「え?」急に意識が覚醒したかと思うと、いつの間にか先程見ていた部屋の中に居た。
辺りを見渡すと生活感がある部屋であった。その部屋のベットに一体のF型のアンドロイドが横たわっていた。埃の無い部屋でまるで眠っているように。
「こんな所にアンドロイド・・・?」と首を傾げつつも近づいていく。
そして、気がつけば手を伸ばせる位置にいた。そのまま見るだけに留まれば良かったのだが、ハルキは手を伸ばして
System Reboot Please waiting ・・・ System Restart・・・ Warning! Memory Corruption・・・ Retry・・・ OK! Restart Sequence Complete!
そう、システム音が聞こえたかと思うとその子が起動した。
「おはようございます。
「え?ファーストロット!?何でこんな所に!」とハルキは驚いた。と、同時に
External Connection Mainmemory No.7,No.13・・・No.16・・・Error can not be solved.
Release Memory Leak Resolution! ReLoading・・・OK!
「え。」と今まで見たことのない記憶が流れ込んできた。いや、閉ざされていた記憶が開かれたと言った方が正しい。
「み、ミサキ姉ちゃん・・・?」と声を掛ける。
「は、ハル・・・君?ハル君なの?」と先程起き上ったアンドロイドは声を発した。
しかし、次の瞬間
「あー、ハル君だ!もう、どこ行ってたの!探したんだよ!」と熱烈なタックルをかまされた。
「ちょ、あぶ――グボ!!」と突然のタックルを避けきれなかったハルキは突き飛ばされる。
「ハル君、ハル君、ハル君!」とハルキがミサキと呼んだアンドロイドは離れようとしない。
先程の騒ぎを聞きつけてか、クルミさんが駆けつけて来た。
「ちょっと、ハルキ君この部屋は・・・って、ミサキお姉ちゃん!?」クルミさんは飛び込んでくるも、ミサキの存在を確認すると、とても驚いた。
「あ、クルミちゃん、どうしたの~?そんなに驚いて...まるで、お化けを見てるみたいだよ。」とそうクルミを見てミサキは笑う。
「うそ、そんな・・・博士も無理だって言ってたのに。一体どうして。」そう言うとすぐに戻って行った。
「え、この状況をどうにか――わっぷ。ちょっとどいて。誰か助けて!」とハルキの助けを求める声は聞き届けられることはしばらくなかった。
――――――
「そんな、馬鹿な・・・」とクルミさんが倉島博士を連れて戻ってくるとミサキを見た博士はそう漏らした。
「何が馬鹿なの博士?変なこと言うのね。」とミサキは答える。
「ね、だから言ったでしょ。ミサキお姉ちゃんが起きたって。で、どうするの?」と倉島博士にクルミさんは問いかける。
「ひとまず、考える時間が欲しい、ミサキの事はクルミとミライに任せるよ。」とクルミさんに倉島博士はそう言うとハルキの方を向いた。
「すまないね、こんなに慌ただしい所を見せてしまって。」と博士は何故か謝罪から入った。
「い、いえ。とんでもありません。こちらこそ勝手に入り込んでしまって。あまつさえ、不用意な行動で博士を困らせる様な事を・・・」とハルキの方も謝った。
「いや、それに関しては感謝しているよ、何せミサキは・・・いや、今はよそう。」と倉島博士は言かけたが首を振り言うのをとどまった。
「は、はあ。それで、メンテは後日になりそうですかね。」とハルキは言ったが
「いや、一応この状態では仕事も満足にこなせなくてね。君のメンテナンスをして気分転換をする事にするよ。さ、来たまえ。ええっと・・・」と倉島博士は苦笑いすると、
「あ、はい。ハルキです。第12世代M型code;tw16913です。」とハルキは答えた。
「・・・ハルキ君か・・・これは、偶然か・・・?」と倉島博士は呟いたまま考え込む。
「あ、あの、博士、倉島博士!」とハルキは倉島博士に呼びかける。
「あ、ああ。すまない、少々考え事をしていた。」と倉島博士は答えた。
「博士今日はやはり、止めておいた方がいいのでは?」とハルキが問いかけるが、
「いや、大丈夫だ。っと、code;tw16913だったね。」とそう言い打ち込んでいく。
「はい、code;tw16913です。」
「ん、ふむ。・・・な、ん・・・いや。ええっと。確かに報告通り、メモリが少し・・・成程、メインメモリの1番~5番を換装しよう。そうすればこの問題も無くなるだろう。じゃ、そこに寝てくれないかい?」そう言うと倉島博士は診察台の様な場所を指差した。
「はい、わかりました。」そう言いハルキは台の上に寝た。
「じゃ、一回シャットダウンしてくれないかい?電源はこちらで入れるから。」そう言い台に寝たままシャットダウンを行った。
System Shutdown・・・ Save・・・OK!Power Off
「さて、換装作業を始めよう。」と一人になった倉島博士は作業を始めた。
「おや?いや、そんなはずは無いか・・・。」
――――――――
「ねえ、ハル君!ハル君!?しっかりして!」と悲痛な叫びが聞こえた。
「ミサキ姉ちゃん・・・僕は大丈夫だからさ・・・」とそう言ったボクの声は弱々しかった。
「ハル君!?ハル君!誰か・・・誰か!!」ミサキノの悲痛な叫びを最後にボクの記憶は途絶えた。
――――――――
Power On System Starting・・・OK! Load Complete! Hello!
「こんにちは。第12世代アンドロイドcode;16913起動します。」とハルキは起動した。
「やあ、ハルキ君調子はどうだい?」と目を開けると倉島博士が視界に入った。
「各種接続、デバイスの確認をしています。今しばらくお待ちください・・・。」感情の
「おや、まだ起動作業中だったか。」と苦笑いを浮かべる。
すると、間もなくして
「倉島博士ありがとうございました。」とハルキは感謝の言葉を言った。
「いや、礼には及ばんよ。これも、責任の内だ。」と言われた。
「博士、今いいですか?」と一人女の子が入って来た。
「ああ、構わないよ、ミライ。どうした?ミサキに何かあったか?」と問いかける。
「いえ、ただ、ハルキさんに会いたいあいたいとうるさくて手に負えないのです。私たちではどうにもなりません。」とちらっとミライと言われたアンドロイドはハルキを見た。
「はあ、すまないがハルキ君。少し付き合ってもらえないだろうか・・・?」と若干疲れ顔の倉島博士がハルキを見て言った。
「はい。」ハルキにはここで断ると言う選択肢は浮かばなかった。
「では、向かうとしよう。REI後は頼んでいいかな?」とモニターの方へ博士が声を掛けると
「はい、後の事は開発code;REIにお任せ下さい。」と女の人の声がした。
「ああ、REIはね、ここで作られたアンドロイドの統括システムなんだ。他にも色々仕事を任せているAIだ。」と倉島博士は紹介してくれた。
「そうだったんですか。」
「さ、急がないとミサキに何を言われるかわからないからな。」とそう言い向かった。
「行ってらっしゃいませ。」そうREIの言葉に見送られ研究室を後にした。
その後ハルキは案の定ミサキに捕まり、日を跨いで帰る事になったのは別の話。
―――――――
その日の夜
真っ暗な研究室のモニタが突然点いた。すると、
初期ロットのcode;01ミサキが再起動、現在不具合もなく稼働している模様。これは完全に予想された計画とは外れた物である。また、これには第12世代code;tw16913ハルキが関係していると思われる。該当のアンドロイドに関して検索・・・該当なし・・・再度条件を変えて検索・・・ヒット。該当164件・・・なお該当にアンドロイドではなく人間が検索に該当、これを検証中...検証の結果イレギュラーとして認定。今後の対処を考える必要がある。現状は維持の方向で行動するものとする
――――第18次レポート 作成者・開発code;REI
そうして、また再び研究室に暗闇が訪れる。