とある最強の復活計画   作:mad pierrot

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お久しぶりです。
今回はPCから投稿しております。
何というか…根気のいる作業ですね、原作読みながら書くのって。


第四話 一旦の、終り

[05]

 

 

「ったく、それにしてもふざけた話よね。アンタも迷惑だったかもしんないけどさ、こっちもこっちで大迷惑だっつの」

 

 コツコツと、麦野の足音が聞こえる。こちらに回り込まれたらおしまいだ。

 冷静に、冷静に、浜面は自分を落ち着けようとする。

 

「しかしまあ、垣根帝督よりはマシなのかな。あの第二位、私より散々な状態で回収されたらしくてね。()()()()()()()()()()()()()()()、回収されてちょっとは、ネバネバした液体の入った容器に三つに分かれた脳をそれぞれ収めたり、つぶれた内臓一つを補うためだけに冷蔵庫よりもデカい機械を腹の横に直接取り付けられたり、そんな状態だったとさ。もうほとんど超能力を吐き出すためだけの塊だったらしい。繰り返すけど、今はどんな状態かは知んねえけど」

 

 そして。

 漸く浜面は、覚悟を決めた。

 

「そうまでして統括理事長は私たちを再利用したがってるみたいだけど――――――あれ?我慢できな―――」

 

 麦野の言葉の途中だった。

 浜面は拳銃の引き金を引いた。しかし麦野に当たることはなかった。弾丸は、壁の一方―――強化ガラスを粉々に砕く。

 それをみて、恐怖でおかしくなって遮蔽物から出てきた、と思ったのか、麦野の笑顔は更に凶悪なものになる。は、それが狙いだったのだ。

 浜面の表情は変わらない。

 弾丸を浴びて砕け散ったガラスは、操作室の内側に雪崩れ込む。当然、それは操作パネルの上にも降り注いだ。様々なボタンが乱雑に押され、『装置』に命令を送ってしまう。

 ゴウン、と低い音が響き渡った。

 麦野は言葉を切って、『ん?』という顔で振り向いて、周囲の壁に取り付けられたエアコンの送風口が蠢いているのを発見する。そのすきに、浜面はコクピットの中により深く、潜り込む。必要最低限の計器を取り除いたのだろう、たった一つだけポツン、とあるボタンを押すと、半開きだったガラスの防風が完全に閉まり、コクピットが密閉される。

 漸く、麦野は何かに気付いたようだった。

 彼女の唇が、何かを伝えたそうに動いた。

 

 直後だった。

 コクピットの外がオレンジ色の暴風で埋め尽くされた。

 

 一つの戦いが終わった。

 彼―――浜面は、麦野沈利という少女を切り捨て、滝壺理后という少女を選んだのだ。

 安心の中、浜面は罪悪感で押しつぶされそうになっていた。

 

[06]

 

 『窓のないビル』地下一階。

 設計図にはないはずの空間に、エイワスはいた。生憎、アレイスターはイギリス清教対策としてビーカーからは絶対に出られないので、彼一人だ。そもそも人間であるかが怪しいが、彼、としておく。

 彼が立っているのは、細い足場の上。工事現場などで見かけるむき出しの鉄骨の上にいた。頭上には、覚醒した『オリジン』がいる。細い足場のことなど気にせずに―――興味を持たずに、彼は『オリジン』に話しかける。

 

「やあ、久しいね。どうだい、調子は。五十年も寝てたんだ。体を動かしたいだろう」

 

 返事は、ない。

 それも仕方のない事だろう。『オリジン』の顎は固定されていて、話すどころか、開ける事すら叶わないのだから。

 ただ、返事の代わり、というつもりだろうか、兜に空いた穴から覗く、赤い冷たい目が、エイワスを見下ろしていた。

 

「ただまあ、いつだったか、上条刀夜が―――ああ、そうだ。その上条だ。そして彼のプランの要である上条当麻の父親だ。話を戻そう。彼が起こした大魔術『御使堕し』の影響がまだ取り除かれていなくてね。『外』の人間を使ってどうにかしようと今彼は頑張っているところだ」

 

 ジャラ、と鎖と鎖がぶつかり合う音がした。きっと返事のつもりであろうそれは、当然『オリジン』が出したものである。

 

「第一候補のフィアンマが属性のズレを修正してくれたら、もう貴方は充分一人でそれ(封印)を解けるだろう?」

 

 それに、と付け加え、エイワスは続ける。

 その顔からは、『オリジン』への恐怖が伺えた。

 

「今でもその気になれば、そのくらいの封印は破れるだろうに」

 

()()()()

 

 返事が、あった。

 

 独り言のつもりだったのかもしれない。

 希望的観測だったのかもしれない。

 だが、どちらにせよ、エイワスがそう言った時点で、こうなることは決まっていたのだろう、きっと。

 

 ドッと、汗があふれるような感覚が、エイワスを襲った。言うまでもなく、ただの汗があふれるような、ではなく、冷や汗があふれるような、である。

 何も言えない。何か下手なことを言ったら、エイワスという概念が消えてしまう。そう、エイワスに感じさせる、一言だった。

 

「だが、師としては弟子の成長は見ておきたいんだ。別にいいだろう。しかし…アレイスターめ、また他人に頼るつもりか。いや、まあいいか。やれるだけやってもらおう。それで復活できれば僥倖、という感じかな」

 

 面倒臭そうな、声だった。

 多分、アレイスターの成長を見たいんじゃなくて、強引に復活するのが面倒臭いんだろう、とエイワスに思わせるほどには。

 

 まあ、なにはともあれ。

 これで当分の安全は確保された。

 

 そして、物語は転換を迎える。

 




どうでしたでしょうか。
次回からは第三次世界大戦変です。
どこまでカットするかが悩みどころ。
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