幼馴染がママチャリでハイウェイを駆け抜けていたら、いつものオッサンに捕まった。 作:Vergil
5.ミッドチルダ最速の男
現在俺はジェットババァとハイウェイでデッドヒートを繰り広げている。まさか、突き放されるとは思ってもみなかった。だがな、コレで終わりじゃねよジェットババァ! 今は突き放すだけ離してみやがれってんだ!覚悟しておけよ、マジになった俺は速いぞ!!
此処はキツイ勾配のコーナリングだな。普通の奴がチャリに乗っていたらスピードが落ちるかもしれんが、今ママチャリをこいでいるのはこの俺だ!! ママチャリ最速の俺だ!!
「Ha-Ha!!」
「イェーーイ!! ヤーハー!!」
コーナーのインを出来るだけ詰めて最短距離でコーナーを駆け抜ける。コーナーの立ち上がりでも速度は全く減速せず、どちらかというとコーナーに入った時よりも速度が上がっている。
更に速度が上がって行く。
見せてやるぜ!! この俺のドラテクッて奴をな!!
「フォッフォ。なかなかやるのぉ~まさか、追い上げてくるとはのぉ~」
「これは、楽しみじゃの……追い抜けるものなら、追い抜いてみんさい」
満面の笑みを浮かべる本名不明のジェットババァ。ジェットババァはドンドン差を縮められているのを知っていながらも、笑みを崩さない。早く追いついて来いと言わんばかりの笑みをしている。
まさに、余裕の表情であった。
その表情を見た彼の脳内で何かがプッツンとキレた。
「ファックジェットババァ!! ふざけやがって、何が楽しみじゃだと。そんな余裕の笑みを今から完全にぶち壊してやるぜ!! 唸れ、俺のりょうあしぃぃぃぃぃぃぃいい!!!!!」
その瞬間、彼の周囲に衝撃波が発生した後にまるで何かが爆発したような爆音も鳴り響いた。彼は一瞬にして音速の壁をぶち破り、ソニックムーブを発生させた。そのせいで、運悪く彼を中心に半径10m以内にいた車が吹っ飛び、他の車にぶつかる。それがドミノ倒しのように連鎖が広がり彼の後ろでは渋滞になってしまった。
全く迷惑でしかない。
だが、何時もこのハイウェイを使っている人達にとっては『ああ、またアイツか。また、おやっさんに掴まるぞ』っという顔をしていた。
もう、ここ等辺に住む人達にとっては日常茶飯事の事であった。
その分、ここ等辺の地域だけは犯罪数が異常に多い。まぁ、その殆どがほんの一部の人間による犯行である。誰かは言わずと知れている。
そのおかげで、とある勤務しているおやっさんの臨時出勤OR休日出勤が増え、休みがどんどん減り続けている。更に逮捕するたびに報告書を上に提出をしなければならない為、仕事量が増え一日でやらなければならない量が倍に増えている。
現在では月に一回に休日があれば良いぐらいになっている。
故におやっさんの意はストレスでマッハ。胃潰瘍とかで使う腹痛を止める薬ですら全く効果が見られないから、一番強い薬を貰っている。そんな薬は一日に一回で十分の所なんだが、おやっさんの場合は毎食後飲むようにしている。
そんな事をすれば、副作用で大変な事になるのだがおやっさんの場合は違った。
副作用なんてものは一切起こっていない。
今回も彼がやらかしているから……
当然の事だが……
「はっ?!」
おやっさんの臨時出勤が決まった。現在、ミッドチルダで彼をまともに逮捕出来るのは彼しか居らず、彼が何かをやらかすと常におやっさんの元に報告が行くようになっている。もう休日だろうが関係なしに。
『何時もの事だが、アイツがまた”走っている”』
「おいおいマジで、シャレになってねぇ。二日前に捕まえたばっかりだぞ。しかも、あの時は高町の嬢ちゃんを呼んだから、少しは期間は空くはずだぞ」
『冗談じゃないし、現在シャレにならない事が起こっている』
「どういう事だ?」
『新しい奴も居る。しかも、同等クラスのぶっ飛んだ人物』
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!! アイツ一人で相当なのに、同等クラスがもう一人とかマジで死ねるんですけどぉォォォ!!!」
おやっさんが完璧にキレた。その様はまるで般若の如く、それを見ていた上司はこの世の終わりの様な表情をしていた。上司はビビりながらも次の言葉を発した。
『すまないが、お前しか止めそうしかないから頼む』
「折角の二ヶ月と二週間ぶりの休みがぁぁぁぁぁ!!!!!」
おやっさんは涙を流しながら、部屋を出て行った。モニターに映っているおやっさんの上司は、気の毒そうな表情をしていた。そんな顔をするんだったら、俺に出勤させるなっておやっさんは言うだろう、確実に。
この瞬間、ミッドチルダ最速の男が君臨した。
丁度その頃機動六課では……
「なんか、翔君がまたやらかしているような気がする」
デスクに膝を付けてその掌に顎を乗せて、困り顔をしている。
こういう時の予感って、十中八九的中する。多分今から2時間から3時間後位に何時もの人から連絡が来そうな気がする……ううん、絶対に来る。
一気に憂鬱になる。
そんな高町なのはの横顔を見ながら……
「ハァハァ! なのはさんの、ハァハァ! 横顔!! ティア後お願い、トイレでヤッテ来る!!」
「スバル、後は私に任せなさい!! 百回連続機能の写メで撮っているし、録画もしているわよ。後でそっちの端末に送るから、思う存分やってきなさい! パンツも何とかして脱ぎたてを盗んでくるから」
「ありがとうティア!!」
「ちょ! ティアにスバル!!」
『あああああ!! なのはさんに名前を呼ばれた!! イックゥゥゥゥウウ!!!!!』
恍惚な表情で涎を垂らしている部下もとい変態二名。
「なのは……」
「フェイトちゃん……」
「なのは…………」
「フェイトちゃん…………」
「なのはぁぁぁぁぁあぁぁぁぁああ!!」
「お願いだからそれ以上近づかないでぇぇぇぇええぇぇぇえ!! 後、それ私のパンツゥゥゥウウ!!」
私のイチゴパンツを被った変態(フェイトちゃん)がソニックフォームで全力で追いかけてくる。
私に安らぎは無いのぉぉぉぉおお!!
「スバル! なのはさんのパンツよ! 何としても手に入れるわよ!!」
「ティア! もうトイレに行っている時じゃないね!!」
『何としてもなのはさんのパンツを!!!!!』
両目を見開いてフェイトとなのはの後ろを追いかける変態の部下二名。
「今日も平和やな~」
「はやて、速く止めないと後後面倒事になるぞ。特になのはが……」
そんな事を言っているヴィータだが、彼女もはやてと同じように目の前で起こっている出来事をお茶を啜りながら眺めていた。
どうしてこうなった?!