鼻炎がひどい……。
ブタクサでしょうか?
いいえ、誰でも。
風邪ですかね……。


この長ったらしい回想に面白味を!

「モンスターを拾ったぁ!!??」

 

 

僕の店で、大声が響き渡った。

「騒ぐな、他のお客さんに迷惑だ」

「で、でも!!いほうだよ!ふつーに、あたりまえに、いほーだよ!!!」

頭をふるたびに、胸部につく脂肪の塊がぶるんぶるんと揺れる。

……震度は5強以上くらいだろうか。

 

「そんなことはわかってる。だからどうしたというんだよ」

「大問題だよ!問題外だよ!!もはや論外だよ!!!」

大声で髪を振り乱しながら絶叫するアホそうなこの女性は、まあ実際アホな子の女の子は、数少ない僕の友人の一人だ。

そして、この世界に共に来た、日本出身の医者志望の仲間(笑)だ。

 

 

 

 

僕と彼女は、元々同じ学校の生徒だった。

 

世界に存在する天才たちを集めた高校。

名前はもう忘れた。

希望云々とかいったしゃらくさい名前だった気がする。

 

 

彼女は医学で、僕は薬学。

優秀な生徒だったと思う。

 

 

そんなある日。

唐突にそれは起こった。

 

それはたった一つの実験ミスで、重大な一つの管理不足だった。

研究室(ラボ)で僕が一人で実験をしたとき、小さな火事が起こったのだ。

僕の管理ミスだった。

ガスの管に小さな穴が開いていた。そして、充満したガスに静電気の火花が散り、大爆発を起こした。

その際薬品が漏れ、毒ガスが発生。

その渦中にいた僕は、当然命を落とした。

全身やけどの上に毒ガス攻めだ。生きているはずがない。

 

だが、当然でない落命(こと)がその事件であった。

 

その事件では、本来僕以外の死人は出るはずではなかった。

しかし、彼女は己の命をなげうって、僕のことを助けようとしたらしい。

 

ただ近くに居たというただそれだけの理由で。

ほとんど顔も合わせたことのない、この僕を。

 

 

目も見えず、感触もなく。

全身が『痛み』を僕に伝えてくる。

だが、意識は落ちなかった。

それは僕が僕であるゆえんだけれども。

 

そんな中、一言、声が聞こえた。

 

僕の名を、呼んでいた。

 

呼んでいて、くれた。

 

 

 

 

涙が出そうなくらい、うれしかった……。

 

一人で死ぬのかと思った。このまま消えるのかと思った。

亡くなるのかと思った。終わるのかと思った。

屍になって、生を抜かれた物体となって。

これまで死ぬほど見てきた、死体になるのかと思った。

 

その通りだった。

そのまま消えた。亡くなった。終わったし屍になった。

死体になった。

でも。

最後まで、一人じゃあなかった。

 

孤独であることは決して悲しいことじゃない。

それは僕の中で一貫通った意見の一つだ。

大量の一貫に貫かれてハリセンボンみたいになっている僕だけれど。

それでも、死亡は絶望だった。

 

その結果、彼女まで死なせてしまった、殺してしまったというのはやるせないものがある。

最後まで僕は、人を殺すんだなあ。

そんなことを思考しながら死んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなた、転生してみる気はない?」

 




まだ少しだけ、回想が続きます。
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