「そういえば荒喜、俺たちはこれから何をやりに行くんだ」
クワガーモン(X)に進化しているコクワモン(X)が背中に乗っている俺に尋ねる。マンモンがいると思われる渓谷に行くためには、歩いていくには困難なためこうしてクワガーモン(X)に乗って移動している。ま、正直に言えば歩いて行くのが面倒だっただけだ。
ちなみに、他のデジモンたちはデジヴァイスの中に待機している。
「マンモンを狩りに行く」
「マンモン? ………ああ、あの毛むくじゃらのデジモンか」
毛むくじゃら……まぁ、合ってるけども。
「確か完全体か? 別にマンモン以外の完全体でもいいんじゃないのか?」
「デジモンというのは進化をすればするほど強くなる。つまり、進化しているデジモンはそれだけでデータの質が良くなる。
その中でもマンモンのデータは完全体の中ではかなり良質だ。サイズが大きい上に集団で行動する……下手に他の完全体を探すよりも、マンモンを探す方が楽なんだよ」
「そうなのか?」
「そうなんだよ」
クワガーモン(X)とそんなやり取りをしているうちに目的地に到着した。
さて、目的のマンモンはどこかな……? …………おっ、いたいた。
てか、
「思ってたより数が多いな」
数十規模のものだと思っていたが、あれは数百規模ぐらいか?
これは予想外、嬉しい意味で。
あれだけいればデータが……! やばい、テンションが上がる!!
「うぁ……、荒喜が笑ってる」
『興奮しやがると相変わらず変な顔になりやがるなっ!』
『その顔は下品ですよ、マスター』
『汝よ、早めにやめた方が己のためだぞ』
『…………』
「おい、どうして俺の顔を見て引いているんだよ」
皆して俺のいい顔を否定しやがって。
そしてコカブテリモン、お前は何か言え!
* * * * * * * *
「シャーーーーハッハハハハハハハハハハハハハッ!! 雑魚は死にやがれ!」
「我の進行、止められん」
「………………」
「だからお前も何か言おうぜ!?」
シールズドラモン、モノクロモン(X)、ブレイドクワガーモン、クワガーモン(X)の四体がマンモンの集団に攻撃を仕掛ける。
シールズドラモンはまず”スカウターモノアイ”でマンモンたちの急所を探した。だが、自分たちに近づいてくるデジモンにマンモンは、素早く気づいた。
マンモンとは遥か昔から存在している古代デジモンの一種だ。太古のデジモンであるマンモンは他のデジモンと違い太古の力を授かっている。その一つがマンモン仮面に刻まれている紋章だ。この紋章には遥か見通す、千里眼の力が備わっている。それに、マンモンの巨大な耳は遠くの物音も聞きもらさない。ゆえに、マンモンというデジモンとは無類の強さを発揮する。現に、マンモンは近づいたシールズドラモンの姿を逸早く発見することができたのだ。マンモンはシールズドラモンの動きを千里眼の力で感じ取る。鼻の横に生えている二本の巨大な牙で相手を串刺しにする必殺技”タスクストライク”、二本の牙がシールズドラモンの姿に重なり、そして―――
「――――――おせぇよ!」
シールズドラモンのナイフが二本の牙を切り落とし、一体のマンモンを消滅させた。
『!?』
仲間が一瞬でやられたことで、マンモン達が動揺する。
その隙を逃すほどシールズドラモンや他のデジモンたちが逃すはずもない。
シールズドラモンは自身の必殺技ですでにマンモン達の弱点は見抜いている。シールズドラモンの戦法というのは基本的にはヒット&ウェイだ。相手の動きを読み、急所に一撃を与える戦いだ。たとえ完全体のマンモンであろうとシールズドラモンには追いつけない。追いつけれないということは、シールズドラモンの動きを止めることはできないということだ。
他のデジモンでも同じことが言える。
モノクロモン(X)は他と比べ素早く移動することができずサイズも大きい。だがその代り、モノクロモン(X)には圧倒的な防御力がある。例え完全体であるマンモンの攻撃であろうとも傷一つ付かない。
クワガーモン(X)とブレイドクワガーモンも同上だ。
本来デジモンというのはそれぞれ長所と短所というのが存在するが、実は殆どのデジモンは±零のバランス型と言える。
マンモンで例えるとしよう、マンモンの長所は千里眼の力、短所は機動力だ。人が弱点を補うように、生物も同じように弱点を補う長所というものがある。短所である機動力は長所である千里眼の力で補うことができる。つまり短所である-の機動力は+である千里眼の力で±零となる。つまり、俺から言わせればバランス型だと言える。
対して俺のデジモンたちは違う。
俺のデジモンたちはXプログラムの影響もあって本来のデジモンとはステータスが違う。先ほど述べたようにデジモンはバランス型だ、これを変えることは難しい。しかし、Xプログラムを組み込んだ俺のデジモンたちは同じバランス型でも中身が違う。簡潔に述べると……結果が同じであるならば、途中を弄っても問題ないだろうと考えた。1-1=0を10-10=0にするように、+の長所をより強くし、-の短所をより弱くする。こうすることで、俺のデジモンの長所が伸びる。ゆえに、成熟期であるシールズドラモンたちでも完全体を倒すことは可能となる。
逆に短所をより弱くしたこと弱点を突かれるとかなりの痛手となる。例えばこの前、レキスモンがシールズドラモンに一撃を与えた時だ。本来のシールズドラモン、ここで述べている本来というのは通常のシールズドラモンのことだ。Xプログラム使用していないシールズドラモンであったならばレキスモンの一撃を耐えることはできた。しかし、Xプログラムでステータスを弄られたシールズドラモンは攻撃力と機動力を上げた変わり、防御力がものすごく引くい。だからシールズドラモンの戦い方はヒット&ウェイという戦法になっている。
ちなみに、他のデジモンたちではモノクロモン(X)は機動力、ブレイドクワガーモン、クワガーモン(X)共に防御力が本来の時よりも低くなっている。
「デスピハインド!」
「ヴォルケーノストライク!」
「…………」
「だからお前も言えっての!? シザーアームズ!」
シールズドラモンのナイフがマンモンの体を切り裂き。
モノクロモン(X)の炎弾がマンモンを燃やし。
ブレイドクワガーモンの放つ空気の刃”エアーナイフ”がマンモンに突き刺さり。
クワガーモン(X)のハサミがマンモンの体を切断する。
この調子ならすぐに終わるだろう。
残りのマンモンの数もだいぶ少なくなってきた。
それと、ベタモン(X)は戦闘に参加していない。理由? 邪魔だからに決まっているだろう? それ以外に何か?
『うぅ……、どうせ僕なんて、どうせ僕なんて…………』
「あー……ベタモン(X)?」
『どうせ……水の中でしか僕は役立たないんだ、しかも水のある場所の筈なのに水が殆どないなんて……酷い………酷い……………あんまりだ』
「…………」
なんだろう、掛ける言葉が見つからない。
……しかたがない、放っておこう。
視線をベタモン(X)の入っているデジヴァイスから視線を変える……ん?
マンモンの動きが変わり出した? さっきまでバラバラだった動きに統一性が見える。これらの動きは何かしらの指示がない限り自然界では起きないような動きだ。それをマンモンがしだしたということは、ようやくか。
「おい、さがれ」
「あぁぁあああ!? 何でだよ!」
「む、主よ説明を求める」
「…………」
「だから何か言えよ!?」
「どうやら……敵のボスが出てきたようだ」
俺の言葉にシールズドラモンたちが辺りを警戒する。
するとタイミングを計ってたようにマンモンたちが左右に道を開け、その奥から、マンモンたちのボスが現れる。
「……おいおい、マジかよ」
俺は目の前に現れたデジモンに呆れた声しか出なかった。
何故なら―――
「愚かなる人間よ、我が仲間にこれ以上手を出すのであれば――――貴様を葬り去ってくれよう!」
マンモンたちの長。
マンモンすらも超える巨体に、全身を覆うようにして生える太い骨。
生えている牙はそこいらのデジモンは一突きで葬れる禍々しさを感じる。
マンモンたちの長、スカルマンモン。
完全体を越えた―――究極体デジモンだ。
いつもよりちょい短いけどいいよね?
今回は割と時間があったので早めに投稿することができました。
就活が来年度から始まるのでもう時間がない!
現実が厳しいのが現状です。
今更ながら補足説明
作者はいろいろとデジモンについてあれこれ書いてありますが殆どが「こんなんだろうな~……」と思って書いたので本当のことではないですよ?