気まぐれな悪魔によるデジタル世界   作:ガルGC

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ちょっと投稿が遅れた。
今回の簡潔的内容紹介
・データ回覧
・選ばれし子供たちとの初戦闘


第4話

 選ばれし子供たちがサーバー大陸に向かうなか、俺は現実の世界に戻り先ほど回収したデビモンのデータを確認していた。

 

「うーむ、思考のデータだけないな」

 

 思考のデータとは、人間で言うところの脳にあたる部分のところだ。ファイル島で回収したデータは体を形成するデータのみで、思考のデータはどこかに飛んで行ったらしい。データの容量自体は多かったので復元する分には問題ないが、思考のデータがないため人形と同じようになってしまう。それじゃ戦闘もすることはできないのでデビモンの復元は今のところ断念だな。

 

「まったく、デビモンの復元はできないのか」

 

 即戦力になりそうだったのになー。

 

『おいおい、俺たちじゃもの足りないって言うのかよ?それって酷くないか!?』

 

『そんなことを言うのは、あまりよくありませんよ?マスターに失礼です』

 

『我は口を挟まん』

 

『…………』

 

『お前は何か言えよ!』

 

 部屋に響く五つの声。

 その声の主たちは、部屋の中ではなくデジヴァイスの中から発せられていた。それはこの前復元させたデジモンたちである。

 

『大体よ、俺たちは戦うために生まれてたんだろ!早く戦わせろよゴラァ!』

 

『ちょ、ちょっとちょっと!?ここでそんなに怒っても、戦えるわけではないでしょ。ここはマスターの指令があるまで大人しく待つのが―――』

 

『だぁぁぁぁまらっしゃい、このペタンペタン野郎!』

 

『ペタンペタン野郎!?なんですかそれは!いくらなんでも怒りますよ?』

 

 さっきから犬猿の仲のように離しているこの二体は、口調が乱暴であるのがコマンドラモンで、紳士的に対応しているのがベタモン(X抗体、以降Xとする)である。

 コマンドラモンは凶暴であるティラノモンとグレイモンのデータを混ぜたせいか、かなり性格が凶暴になってしまった。

 ベタモン(X)の方はシードラモン自体が大人しいデジモンであったためコマンドラモンとは正反対な紳士的な性格。

 

『『…………』』

 

『おい、お前らは少しは話すようにしろよ。ベタモン(X)とコマンドラモンがさっきから言い争っているのに何でお前らはこんなにも物静かなんだよ』

 

『我、汝と話すことなし』

 

『いやいやいやいや、何で?話すことは色々あるだろ。今後のこととか、これからどう連携とるかあるだろ?』

 

『汝よ』

 

『ん?なんだよ』

 

『ウザし』

 

『唐突に何だよ!』

 

『…………(笑)』

 

『お前はコッソリ笑うんじゃねぇよ!』

 

 次に、我や汝と言っているのはモノクロモンのデータから復元したゴツモン(X)。元々が堅いデジモンだった所為か何故か堅物な性格に。

 そして一番言葉を発していないのはカブテリモンのデータを圧縮し復元したのはコカブテリモン。圧縮した分この中では一番のパワーを持っているが口数が少なく、滅多に話さない。

 最後にゴツモン(X)とコカブテリモンに声を掛けているのはコクワモン(X)。クワガーモンのデータから復元した。性格はこのメンバーの中ではかなりまともで、主にゴツモン(X)とコカブテリモンへのツッコミ役が殆どである。

 皆、俺がXプログラムを核として新しく作り上げたデジモンたちだ。

 まぁとりあえず。

 

「お前ら、少しは静かにしろ」

 

『あぁあ!?俺は静かにしろだと!俺は早く戦いたいんだよ!!』

 

『コマンドラモンさん!?マスターに銃口を向けないでください!』

 

『我、コマンドラモンに同意する』

 

『…………(コク、コク)』

 

『同意したいならお前も声出せよ!』

 

 コマンドラモンよ、デジヴァイス内にいるお前が俺に発砲しても当らんぞ。

 

「ま、安心しておけコマンドラモン。もうすぐ戦闘できるからな」

 

『マジかよ!?シャッハー、テンション上がるぜぇ!!』

 

『や、やめてコマンドラモンさん!僕、四足歩行だから避けにくいんですよ!?』

 

『我、汝の攻撃は効かぬ』

 

『…………(コク、コク)』

 

『俺は体が機械だから』

 

『私だけピンチ!?』

 

 コカブテリモンの体も硬いからな。コマンドラモンの銃撃は効かないか。

 

「たく、お前らは……」

 

 個体としては強いのだが、どうにも全体の仲が微妙だな。

 マウスを動かし、パソコンの画面に選ばれし子供たちがいるデジタルワールドの映像を映し出す。そこに映るはサーバ大陸の砂漠地帯を歩く九人の選ばれし子供たちが映っていた。

 

「さーて、一度挨拶でもしてこようかね」

 

 俺は笑みを浮かべながら、そう呟いた。

 

 

 

* * * * * * * *

 

 

 

 荒喜操練がパソコンを通じて選ばれし子供たちを眺めててからしばらく。

 選ばれし子供たちはサーバー大陸に着いてそうそう、エテモンによる奇襲に遭っていた。エテモンによる奇襲を何とか逃げ切ることができた選ばれし子供たちはその途中で太一の紋章、勇気の紋章を手に入れることができた。

 

「何だ何だ、みんなしっかりしろよ。俺たちには紋章があるだろ」

 

 ゆえに、選ばれし子供たちの中で唯一紋章を手に入れた太一は慢心していた。

 

「太一、あまり張り切るな」

 

「竜二、何言ってるんだよ。俺には紋章があるから平気だよ」

 

「だからって……」

 

 転生者である上家竜二は、これから起きるスカルグレイモンのイベントをなんとか回避させようと思っての発言だったのだが。再び口を開けようとしたところ、突然肩に置かれた手に竜二は口を開くのを止めた。

 

(竜二、それ以上はいけない)

 

(かすみ)……)

 

 竜二の肩に手を乗せたのは、もう一人の選ばし子供であり転生者の霞だった。

 竜二と霞はお互いに原作の知識を持っているため普段は原作通りに行動しているが、竜二が原作のシリアス部分を回避させようとすると決まって霞が邪魔する。

 

(原作は、原作。わたしたちは神たちによって新しい命を貰ったんだから、無理に話を変えようとしないで)

 

(わかっている。だけどな俺は太一の親友として、あまり辛い思いをさせたくないんだよ)

 

(それは貴方が勝手にやったことよ。本来は親友でなければ、赤の他人だから)

 

(だけど……!)

 

 竜二と霞は互いに譲らない。

 だが、二人の心配した出来事が突如として起きた。

 

「な、なんだ!?」

 

 聞こえたのは太一の声。

 その声を聴いた竜二と霞は突然の異変に一瞬驚くが、すぐに冷静になる。

 

「どうした、太一!」

 

「竜二、目の前に何か落っこちてきたんだよ」

 

「落っこちた?」

 

 なんだそれは。原作にそんな話はなかったぞ。竜二は太一の視線の先を追うと、太一の言うとおり目の前に何かがあるが、砂煙が発生して前が見えないでいた。やがて砂煙は晴れると、そこには一つの巨大な岩があった。

 

「い、隕石でも降ってきたのか」

 

「それにしては大きいですよ」

 

 それを見た丈さんや光子郎は思い思いに声を上げたが、あれが隕石としては大きすぎるし、原作にこんなイベントはなかった。それにここはデジタルワールドであるため、これが本当に隕石であるかわからない。

 だとしたら、あれはデジモンである可能性が高い。

 そこまで思考した時、岩に異変が起きた。

 

「我、汝らの相手をせん」

 

「しゃ、しゃべった!?」

 

 岩が声を発したことに驚く選ばれし子供たち。

 そして、岩はそのまま自身の体ほどある石を投げていきなり襲いかかった。

 

「!いけ、ドルモン。みんなを守れ!」

 

「メタルキャノン!」

 

 すぐに反応したのは竜二だ。

 ドルモンは竜二の指示で岩のデジモンに、必殺技の”メタルキャノン”を複数放つ。メタルキャノンで投げられた石を全て破壊し、そのまま岩のデジモンにも命中させた。だが、メタルキャノンの直撃を受けたはずの岩のデジモンはその体に傷一つ付けていなかった。

 

「なに!?」

 

「我、汝の攻撃は効かぬ」

 

 岩のデジモンは何事もなかったように言った。

 

「レイジロック」

 

 岩のデジモンは両手の間に自身の体より岩を形成すると、その岩を太一に向けて放った。太一に迫る巨大な岩。太一のピンチにデジヴァイスが輝き、アグモンがグレイモンに進化した。

 

「ふんっ!」

 

 グレイモンは岩のデジモンが放った岩を両手を使い受け止めた。

 

「いいぞ、グレイモン!反撃だ!」

 

 太一の指示でグレイモンは手に持つ岩を投げ返した。流石に自身の攻撃は効いたのか岩のデジモンはのけ反った。その隙を見逃さまいと、グレイモンはすかさず必殺技を畳み掛ける。

 

「メガフレイ――がっ!」

 

「グレイモン!」

 

 メガフレイムが放たれる瞬間。グレイモンの体が爆発した。

 

「シャッハハハハハーッ!図体デカいから全弾命中したぜ!!」

 

「………だれ!」

 

 霞がそう返した時には、声の主は姿を現していた。

 手には銃を持ち、体には防弾チョッキとヘルメットを被っている。体の色は完全に迷彩だが姿形はどう見てもアグモンだ。

 

「あれって、アグモン?」

 

「だぁぁれが、アグモンだ。俺はコマンドラモン様よ!」

 

「コ、コマンドラモン?どう見たってアグモンじゃないか」

 

「うるせぇぞ、このガリメガネ雰囲気野郎!」

 

「どぉわ!」

 

 丈の足もとにコマンドラモンが発砲した。

 

「コマンドラモン。どうして私たちを襲うのよ」

 

「あぁ?それは命令があったからに決まってるだろ」

 

「命令って、お前。さてはエテモンの仲間か!」

 

 俺たちを問答無用に攻撃してきたことっては、それはエテモンの指示による可能性が高いのはわかる。が、竜二や霞はその可能性を否定していた。自分たちが転生したことで多少話が変わるのは重々承知していたが、それはあくまでもデジモンアドベンチャーという作品内での話。コマンドラモンというデジモンは登場していない。だとすると、コマンドラモンに命令をしたのはイレギュラーの存在かもしれない。

 

「エテモン?知らねぇよ、そんなデジモン」

 

 コマンドラモンの答えは竜二や霞の予想通り、エテモンの命令ではなかった。

 

「とりあえず、俺がすることは――――テメェら全員、倒すことだよ!行くぜ、ゴツモン(X)!」

 

「我、了解した」

 

 コマンドラモンは再び発砲し、ゴツモン(X)と呼ばれる岩のデジモンも攻撃を再開した。転生者は岩のデジモンがゴツモン(X)と呼ばれたことに多少の驚きもしつつも今は自分の身を守ることを優先した。選ばれし子供たちはそれぞれ(タケルを除く)自分のパートナーデジモンを進化させる。ガブモンはガルルモン、テントモンはカブテリモン、ピヨモンはバードラモン、ゴマモンはイッカクモン、パルモンはトゲモン。ドルモンはドルガモンに進化した。

 霞のパートナーのルナモンもレキスモンに進化する。

 

「いって、レキスモン」

 

「ガルルモン、お前も続け!」

 

 遠距離から攻撃するコマンドラモンにはレキスモンとガルルモンの素早いデジモンが相手をすることにした。レキスモンとガルルモンは、自慢の脚力でコマンドラモンとの差を一気に埋める。

 

「喰らえ、フォックスファイヤー!」

 

「ティアーアロー!」

 

 ガルルモンは口から青い炎、レキスモンは腕から光の矢をそれぞれコマンドラモンに放った。が、コマンドラモンに当る直前に二つの攻撃は消えてしまった。

 おかしい。コマンドラモンにそんな技があるわけない。

 パッと見た感じ、あれは軍人そのもの。銃や手榴弾を身に付けている点から、あのデジモンは射撃戦を重視している筈。なら、あの攻撃は?

 次の瞬間、コマンドラモンによる手榴弾がガルルモンに襲った。爆発による余波を受けたレキスモンはコマンドラモンによる攻撃を受けてしまう。二体は体勢を立て直すためコマンドラモンと距離を置く。

 だが、コマンドラモンとの距離を取った瞬間、二体に再び衝撃が襲い掛かった。

 コマンドラモンによる攻撃じゃない。

 新しい敵がまた現れた。

 しかも現れたのはデジモンだけではない、黒い服を着た子供と思わしき人間も一緒に現れたのだ。

 無論、知らない人間。原作にも存在しない人間だ。

 

「いててて……コクワモン(X)め、下手に落としやがったな」

 

「マスター、それは貴方の運動能力が低いから着地に失敗しただけです」

 

 位置が遠くて会話が聞こえないが、隣のデジモンはおそらく彼のパートナーデジモンだろうか。

 

「あれは、人間か?」

 

「見た限りそうみたいですが、油断しない方がいいみたいです」

 

 人間だからと言ってもあれが味方であるかわからない。それに、原作に存在しない人物ということは転生者かイレギュラー、そのどちらかの筈。前者であるならまだ事情を話せばらくであるが、後者であるなら非常に厄介だ。

 ならば、簡潔に相手に聞いてみればわかるかも知れない。

 ガルルモンとレキスモンはすでに体勢を立ち直して、コマンドラモンと向き合っている。

 だから、私は彼に聞くことにした。

 

「ねぇ、聞こえてる」

 

「ん?」

 

 聞き返すは黒い服の子供。どうやら声は届いたらしい。

 遠くて分かりにくいが、彼の隣にはベタモンがいた。ベタモンとはまた変わったデジモンをパートナーデジモンにしているが、今はどうでもいい。

 私が聞きたいことは。

 

「貴方は敵、それとも味方?」

 

「俺が敵か、味方か?そうだな――――」

 

 あまり状況を読めていないのか、一度周りをきょろきょろと見渡す。

 動きからして初心者か、彼はおそらく初めて転生されたというところか。だとしたら答えはおのずと”味方”と答えてくれる。彼は私たちと同じ側に入ることになる、すでに私を含めてもう一人いるから今更一人増えたところで対して変わらない。

 

「――――俺は、敵だ」

 

 …………え?

 

「コマンドラモン、ベタモン(X)。お前たちは目の前にいるデジモンを相手にしろ。コクワモン(X)、お前はゴツモン(X)のところに向え。コカブテリモンがすでに援護している、加わってやれ。場合によっては例のプログラムを使っても構わないとゴツモン(X)に伝えろ」

 

「了解!」

 

 霞たちの頭上に飛んでいたコクワモン(X)は返事をし、ゴツモン(X)がいる場所へものすごい速さで飛んでいく。太一たちのところからより激しい戦闘音がこちらまで届く。向こうも苦戦しているようだ。

 

「さて、と」

 

 黒服の少年はヤマトと霞に振り返った。

 

「相手してやるぜ、ガキども。心してかからないと――――すぐに死ぬぞ?」

 

 お前だってガキじゃないか……!

 霞は心のそこで思いながら、向かってくるコマンドラモンとベタモンをヤマトと共に迎え撃つ。

 

 

 




てなわけで、後半に続く。

…………後半で終わればいいな。
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