2017年しょっぱなの投稿です。
超暇なので、スキーした後に書きました。
さて、あの酷い第八話からどうなるのか。是非読んでやって下さい。
✳︎1/2 0:02 加筆修正
[14]
その時上条当麻は、偶然にも開けた場所にいて、一部始終を見ることができた。
急に現れる白髪の男性。飛ぶ右腕。舞う血飛沫。響く絶叫。
そのどれもが、にわかには信じられないものだった。
自分を圧倒し、苦しめた存在が、たった一撃で完膚なきまでに叩きのめされたのだから。しかも、その様子を見る限り、叩きのめした側の長い白髪の男性は、全く本気を出していない様だった。
ゾクリ、と。
今更だが、悪寒が体を包む。
「アレは…マジでヤバいですね」
隣にいるレッサーでさえも、そう言う。
魔術結社相当の実力を持つ魔術結社予備軍最強の彼女でさえ、その人間の事を単に『マジでヤバい』としか表現できないほどに、その実力は―――底は計り知れなかった。
「レッサー、逃げるぞ。アレにはどうやったっ―――」
「
その声が、上条の言葉を遮った―――どこから聞こえたかも分からない、その声が。
直後。
世界は赤く染まり。
世界は———いや、この場合は上条の視界は、か———突然真紅の霧に包まれた。原因は何か、と上条が思考を回転させようとした時。
その音は聞こえた。
パキョッ、と。
それに続いて、ブチブチッ、と、何か繊維の様なものが引きちぎられる音がした。
最初はなんの音か分からなかった。だけど、徐々にその音 が自分の近くから聞こえてくるものだ、と分かった。
ズキリ、と。
上条当麻は突然、己の腕に痛みを感じた。
怪我でもしたのかと、そちらを見てみると。
「………………………………は?」
ボトリ、と。
上条当麻の右腕が落ちていた。なんの比喩でもなく。右腕の辺りから、引きちぎられた様に切られ、落ちていた。
手段は分からない。激しい痛みは感じないし、何かが飛んできたという事もない。強いて言うなら、
「…おや、『神殺———幻想殺し』でさえも弾き出そうとするか。少し強くなり過ぎたか」
目の前から、声が聞こえた。
男の声だが、低いという事はなく、しかし高いという事もない、深みを感じさせる声。
それが。
さっきまで誰もいなかった筈の目の前から。
思考が、停止した。
そのせいで、反応が一瞬遅れた。
その一瞬が、致命的だった。
どうしようもなく致命的で、どうしようもなく救いがなかった。
フッと。
浮遊感が上条を襲い。
気付けば。
何か、そう、氷の様なものが、上条を貫いていた———丁度、心臓辺りを。
「jstshsydjdhdhxj帰eywbdidejjsyxdknd」
背後で、何かの声がした。
その声は絶望を思い起こさせ、そして少しだけ悲しさを感じさせた。
[15]
「…おいエイワス。ありゃ何だ」
金髪の怪物に、声がかかる———余計な説明は省くが、その怪物の主人的立ち位置の人間からだ。だから、その怪物は返事をしなければならない。
だが、出来なかった。
ゾッッッッッッッ!!!!と。
人間一人が出せるとは思えないほど濃い殺気が、目の前の人間から放たれていた。
「どうした、返事はないのか」
「ぁ………………………あ、ああ。アレはミーシャ=クロイツェフ、火と風の属性が混じった、大天使の絞りカスみたいなものだ」
二回目の呼びかけで、漸くエイワスは動き出す。———金髪の怪物は知らないが、彼の目の前の男がこれほどの殺気を出した事は、今までに数回しかない。
そしてその殺気を出した時、彼は。
ピキリ、と。
上条双麻の体にヒビが入る音がした。
「それを聞きたかった訳じゃあねえんだが…」
そして。
世界が彼を『死滅の王』と、
「あ、ふ」
呼吸が苦しい。
そう、思った。
でも、確かに、それも仕方がない事なんだろう。
心臓はどっかに飛んでいってしまって、頼みの綱である『幻想殺し』も『ベツレヘムの星』においてきてしまった。
ああ、死にたくない、と。
後悔が止めどなく溢れてくる。
こんな事なら、スフィンクスにエサをあげとけばよかった。
こんな事なら、最後に土御門とか青髪ピアスとかクラスのみんな、あとは御坂に———お別れをしておけばよかった。
こんな事なら、告白でもしとけばよかった。
色々思い浮かんだ。
でも、やっぱり。
一番後悔してることは。
インデックスに、本当の事を話していないことだ。
神々しい光が、差した。
同時に黒と白が混ざった翼が、背中から生えた。
すっと手を上げた。
それだけで。
ミシリ、と。
真っ白な顔が歪み、氷の翼が全て砕け散った。
地面に転がっていた心臓は持ち主の元に帰り、元ある場所に戻った。
次に、指を少しだけ動かした。
地は割れ、天は裂け、それを向けられた人型のそれは、左腕の付け根から腰の右側にかけて、ブチっと引き裂かれた。
そして、口が動いた。
「
ふははははー。
驚きましたか?
ええ。書いてる私も驚きました。
さて、次回は『Cum finem』の効果ですね。
次回も楽しみにしててくださいね。
では、今年もよろしくお願いします。