俺は『簡易機動型 丁』 作:飯妃旅立
しかも短い
※今回オリジナル要素が出てきます。
最近ずっと追われている。
何にって、ハメルンPTの安全保障局と咎人に。
むしろ好待遇で労ってもらいたいね。
さて、俺はいまとある作戦に参加している。
転移装置君そのものに割り込みをさせてもらっているのでログなんかは残らないし、出撃するアブダクター達全機が俺と友達(?)であるので戦闘中映像も残らない素敵仕様。
咎人とアクセサリにだけ記録される、まるで幽霊のような簡易起動型丁の出来上がりである。
シトシト、ではなくざぁざぁと降り注ぐ雨。
放置市街区域3と呼ばれるここで今から行われるのは、シ3-6号作戦:目標排除。
要はいつも通りの防衛戦なのだが、違う事が1つある。
「
『ノクィート。その問いは無意味かと思われます』
「YESなら1回、NOなら2回その赤いトコを光らせてくれ」
ぺか。
「おお、ほら見ろ。通じたぞ」
『情報修正中……』
こいつらである。
主人公様こと、ノクィート・”ポー”・ネィパ。そしてそのアクセサリ。
仲間を連れる事なく付いてきた主人公様とそのアクセサリは、俺を見つけるなり眼を輝かせて近づいてきた。コイツにも俺の捜索任務が課されているはずなので逃げようとしたのだが、その手に或る武器はSR。 逃げられる気がしない。
「あ、これ持ってるから信用されてないのか。いや、お前を傷付ける気はないんだ。ただ、お礼を言いたくて」
主人公様はその見た目の愛らしさとは裏腹に男勝りな口調で話す。
あぁ、うん。 正に俺のキャラメイキングのままだよ……。実際にこうしてまみえると、すんごい感慨深い。
そして主人公様は、俺にお礼を言いたいと言う。
「お前さ、助けてくれただろ? 深部セルガーデンで。そのお礼が言いたかったんだ」
『ノクィート。現時点までの会話ログを削除しました』
「あぁ、サンキュ」
ぺか、とコア部分を光らせる。
しかし、なんだ。アクセサリと物凄く仲良くなってんじゃん。流石主人公!!
そしてお礼を言われて嬉しい。素直に嬉しい。
それこそ俺の現状って天獄アブダクターからPT守ったのに追われているって状況だったから、労いの言葉とか感謝の言葉とかがグッサグサ刺さる。
よーし、おいちゃん頑張っちゃうぞー。
『ノクィート。まもなく来ます』
「お、来たか。確かアンタ、アブダクターを操れるんだっけ? 損害ゼロで行こうぜ」
ぺかー!
「おい、あれ……!」
「あぁ、簡易機動型 丁だな。 高い所から見下しやがって……撃ち落してやる!」
アガルタPTの咎人達は戦々恐々としていた。
簡易機動型 丁。 高情報位階権限のボランティアにも型式で言えば同じものが出現するらしいが、歴戦の咎人達であるならばたとえどれほどウザかろうとも敵にはなり得ない。
だが、コイツは違うのだ。 色が、ではない。 黒い簡易機動型なんて呼ばれてはいるが、高位階に行けばいくほど金属部分は黒くなるのでコイツそのものを現す言葉としては正しくない。
コイツは他アブダクターを指揮し、統率する。 フラッシュGやフラグGを無効化し、銃撃を避ける。 明らかに意思があるのだ。
コイツを御するハメルンPT以外は、かの”原初の三機”である
「クソッ、あたんねぇ!」
「……なんでハメルンPTは第3情報位階のボランティアなんかにコイツを投入するんだよ……ッ! もっと上の奴らに当てろよッ!」
雨天。 雷鳴も響いているこのジオフロントはいつにもまして視界が悪く、倍率の高くないSRではブルーレジーを狙い落とす事は不可能に近かった。
咎人の周囲には段々と簡易近接型や簡易狙撃型が集まり始めている。 これ以上ブルーレジーに構ってはいられない。
「いくぞ! 砲撃四脚を排除すればボランティアは終了だッ! 余計な事を考えるなよ!」
「わーってるよ!」
アガルタPTの咎人達はかなり遠い場所にいる砲撃四脚に向かって駆け出し、
「ガッ!?」
「グギャッ!」
四人の内の二人が、崩れ落ちた。
「狙撃ッ!? 簡易狙撃型の弾速じゃねぇッ!」
「上だッ! ビルの側面に咎人が貼り付いてやがるッ!」
『友軍、会敵しました。 援護を、』
何とも反応の遅いアクセサリがその文言を言い終わる前に、空から降ってきた砲弾によってその身を吹き飛ばされる。 まさかもう来たのかとマップを見るも、砲撃四脚は変わらず遠方にいるまま。
つまり、弾道を計算して上方に放たれた砲弾がアクセサリを直撃したのだ。
「身を隠せ! 遮蔽物を探せ! 砲撃は弾速が遅いから、ギリギリまで引き付けりゃ回避できるはずだ!」
「嘘だろ!? この距離から撃ってきたってのかよ……!」
『――了解、殲滅します』
「が、ぐ、ァァアアッ!?」
比較的近くにいる咎人、見えない砲撃四脚の脅威に機を伺っていたからだろう。 アクセサリや仲間達を助ける余裕が少しでも彼らにあれば、気付けたかもしれない。
だが、気付かなかった。
すぐそばまで迫っていた、ヒュウガMk2を持った敵アクセサリの存在に。
高威力の螺旋の一撃がアガルタPTの咎人1人を刺し貫く。
アクセサリは安全保障局から配給された物であり、弾薬は随時転送されてくる。 故に咎人と違って携行弾数が無限で、機械ゆえに命中精度も高い。 よって普通は銃火器を持たせるものだ。
だから意表を突かれた。
だから、隙を晒してしまった。
アクセサリ一体ならば勝てると、TB-32Hを振りかぶり――、
「ッテぇ!?」
突進してきた簡易装甲型にその身を吹き飛ばされ、背後にゆらりと近づいていた簡易近接型に切り刻まれ、簡易輸送型の光線と簡易狙撃型の狙撃に滅多打ちにされた挙句、簡易機動型の突撃によってライフを削り取られるのだった。
どこに復帰してもすぐさまHSと砲撃の嵐が降り注ぎ、少ない遮蔽物に身を隠そうとするとアクセサリによって貫かれる。
恐ろしい程の連携だった。
戦場を俯瞰し、アブダクターを操っているのだろう
今日この日。
この3存在に、アガルタPTは圧倒的敗北を経験したのだった。
「いや、戦いやすいわ。 上には通報しないでおくから、またよろしくなー」
ぺか!
『ノクィート。現時点までにおける簡易機動型 丁、呼称名
「ん、自然な感じに消してくれ」
『了解』
いやー、すごいわ。
一発の撃ち漏らしなく、全弾
遠く離れていても淀みなく主人公様の命令を遂行するアクセサリ。
こりゃすぐに第8情報位階まで登って行くだろうな。
うん、俺も鼻が高い。
また、一緒に戦おうな!
「! ……あぁ、またな!」
およ、伝わった?
……あれか、戦友同士のアイコンタクト的な。
いや、いいね! そういうの嬉しいよ! 人とのかかわりに餓えていたんだ……アクセサリの方もよろしくな!
『……』
こっちは流石に伝わらないかー!
freedom wars 2の噂が聞こえてくる中、ブルーなんていう絶対に使われそうなものを選ぶ勇気!!